住宅ローン完済後に必要な手続きの流れや注意点を徹底解説!

住宅ローン完済後に必要な手続きの流れや注意点を徹底解説!

住宅ローンを完済した際には、住宅についている「抵当権」を抹消しなければなりません。

住宅購入時に行った抵当権の設定登記とは異なり、抵当権の抹消登記は自身で手続きを行う必要があるため、手続きの方法が分からず苦労してしまう方も多いのではないでしょうか。

本記事では、抵当権抹消登記の進め方や必要な書類、登記の費用について解説します。

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住宅ローン完済までの平均期間は15.7年!

一昔前は契約後30年~35年をかけて返済していくことが一般的だった住宅ローンですが、ここ数年間で住宅ローンの貸出期間も、完済までの平均期間も、大きく減少しています。

繰り上げ返済を考えている方、住宅ローンの返済がもう少しで終わる方、あるいはすでに完済された方も、ご自身の返済期間が平均と比較してどの程度だったのかを知ることは、今後の資産形成や人生設計にも役立つことがあるかもしれません。是非、参考にしてみてください。

住宅ローンの平均貸出期間と平均返済期間の推移

住宅ローンの平均貸出期間と平均返済期間の推移-データグラフ

(参考:民間住宅ローンの貸し出し動向調査|住宅金融支援機構)

推移から考えられること

住宅金融支援機構が毎年発行している「民間住宅ローンの貸し出し動向調査」によると、2012年以降の住宅ローン貸出期間は平均して25~27年、返済までの平均期間は13~16年で推移しており、この推移からも、住宅ローンを契約した世帯のほとんどが繰り上げ返済を積極的に行っていることが推測されます。

繰り上げ返済がおすすめ

住宅ローンは早く完済すればするほど、「物件の完全マイホーム化」や「収益物件としての利用」「住み替え」など多くの選択肢を得られるため、できることなら返済の手続きは自身や家族が元気なうちに済ませてしまいたいところですよね。住宅ローンの残債を早めに減らしておけば後々の資金計画も安定しやすくなるため、余裕がある時に繰り上げ返済を積極的に利用し、前倒しで残債を減らしていくのがおすすめです。また、住宅ローンの残債を繰上返済により「一括で」返済する場合には、返済の前に金融機関への事前連絡が必要になります。金融機関によっては全額繰上返済を行う際に手数料が発生することがあるため、全額返済をするかは金融機関へ確認をしてから判断しましょう。

 

住宅ローンの完済時に必要な手続き

住宅ローン完済時に必要な手続きは、抵当権の抹消登記と保険質権の解除です。

住宅ローン完済時に必要な手続き
  • 抵当権の抹消登記
  • 保険質権の解除(対象者のみ)
  • 全額繰り上げ返済の手続き

抵当権の抹消登記

貸付金の貸倒れやローンの滞納が起きた場合に備えて、債権者である金融機関に設定を依頼される「抵当権」ですが、抹消の手続きは住宅ローン名義人本人がしなければなりません。

抵当権の抹消ができていない物件は、金融事故を起こしてしまった際に貸付金の担保として差し押さえられてしまうほか、抵当権の抹消登記に使う書類にも有効期限が存在するため、住宅ローンの返済が終わった際にはすぐに抵当権抹消を行いましょう。

保険質権の解除(対象者のみ)

住宅ローンの契約時、住宅にかけた火災保険などの保険金に対し、金融機関によって質権が設定されることがあります。

債務者が加入する保険に対して質権を設定するかしないかは金融機関によって異なるものの、質権が付いていると、適用された保険金は金融機関に振り込まれてしまいます。

住宅ローンを完済した際には、保険質権も忘れずに解除しておきましょう。質権の有無が分からない方は、あらかじめ金融機関に保険質権の有無を確認しておくのがおすすめです。

全額繰り上げ返済についての手続き

住宅ローンの返済を、予定通り月々の返済で完済する場合には、特に手続きは不要ですが、住宅ローン残高を繰り上げて一括返済する場合、原則金融機関の窓口にて手続きが必要になります。繰り上げ返済では、借入残高以外に完済日当日までの未払い利息金や金融機関の手数料なども必要となります。また、繰り上げ返済の手続きには通常数週間~1ヵ月程度かかるため、余裕をもった計画立てが必要です。住宅ローンの全額繰り上げ返済を検討している方は、住宅ローンを借りている金融機関に問い合わせ、手続きの流れや必要になる書類を確認しましょう

家の売却を少しでも検討しているのであれば、「自分の家がいくらで売却出来そうか」を把握しておきましょう。

そのためには、不動産会社から査定を受ける必要があります。「イエウール」なら不動産会社に行かずとも自宅で24時間申し込みが可能です。自分の家に適した不動産会社を紹介してくれるので、膨大な不動産会社の中から選ぶ手間も省くことができます。

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抵当権抹消登記の流れと費用、必要書類

住宅ローンの完済時に必須となる抵当権の抹消登記ですが、手続きの流れとかかる費用は「自分で手続きを行う場合」と「司法書士に手続きを依頼する場合」で内容が異なります。

自分で手続きを行う場合の流れと費用

STEP
  • 金融機関から手続き書類が届く
  • 抵当権抹消登記申請書を作成する
  • 管轄の法務局を調べる
  • 法務局に手続き書類を提出する
  • 法務局から登記識別情報と登記完了証が届く

自分で手続きを行う時の費用(戸建て住宅)

登録免許税  :1,000円
事前調査費用 : 335円
完了後謄本費用: 600円
その他費用(消費税/郵送代/交通費等)
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 合計費用:1,935円~(その他費用別)

抵当権抹消登記の手続きは個人でも可能ですが、書類に不備がある場合には何度も法務局に出向かなければならない場合があり、手間がかかってしまうというデメリットもあります。

しかし手続きの費用は1,935円~と、司法書士に依頼する場合に比べ安価なため、費用を抑えたい場合にはご自身での手続きがおすすめです。

司法書士に手続きを依頼する場合の流れと費用

STEP
  • 金融機関から手続き書類が届く
  • 抵当権抹消登記申請書を作成する
  • 司法書士事務所に手続き書類を提出する
  • 登記費用と司法書士の報酬代金を支払う
  • 司法書士から登記識別情報と登記完了証を受け取る

司法書士に手続きを依頼する時の費用(戸建て住宅)

登録免許税  : 1,000円
事前調査費用 : 335円
完了後謄本費用: 600円
司法書士報酬 :15,000円~
その他費用(消費税/郵送代/交通費等)
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 合計費用:16,935円~(その他費用別)

司法書士に手続きを依頼すると、平均で15,000円~20,000円ほどの費用がかかりますが、法務局に通うなどといった手間はいりません。

手続きが面倒だと感じる場合や、法務局に行く時間がないなどの理由があれば司法書士に依頼するのがおすすめです。

また、消費税増税の可能性が直近で想定される場合には、増税前に手続きを終わらせてしまうことで不要な出費を抑えることが可能です。

メリットデメリット
自分で抵当権を抹消する司法書士に手続きを依頼する場合と比較して、抵当権抹消登記の費用が安く済む司法書士に手続きを依頼する場合と比較して、抵当権の抹消まで時間がかかる
司法書士に抹消を依頼する自分で抵当権を抹消する場合と比較すると、抵当権抹消までの時間が短く済む自分で抵当権を抹消する場合と比較すると、抵当権抹消登記の費用が割高になる

抵当権抹消登記に必要な書類

抵当権抹消登記手続きを申請する際に必要となる主な書類は、以下の通りです。

必要な書類発行元再発行
抵当権抹消登記申請書自分で作成する
登記原因証明情報(抵当権解除証書)金融機関が発行
金融機関発行の委任状
登記識別情報通知または抵当権設定契約証書(登記済証)の原本

抵当権抹消登記申請書

抵当権抹消登記申請書-サンプル画像

(引用: 抵当権の抹消登記に必要な書類|法務局)

管轄の法務局に対し、抵当権抹消登記の申請を行う時に必要となる書類です。

申請用紙は法務局もしくは法務局の公式サイト上で取得することができ、法務局で書類を取得する場合には1通1,000円、法務局の公式サイトから書類を取得する場合には1通465円の費用がそれぞれかかります。

抵当権の抹消登記に必要な書類の中で唯一自分で作成する必要のある書類であり、間違った様式で作成すると再提出を求められてしまうため、作成の際には注意が必要です。

登記原因証明情報(抵当権解除証書)

登記原因証明情報(抵当権解除証書)-タイトル画像

(引用: 抵当権の抹消登記に必要な書類|法務局)

登記の原因となったできごと(抵当権の抹消)と、そのできごとに基づき当事者間で何らかの権利変動が起きたことを証明する書類です。

抵当権設定契約証書と同様、住宅ローン完済時に金融機関から郵送されるため、受け取り後はその他の必要書類と併せて1か所にまとめて保管しておくことをおすすめします。

金融機関発行の委任状

金融機関発行の委任状-サンプル画像

(引用: 抵当権の抹消登記に必要な書類|法務局)

住宅ローン完済後、自分で抵当権抹消の手続きをする場合は、抵当権の保有者である金融機関発行の委任状が必要です。

司法書士に手続きを依頼する場合は、住宅ローンの契約者から司法書士への委任状が別途必要になるため、注意が必要です。

登記識別情報通知または抵当権設定契約証書(登記済証)の原本

登記識別情報通知または抵当権設定契約証書(登記済証)の原本-サンプル画像

(引用: 抵当権の抹消登記に必要な書類|法務局)

住宅ローンの契約を行うと、不動産会社からローンの債権者である金融機関に、住宅の権利書である登記識別情報通知または抵当権設定契約証書(登記済証)が送付されます。

これらの書類は住宅ローン完済時に金融機関から住宅ローンの契約者に転送されますが、書類の様式は金融機関によって異なり、書名も「抵当権設定契約証書」や「金銭消費貸借抵当権設定契約証書」など様々なため、詳細は融資元の金融機関に確認する必要があります。

必要書類を紛失した場合の対処法

住宅ローンの完済時に金融機関から預かった必要書類を紛失した場合には、登記原因証明情報(抵当権解除証書)と委任状は再発行が可能ですが、登記識別情報と抵当権設定契約証書(登記済証)は再発行ができません

もしこれらの書類を紛失した場合には、事前通知や本人確認情報の作成など、通常と異なる手続きによる抵当権抹消登記の申請をする必要があるため、この点も注意が必要です。

参考:不動産登記法 第23条 第1項より

第23条
登記官は、申請人が前条に規定する申請をする場合において、同条ただし書の規定により登記識別情報を提供することができないときは、法務省令で定める方法により、同条に規定する登記義務者に対し、当該申請があった旨及び当該申請の内容が真実であると思料するときは法務省令で定める期間内に法務省令で定めるところによりその旨の申出をすべき旨を通知しなければならない。

必要書類紛失時の事前通知制度について

抵当権を抹消する際に、再発行が不可能な書類を紛失してしまった場合には、法務局が定める「事前通知制度」を利用して、抵当権抹消の手続きを行うことになります。

事前通知制度を利用して抵当権の抹消登記を行う際の手順は、以下の通りです。

STEP
  • 再発行が可能な書類をすべて集め、管轄の法務局に提出する
  • 後日、登記所から登記内容に関する確認通知が届く
  • 確認通知に本人確認事項を記入して、返送する
  • 登記所側で本人確認が完了したら、抵当権の抹消登記が行われる

上記「3」の確認通知返送は、確認通知の到着後2週間以内に返送する必要があり、2週間以内に確認通知の返送がない場合には抵当権抹消の申請が却下されるため、注意が必要です。

また、書類を管轄の法務局に提出した以降の手続きに関しては、司法書士に依頼することも可能なため、手続き代行を依頼する際には依頼先の司法書士に費用を確認してみましょう。

抹消しない場合のデメリット

住宅ローンの完済後も抵当権を抹消しない場合には、以下のようなデメリットが生じます。

抵当権を抹消しない場合のデメリット
  • 住宅が差し押さえられる可能性がある
  • 新規のローン審査に通りづらくなる
  • 住宅を売却時に買い手が見つかりづらい

住宅が差し押さえられる可能性がある

借金の貸し倒れやローン支払いの滞納が発生した時の担保として設定される抵当権ですが、住宅ローンを完済していても抹消登記をしていない場合には、登記簿上で「ローン未完済」として扱われることになります。

そのため、この時に別のローン(自動車ローン、カードローンなど)で支払いの遅延が続いてしまうと、抵当権が付いている=担保にできるとして、ローンを完済したはずの住宅が差し押さえにあい、競売に掛けられてしまいます。

抵当権が抹消できていれば、別のローンで金銭トラブルが発生しても現在の家が差し押さえに合うことはないため、不要な抵当権はすぐに解除することが大切です。

新規のローン審査に通りづらくなる

前述の通り、抵当権の抹消が完了するまでは住宅ローンが未完済であるとみなされるため、その状態で新規のローン契約に踏み切っても審査には通りづらいことが予想されます。

一般的に、複数のローン支払いを抱えている顧客は金融機関から「多重債務者またはその見込みがあるもの」として敬遠されることが多いため、住宅ローンの返済が既に終わっているのであればすぐに抵当権を抹消し、ローン支払いを抱えていないことを証明しましょう。

住宅を売却時に買い手が見つかりづらい

物件の所有者が代わったにもかかわらず前所有者の抵当権が残っていると、前所有者が金融事故を起こした際に「新所有者のものになっている物件」が競売に掛けられてしまうため、抵当権が付属したままの物件を売却しようとしても、買い手が付かないことがほとんど。

このような視点から考えても、ローン完済後の抵当権抹消は必須です。

 

保険質権を解除する方法

 

契約中の火災保険に金融機関の質権がついている場合には、住宅ローンの完済と同時に質権の解除手続きを済ませておくことをおすすめします。

ここでは火災保険の質権解除をする際の流れと必要書類について解説します。

保険質権解除の流れ

保険質権の解除は抵当権抹消登記の手続きに比べるとかなり簡単です。

流れとしては、住宅ローンの完済後に金融機関から送られてくる「保険証券」と「質権解除書類」をまとめて、それらの書類を契約中の保険会社に送付するだけ。

書類の送付後、保険会社により質権が解除されて保険証券が契約者に返ってきた後は、有事の際の保険金も契約者が受け取れるようになるため、早めに手続きを済ませると安心です。

保険質権解除に必要な書類

保険質権解除の必要書類は、ローン完済時に金融機関から送付されるものがほとんどです。

金融機関の保険証券

金融機関の保険証券-サンプル画像

(引用: 積立火災保険 保険証券見本|損保ジャパン)

保険証券は、保険会社が契約者の契約した保険の内容を認可し、契約が成立した証明です。

本来であれば、保険契約成立後に保険会社から契約者に送付されますが、金融機関による質権がついている場合には、住宅ローン完済までの間の証券管理者が金融機関になります。

その他の質権解除書類

上記の保険証券以外にも質権解除に関連した書類が送付される場合があります。

送付される書類の内容は保険会社によって異なるため、火災保険の質権解除を行う方は保険会社からの送付物を必ず確認するようにしましょう。

住宅ローンのなくなった家で新生活を楽しもう

本記事では、住宅ローン完済後に必要な手続きとその内容について触れてきました。

住宅ローンを完済した後は、これまでローンの返済に充てていたお金を子どもの進学資金や老後の生活に向けた貯金、新たな自己投資などに使うことができるため夢が広がりますね。

完済年齢が50歳前後の場合には「住み替え」がおすすめ

住宅ローン完済時の年齢が50歳前後の場合、子どもの成長などにより今まで住んできた家が手狭に感じるかもしれません。

そんな時には現在の家を売却し、売却益で新居に住み替えるのがおすすめ。

住宅売却の売却益を利用して住み替えを行うことで、転居にかかる費用も抑えられるほか、現在の世帯状況(同居人の数や健康状態)に併せて新居を決めることも可能です。

 

完済年齢が60歳前後の場合には「リフォーム」がおすすめ

定年退職の時期である60歳前後で住宅ローンを完済した場合、その後の生活を考えると住み替え等で新しくローンを組むのは躊躇(ちゅうちょ)するかもしれません。

そんな時にはその時の世帯状況に併せて家のリフォームや増改築を行うのがおすすめ。

リフォームであれば住み替えほどの費用はかからないうえに、自分で決めた予算の範囲内でリフォームのプランを考えることも可能です。

また、リフォームやリノベーションによる増改築工事を行った物件は築年数に関わらず高値で売却することができるため、家を売る場合でも相場以上の金額での売却が期待できます。

 

完済年齢が70歳前後の場合には「引っ越し」もおすすめ

住宅ローン完済時の年齢が70歳を超えている場合には、子どもも独立していることがほとんど。

ひょっとしたら「今の家が広く感じてしまって寂しい」そんな風に感じるかもしれません。

そんな時には物件の売却を行い、売却益を利用して今の自分が落ち着いて暮らすことのできる家に引っ越してもよいのではないでしょうか。

売却益を利用して賃貸の住宅に引っ越した場合には、多額の貯金が残ることが予想されるため、余ったお金はその後の資産形成や余暇に使うのがおすすめです。

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