住宅ローンのある家を手放したい場合は、売却代金や自己資金で完済する、住み替えローン、任意売却を行うなどの方法を取ることができます。
今回の記事では、そもそも住宅ローン返済中に家を手放すことが可能であることや、実際に手放す方法などについて丁寧に解説しました。是非最後までご覧ください。
「まずは家を売る基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
条件を満たせば住宅ローン返済中でも家を手放せる！
「住宅ローン返済中の家を手放したい」と考えている方の中でも、そもそも住宅ローン返済中という点について気になっている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、住宅ローン返済中であっても家を手放すことは可能です。しかし、家を手放すためにはクリアしなくてはならない条件もあります。
通常、住宅ローンを借り入れて購入した家には、抵当権というものが金融機関などによって設定されています。この抵当権を抹消することが出来れば、家を手放すことが出来るのです。
抵当権とは、住宅ローンを借り入れた人（債務者）が住宅ローンを返済できなくなった場合に、住宅ローンの融資元である金融機関（債権者）によって行使される権利のことです。土地や建物を担保とし、支払いが滞ると競売にかけて物件を売却してしまいます。売却代金は住宅ローンの返済に充てられる仕組みです。
この抵当権は住宅ローンを完済するすることで抹消できます。つまり住宅ローン返済中の方であっても、家の売却代金などで住宅ローン残債を一括返済できるのであれば家を手放すことが可能なのです。
住宅ローン返済中の家を手放したい場合の方法
住宅ローン返済中の家を手放したい場合に、ご自身の住宅ローン残債と、家がいくらで売れそうなのかを予め調べて把握しておく必要があることが理解できました。
では、住宅ローン残債が家の売却代金を上回ってしまう場合にはどうすれば良いのでしょうか。この章では、住宅ローン残債があるけど引っ越したい事情がある方などに向けて、住宅ローン返済中の家を手放す方法について解説していきます。
また、住宅ローン残債を一括返済できない家を売却する方法についても解説しているため、オーバーローンの家を売る方も是非参考にしてみてください！
- 方法1｜家の売却代金で住宅ローンを完済して手放す
- 方法2｜自己資金で不足分を補って住宅ローンを完済して家を手放す
- 方法3｜住み替えローンで住宅ローンを一括返済して家を手放す
- 方法4｜任意売却で住宅ローンの払えない家を手放す
住宅ローン返済中の家を手放す際の進め方｜売り先行型がおすすめ！
住宅ローン返済中の家を手放すための方法具体的に何をしておくべきかが理解できたところで、ここからは住宅ローン返済中の家を手放す際の進め方について解説していきます。
家を手放す際には、今の家を先に手放して新しい家を購入する売り先行型と呼ばれるものと、今の家を手放す前に新しい家を購入する買い先行型と呼ばれるものがあります。
そんな家を手放す際の進め方について詳しく見ていきましょう。
家を手放して新居を購入する売り先行型
住宅ローン返済中の家を手放して新しい家に住み替える際の売り先行型の進め方とは、その名の通り今の家を手放して新しい家を購入するという進め方のことです。
そのため、住宅ローン返済中の家を手放すことが出来そうなタイミングが分かった段階で新しい家を探し始める必要があります。この売り先行型の特徴は、先に今の家を売却するため資金計画をきちんと設計しやすいという点です。
一方で、新居探しが上手くいかないと仮住まいを用意する必要性に迫られて引っ越しを2回することになったり、住みながら売却活動を行わなければならないため、手間がかかりやすいという点が難点だと言えるでしょう。
家を手放す前に新居を購入する買い先行型
一方で、住宅ローン返済中の家を手放して新しい家に住み替える際の買い先行型の進め方とは、今の家を手放すよりも前に新しい家の契約を済ませて引っ越しを行うという進め方のことです。
じっくりと新居を選んで購入することができるため、新居の条件を妥協することなく納得のいく家を探すことができる点がメリットだと言えるでしょう。
一方で、ローンが二重になってしまうことや資金計画が崩れてしまう可能性があるという点がデメリットとして挙げられます。
住宅ローン返済中の家を手放す際には売り先行型がおすすめ！
この売り先行型と買い先行型の進め方についてですが、住宅ローン返済中の家を手放したいと考えてる方は、売り先行型で住み替えを進めるのがおすすめです。
というのも、確かに買い先行型の進め方では時間にゆとりを持って新居を探すことが出来たり、新しい家に引っ越した後に売却活動を行うため、家の片付けなども売り先行型で済みながら売却活動を行う場合と比較すると手間がかかりづらいという点は魅力的です。
しかし一方で、住宅ローン返済中の家を手放す際には買い先行型の場合よりも、まずは今の家をきちんと手放すことに集中できるため、少しでも良い条件で家を手放すために時間を使うことが出来ます。
また、資金面での不確実性も買い先行型と比較すると抑えることが出来るため、住宅ローン返済中の家を手放して家を住み替える方は、売り先行型で進めていくべきだと言えるでしょう。
とはいえ、資金面にかなりの余裕がある場合は、手間のかかりづらい買い先行型を選択してもそれほど困ることはない可能性もあるため、不動産会社やご家族とよく話し合って判断するべきではないでしょうか。
住宅ローン返済中の家を手放す際のコツ
ここまで住宅ローン返済中の家を手放したい場合にまずすべきことや、実際に家を手放す際の方法、進め方について解説してきました。
最後にこの章では、住宅ローン返済中の家を手放す際のコツを解説していきます。少しでも良い条件で家を手放せるように是非理解しておきたいところでしょう。
複数の不動産会社に査定を依頼する
まず1つ目のコツは、複数の不動産会社に家の査定を依頼することです。
住宅ローン返済中の家を手放す際には、ご自身の家がいくらで売れそうなのかを可能な限り正確に把握すること、そして実際にその価格に近い値段で手放すことが極めて重要になってきます。
仮に1つの不動産会社にしか家の査定をしてもらわずに、そのまま媒介契約を結び家の売却活動を始めてしまった場合、家の売り出し価格が適正なのかや、実際に良い条件で家を売る力のある不動産会社なのかを見極めることが出来なくなってしまいます。
複数の不動産会社に家の査定を依頼することで、査定価格そのものを比較することが出来るだけでなく、家を高く売ってくれそうな不動産会社を見つけることが出来る可能性も大きく高まります。
さらに不動産会社の販売実績や対応の誠実さ、査定価格の根拠など、本当に信頼できる不動産会社なのかを見極めることが出来るでしょう。
査定価格に釣られて、十分に比較検討せずに契約する不動産会社を選んだが故に家を手放すのにかえって時間がかかってしまったり、売却価格が本来売れるはずの価格を下回ってしまったりといったことも十分考えられます。
このような事態を避けるためにも、複数の不動産会社に家の査定を依頼して、家を手放すための売却活動のパートナーにふさわしい信頼できる不動産会社を見つけることが、住宅ローン返済中の家を良い条件で手放すためのコツだと言えるでしょう。
家を手放す際に必要な諸費用を把握しておく
2つ目に紹介するコツは、家を手放す際に必要になる手数料や、費用、税金などをあらかじめ大まかにでも把握しておくことです。
以下に家を手放す際に必要となる代表的な費用と目安を紹介しておきます。
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 仲介手数料 | （ 売却額 × 3％ ＋ 6万円 ）+ 消費税 |
| 印紙税 | 1,000円〜6万円 ※売却金額により異なる |
| 抵当権抹消費用 | 司法書士へ依頼するとして5,000円~2万円程 |
| ローンを一括返済するための費用 | 一括繰上返済にかかる金融機関への手数料1~3万円 |
所得税及び復興特別所得税・住民税 | 売却した年の1月1日での保有期間によって異なる 保有期間が5年以下なら譲渡所得の39.63% 保有期間が5年超なら譲渡所得の20.315% |
| その他費用 | ※費用項目より異なる |
住宅ローン返済中の家を手放す際には、可能な限り良い条件で家を手放すことが重要であることは言うまでもありませんが、家を手放す際にかかる費用をいかに工夫して抑えるかも極めて重要になってきます。
家を手放す際にどんな費用がかかるのかや目安を事前に把握しておくことで、状況に応じてご自身で出費を抑えるための工夫が出来るはずです。
家を手放して得られるお金だけでなく、家を手放して出て行ってしまうお金に関しても十分に意識を向けておくことが、住宅ローン返済中の家を手放す際の非常に大きなポイントだと言えるのではないでしょうか。
あなたの不動産、
売ったらいくら？
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