離婚時に住宅ローンが残っているときに確認することは?注意点も解説

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結婚を機にマイホームを購入したという方は多いと思います。しかし、住宅ローンの返済中に離婚することになった場合、残りのローンの返済責任はどのようになるのでしょうか?

一般的には離婚のタイミングで家を売るか、どちらか一方が住み続けることになりますが、判断する前に確認しておくべきことがいくつかあります。住宅ローンや名義に関する注意点を解説していきましょう。

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離婚時に住宅ローンについて確認すること

離婚するときに住宅ローンが残っているときの対処法

離婚することが決まったご夫婦のなかには、住宅ローンの返済がまだ残っているという方も多くいます。夫婦で数十年かけて返済していく予定で借りたローンも、離婚すると今まで通り返済していくことは難しいですよね。

まずは住宅ローンが残っている状態で離婚する際に確認しておくべき3つのことを解説します。

住宅ローンの名義・残高

はじめに確認すべきなのは住宅ローンの債務者が誰で、いくら残っているのかです。

ローンの名義人についてですが、パターンとしては、「夫の単独名義」、「夫の単独名義で妻が連帯保証人」、「妻の単独名義で夫が連帯保証人」、「夫婦共同名義の連帯債務、または夫婦がそれぞれ住宅ローンを組むペアローン(お互いに連帯保証人になっている)」の4つがあります。ご自身の状況がどうなっているのか、住宅ローンを契約した金融機関に確認をしてみましょう。書類が手元にあるようなら、「住宅ローン関連の契約書」等で確認できます。

次に、ローンがいくら残っているのか(=残債)の確認です。家を売った後にローンが残るのか、ローンを完済できるのか判断する必要があるため、残債を把握しておくことはとても重要です。

延滞がなければ償還予定表(しょうかんよていひょう)で確認できますが、手元にない場合は再発行をすることも可能です。

現在の家の価値

売却するにせよしないにせよ、今の家の価格がいくらなのか知ることもとても重要です。

基本的に、不動産の価値は築年数が経過するにつれて低下していきます。4000万円で購入した新築マンションも、10年後には3000万円程度の価値になっているというのもよくあること。

たとえ売却したいと思っていても、売却金額でローンが完済できないと抵当権を外すことができません。抵当権が外せなければ売却が出来ないため、預貯金から残りの返済額を補う必要があります。

そういった状況まで想定するために、売却するか決める前にまず不動産会社に査定してもらうようにしましょう。そのときのポイントは、1社ではなく複数の不動産会社に査定してもらうことです。

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アンダーローンかオーバーローンか

住宅ローンが残っている状態で離婚するときに考えられる選択肢は、大きく分けて以下の2つです。


 

  • 家を売却してローンの返済に充てる
  • どちらかが住み続けて、ローンの返済を継続する

 


家を売るかどうかは、ローンの残債額の大きさと、査定した結果の家の価格を比べて判断しましょう。

家の価格がローン残債を上回っている状態をアンダーローン、ローンの残債の方が高くなっている状態をオーバーローンといいます。

売却金額でローンが完済できる(アンダーローン)のであれば売却した方がきれいに1/2ずつ清算できて、後々のトラブルにもなりにくいのでおすすめです。一方、オーバーローンの場合は売却してもローンが残ってしまうため、金融機関に抵当権を外してもらえず、売却自体ができなくなってしまう可能性もあります、

次の章からは家を売る場合と、売らずに一方が住み続ける場合について解説していきます。

離婚時に家を売却するとき

家を売る際にはアンダーローンかオーバーローンかによって対応が変わります。

アンダーローンの場合

ローン残債よりも売却額が高くなる「アンダーローン」の場合、住宅ローンを完済してしまえばその後の経済的負担もなくなるので、当然これが理想的なパターンと言えるでしょう。

家を売却したお金を住宅ローンの返済に充て、余ったお金は財産分与の対象として夫婦で分けることができます。

オーバーローンの場合

売却額よりもローン残債が多い「オーバーローン」の場合はどうなるのでしょうか?

不動産を売却するときには、住宅ローンを完済して抵当権を外す必要があります。すなわち、買い手が見つかってもローンが残っている状態では抵当権を外すことができず、基本的に売却することはできません。

たとえば売却額と住宅ローンの差分が300万円ほどであった場合、300万円を預貯金で支払うことができれば売却は可能です。

 

オーバーローンになりそうであったとしても、1社しか査定をしていないのであれば、一括査定サイトでもう一度査定を依頼してみてはいかがでしょうか。
複数の不動産会社の査定額を比較することで、相場より安い価格で売却してしまった、という失敗がなくなり、結果として最初の査定額より高く売却できる可能性もあります。

共有名義の家を売却する際の注意点

共働きの夫婦の場合、ペアローンなど共有名義で住宅ローンを組んでいるケースもあるかと思います。

その際の注意点として覚えておいてほしいのは、共有名義の家を売却するには共有者の同意が必要になることです。

片方の意思で売却することはできないため、たとえば夫は売却して清算したいと思っていても妻が納得せずに住み続けて話が進まない……なんていうこともよくあります。また、ローンを完済したあとに売りたいと思っても不動産が共有名義のままであれば同じく共有者の同意が必要です。

離婚後にまた連絡をとって同意をもらうとなるとトラブルにつながる可能性もあるため、売却するのであれば速やかに売却手続きを進めましょう。

売却せずに一方が住み続けるとき

続いて、どちらか一方の名義でローンを組んでいる場合の対応について解説します。

ここでは一般的に多いケースとして、夫名義で住宅ローンを組んでいると仮定して話を進めます。

夫(名義人)が住み続ける場合

離婚後、ローンの名義人がそのまま住宅に住み続けるケースは、言ってみれば最も分かりやすいパターンと考えられます。持ち家のローンを名義人が自分で払い続けるのと同じであり、配偶者とは完全に縁を切って、まったく新しい人生を歩みたいという方に選ばれているようです。

完全な単独名義であれば問題はありません。しかし、夫が契約した住宅ローンの連帯保証人として、妻が指定されている場合は注意が必要です。この場合、夫の返済が滞ると、妻に支払い命令が下ります。連帯保証人になっている場合は、共有名義で住宅ローンを組んでいる場合と同様、妻の名義と連帯保証を外すか、別の親族に変更してもらうなど対応が必要になります。

変更が可能かどうかは金融機関の審査が必要です。

妻(非名義人)が住み続ける場合

就学年齢の子どもがいたり、養育費の受取が難しかったりした場合、離婚後も妻が自宅に住み続け、夫が支払い義務を負うケースも比較的一般的です。

このケースでは、子どもを転校させなくてよい、女性側に離婚後の住まいの心配がないなどのメリットがあります。しかしその反面、夫のローン返済が滞った場合に強制退去になるリスクがあります。また、住宅ローンの名義人が住んでいなければ、住宅ローンの要件に当てはまらず、金利が高いローンに借り換えたり、最悪の場合一括返済を求められる可能性もあります。

よって、離婚前に双方の収入状況について、厳密にシミュレーションし、返済が続けられるかどうか確認しておく必要があります。

もっと詳しく知りたい方は、「離婚時はマンション売却する方が良い?住み続ける?悩むポイントを徹底解説」をご覧ください。

住宅ローンの名義変更はできる?

「住宅ローンを夫名義で契約していたものの、妻と子どもが住み続けることになったので妻に名義人を変更したい」「共有名義だが、夫のみが住み続けるため一方の名義に変更したい」など、離婚に伴い住宅ローンの名義を変更したいという相談はよくあります。

住宅ローン返済中に名義人を変更することはできるのでしょうか?

ローンが残っている状態では難しい

結論から言うと、基本的にはローン返済中に名義人を変更することは難しいでしょう。

金融機関は「名義人がその家に住み続けること」と「毎月返済が可能な安定した収入があること」を前提に住宅ローンを融資しています。つまり、もともとの名義人の収入などを信頼して融資をしているため、新しい名義人にローンを引き継いで返済していく収入がなければ、金融機関は名義変更を認めません。

逆に言えば、新しい名義人が同程度、もしくはそれ以上の収入があり、過去に滞納履歴などもなく十分な信頼に値する場合は相談に応じてもらえる可能性もあります。とはいえハードルは高いことには変わりはないので、名義変更できることを前提に決断することは控え、事前に金融機関に相談してみることをおすすめします。

どうしても変更したいなら借り換えも検討を

どうしても名義変更をしたいのであれば、他の金融機関で住宅ローンを借り換えるという選択肢もあります。

A銀行で住宅ローンを借りている場合、新しくB銀行から住宅ローンを借りてA銀行のローンを完済し、その後B銀行に返済していくことになります。

この場合原則としては、自宅も住宅ローンも住み続ける人の名義となります。安定した収入がある人が名義人となれば借り換えは可能ですが、もし収入がない妻が住み続ける場合などは、借り換えは難しくなります。

また、共有名義の場合は2人の収入を合わせてローンを借りていたものなので、支払う側の経済力が十分でないと単独名義への借り換えは難しくなります。

住宅ローンが返済できない場合は「任意売却」

任意売却に関する説明のイメージ画像

離婚とともに家を売却したいのに、ローン残高が多く残っていて売却が難しい場合はどうすればよいのでしょうか。

預貯金も多くなく、どうしても完済ができそうにないときは、任意売却という選択肢があります。

任意売却とは、住宅ローンが残っている状態でも金融機関の合意を得て家と土地を売却できる方法です。何らかの事情で住宅ローン(借入金)が返済できなくなった場合や、不動産売却後も住宅ローンが残ってしまうことが明らかな場合でも売却することができます。

ただし、金融機関にしてみればリスクを背負うことになるため、なかなか承認が下りない可能性もあると覚えておきましょう。

任意売却について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

任意売却しても大丈夫?メリット・デメリットやよくある4つの質問

任意売却を検討するとしても、損しないために今の家の価値を把握しておくことをおすすめします。

離婚するときの住宅ローンに関する注意点

離婚するときの住宅ローンに関する注意点

そのほかに、住宅ローンに関係することで離婚時に気を付けておくべきポイントをご紹介します。

養育費の支払いがある場合はローンの負担を考慮する

まだ成人していない子どもがいる状態で離婚をする場合、ほとんどのケースでは、夫のほうに養育費支払いの義務が課されます。ただし、養育費に加えて住宅ローンの返済義務も上乗せされるとなると、経済的にも大きな負担になります。

裁判所で使う養育費の算定表では、養育費に住居費も含まれています。そのため裁判所での調停などでは、住宅ローンの返済額を考慮して養育費を減額できる場合があります。

協議離婚であってもローンの返済が滞っては結局トラブルになってしまいます。ローン残債の金額や返済年数、成人するまでの子供たちの年数を考慮して、安心して子育てするために、養育費や住宅ローンをどのように負担するのか、双方でよく検討してみましょう。

トラブル防止のために公正証書を活用しよう

離婚に際して注意すべきことは、話し合いの内容を、必ず公的なかたちで記録しておくということです。これは住宅ローンに限った話ではありません。

離婚時の話し合いでは、養育費や住まいの名義、家財道具の分配など、法的に拘束力を持つ重要な内容を含むものが多くあります。そのため、調停をはさまない円満離婚であっても、必ず公的書類(公正証書)にして文書を記録し、後々のトラブルを防ぐ必要があります。

公正証書を作成したうえで離婚することを「公正証書離婚」といい、協議離婚ではすでに当たり前になりつつあります。公正証書には住宅ローンの支払義務のほか、養育費、財産分与、子どもへの面会日および面会条件、親権などについて明記されています。公正証書に記された条項は、法的に違反するものでない限りは遵守する義務が課され、不履行の場合は強制執行の対象になります

離婚時に話し合ったことを、きちんと公正証書の形で記録しておくことで、養育費などの支払い条件などが法的にも明確になります。なおかつ守らなかった時の罰則が課されるため、仮に訴訟に発展した場合でも有力な武器になります。

もっと詳しく知りたい方は、「【離婚時の財産分与】家の分与で損をしないための秘訣とは?」をご覧ください。

連帯保証人になっている場合は代理を立てるように

妻が連帯保証人や連帯債務者になっている場合、話し合いで夫が今後ローンを支払うことになったとしても、金融機関に対しての妻の支払い責任は継続されます。

金融機関に連絡を入れずそのままにしておくと、ローンの返済を担っていた夫が音信不通になった場合、離婚が成立した後であっても妻のもとに返済の催促がいくことになります

連帯保証人・連帯債務者から外れるには、夫側の親族など新しい保証人を立てるか、連帯保証人なしで他の金融機関に借り換えるなどが考えられます。代理の保証人を立てたとしても支払い能力があるかなどの審査があるため、連帯保証人・連帯債務者から外れるのは難しいということを覚えておきましょう。

まとめ

離婚には様々な手続きが必要となり、精神的にも時間的にも余裕がなくなってしまうかもしれません。

いざ離婚する段階になって家をどうするか検討を始めても、その他の手続きに時間を取られてしまい慌てて決断してしまう可能性も。

離婚が決まった段階でできるだけ早めに家の査定を受け、おおよその市場価値を把握しておくことがポイントです。あわてることのないよう、話し合いの段階で現実的な意見が出せるよう準備しておきましょう。

離婚の財産分与の家について気になる方は「離婚で家を財産分与するには?財産分与の種類や流れを解説」も参考になります。

有田 美津子
監修者:有田 美津子(ありた みつこ)
ファイナンシャル・プランナーCFP® 1級FP技能士 相続診断士 住宅ローンアドバイザー
大学卒業後、地方銀行にて融資業務担当。出産後、住宅販売会社、損保会社、都市銀行の住宅ローン窓口を経て独立。 現在は高齢になっても安心して暮らし続けられる住まい計画、資金計画の相談に力を入れている。
URL:50代からの住まいのお金相談室
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記事のおさらい
離婚時には住宅ローンについて何を確認すればいい?
離婚時には、住宅ローンの名義・残高、現在の家の価値、アンダーローンかオーバーローンかについては確認しておきましょう。詳しくはこちらで解説しています。
オーバーローンの場合、どうなるのでしょうか?
買い手が見つかってもローンが残っている状態では抵当権を外すことができず、基本的に売却することはできません。詳しくはこちらをご覧ください。
売却せずに一方が住み続けるとき
夫名義で住宅ローンを組んでいる場合、名義人が住み続けるか妻が住み続けるかによって状況が変わります。詳しくはこちらを参考にしてください。

関連記事:離婚時の不動産の共有名義は解消すべき!住宅ローンや税金についても解説!

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