マンションが最寄り駅から遠い場所にあると高く売れないのではないかと不安に思っている方もいるでしょう。
マンションの売却価格に最寄駅からの距離は大きく関係しますが、その他の要素で価値を高めることができれば駅遠マンションであっても高く売却することはできます。
この記事では最寄り駅から離れていても高く売れるマンションの特徴や高く売るための対策を解説しました。
「まずはマンション売却の基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
駅遠マンションは高く売却することが難しい
最寄り駅から遠いマンションは高く売れないイメージがある方も多いでしょう。
確かに駅遠マンションより駅近マンションのほうが高く売却されています。どうして駅からの距離でマンションの価値が変わってしまうのでしょうか。
駅近・駅遠マンションとは
駅から何分以上だと駅遠マンションであるという明確な決まりはありませんが、一般的に最寄り駅から徒歩15分以上かかるマンションは「駅遠マンション」と呼ばれるようです。
反対に駅近マンションは最寄り駅から徒歩10分以内に着くマンションのことを指していると考えてよいでしょう。
駅からかかる分数の算出については、「道路距離80メートルにつき1分を要するものとして算出した数値を表示する」と不動産公正取引協議会連合会の不動産の表示に関する公正競争規約施行規則に記載されています。
駅遠マンションが高く売れない理由
ではなぜ最寄り駅から遠いマンションは高く売れないのでしょうか。
その理由は、最寄り駅から近ければ近いほどマンションの需要が高まるからです。
中古マンションの購入を考えている方が購入の決め手となるポイントとして挙げられるのが立地です。
立地についてはどのエリアに住むのかということも重要ですが、「最寄り駅から何分かかるか」という点もチェックして購入される方がほとんどです。駅近マンションは人気があり強気の価格でも売却することができますが、駅遠マンションでは駅近マンションに比べ人気がないため価格を低めに設定して売却されることがあります。これが駅遠マンションが高く売れない理由です。
駅遠マンションの売却相場
最寄り駅からの距離がどのように売却価格に影響するのか確認してみましょう。
価格(万円) | ㎡単価(万円) | 専有面積(㎡) | |
---|---|---|---|
徒歩10分以内 | 4182 | 66.21 | 63.31 |
11~20分以内 | 3004 | 43.02 | 69.96 |
21分以上 | 1989 | 28.16 | 70.64 |
バス便 | 1653 | 23.5 | 70.34 |
こちらは首都圏の最寄り駅からマンションまでにかかる分数別の売却相場を表にまとめたものです。
1番売却相場が高いのは徒歩10分以内のマンションであることが分かります。
徒歩11分を過ぎると売却相場は1000万円以上低くなっています。最寄り駅からの距離は売却価格に大きく影響するといえるでしょう。
駅から遠くても高く売却できるマンションの特徴
駅遠マンションは高く売れにくいと言われていますが、立地以外に付加価値があれば高値で売却することも可能です。
最寄り駅から遠くても高く売却できるマンションの特徴を解説します。
近くにバス停があり交通の便が良い
駅から遠くても近くにバス停がある場合は高く売却することができます。
普段からバスをよく利用するという方にとってはバス停が近いというアピールポイントは十分魅力的です。
駅まで行かなくてもバスを使えばいろいろな場所へ移動することができるということを売却活動ではアピールしていきましょう。
周辺環境が充実している
駅から遠くても周辺環境が充実していて生活に困らない場合はマンションを高く売却することができます。
マンションの近くにスーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストア、商店街があればマンションの周辺で生活に必要なものを揃えられるため駅までの距離が気にならず生活できるでしょう。主婦の方にはとても人気のあるポイントです。
飲食店がマンションの周辺に多い場合もアピールポイントとして利用できます。ご高齢の方が多く住む地域ならば病院が近くにあるアピールもマンションを高く売却するために効果的でしょう。
管理・修繕がきちんとされている
エントランス・エレベーター・廊下・駐輪場といったマンションの共有部にメンテナンスがきちんと行き届いているかもマンション価格を左右する要素です。共有部の管理状態が悪いと実際に売りに出すタイミングになったとき、訪問に来る不動産会社の営業担当者の印象が悪くなったり内覧に来る方の購入意欲が失われたりすることもあるでしょう。
また、マンションの管理機能が機能しているかも大きなポイントとなります。
マンションは10~12年ごとに大規模修繕工事を行います。修繕積立金は居住者から徴収しますが、管理組合が機能していない場合は、修繕積立金が溜まっていないというケースも存在します。
購入後もマンションで快適な生活が送れるという安心感が買主に伝わるようにアピールするとよいでしょう。
子育てしやすい環境
周辺環境との充実と同じく、マンション周辺が子育てしやすい環境であればマンションの売却価格は高値で売却することができます。
マンションの近くに大きな公園があれば遠出をせずに休日子どもと遊ぶことができますし、小さなお子さまがいる家庭では駅までの距離より保育園が近くにあるマンションであるかどうかに注目して購入を考える方もいます。
子育て世代に人気のあるエリアのマンションを売却する際は、子育てに関係あるポイントを中心にアピールするとよいでしょう。
再開発されるエリア
マンション周辺が再開発された・今後される場合は、地域一帯の価値が高くなるためマンションの売却価格も高くなります。
まだ再開発されていない地域でも近くに大型ショッピングセンターが建設されるといった再開発の情報があれば多少強気の価格でもマンションを売ることができるでしょう。
今回ご紹介したもの以外にも高く売れるマンションの特徴はあります。
まずはマンションがいくらで売れるか把握しよう
2章で解説したように駅から遠くても高く売却できるマンションも数多くあります。自分のマンションはいくらくらいで売れるのか査定シミュレーションを使って確認してみましょう。
下記の査定シミュレーションを使うことで自分の家がいくらで売れそうか簡単に調べることができます。
まずマンションを選択します。その後マンション名、専有面積、間取り、階数、方角の項目を埋めてから「想定価格をみる」ボタンを押してみましょう。ボタンを押すと○○万円~○○万円と、幅のある売却想定価格が自動で算出されます。
しかし、査定価格はマンションの個別情報や最新の不動産市場によって決まるため、この査定シミュレーションで分かる売却想定価格はおおよそのものであり精度が低いといえます。
マンションがいくらで売れるのか正確に知るためにも不動産会社に査定を依頼してみましょう。
査定を依頼する際は、ネットでいつでも簡単に査定依頼ができるイエウールの利用がおすすめ。一度の申し込みで複数社に査定を依頼でき、完全無料でサービスを利用できるのでまずは家の価格を知ってから売却を検討したいという方も安心して利用できます。
あなたの不動産、
売ったら
駅遠マンションを高く売却してくれる不動産会社の見分け方
マンションを高く売却するためには重要なのは不動産会社選びです。
マンションの価値が高くても不動産会社選びを失敗してしまうと本来の価値より低い価格で売却することになるかもしれません。ここからは高く売却するために欠かせない優秀な不動産会社の選び方を解説します。
担当者との相性を確認する
不動産会社選びで最も重要なポイントは営業担当者の対応です。
不動産一括査定などを利用して複数の不動産会社から机上査定を受けると、すぐに不動産会社の営業担当者から連絡が入ります。そこから訪問査定に進みますが、査定額の根拠などを聞いて営業担当者の返答を確認しましょう。
マンション売却では不動産会社の営業担当者と様々なやり取りを行うことになります。そこで見極めのポイントは「こちらの話を親身に聞いてくれるか」です。
不動産売却ではそれぞれの不動産に個性があり、売主にも様々な事情があり、個々の売却自体がオリジナルという理由からです。そのため毎回異なる売却戦略が必要ということになり、売主からしっかりとヒアリングができないとよい売却戦略は立案できません。
それぞれに最適な売却戦略があるとなれば、売主の話を聞かない、自分の考えを押し付けるという不動産会社・営業担当者ではよい結果は出ないでしょう。
査定額とその根拠を聞く
マンション売却をするためには不動産会社により査定を受けます。査定後、不動産会社から査定結果が送られてきたら査定価格とその根拠を聞きましょう。
不動産会社の査定には定められたルールがなく、「いくらで売れるか」という観点でそれぞれの不動産会社がそれぞれの基準で査定価格を決めるため、不動産会社によって査定価格は異なります。
査定価格はどの不動産会社でも大きく違いはないはずですが、中には極端に高い査定価格を提示し、売り出すときに値下げを提案する不動産会社もあります。あまりに違う査定価格を提示してくる不動産会社には依頼しないようにしましょう。
反対に安すぎる査定価格も担当者が相場を把握していない可能性があるので注意しましょう。
このような不動産会社を避けるためにも、査定価格を受け取ったら「どうしてその査定価格になったのか」を聞き、しっかりとした根拠を説明していただけいるかを確認します。平均的な査定価格を提示していても根拠を説明できないこともあります。
査定価格が高い・安いも重要ですが、担当者がしっかりとした説明をできるかどうかも重要です。
得意な物件と売却実績
数多くある不動産会社の中でも、「売却業」を専門にしている不動産会社であるか確認するようにしましょう。
売却を専門に行っている不動産会社のほうが売却実績が多く、ノウハウや専門知識があるためよりスムーズに売却業務を行えます。
また、自分の売りたい不動産の売却が得意であるかどうかも重要です。同じ売却業を専門としている不動産会社でも「マンションの売却が得意」「一戸建てを売るのが得意」というように得意な物件があります。自分の売りたい不動産の売却が得意な不動産会社であれば、売却ノウハウが蓄積されており、売却のアドバイスをもらうことができるでしょう。
不動産会社の専門領域や得意な物件を確認するには、査定を依頼する前に不動産会社のホームページを確認するか、担当者に直接質問してみるとよいでしょう。
囲い込みをしていないか
囲い込みとは不動産会社がその物件に対して両手仲介を狙う行為のことです。両手仲介自体は問題がありませんが、不動産会社が両手仲介になるように他の不動産会社からの内覧や購入の依頼を嘘をついて断ったり、レインズに登録していないなどして、自社で買主が見つかるまで物件を売れないようにする行為は囲い込みになり、売主が損をしてしまうことがあります。
不動産会社は買主の利益も考えなければいけないため、完全な売主の味方になってくれないことがあり、場合によっては値下げを要求してくることもあります。
囲い込みを防止するには不動産会社に囲い込みをしないか媒介契約を結ぶ前に営業担当者に確認しましょう。
最寄り駅から遠いマンションを高く売却するための対策3選
マンション売却時に高く売るための対策を行うことで駅遠マンションでも高く売却することができます。
最後に駅遠マンションを高く売却するための対策を3選ご紹介します。
ホームインスペクションを行う
ホームインスペクション(住宅診断)とは住宅の状態を専門家が検査して劣化している箇所や欠陥の有無があれば報告し修理についてのアドバイスなどをすること言います。ホームインスペクションを行うことでマンションに問題がないことを証明することができるため値引き交渉の際に値引き額を抑えることができ、高く売ることができるでしょう。
ホームインスペクションの料金相場は5~7万円程度です。オプション次第では費用が高額になることがあるため、不動産会社と相談してどこまで詳しく診断してもらうか決めましょう。
同じマンションの別の部屋と同じタイミングで売却しない
同じマンションの別の部屋が売りに出されていた場合、売却の時期をずらすとよいでしょう。
立地・周辺環境・間取りといった条件が同じマンションを売却する場合は価格競争になることが多いです。売るために値下げをしなければいけないこともあります。
高く売ることにこだわるのであれば、ほかの部屋が売れるまで売却活動を控え、ライバルがいない状態で売却活動を行っていくとよいでしょう。そうすればほかの部屋の価格に影響されず自分の売りたい価格に近い金額で売ることができます。
売り出し価格を少し高めに設定する
少しでも高く売却したい場合は、マンションの査定価格より少し高めに売り出し価格を設定するとよいでしょう。
査定価格は不動産会社が算出する「うちの会社ならこのくらいで売却できそうです」という価格のことです。あくまで売却できそうな目安の価格のため、査定価格以上の売り出し価格を設定しても売れる可能性は十分にあります。
また、買主候補が見つかった際に値下げを交渉されることもあります。初めから売却希望額で売りに出すと値下げ対応をした際に売却希望額より低い価格で売却することになってしまいます。
しかし売り出し価格を高く設定しすぎると買主が見つからずマンションが売れ残ってしまうこともあるので、売り出し価格を設定するときは不動産会社に相談してみるとよいでしょう。
ここまで駅遠マンションの売却について解説しました。最寄り駅から遠いマンションは高く売れにくい傾向にありますが、その他のアピールポイントを上手く利用することで高く売却することもできます。駅遠マンションを高く売却するためには不動産会社選びが重要です。不動産一括査定を利用して複数の不動産会社を比較してより優秀な不動産会社を見つけられるようにしましょう。