今住んでいる家を手放して新居を購入して新生活をスタートさせる住み替え。
しかし、万が一「住み替えで売れなかったら…」といったことを不安に感じている方も沢山いるのではないでしょうか。
そんな方のために今回は「住み替えで売れなかったら」という事態を予防・解決する方法や家を早く高く売るコツについて解説していきます!
「まずは家を売る基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
「住み替えで売れなかったら」に備えて事前にすべき5つの対策
住み替えを検討している方にとって大きな不安の1つが「住み替えで今の家が売れなかったらどうしよう…」というものではないでしょうか。
そこで、この章ではまず初めに「住み替えで売れなかったら」という事態に備えて事前にしておくべき対策を詳しく解説していきます。
買取保証で住み替えの売却活動を行う
最初に紹介する対策が買取保証を利用して住み替えの売却活動を行うというものです。
買取保証とは、ご自身が現在住んでいる家が一定期間経っても売れなかった場合に、前もって決めていた額で不動産会社が家を買い取ってくれる売却方法のことです。
この買取保証を利用することで、万が一ご自宅が中々売れずに新居の購入が迫ってきてしまった場合でも確実に家を売却して資金を得ることが出来ます。
このように、買取保証では事前に現在住んでいる家がいつまでには売れるのかが確定しているため、住み替えをしたいのに家が売れずに諦めざるを得なくなってしまうのではないかという心配をする必要もありません。
このような魅力のある買取保証ですが、実際に家を不動産会社に買い取ってもらう場合には通常の方法で家を売却する場合よりも売却価格が低くなってしまう点がデメリットとして挙げられます。
そのため、ご自宅を売り出す前に通常の方法で家を売る場合の想定売却価格と不動産会社による買取価格を確認した上で、住み替えに伴う資金計画なども踏まえて利用するかを判断するべきだと言えるでしょう。
売り先行型で住み替えを進める
次に紹介する対策が売り先行で住み替えを進めるというものです。
売り先行での住み替えとは、先に現在の家を売却して新居を購入するという一般的な住み替えの進め方のことです。反対に、今の家を売却する前に新居を購入する住み替えの進め方のことを買い先行と呼びます。
それぞれメリットとデメリットが存在しますが、買い先行で住み替えを行う場合には先に新居を確保して、新居で生活しながら今の家の売却活動を行うことになります。
買い先行の住み替えの流れ
買い先行の住み替えの流れ |
①|新居探し |
②|新居の契約/購入 |
③|新居へ入居 |
④|今の家の売り出し |
⑤|売買契約 |
⑥|物件の引き渡し/売却代金の受け取り |
このようにスケジュールの調整がしやすいというのが買い先行の住み替えのメリットではありますが、今の家が売れるよりも前に新居を購入することや、売れるまでの間2つの家を所有することになることなどから、余程資金力にゆとりのある方を除いては現実的な進め方ではありません。
家が売れることを見越して先に新居を買ったのに、家がいつまで経っても売れないといった事態に陥るリスクが存在するのです。
一方で、売り先行での住み替えの場合には、今の家を売却した資金を新居の購入に充てることが出来るなど、スケジュールの調整が難しいところは難点ですが、確実に売却を済ませた状態で新居を購入するため、じっくりと時間をかけて今の家の売却活動に臨むことが出来ます。
売り先行の住み替えの流れ
売り先行の流れ |
①|今の家の売り出し |
②|売買契約 |
③|物件の引き渡し/売却代金の受け取り |
④|新居探し |
⑤|新居の契約/購入 |
⑥|新居へ入居 |
このような理由から、やむを得ず住み替えを急いで完了させなければならないような事情がある場合を除いては、「住み替えで売れなかったら」という事態を避けるために売り先行の進め方での住み替えを行うべきだと言えるでしょう。
家の清潔感をアピールできる状態にしておく
3つ目に紹介する対策が、家を売り出す際には清潔感をアピールできる状態にしておくというものです。
家を売る際には通常、内覧と言ってご自身の家に興味を持った購入検討者が実際にどんな物件なのかを見学しに訪れます。
この際に、内覧に訪れた購入検討者にどのような印象を与えるかが家が売れるかどうかを大きく左右すると言っても過言であありません。
同じような条件の物件であっても、掃除が行き届いていたり、家具などの整理整頓がなされている物件と、埃がたまっていたり水回りにカビが生えてしまっていたりするような物件では購入検討者に与える印象が全く異なることは容易に想像がつくでしょう。
そのため、ご自身で出来る限りご自宅の掃除や整理整頓を行った上で売却活動に臨むことが、「住み替えで売れなかったら」という事態を回避するために極めて重要なのです。
家を売り出すタイミングを見極める
4つ目に紹介する対策が、家を売り出すタイミングを見極めるというものです。
一戸建て住宅やマンションには売れやすい時期と中々売れにくい時期というのが存在します。
例えばマンションの場合だと、同じ建物内の別の物件が同時に売りに出されている場合には、階数や間取りなどで比較されて売れ残ってしまったり、値下げ競争に巻き込まれてしまったりといった可能性があります。
また、一戸建て住宅・マンション問わず、周囲で似たような条件のライバル物件が存在する場合にも同じようなことが起こってしまう可能性があります。
また、季節によっても家の売れやすさというのは変化します。以下は各月ごとの不動産取引のデータになります。
データを見て頂ければ分かる通り、例えば年末年始や夏休みなどの長期休暇シーズンは多くの人が休暇を楽しんでいたり、帰省していたり、不動産会社が休業していたりといったことが考えられるため、不動産の取引件数が落ち込んでいます。
ご自宅のの売出直後にこのような時期に入ってしまうと、売却が想定よりも長引いてしまったり、結果的に価格を引き下げて売却することになってしまう可能性が高くなってしまいます。
一方で、夏季の長期休暇が終わった9月あたりや、年末年始も落ち着いて時間が過ぎた年度末にあたる3月あたりなどは比較的売却に適した時期だと考えられます。
まずは、売却に適さない時期がいつなのかをきちんと理解しておくことが「住み替えで売れなかったら」という事態を回避するための重要な対策だと言えるでしょう。
他にも家を売るタイミングについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
住宅ローン返済中の場合は残債を確認しておく
最後に紹介する対策が、住宅ローン返済中の方は住宅ローンがいくら残っているのかを正確に把握しておくというものです。
ご存じの方もいらっしゃるかとは思われますが、基本的に住宅ローン返済中の家を売る場合には、住宅ローンを完済することが条件となります。
繰り上げての一括返済や、ご自宅の売却代金を一括返済に充てるなどして、家を引き渡すために住宅ローンを完済しなくてはならないのです。
このとき、住宅ローン残債が家の売却価格を上回ってしまう状態をオーバーローン、住宅ローン残債が家の売却価格を下回る状態をアンダーローンと呼びます。
アンダーローンの状態であればこの点は特に問題ありませんが、オーバーローンの状態となってしまう場合にはそのまま家を売却することが出来ません。
引き渡しの直前になって気付いてしまってもどうしようもありませんので、事前に住宅ローン残債をきちんと確認しておくことが「住み替えで売れなかったら」という事態を避けるために重要な対策だと言えるでしょう。
住み替えで売れなかった場合の4つの対処法
さて、ここまでは「住み替えで売れなかったら」という事態を回避するために事前にしておくべき対策について紹介してきました。
思ったよりも沢山の対策があり、それだけ住み替えには多くの注意点があることがご理解頂けたのではないでしょうか。
一方で、これだけの対策を行っても中々家が売れないケースも十分考えられます。結局、家が売れるかどうかは目の前に買い手が現れるか次第だからです。
そのため、「住み替えで売れなかったら」という事態を回避するためには、事前の対策だけではなく本当に「住み替えで売れなかった」場合にどのような対処をする必要があるのかもあわせて理解しておく必要があります。
そこでこの章では、実際に住み替えで売れなかった場合の対処法を詳しく解説していきます。
売り出し価格を見直す
住み替えで家が売れなかった場合の対処法としてまず挙げられるのが、ご自宅の売り出し価格を見直すことです。
実際にこの売り出し価格の設定で失敗してしまい、中々家が売れないというケースは非常に多いです。特に住み替えの場合、ご自宅を少しでも高く売って新居購入用の資金や住宅ローン返済費用などに回したいというお気持ちは十分理解できます。
しかし、だからと言ってご自宅の相場や適正価格を大幅に上回るような売り出し価格を設定してしまっては、中々買い手が現れずいつまで経っても家が売れない可能性が非常に高くなってしまいます。
家の購入を検討している方の多くは、複数の物件を価格や広さ、築年数等々様々な条件で比較検討しているものです。ご自宅が相場を大幅に上回るような価格設定に見合う物件なのであれば、それが適正価格であり買い手が現れる可能性もありますが、そうでない場合には当然購入検討者からは避けられてしまうでしょう。
そのため住み替えで売れない場合にはまず、ご自宅の売り出し価格が妥当なものかを再度見直してみるべきだと言えるでしょう。この際のポイントは、ご自宅の適正な価格を基に売却希望額を決め、それよりも少し高めに売り出し価格を設定することです。
ご自宅の適正な価格や相場は過去の事例や、似た条件の売り出し中の物件などについて改めて不動産会社の担当者と一緒に確認しながら把握していくと良いでしょう。
東京都世田谷区のマンション売出事例
不動産種別 | マンション |
売出価格 | 5380万円 |
エリア | 東京都世田谷区 |
築年 | 2013年 |
駅徒歩 | 三軒茶屋駅 8分 |
専有面積 | 44.07 |
神奈川県横浜市の一戸建て売出事例
不動産種別 | 一戸建て |
売出価格 | 5580万円 |
エリア | 神奈川県横浜市 |
築年 | 2018年 |
駅徒歩 | 立場駅 12分 |
建物面積 | 120.06 |
土地面積 | 150.74 |
京都府京都市の一戸建て売出事例
不動産種別 | 一戸建て |
売出価格 | 4380万円 |
エリア | 京都府京都市 |
築年 | 2018年 |
駅徒歩 | 二軒茶屋駅 5分 |
建物面積 | 89.94 |
土地面積 | 150.23 |
内覧対応を見直す
次に紹介する対処法が、ご自身の内覧対応を見直すというものです。
先ほども触れましたが、家の売却活動における内覧は購入検討者にどんな印象を与えるかで家が売れるかどうかを大きく左右します。
内覧を成功させればスムーズに家が売れる可能性が高まりますし、反対に購入検討者に悪い印象を与えてしまっていてはいつまで経っても家を売ることは出来ません。
この際に、ご自宅の掃除が細かなところまできちんと行き届いているかや整理整頓された状態になっているか、家を見学に来た人の立場に立って清潔感を感じるかどうかといった点を改めて見直すようにしましょう。
また、内覧中に購入検討者が見ているのはご自宅だけではありません。家の持ち主であるご自身の対応もしっかりとチェックされているのです。家の購入が非常に大きな買い物であるため、購入検討者も万が一のことなど様々な不安を抱えています。
そのため、購入を検討している物件が本当に自分にとって良い物件なのかだけでなく、家の持ち主である売主が誠実で信用できそうな相手なのかという点もきちんと見極めるために内覧に訪れるのです。
購入検討者の疑問に適切に受け答えできているかや、じっくりと内覧を行えるような配慮が出来ているかなども含め、住み替えで家が売れなかった場合には再度、内覧対応を見直す必要があるでしょう。
3ヶ月以上経っても売れない場合は不動産会社を見直す
また、住み替えの際に中々家が売れない場合には、不動産会社を見直すという対処法も試してみるべきでしょう。
いまいちピンと来ていない方も多いのではないかと思われますが、家が希望する条件できちんと売却できるかはどんな不動産会社と契約するかによっても大きく変わってきます。
具体的に、不動産会社選びに失敗してしまっている場合には以下のようなことが原因で中々ご自宅が売れない可能性が高いです。
- 不動産会社を絞りすぎて広告が少なく、家が買い手に知られていない
- 不動産会社の広告が下手で、家の魅力を伝えられていない
- 不動産会社が相場を読み違え、売り出し価格などの条件が魅力的でない
- 不動産会社が、買い手に悪印象をもたせてしまっている
このようなケースでは、どれだけご自身が必死で家を売るための対策や対処法を講じたとしても、いつまで経っても家が売れる可能性は低いままです。
そのため、これまで紹介してきた対策や対処法を試した上で中々家が売れない場合には、家の売却をサポートしてもらう不動産会社を変更しましょう。
目安としては不動産会社との契約が切れる3ヶ月あたりになります。
家が売れずに住み替えを諦めるような事態に陥ってしまう前に、家が売れない原因が思い当たらない場合には不動産会社を見直すことも重要な対処法だと言えるでしょう。
不動産業者に買取を依頼する
最後に紹介する対処法が、不動産会社に家の買取を依頼するというものです。
先ほど解説した通り、買取とは不動産会社に売却活動をサポートしてもらうのではなく、直接ご自宅を不動産会社に買い取ってもらうことです。
住み替えの場合、余程お金に余裕がある場合を除き、ほとんどの方が今住んでいる家を売却して新居を購入するというスケジュールを立てているはずです。そのため、今住んでいる家が売れないといつまで経っても新居を購入することが出来ず住み替えを行うことが出来ません。
そのような場合に、この不動産買取という方法で不動産会社にご自宅を買い取ってもらうことで、住み替えを進めることが出来るのです。
他にも、不動産買取のメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
仲介手数料が不要
- 短期間で家を買い取ってもらえる
家の契約不適合責任がない
内覧対応などを行う必要がない
一方でデメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
家の売却価格が通常の売却時のおよそ70~80%程度になってしまう
全ての不動産会社が買い取ってくれる訳ではない
このように、不動産買取では早く確実にご自宅を買い取ってもらうことが出来る一方で、売却価格が70~80%程度まで下がってしまいます。
とはいえ不動産買取によってご自宅を売却すれば、ご自宅が売れなかったために住み替えを諦めると言う最悪の事態は回避することができるため、メリット・デメリットなどをよく理解した上で利用を検討してみてください。
住み替えで家を少しでも早く高く売るためのコツ
ここまでは「住み替えで売れなかったら」という事態を事前に回避するための対策と、実際に売れなかった場合の対処法について解説してきました。
ここで解説してきたことをきちんと理解していれば、住み替えでご自宅が売れなかったために住み替えること自体を諦めることになってしまったという最悪の事態を免れることが出来る可能性は非常に高いはずです。
そこで、最後にこの章では住み替えの際にご自宅を少しでも早く、そして高い価格で売るためのコツを紹介していきます。
不動産一括査定で複数の不動産会社を比較して選ぶ
ご自宅を少しでも早く高く売るための1つ目のコツは、少しでも早く、そして高い価格で売るためのコツを利用して複数の不動産会社にご自宅の査定を依頼し、最も信頼できる不動産会社と契約を結ぶことです。
先ほども解説した通り、どんな不動産会社と契約を結ぶかによって、家がどのくらいの期間・価格で売れるかは大きく変わってきます。
そのため、ご自宅を査定してもらう段階で不動産一括査定サイトを利用して複数の不動産会社に査定を依頼し、査定額を比較するだけでなく、これまでの売却実績や得意な物件種別・エリア、対応の誠実・真摯さ、説明の分かりやすさ、熱量など様々な面を総合的に比較検討して契約する不動産会社を選ぶことが極めて重要になってきます。
最もご自宅を高く売ってくれそうで信頼できる不動産会社を見つけることが、ご自宅を少しでも早く高く売るための最大のコツだと言えるでしょう。
また、不動産一括査定サイト「イエウール」なら、全国で1,600社以上の厳選された不動産会社が対応。大手不動産会社はもちろん、地元の優良不動産との提携も幅広く、さらにクレームの多い不動産会社はすべて排除されているのでとても安心です。
しかもインターネットさえあれば、24時間いつでも自宅で無料一括査定ができるのでとても簡単です。最大6社との比較が可能なので、ご自身に合う最適な不動産会社が見つかるかもしれませんので、ぜひ利用してみてください。
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の5部門すべてで1位となり、5冠を達成しました。
ホームインスペクションやハウスクリーニングを行う
2つ目のコツが、必要に応じてホームインスペクションやハウスクリーニングを行うというものです。
購入検討者の多くは「住宅に欠陥がないか」「劣化が進んでいるのではないか」といった不安を感じます。そんな不安を解消するために有効なのが、ホームインスペクション(住宅診断)です。専門家が第三者の立場から、物件の劣化状況や欠陥・改修すべき箇所の有無などについて調査を行います。
物件を売り出す前にホームインスペクションを行い、物件に問題がないことを証明できれば、購入検討者の不安を解消でき購入意欲が高まることが期待できます。
安心して取引を行うためにも、家を売り出す際は、ホームインスペクションを行って物件の状態を確認すると良いでしょう
また、内覧時の対応策にハウスクリーニングがあります。比較的安価であるため、水回りや目立つ傷などを重点的に対応するのがおすすめです。
売り出し広告に「ハウスクリーニング済み」と記載できるので、業者にハウスクリーニングを依頼したら不動産会社にも連絡してアピールしてもらいましょう。
基本的なことですが、掃除や整理整頓はもちろん、「電球などの照明は新品に取り換える」「壁紙を自分好みで張り替えた場合は白系のものに再度張り替える」といったことも検討する必要があります。
内覧の申し込みがあるのは、買い手がご自宅に魅力を感じている証拠です。室内を掃除して清潔に保ち、きれいな状態で案内できれば、成約につながりやすくなります。内覧者に良い印象を持ってもらえるように、しっかりと掃除・整理整頓をした状態で室内を案内できるように準備をしましょう。
これらを行うことで、内覧にやってきた購入検討者に与える印象は劇的に変わるため、結果的に早期に売却活動を終えることが出来たり、希望額に近い価格のまま売却出来たりする可能性が高まるのです。
まとめ
今回は「住み替えで売れなかったら」というケースについて詳しく解説してきました。
住み替えでは、現在のご自宅の売却と住み替え先となる新居の購入を行うことになり、手間や時間や費用や労力がかかってしまいます。
また、もしかしたら家が売れないかもしれない、売れなかったらどうしようという不安を抱え続けるのは大変なストレスになってしまいます。
そのため、今回解説してきたことを踏まえて事前にきちんと準備や対策を済ませた状態で、万全の状態で自信を持って住み替えに臨みましょう!