土地活用は自己資金で行うだけではなく、借り主から建設協力金を受けて資金を調達する方法もあります。建設協力金を上手に使うことで、少ない自己資金でも土地活用が可能です。
また、建設協力金を利用する場合は、土地の所有者だけではなく、借り主にもメリットがあります。建設協力金の上手な使い方を知り、有意義に活用して土地活用を成功させましょう。
- 建設協力金とは、借り主が土地の所有者に渡す預託金のこと
- 建設協力金は、リースバック方式で活用されることが多い
建設協力金とは
建設協力金を利用して土地活用をするなら、そもそも建設協力金とはどのようなものなのか、基本的な理解を深めておくことが大切です。建設協力金の概要や利用されるシーンなどを知り、土地活用で上手に利用しましょう。
借り主が土地所有者に受託する資金のこと
建設協力金とは、借り主が土地の所有者に渡す預託金です。土地の所有者は預託金を受けて、借り主が希望する建物を建築し、貸し出します。
土地の所有者は借り主から賃料収入を得ることができ、借り主は預託金を渡すことで希望の建物を建築してもらい、活用できることが特徴です。
リースバック方式などで活用される
建設協力金は、リースバック方式で活用されることが多いです。リースバック方式は土地の所有者が借り主の代わりに建物を建築し、借り主は建物を借りて賃貸経営や営業などを行うものです。
リースバック方式は賃貸経営だけではなく、コンビニやスーパーなどで採用されることの多い方式であり、建物を建築して土地活用をする場合に用いられます。
アパート経営を始める際の費用を抑えることができる制度について知りたい方は、アパート建築で使える補助金についても知っておきましょう。
アパート経営を始める可能性が出てきたら、早い段階で施工会社から建築プランと建築費用の見積もりを取得しましょう。
施工会社に提案される建築プランには建築費用の見積もりだけでなく設計図面や収支計画が含まれています。複数の施工会社の建築プランを比較することで、客観的に利回りを算出することもできますし、自分の土地でどのようなアパートを建てられるかイメージが湧くようになります。
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建設協力金を土地活用で利用するメリット
土地活用で建設協力金を活用するメリットは、次の3つがあげられます。
- 初期費用を抑えられる
- 無利息または低金利でお金が借りられる
- 途中解約のときは返済しなくてよい
メリットを知り、建設協力金を活用する魅力を理解していきましょう。
特に、元から土地を持っている方であれば検討しやすい土地活用方法といえます。
初期費用を抑えられる
土地活用の初期費用を抑えられるのは、建設協力金を利用するメリットです。建設協力金を借り主から受け取ることで、土地活用初期に捻出する自己資金が少なくて済みます。
また、少ない資金で素早く土地活用が始められるため、早期に収入が得られることも、建設協力金を活用するメリットです。
無利息または低金利でお金が借りられる
建設協力金は無利息、または低金利で借りられることもメリットです。金融機関から融資を受ける場合は、金利が設定されるため、借入総額に利息分を上乗せして返済しなければなりません。
しかし、建設協力金を無利息で借りられる場合は、預託金をすべて返すだけで済むため、返済負担が少ないことは魅力です。また、金利が設定される場合でも金融機関から融資を受けるよりは低金利であることも多く、どちらの場合でも返済負担は減らせるでしょう。
途中解約のときは返済しなくてよい
もし借り主から途中解約を申し出られた場合は、返済途中の建設協力金の残額は返済する必要はありません。そもそも建設協力金は建物を貸し出した賃貸料から借り主にお金を返すため、返済負担は少ないです。
加えて途中解約時の返済がないため、土地の所有者は好条件で資金を調達できることが、建設協力金の大きなメリットです。
建設協力金を活用する借り主にとってのメリット
建設協力金は土地の所有者だけではなく、借り主側にも活用するメリットがあります。
- 希望の建物を建ててもらえる
- 造作買取請求権の対策ができる
借り主にはどのようなメリットがあるのかを知り、建設協力金についての理解をさらに深めていきましょう。
希望の建物を建ててもらえる
建設協力金を土地の所有者に預託することで、希望の建物を建築してもらえるのは借り主側のメリットです。資金を提供することで希望する建物の建築ができるため、自身で物件を探す必要がなく、スムーズに賃貸や店舗経営を開始できます。
造作買取請求権の対策ができる
賃貸借契約を結ぶ場合は、土地の所有者が借り主に対して、建物を時価で買い取ってもらうように請求する造作買取請求権を行使できます。
造作買取請求権を行使されると、借り主は時価で建物を買い取ることになりますが、契約時に造作買取請求権を放棄する旨を伝えておくと、建物を買い取らずに契約を終了できます。
契約満了時に建物が不要な場合は、リースバック方式で建設協力金を出せば、造作買取請求権を放棄できるため、買い取り義務の対策ができる点は借り主にとってのメリットです。
相続税対策を目的として土地活用を検討する土地オーナーの方は少なくありません。ただ、土地の広さや立地によって「どのくらい節税できるのか」が異なってきます。
賃貸経営や駐車場経営など土地活用の方法について考え始めたら、早い段階で信頼できるパートナーを見つけることをお勧めします。
それはハウスメーカーの営業担当だったり、税理士だったりするでしょう。相続税対策として何が最適なのか、いろいろな立場の人から話を聞くことが重要です。
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リースバック方式と事業用定期借地権方式を比較したメリット
土地を貸し出して活用する方法として、リースバック方式だけではなく、事業用定期借地権方式があげられます。事業用定期借地権方式と比較した場合のリースバック方式のメリットは、次の通りです。
- リースバック方式のほうが収入が多い
- 建物の名義が自分になる
- 相続税対策ができる
リースバック方式ならではのメリットを知り、事業用定期借地権方式とはどのような点で異なるのかを知っていきましょう。
リースバック方式のほうが収入が多い
事業用定期借地権方式の場合は、土地のみを貸し出すことになるため、得られる収入は地代のみとなります。対してリースバック方式なら、建物と土地の両方を貸すことになるため、より高い賃料が得られます。
同じ土地を貸し出す活用方法ですが、リースバック方式のほうは建物も貸し出す分、土地所有者の収入が多くなることはメリットです。
建物の名義が自分になる
事業用定期借地権方式だと土地のみを貸すことになり、建物の名義は土地の借り主になります。リースバック方式なら建物の名義も土地所有者となるため、契約満了後は建物を自由に処分できることがメリットです。
契約満了時には造作買取請求権を行使して借り主に買い取ってもらうだけではなく、新たにテナントを募集して貸し出したり、売却したりすることもできます。建物も自分の名義になり、契約満了後は資産が増えることも、リースバック方式のメリットでしょう。
相続税対策ができる
リースバック方式にすると、相続税対策になることも大きなメリットです。リースバック方式の場合は、建物の名義が土地の所有者となり、土地の評価額が下がります。
評価額が下がることで相続時の課税対象額も引き下げられ、税金対策になる点がリースバック方式ならではの魅力です。
リースバック方式と事業用定期借地権方式を比較したデメリット
事業用定期借地権方式と比較すると、リースバック方式ならではのデメリットもあります。
- 固定資産税がかかる
- メンテナンス費用がかかる
- 解体費用が必要
デメリットも把握して、リースバック方式への理解を深めましょう。
固定資産税がかかる
リースバック方式の場合は、建物が土地の所有者の名義となるため、土地だけではなく建物に対しても固定資産税の納付義務が生じます。リースバック方式を利用することで相続税の対策にはなるものの、固定資産税が追加される点はデメリットです。
事業用定期借地権方式の場合は土地を貸し出すのみとなり、建物は借り主の名義となるため、建物の固定資産税はかかりません。
メンテナンス費用がかかる
建物が土地の所有者名義となるリースバック方式では、建物のメンテナンス費用がかかります。コストがかかるだけではなく、メンテナンスも自身で行わなければならないため、土地に加えて建物管理の労力が発生する点も覚えておきましょう。
解体費用が必要
契約満了時に建物を買い取ってもらわず、土地の所有者が処分する場合は解体費用がかかります。建築する建物の規模が大きいほど、解体費用も高額になる点はデメリットです。
事業用定期借地権方式の場合は契約満了時に更地になるため、建物を解体する必要はありません。契約満了時に建物を取得できる点はメリットですが、活用する予定がないと解体が必要となり、余計な費用がかかってしまう点はリースバック方式のデメリットです。
アパート経営では、自己資金がいくら用意できるかによって利回りが変わってきます。
また、建築費用は施工会社によって数百万~数千万円の差が出ることもあり、ハウスメーカーによって提示する利回りは異なります。より客観的に利回りの算出をするためには複数のハウスメーカーから提案をもらいましょう。イエウール土地活用なら一度の情報入力で複数の施工会社に問い合わせることができます。
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建設協力金を使った土地活用を成功させるコツ
建設協力金を使って土地活用を成功させるには、覚えておきたいコツが2つあります。
- 転用しやすい建物を選ぶ
- 賃貸料を高く設定しておく
コツを把握して、建設協力金を上手に活用しましょう。
転用しやすい建物を選ぶ
契約満了後のことを考えるなら、建設協力金を得て建築する建物は、将来的に転用しやすいものを選ぶことが大切です。リースバック方式の場合は、契約満了時に借り主に建物を解体してもらえず、自分で解体しなければなりません。
そのため、コンビニやスーパーなどの転用しづらい建物を選んでしまうと、解体の必要性が高まり、高額な費用がかかる可能性があります。賃貸物件など転用しやすい建物を選ぶと、賃貸経営を継続するほか、自身で住むなど別の方法でも活用がしやすく、解体費用をかけずに済みます。
賃貸料を高く設定しておく
リースバック方式で建設協力金を採用する場合は、賃貸料を高く設定しておくことが大切です。リースバック方式だと建物の管理を土地の所有者が行わなければならず、メンテナンスの費用がかかります。
賃貸料によって収入を得るだけではなく、メンテナンス費用を捻出するためにも、事業用定期借地権方式の場合よりも賃貸料は高くしておく必要があります。賃貸料が多いとメンテナンス費用も出しやすく、資金繰りの苦労が少なくなるでしょう。
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エリア | 福岡県 |
土地面積(㎡) | 332 |
延べ床面積(㎡) | 243 |
工法 | 木質パネル接着 |
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資金が少ない人は建設協力金を利用するとよい
土地活用を検討しているものの自己資金が少ない場合は、借り主から預託金を受け取れる建設協力金を利用することがおすすめです。建設協力金を利用することで、少ない資金で土地活用をし、土地と建物の賃貸料によって収入を得られます。
建設協力金を利用するメリットは、土地の所有者だけではなく借り主にもあります。そのため、お互いの利益となるように契約条件を調整することが大切です。建設協力金を上手に利用し、土地の所有者と借り主双方の利益となる方法で土地活用を行いましょう。