いらない土地を所有していて、その不要な土地をどうすればいいか悩んでいる方はいませんか?
どうしてもいらない土地を手放す方法として、無償で寄付する、譲渡する、他さまざまなパターンがあります。手放し方によってメリットやデメリット、手放す手順が異なりますので、資金力やライフスタイルに合わせて比較検討することがポイントになります。
この記事では、「いらない」と感じている土地を最小限のコストで手放す方法や手放す際の注意点を解説していきます。
「まずは土地売却の基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
いらない土地を手放す方法
まずは、以下の表で「手放す方法」と、「どういった方に向いているのか「、その方法を利用する「メリット・デメリット」を把握しましょう。その後の文で、各方法の詳細を紹介します。
方法 | 対象 | メリット | デメリット |
「相続土地国庫帰属制度」 で国に引き取ってもらう | 相続土地を手放したいが、 買い手が見つからない人 | ・手続きが比較的簡単 ・買い手を探す必要がない | ・一定の条件が必要 ・土地の価格が適正に評価されない可能性がある |
不動産会社の 仲介で売却する | ・早く土地を売却したい人 ・市場価格で売却したい人 | ・専門的なサポートが受けられる ・市場価格での売却が可能 | ・仲介手数料が発生する ・売却に時間がかかる場合もある |
無償で寄付する | ・税控除を受けたい人 ・社会貢献をしたい人 | ・税控除が受けられる ・手続きが比較的簡単 | ・金銭的な利益はない ・寄付先の条件に合わせる必要 |
相続放棄の 手続きをとる | 相続した土地に対する負担 (税金、管理費等)を避けたい人 | ・相続負担が発生しない ・手続きは比較的簡単 | ・他の相続財産も放棄する必要がある ・家族に負担がかかる場合がある |
譲渡する | 知人や親戚に土地を譲りたい人 | ・手続きがシンプル ・買い手を探す必要がない | ・譲渡税が発生する場合がある ・相場価格より低い価格になる可能性がある |
空き家バンクを活用する | 土地と一緒に空き家を有している人 | ・地方自治体が協力してくれる場合がある ・ 賃貸など他の活用方法も考慮される | ・地方自治体によっては対応していない場合がある ・条件が厳格な場合もある |
「土地が余っているけれど、売るに売れないから結局放置するしかない」という方も多いのではないでしょうか。売却以外にも不要な土地を効率よく処分する方法はいくつかあり、そのまま放置しているよりもお得になる場合も少なくありません。
ここでは、不要になった土地を処分するパターンとしてシチュエーション別に見ていきましょう。
「相続土地国庫帰属制度」で国に引き取ってもらう
いらないと思っている土地が、相続した土地の場合、土地を手放したい理由として「その土地が遠くて今後利用する予定がない」や「土地の管理をしたいが、負担が大きい」などが非常に多く挙がっています。そのまま「主勇者不明土地」になってしまうのを予防するために、一定の要件を満たした場合に、土地を手放して国庫に規則させることを可能にする「相続土地国庫帰属制度」が2023年4月27日からスタートしました。
相続土地国庫帰属制度は、国の審査を受け合格する必要があったり(審査手数料14,000円)、さらに管理費用の一部を負担する必要がありますが、相続した土地がいらないと感じ手放したい方にとっては、押さえておきたい情報です。
制度についての詳細は、法務省のホームページをご覧ください。
不動産会社の仲介で売却する
不要な土地を首尾よく売却することができれば利益にもつながりますので、理想の処分パターンであると言えます。
「うちの土地は売れない」とあきらめる前に、まずは不動産業者に相談してみましょう。一度売却をして売れなかった経験がある方でも、売り出し価格や売り出し方を再検討してみてはいかがですか?
寄付することも考えている方にでしたら、少しでも利益を得ることができるチャンスですし、売出し価格を当初より抑えることによって買い手のハードルも下がる可能性があります。
土地の売却では、査定を一括で、複数の不動産業者で調べられると便利です!
中でも一括査定サイトの「イエウール」はオススメです。
不動産業者との媒介契約には一般媒介契約、専属媒介契約、専任専属媒介契約の3種類がありますので、売却パターンに合わせて選びましょう。
無償で寄付する
個人ではどうしても管理しきれない土地を処分したいのなら、寄付も視野に入れておきましょう。寄付のパターンには大きく、地方自治体、法人、個人という3つのパターンがあります。それぞれについて見ていきましょう。
個人への寄付
個人同士で土地を寄付することも可能です。ただ、個人単位の寄付では、土地を探している人がなかなか見つからない場合が多く、運よく寄付できる人が見つかったとしても、寄付の条件などの面で折り合いがつかず結局時間ばかりがたってしまう、という可能性があります。
また、シンプルに考えても、寄付できるような土地であれば売却できる可能性が残されており、寄付によって最初からその可能性をみすみすなくしてしまうのはもったいないケースも少なくありません。
法人への寄付
個人単位では引き取り手がなかなか見つからないような土地でも、一般の法人であれば新たな価値を見出してくれるかもしれません。
一般企業であれば、「福利厚生のための保養地を拡充したい」、「社員寮の用地が足りない」などの理由で新たな土地を求めている可能性がありますので、長期的な管理体制も個人よりしっかりしていますので、買い手が見つからない土地も意外と早い段階で引き取ってもらえる場合があります。
国や自治体への寄付
土地の管理ができず、引き取り手がどうしても見つからない場合、国や自治体への寄付も考えられます。長期間にわたって放置され、荒れている土地や建物については国の管轄となる、というルールもありますが、それはあくまでも所有者が特定できない場合に適用される規定です。
また、仮に土地の所有者が特定できなかった場合でも、国や自治体はその家系をたどり、遠方で暮らす子どもや孫にまで管理責任を問う可能性もあります。土地や建物はまとまった維持費がかかるため、国や自治体としてもそう簡単には無償で引き取るわけにはいかない、という事情も背景として考えられます。また、土地や建物は自治体にとって毎年固定資産税が得られる収入源であり、無条件で寄付を受け付けると大きな損失につながってしまうのです。
寄付にも税金がかかる
たとえ寄付であっても、土地や建物を寄付する際には課税される可能性があります。原則として土地の寄付は贈与と見なされ、寄付された側には土地の評価額に比例した贈与税が課されます。
また、寄付する側にも、寄付先が一般企業や公益法人の場合は「みなし譲渡所得税」という形で課税され確定申告が義務づけられますので、税法上のルールについてもあらかじめ把握しておきましょう。
相続放棄の手続きをとる
古家付きの土地を相続した場合、相続を受けた本人が相続放棄を行うことにより、一切の管理責任を免れることができます。相続放棄を行うためには、相続が発生した時点から3カ月以内に家庭裁判所に申立てを行う必要があります。
個人単位ですべての手続きを行うのは時間と労力が膨大にかかるため、実際には弁護士や司法書士などの委託するのが一般的です。ただし、現行の民法では、土地のみの相続放棄は認められません。相続放棄が認められるのはあくまでも古家付きの土地である、ということに注意する必要があります。
ここ数年の日本では少子高齢化の影響により所有者不明の土地・建物が増えており、自治体側も対応に苦慮していることから、近年では「土地のみの相続放棄も認める」という流れになってきています。もっとも、土地のみの相続放棄が無条件に認められるケースはまだまだ少ないです。
譲渡する
土地は持っているだけでもお金がかかってしまうため、ただでも良いから土地を譲渡したいと考える方も少なくありません。
土地のみ譲渡する場合は、法律上、その土地は贈与したという扱いになります。しかし、譲渡にしろ、贈与にしろ税金のお支払いが発生するので実質タダでの取引ではないため、注意が必要です。
譲渡の場合、譲渡した側が売却代金を受け取る際の所得税を支払うことになり、贈与の場合は贈与された側(土地をもらった側)が贈与税を払わなければなりません。贈与の場合は不動産会社が仲介してくれることはありません。贈与のやり取りは口頭でも可能ですが、書面として贈与内容をしっかり残しておくと良いでしょう。
空き家バンクを活用する
古家付きの土地の処分に困っている場合は、空き家バンクの活用もおすすめです。空き家バンクは各地方自治体が組織し、運営しているサービスであり、空き家を処分したい人と引き取りたい人をウェブ上でマッチングするシステムです。
空き家バンクであれば細かい条件ごとに引き取り手の多い土地や建物をピックアップすることができ、長い期間処分に困っている土地でもスムーズに譲渡できる可能性があります。
いらない土地を手放すときの注意点
不要な土地を処分する際には、あらかじめ準備作業が必要になる場合があります。土地や建物を処分する際におさえておきたい注意点について見ていきましょう。
土地の境界は明確にする
土地や建物の資産価値を算出するうえで重要となるのが土地の境界線です。土地の境界線が曖昧では、資産価値算出のもととなる土地の総面積がわからなくなってしまうため、正確な査定ができません。
自治体の窓口に確認し、土地の境界線が明確でなかった場合、土地測量士に依頼してその時点での土地の境界線をあらためて確定させる必要があります。
農地の場合は農家にしか売れない
建物と異なり、どんな土地でも最終的には国の所有物となるため、処分方法には一定の制限がかけられています。法律上、農地については原則として農家以外には売ることができません。条件つきで転用が認められていますが、それでも、一般的な土地以上に処分ルートがかぎられていますので注意しましょう。
土地の売却には税金がかかる
土地を売却すると、売却益に応じて譲渡所得税が課せられます。譲渡所得税は以下の算出式で導くことができるのでおさえておきましょう。
譲渡所得税=売却金額-(取得費+売却費用)-特別控除 |
また、譲渡所得税以外にも、土地の売却時には登記にかかる登録免許税、印紙税、不動産業者への仲介手数料などのコストがかかりますので、事前のシミュレーションが不可欠です。
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いらない土地の活用方法
不要な土地をただ処分するのではなく、有効活用につなげることができればより理想的です。不要な土地を有効に活用するためには、具体的にどのような活用法があるのでしょうか。土地活用のプランニングを含めて、基本的なポイントについて見ていきましょう。
複数の土地活用プランを比較する
土地の有効活用を検討しているのなら、まず、「現時点でどのような活用方法が考えられるのか」ということをシミュレーションしておく必要があります。
そのためには、複数の土地活用プランを同時に比較検討することが大切で、特に、コスト面での比較は土地活用を長期的に成功させるうえでポイントになります。
さまざまな土地活用方法を一括で比較検討したいとき「イエウール土地活用」を使えば、無料で最大10社の活用プランを受け取ることができます。
次に具体的な土地の活用例を紹介していきます。
立地が悪くてもOKなのは「太陽光発電」
太陽光発電システムであれば、土地・建物の立地にかかわらずメリットを発揮できるのでおすすめです。ただ、一軒家への太陽光パネル設置には一定の初期費用がかかり、コスト回収までには数年単位のスパンが必要になる、という注意点があります。
また、売電単価によっては何年続けても初期コストを回収できず、赤字になってしまう、というケースが多いのも現状です。
収入源にもなる「賃貸アパートの経営」
リタイア後の貴重な収入源としても注目されているのが賃貸アパートの経営です。最近ではサブリース契約など、まったくのビギナーでもローコストで新規参入できるようなシステムがととのえられています。
ただ、経営にはやはり赤字がつきものですので、自己資金を豊富に用意しておくなど、長期的な赤字対策を整えたうえで始めましょう。
コインパーキングなどの駐車場経営
土地のみを相続した場合におすすめなのがコインパーキング経営です。コインパーキングであれば初期投資費用が比較的少なく、最小限のコストで運営が続けられるため、コスパの面でもメリットが大きいと言えます。
賃貸で賃料収入を得る
土地を第三者に賃貸するkとで、定期的に賃料を得る方法があります。適切なテナントを見つける必要があり、管理が負担になる場合も考えられますが、土地を保持しつつ収入を得られるのはメリットになります。
いらない土地を手放すか維持するか判断する方法
いらないと感じる土地を手放すか維持するかの判断は、多くの要因を考慮して行う必要があります。以下は判断の際に考慮すべきポイントをまとめています。
経済的な要因:
- 固定資産税: 所有している土地には毎年固定資産税が発生します。この税金は土地の評価額に基づき計算されるため、高額な土地では税負担も大きくなります。
- 管理費: 特に離れた場所や大きな土地の場合、草刈りやゴミ清掃などの管理費が発生することがあります。
- 将来の価値: 地域の開発や交通網の拡大など、将来の価値上昇を期待できるかも重要なポイントです。
土地の利用価値:
- 立地: 駅や主要道路からのアクセス、商業施設や学校などの施設の近さは土地の利用価値を大きく左右します。
- 用途地域: 住宅、商業、工業など、土地の用途地域によって開発や利用の幅が変わります。
感情的な価値:
- 世代を超えて家族で所有してきた土地や、特別な思い出が詰まった土地は、感情的な価値が高いと感じることが多いです。この感情的価値は経済的価値とは異なるため、個人の価値観によって判断が分かれることがあります。
市場の動向:
- 不動産市場: 地域の不動産の取引状況や価格の動向は、土地を手放すタイミングや価格を判断する上での重要な指標となります。
- 開発計画: 地域の今後の都市計画や交通網の拡大など、将来の開発計画も市場価格に影響を及ぼす要因となります。
将来的な計画:
- 土地を手元に残しておくことで、将来的に新しい住宅を建てる、事業を始めるなどの選択肢が残されます。また、子孫への継承の視点も考慮することが求められます。
これらの要因を考慮しながら、自身のライフステージや経済状況、将来の計画などを総合的に考えて、土地の維持・手放しの判断を下すことが必要です。最終的な判断を下す前に、専門家や関係者との相談を行い、多角的な視点から土地の価値や将来性を評価するようにしましょう。
いらない土地は上手に活用しよう
不要な土地をいつまでも放置していても固定資産税などの維持費がかかるばかりですし、雑草や害虫が増えれば近隣トラブルの原因にもなりかねません。
ぜひ、不動産のプロに相談したうえでいらない土地を上手に活用できるアプローチを考えましょう。