- 「一戸建てを売りたいけど、何から始めれば良いのか分からない」という方は、まず不動産一括査定を
- 複数の不動産会社の査定結果を比較することで、より高く売れる可能性が高まります
- 業界No.1の「イエウール」なら、実績のある不動産会社に出会える
一戸建て売却というのは人生にそう何度も経験するわけではないにも関わらず、大きなお金が動くうえに専門性が高いものです。
一戸建てを売ることを意識し始めた際、本当に売却するかどうかを安心して検討していただくためにも、今回は失敗しない一戸建て売却のやり方を説明します。
まずは売却の全体イメージを掴み、各工程でどんな用語が出てくるのか、何を行うのか、失敗しないためにはどんなことを抑えて注意いいのかを確認しましょう。
- 何から始めると良いかわからない…そんなあなたはまず動画の解説で概要をつかみましょう。
「まずは家を売る基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
一戸建て売却を成功させるためにまずは全体像を理解しよう
一戸建て売却は一定の流れに沿って行われるので、どのような順序で進んでいくのか把握し、その時々に必要となる知識を抑えておくことが大切です。
まず初めに、一戸建て売却の流れや期間について見ていきましょう。
いつ何をどのような流れでやれば良いのかを知ることで、売却成功に一歩近づきます。
実際の一戸建て売却の流れや期間の目安は以下のようになっています。
売却段階 | 内容 | 期間 |
---|---|---|
売り出し前 | 売却の事前準備を行う | 2週間~1ヶ月 |
不動産会社に査定をしてもらう | ||
不動産会社と媒介契約を結ぶ | ||
売り出し中 | 売却活動を行う | 3ヶ月~11ヶ月(売却できるまで) |
売り出し後 | 売買契約を結び、引き渡す | 1ヶ月 |
確定申告を行う |
一戸建て売却は売り出し前の準備から売却完了までにかかる期間として、短くても6ヶ月程度が必要になることを理解しておきましょう。
一戸建て売却の流れや期間などの全体像を把握できたら、ここからは一戸建て売却の各ステップごとに何をするべきかやポイントなどを見ていきましょう。
ステップ①|一戸建て売却の事前準備を行う
まずは一戸建て売却で不動産会社に連絡する前に行うべき事前準備について見ていきます。
売却を成功させるためにはこの工程をきちんと踏むことが欠かせません。
できる準備は以下の7つです。
- 住宅ローンの残債額を確認する
- 必要書類を収集する
- 売却費用・税金を把握する
- 最新の売却相場を調べる
- 土地の境界線が確定しているか確認する
- 一戸建てと土地の名義人を調べる
- 一戸建ての売却スケジュールを立てる
一つずつ説明していきます。
事前準備1:住宅ローンの残債額を確認する
一戸建ての売却をすることが決まった際に、住宅ローン返済中の場合は、必ず住宅ローンの残債額を確認しましょう。
一戸建てに限らず不動産売却をする際は、住宅ローンを完済することができなければ、一戸建てを売却することができません。
そのため、住宅ローンを完済するためにはいくら以上で一戸建てを売却する必要があるのかを把握する必要があります。
住宅ローン残債額は、残高証明書・返済予定表・金融機関のWebサイトなどで確認することができます。
事前準備2:必要書類を収集する
一戸建て売却の2つ目の事前準備は、必要書類の用意をしておくことです。
一戸建て売却の必要書類は、書類の種類だけではなく取得方法や使用するタイミングも併せて理解しておくと、売却がスムーズに進みます。
以下の表を参考に、戸建て売却ではどのような書類が必要なのか・なぜ必要なのか・どこで入手すればよいのかを把握しておきましょう。
書類 | 内容 | 取得先 |
---|---|---|
身分証明書 | 身分を証明するもの | – |
印鑑登録証明書 | 登録した実印を証明する書類 | 市区町村の役場など |
住民票 | 個人や世帯についての情報 | 市区町村の役場など |
登記済権利証(登記識別情報通知書) | 登記が完了した際に発行される権利書類 | 法務局(登記時に交付) |
固定資産税納税通知書 | 固定資産税の納税額を通知する書類 | 毎年郵送される |
重要事項説明書 | 不動産の重要事項説明を行う書類 | 不動産会社 |
確定測量図 | 土地の測量図 | 測量会社 |
建築図面 | 建物を建築する際の図面 | 建設会社 |
事前準備3:売却費用・税金を把握する
次に一戸建て売却にかかる費用・税金を確認します。
一戸建て売却には思ったよりも費用や税金がかかったと感じる方も多いため、必ず確認しておきましょう。
具体的には、一戸建て売却では売却価格の約5%前後の費用や税金がかかります。
例えば、売却価格が3,000万円であれば150万円ほどの費用がかかるということになります。
一戸建て売却にかかる費用・税金の種類と相場の目安は以下の通りです。
項目 | 費用の目安 |
---|---|
仲介手数料 | ( 売却額 × 3% + 6万円 )+ 消費税 |
印紙税 | 1,000円〜6万円 ※売却金額により異なる |
抵当権抹消費用 | 自分で行う場合:約2,000円 司法書士へ依頼する場合:平均1~2万円 |
ローンを一括返済するための費用 | 一括繰上返済にかかる金融機関への手数料1~3万円 |
譲渡所得税(所得税及び復興特別所得税・住民税) | 売却した年の1月1日での保有期間によって異なる 保有期間5年以下:譲渡所得の39.63% 保有期間5年超:譲渡所得の20.315% |
その他費用 | ※費用項目より異なる |
このなかでも、売却したことで利益が出た場合は「譲渡所得税」が、それ以外では不動産会社に対して支払う「仲介手数料」が費用の大部分を占めています。
また、印紙税や抵当権抹消費用・住宅ローンを一括返済費用などの、必須でかかる費用だけでなく、一戸建て売却ならではの費用がかかるケースもあります。
具体的には、「測量費用」・「解体費用」などが挙げられます。
解体費用は、建物部分を壊して土地として売却するときにかかる費用で、木造なら1坪あたり5万円、延床30坪なら150万円以上かかります。
交渉次第ではありますが、解体費用を買主が負担で売却するケースもあります。
事前準備4:最新の売却相場を調べる
一戸建て売却における4つ目の事前準備は、最新の売却相場を調べることです。
周辺に位置していて、条件が似ている一戸建てがどのくらいの価格で売買されているのかを把握しておきましょう。
自分でも事前に相場を把握しておくことで、この後不動産会社が提示してくる査定価格が適切かを判断することができます。
自分で売却相場を調べるためには、以下のサイトを利用するのがおすすめです。
サイト名・運営元 | 特徴 |
---|---|
不動産取引価格情報検索 (国土交通省) | 過去の不動産売買の情報を閲覧することができるサイト。 国土交通省が不動産を購入した買主にアンケートを行い調査した価格が掲載されているため、 より実際の売買価格に近い価格を知ることができる。 |
レインズマーケットインフォメーション (国土交通大臣指定不動産流通機構) | 不動産流通機構が運営している不動産取引価格の情報提供サイト。 実際に取り引きされた価格に基づいた売却参考価格を確認することができる。 |
国土交通省地価公示・都道府県地価調査 (国土交通省) | 全国の公示地価や基準地価を閲覧できる。 ※公示地価:一般の人が土地の売買や資産評価をする際に、土地の適正な価格を判断するための客観的な目安として活用される。 |
一戸建ての売却相場は絶えず変動しています。そのため、現在の正確な相場価格を把握するためには、出来るだけ最新のデータを確認するようにしましょう。
一戸建ての売却では、建物だけでなく土地も一緒に売却するため、土地の売却相場を調べることも重要です。
また、一戸建て売却相場を調べる際には、売却価格に大きく影響する要素である築年数別の売却相場も必ず確認することが重要です。
レインズの発表している2021年のデータによると、築年数別の一戸建て売却相場は以下の通りです。
価格(万円) | 土地面積(㎡) | 建物面積(㎡) | |
---|---|---|---|
築1~5年 | 4,557 | 112.89 | 97.35 |
築6~10年 | 4,155 | 11813 | 98.87 |
築11~15年 | 3,955 | 138.56 | 103.32 |
築16~20年 | 3,810 | 137.61 | 105.84 |
築21~25年 | 3,421 | 141.25 | 111.37 |
築26~30年 | 2,917 | 156.59 | 116.15 |
築31年~ | 2,355 | 171.48 | 101.71 |
一戸建てに関わらず、不動産は築年数が浅い物件ほど高く売却することができます。
特に一戸建てに関しては、木造の建物の耐用年数が20年程度ということから、築20年を過ぎると売却相場が大幅に下落してしまいます。
もし一戸建てを少しでも高く売却したい方は、築年数の浅いうちに売却することをおすすめします。
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事前準備5:土地の境界線が確定しているか確認する
一戸建て売却の5つ目の事前準備は、土地の境界線が確定しているかの確認を行うことです。
土地の境界線が確定していないと、売却時に隣人と土地の面積に関してトラブルが発生する可能性があり、その後の売却活動に悪影響を及ぼす恐れがあるため必ず事前に確認しておきましょう。
また、土地の面積も一戸建ての売却価格に大きく影響します。
境界線が曖昧なまま査定や売却活動を始めてしまうと、正確な査定価格を算出できなかったり、適切な価格で売却できずに損してしまったりする可能性が非常に高いです。
そのため、一戸建て売却をする前には必ず土地の境界線が確定しているかを確認しておきましょう。
事前準備6:一戸建てと土地の名義人を調べる
一戸建て売却の6つ目の事前準備は、一戸建てと土地の名義人を調べておくことです。
不動産の名義人を調べておく必要がある理由は、不動産を売却することができるのはその不動産の名義人のみであるためです。
不動産の名義人が売主以外になっていた場合は名義変更の手続きから行いましょう。
また、親から相続した土地に建てた一戸建てを売却する場合、建物部分は子ども名義、土地部分は親の名義になっているケースなどもあるため、必ず一戸建てと土地両方の名義人を確認しておきましょう。
事前準備7:一戸建ての売却スケジュールを立てる
一戸建て売却の最後の事前準備は、一戸建て売却のスケジュールを立てておくことです。
実際に一戸建てを売り出してから買い手が見つかるまでの期間は、一般的に3~11か月と言われています。
このように、一戸建ての売却活動を始めてすぐに売れるものではないため、計画的に売却活動をスタートさせる必要があるのです。
特に転勤や相続が理由で一戸建てを売却する場合は、売り切らなければならない期限が決まっているため、いつまでに売却する必要があるのか、売却期限が迫ってきた際にどうするのかなどを事前にきちんと考えておくと良いでしょう。
売却活動の期限が迫ってくると、売り出し価格の値下げを行ったり、買主の値下げ交渉に応じなければならないなど、売却希望額で売却することが難しくなってしまいます。
余裕のある売却スケジュールを立てるためにも、まずは一戸建ての売却にかかる期間を把握しておきましょう。
一戸建ての売却にかかる期間は、一般的に3か月から11か月と言われています。
一戸建て売却期間で1番時間がかかるのが売り出し期間です。
一戸建ての売り出し期間は、買主が見つかるまで続きます。つまり、買主が見つからなければ1年以上売り出し期間が続くこともあるということです。
都心や人気のエリアにある一戸建ては、購入希望者が多く集まるため、比較的短期間で売却できる傾向にありますが、駅から遠く離れた一戸建てや田舎にある一戸建てなど、需要が低い一戸建ては売却にかかる期間が長くなると言えるでしょう。
一戸建ての売却にかかる期間を短くしたい場合は、積極的に内覧対応を行ったり、ホームステージングを利用するなど工夫をしておくとよいでしょう。
売ったらいくら?
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ステップ②|不動産会社に査定してもらう
一戸建て売却の事前準備を済ませたら、いよいよ不動産会社に査定を依頼します。
不動産会社による一戸建ての査定では、実際にその会社が一戸建てをどのくらいの価格で売却できそうなのかを算出してもらいます。
不動産査定の種類と評価項目を知る
査定依頼の前に、査定にどんな種類があるのかを確認しましょう。
不動産会社の行う査定には、机上査定と訪問査定の2種類があります。
机上査定 | 訪問査定 | |
---|---|---|
査定価格の算出方法 | 一戸建てのデータ | 一戸建てのデータ+現地調査 |
結果が出るまでにかかる期間 | 当日~3日 | 1週間程度 |
査定の正確さ | おおよその価格 | 売却相場に近い価格 |
机上査定は簡易査定と呼ばれるほど気軽に査定結果を知ることができスピードも速いですが、実際に一戸建てを見て評価する訪問査定と比べると精度は低くなりますし、売却するとなると必ず行わなければならないのは訪問査定になります。
売却したいのか、売却を検討するためにどんな査定結果がでるかおおよその価格を知りたいのかなどの目的によって使い分けるようにしましょう。
また、机上査定と訪問査定でどちらも必要となる一戸建て評価ポイントは下記のとおりです。
評価ポイント | |
---|---|
建物 | 築年数 |
日当たり・風通し | |
一戸建ての維持管理状態 | |
給湯設備・冷暖房設備 | |
土地 | 土地の形状 |
接している道路の状況 | |
用途地域 | |
間口と奥行きの比率 | |
環境 | 周辺環境 |
最寄り駅への距離・利便性 | |
眺望や景観 | |
再開発の情報 |
依頼して一戸建てを査定してもらう
査定依頼するには机上査定と訪問査定のいずれにしてもを選ぶとしても不動産会社に直接連絡する方法とネットで不動産一括査定を受ける方法の2つがあります。
そのため、どちらかを選んで依頼してみましょう。
ここで注意したいのは、一戸建ての査定で不動産会社が算出する価格には明確な算出方法などが存在せず、各不動産会社によって異なるため、1社だけの査定価格では一戸建ての適切な査定価格を把握することができないということです。
そこで、精度の高い査定価格かどうかを確認するためには複数の不動産会社の査定を受けることがおすすめです。
複数の不動産会社に査定を依頼するには多く手間と時間がかかってしまいますので、おすすめはネットで不動産一括査定を受ける方法です。
不動産一括査定を利用することで、手間や時間をかけることなく複数の不動産会社に一度に査定を依頼できるのです。不動産一括査定を利用することで、査定価格だけでなく、担当者の対応も比較することができるため、自分にあった不動産会社であるか見極める際にも利用できます。
一戸建て売却の成功には信頼できる優秀な不動産会社との契約が必要不可欠です。
最低でも3社以上の不動産会社に査定依頼を行い、優良な不動産会社であるか比較しましょう。
不動産一括査定の中でも、おすすめは「イエウール」です。
イエウールは一度の申し込みで最大6社まで同時に査定依頼ができる不動産一括査定サイトです。
全国約2000社の不動産会社と提携しており、都心部にある一戸建てから田舎にある一戸建てを売却したい方までご利用いただけます。
提携している不動産会社は厳選された優良不動産会社のみ。クレームの多い悪徳業者は排除する運営を行っているため不動産一括査定に関するトラブルを避けて売却することができます。
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ステップ③|不動産会社と媒介契約を結ぶ
複数の不動産会社に査定をしてもらったら、仲介を依頼する不動産会社を決めて媒介契約を結びます。
難しいように聞こえますが、媒介契約とは、不動産会会社にご自身が一戸建てを売却するための売却活動をサポートしてもらうための契約のことです。
媒介契約の種類を知る
媒介契約には「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があり、どの種類にするかはご自身が自由に決めることができます。
専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
複数業者との契約 | × | × | ○ |
他社への通知義務 | × | × | ○ ※明示型の場合 |
自己発見取引 | ○ | × | ○ |
契約の有効期限 | 3か月以内 | 3か月以内 | 指定なし |
指定流通機構への登録 | 7日以内に登録 | 5日以内に登録 | 任意 |
業務状況の報告義務 | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 | 任意 |
媒介契約の大きな違いは、複数の不動産会社と同時に契約をすることができるかどうかです。
一般媒介契約では複数の不動産会社と媒介契約を結ぶことができますが、専任媒介契約と専属専任媒介契約では1社しか媒介契約を結ぶことができません。
どうしても契約する不動産会社を決められない場合や、一戸建てを売却しようとしている一戸建ての需要が比較的高い場合は一般媒介契約がおすすめです。
ただし、高く早く売れる人気物件でない限り複数社と契約していると後回しにされることがあるため、需要が高い人気物件というわけでなければ専任媒介契約か専属専任媒介契約で確実に1社に行動してもらえる状況を作ることがおすすめです。
媒介契約を結ぶ不動産会社を選ぶ
不動産会社を選ぶ際に、高く売却するために査定価格が1番高い不動産会社と契約する方もいますが、査定価格が高いからといってその価格で売却できる保証はありません。
一戸建ての売却において、不動産会社選びはとても重要です。査定価格だけにとらわれず、その他の要素も考慮して選びましょう。
一戸建てを売却するにあたり、担当者との相性が良いかどうか重視して選ぶことも重要です。
初めて一戸建てを売却する方は、売却活動を進めるにあたって不安や疑問がたくさんあるでしょう。そこで相性の良い担当者がいる不動産会社と契約していれば不安や疑問がある場合も気軽に相談することができ、売却活動をスムーズ進めることができます。
担当者とは一戸建ての売却活動中である約6か月以上も連絡を取り合うことになります。査定価格の高さだけでなく、連絡の取りやすさや話しやすさで担当者を決めることも重要です。
必要書類を準備して契約する
媒介契約の種類と不動産会社を決めたら、いよいよ契約です。
媒介契約に必ず必要なものは印鑑と運転免許証などの本人確認証の2つですが、契約後に不動産会社がスムーズに売却活動を進められるように、できるだけ以下の書類も用意することがおすすめです。
- 住宅ローンの返済予定表
- 登記済証または登記識別情報
- 間取り図面
- 土地の測量図面
- 購入時の不動産売買契約書・重要事項説明書
- その他、購入時のパンフレットなど
ステップ④|一戸建ての売却活動を行う
さて、不動産会社と媒介契約を結んだらいよいよ実際に一戸建てを売り出して売却活動がスタートします。
売却活動とは、一戸建てを売りに出して買主が見つかるまでに行う活動のことです。
とはいえ、実際に行うのは購入希望者の内覧対応がメインであるため、この内覧を成功させることが一戸建て売却成功の鍵になっています。
不動産会社と連携しつつ、以下の流れで取り組みましょう。
売り出し価格を設定する
不動産会社の査定価格は「このくらいの価格で売却できそう」という目安の価格のため、必ず査定価格と同じくらいの価格で売り出さなければならないわけではありません。
そのため、自分で調べた相場と不動産会社の意見、自身の希望価格のバランスをとりつつ売り出し価格を決めましょう。
無事に売却することができたものの、後から「もっと高く売却することができたのではないか」「売却にかかる費用や手数料のことも考えて売り出し価格を決めるべきだった」と後悔している方は多くいらっしゃいます。
そのため、後に発生する値下げ交渉をされても対応できるように、売り出し価格は売却希望額よりも少し高めに設定しておきましょう。
例えば、3000万円で売却したい一戸建てを3000万円で売りに出した場合、買主の値下げ交渉を受け入れてしまうと、売却希望額よりも低い価格でしか売却できないことになります。
しかし、3000万円で売却したい一戸建てを3500万円で売りに出すと、最高500万円まで買主の値下げ交渉に対応する余裕がありますし、値下げ交渉されなかった場合は、売却希望額より高く売却することができるのです。
売却相場より高すぎる売り出し価格を設定してしまうと、購入希望者が現れず売却期間が長引く可能性もあるため、売り出し価格を設定する際は必ず不動産会社に相談しましょう。
購入希望者による内覧を行う
売り出し価格を設定したら、不動産会社が購入希望者を募ります。
その購入希望者が売却したい一戸建てを失際に見に来る機会を内覧と呼びます。
実際に買主が見つかるまでの内覧回数は一般的に5~10件と言われています。
そのため、一戸建ての売り出しが始まったら内覧に対応できるように土曜日と日曜日は日程を空けておくことで、スムーズに売却活動を進められます。
一戸建て売却の内覧を成功させる主なポイントとしては、以下の3つが挙げられます。
- 部屋の隅々まで掃除する
- 住民目線でのアピールポイントを伝える
- 積極的にアピールしすぎない
一戸建ての内覧を行うことになったら必ず家の掃除を行いましょう。
家の中が散らかっていることで内覧者の購入意欲が下がるだけでなく、値段交渉の原因にもなります。
注意して掃除をすべき点は水回り・リビング・玄関・バルコニーです。この中でも特に重要なのは水回りです。
一戸建てのアピールをする場合は、一戸建てに住んだからこそ分かるアピールポイントを伝えましょう。
実際に住んでみた感想を伝えることができるのは売主のみです。ぜひ日常の些細なことからアピールポイントを探して伝えてみましょう。
しかし、聞かれていないことまで何でも積極的にアピールすることはおすすめしません。
内覧者からすると押し売りされているような気分になりかえってマイナス評価になってしまいます。物件のアピールは質問されたことに答える程度にして後は内覧者が自由に内覧できる環境を作るとよいでしょう。
購入申込書の内容を確認し、条件を交渉する
内覧後に購入希望者が一戸建てを気に入れば条件交渉を行います。
売主・購入希望者の双方の納得できる条件にまとまれば売買契約に進めますので、条件交渉では価格や引き渡し日を話し合います。
その際に購入希望者の希望条件と購入意思が書かれているものが購入申込書です。
購入申込書は法的義務や拘束を伴うものではありませんので、ここで交渉が決裂すればキャンセルとなります。
購入申込書で確認できる主な項目は以下の通りです。
- 不動産名称
- 買主の住所・氏名
- 購入希望価格
- 資金計画(自己資金と住宅ローンの融資額など)
- 入居予定日
この中で、売り手として必ず確認が必要なのは「資金計画は問題ないか」「購入希望価格が安すぎないか」「入居予定日での引渡しが可能そうか」という点です。
住宅ローンを組む予定の場合は、不動産会社経由で住宅ローンの審査が問題なく通りそうな相手か確認することがおすすめです。
住宅ローンの審査にはある程度時間がかかりますので、もし事前に通る見込みが低いとなれば別の購入希望者探しに切り替えた方が時間を無駄にするリスクが低いでしょう。
ステップ⑤|一戸建ての売買契約を結び、引き渡す
一戸建て売却で購入希望者の内覧を経て、条件交渉のうえ買主が決まったら、とうとう売買契約と引渡しです。
ここでは、売買契約の準備から引き渡しまでの工程を分かりやすく紹介していきます。
契約時の持参物を準備する
売買契約の際には、実印や書類、費用で持参しなければならないものがあります。
主な持参物は以下の通りです。
- 実印
- 印鑑証明書(3ヶ月以内のもの1通)
- 収入印紙
- 本人確認書類
- 登記済証(権利証)または登記識別情報通知
- 仲介手数料の半金
- 固定資産税納税通知書
これらを揃えられるよう機関に余裕をもって契約締結のタイミングを決めることがおすすめです。
売買契約を結ぶ
売買契約当日は以下の流れで締結が行われます。
- 重要事項説明書の読み合わせ
- 売買契約書の読み合わせ
- 物件状況等報告書の読み合わせ
- 設備票の読み合わせ
- 書類への署名・捺印
- 売主は買主より手付金を受領
- 売主から買主へ手付金受領書を渡す
- 締結完了
特に売買契約締結時には、売買契約書の内容を隅々まで目を通しましょう。
売買契約書で交わした内容を後から変更するのは難しく、場合によっては違約金なども発生します。
売却価格や引き渡し日など、事前に交渉したものと少しでも違う部分があればその場で指摘しましょう。
売買契約は一度締結すると簡単には解除できませんので、抜かりなく確認するようにしましょう。
契約後の必要手続きを行う
売買契約の後から引渡しまでの間にも行わなければならないことがあります。
大まかなスケジュールは以下の通りです。
- 契約後、残金を買主から受け取る日程が概ね決まったタイミングで売主は住宅ローンを借りている金融機関に連絡し、現在残っているローンを全て一括返済する旨と抵当権抹消書類の準備を金融機関に依頼する
- 決済・引き渡し日までに引っ越しを完了させ、公共料金などの支払いも済ませる
抵当権抹消書類の準備には時間がかかりますので、契約から決済・引き渡し完了までにはおよそ1ヶ月が必要となります。
決済・引き渡し
売主が住宅ローンを完済し、抵当権を外して所有権移転登記を行うことで、売主から買主への引渡しを行うことができます。
具体的に、決済・引き渡しの当日は以下の流れで行われます。
【決済および住宅ローン完済の流れ】
- 買主から購入代金の全額または指定する金額を、売主は買主から購入代金の残額を住宅ローン支払い口座に入金をしてもらう
- 売主は住宅ローンを借りている金融機関に連絡し、口座に入金したことを伝えて着金確認を依頼する
- 売主から連絡を受けた金融機関は住宅ローン残債分の金額を売主の口座から引き落とす
- 売主が住宅ローンを組んでいた金融機関の窓口にいき抵当権抹消書類を受け取る
- 司法書士が法務局へ行き、抵当権抹消と所有権移転の登記申請を行う
- 一戸建ての所有権移転が完了したら、必要書類と鍵の引渡しを行う
決済当日は他にも、仲介手数料や登記費用の支払い、固定資産税、管理費・積立金などの清算が行われるため、不動産会社の担当者に確認しておくと安心でしょう。
ステップ⑥|確定申告を行う
一戸建て売却では買主から売却代金を受け取ることになりますが、その際に譲渡所得(利益)が発生した場合は、確定申告して譲渡所得税を納める必要があります。
確定申告を行うのは、一戸建てを売却した翌年の2月16日~3月15日までの間です。
売却後すぐに行うものではないため、忘れないように注意しましょう。
一戸建てを売却して損失があった場合、原則として確定申告をする必要はありませんが、損益通算をすることで税金対策を行うことができるため、積極的に確定申告をすることをおすすめします。
一戸建て売却で失敗しないために確実に押さえるべき重要ポイント
一戸建て売却の全体像を流れでそれぞれの工程で何を行うのかイメージできたら、次は失敗を回避するために必要なことをお伝えしていきます。
一戸建て売却というのは成功させると今よりいい条件での住み替えることや手元に残るお金を多くすることができる可能性がありますが、大きなお金が動くうえに専門性が高いものなので、失敗すると大損することもあります。
そこで、一戸建て売却の失敗を回避して成功させるための鍵となるポイントを確実に押さえたうえで細かな注意点を把握しておくようにしましょう。
一戸建て売却の流れの中にあった工程の中で、最も重要なポイントは以下の3点です。
- ポイント1:余裕ある売却期間を確保する
- ポイント2:信頼できる不動産会社を見極める
- ポイント3:分からないことは必ず自分でも調べる
余裕あるスケジュールを確保している状態で信頼できる不動産会社が見つけることができれば、売却活動をぐっと成功に近づけることができます。
初めに紹介した売却の全体の流れとスケジュールを確認しつつ、できる限り余裕をもって期間を確保しておくことで急いで安く売り叩くことになる事態を防ぐことができますし、いくつもの一戸建てを売却してきた専門家である不動産会社が信頼できるパートナーかどうかは不可欠なポイントと言えるでしょう。
また、専門性が高い領域でも人任せにせず自分で何が行われているのか判断できるようにしておくことがトラブルから身を守ることに繋がります。
信頼できる不動産会社が見つかったと思っていても言いなりになるのは危険ですので、協力的な姿勢で接しつつも分からない用語や違和感のある会話が出てきたら、その場で質問しつつ正しい発言をされているか確認をしておくと安心です。
難しいことをそれらしく説明して自社利益を高めようとする不動産会社も少なからず存在しますので、自分でも調べることで不動産会社が本当に信頼できるか確認することにもつながるでしょう。
一戸建て売却で失敗を避けるための注意点
最後によくある失敗を回避するための注意点をまとめました。
先ほどの3つのポイントに加え、細かなシチュエーションにおける注意点も把握しておくことでより安心して売却することができます。
一戸建て売却で失敗を避けるために以下の8つの注意点を説明します。
- 注意点1:一戸建てが現行法に適しているか確認する
- 注意点2:不動産会社に複数社を比較していることを伝え、査定結果は根拠を聞く
- 注意点3:売り出す前に最低売却価格も決めておく
- 注意点4:不動産会社の担当者には自らマメに連絡をとる
- 注意点5:購入希望者の与信に注意する
- 注意点6:一戸建てに欠陥があるときは絶対に隠さない
- 注意点7:売却時にローンが完済できないと売れない
- 注意点8:譲渡所得が出たら利用できる控除特例がある
注意点1:一戸建てが現行法に適しているか確認する
建築基準法はこれまで何度も細かく改正されているため、所有している一戸建てが現行法に適しているかを事前に確認しておきましょう。
あとあと法改正があったとしても建築当時の法に即していれば建て替えなくても問題ないのですが、現行法に適していない要素があれば売る相手が限られてくる可能性があります。
例えば、一戸建てを買おうとしている人の中には建物を取り壊して土地だけを残し新しい家を建てようとしている方もいますが、その時にこれまでのような土地の使い方ができず理想の家が建てられないことが分かりトラブルになるというケースが考えられます。
買主を探すのには時間がかかりますので、もし現行法との差分により懸念になりそうなことがある際は、それを懸念しそうな方をターゲットから外して買主を探すことで無駄な時間をかけたりトラブルに巻き込まれる可能性をなくすことができるでしょう。
注意点2:不動産会社に複数社を比較していることを伝え、査定結果は根拠を聞く
訪問査定をする際には、不動産会社に複数社を比較検討していることを前もって伝えておきましょう。
こうすることで不動産会社側に緊張感を与えることができ、他と契約されないためにもより正確で高い結果を出してくれる可能性があります。
契約だけをとるために相場から外れてまで高い査定結果を出してくるような担当者もいるかもしれませんが、不動産会社は相場から外れた価格で売り出しても一戸建てが売れないことを知っているため、そのような担当者は後々価格を下げる提案をしてくることが考えられます。
自分で調べた相場感と照らし合わせながら、明らかにはずれた査定結果を伝えてくる不動産会社がいる場合は必ず根拠を聞いてみてください。
根拠が適切そうであれば問題ありませんが、不明瞭な場合は悪質な可能性が高いので契約は避けるようにしましょう。
注意点3:売り出す前に最低売却価格も決めておく
売り出す際には希望売却額より少し高い売り出し価格にすることは先ほどおすすめしましたが、売却で失敗しないためには最低売却価格も決めておきましょう。
買主が売り出し価格より価格を抑えたいという考えている場合、価格交渉をしてくる、さらに粘ってくる場合があります。
その時に交渉上の判断を早め売り逃すことを防いだり、買主を探しなおす方針に切り替えて無駄な時間を抑えるためには、納得して売ることができる最低ラインを明確にしておくことがおすすめです。
最低売却価格を決めておかなければ、交渉で売れそうだからと安くしすぎてしまって自分の負担が大きくなりすぎる決断をしてしまう可能性があり、売れたとしても満足いく結果にならないでしょう。
注意点4:不動産会社の担当者には自らマメに連絡をとる
一戸建てを売りに出して以降は、担当者に自分から連絡をとるようにしましょう。
不動産会社の担当者は多くの物件を抱えているため、購入希望者が現れない限り週1度程度の定期連絡しかとらない可能性があります。
自分の一戸建てを優先して売ってもらうためにも、状況確認や周辺の売り出し状況などを確認する連絡をマメにとることが有効です。
特に複数社と契約ができる一般媒介の場合は、自分がやらずともどこかの会社が売ってくれるという思考になる可能性が高いので、コミュニケーションの頻度を意識するとよいでしょう。
注意点5:購入希望者の与信に注意する
購入希望者が現れた際には、与信に注意しましょう。不動産会社の担当者に不安はないかを相談してみるのがおすすめです。
どれほど条件のいい希望者が現れたとしても、その方が住宅ローンの審査に落ちると売却は白紙に戻ります。
そのため、もし住み替え予定で売却益を使おうとしている場合は、住み替え先の検討は相手がローン審査に通ったあとにした方が安心です。
また、審査結果が出ていないときに手付金を受け取ったとしても、審査結果が分かるまで使わないようにしましょう。
もし手付金を使った後で審査に通らなかった場合、手付金は返すことになるので注意が必要です。
注意点6:一戸建てに欠陥があるときは絶対に隠さない
一戸建て売却において、売主が一戸建てにある欠陥を故意に隠して契約に合わないものを売ってしまうと、契約不適合責任という義務を無視したことになりトラブルになります。
契約不適合責任とは、売主は買主に対して契約通りのものを引き渡すという責任を持つというものです。
売却した後に買主が契約書の内容を満たさない欠陥などを見つけることがあれば損害賠償を請求されますし、最悪の場合は契約が解除されるかもしれません。
このようなトラブルを避けるためにも、欠陥があることは絶対に隠さないようにしましょう。
修繕で直るものであれば、売却額と費用のバランスを考えてどちらが得か不動産会社に相談するのも手です。
注意点7:売却時にローンが完済できないと売れない
所有している一戸建てにローンが残っている場合は注意が必要です。
売買契約を締結したら、ローンを借りている金融機関に連絡し、ローン残債を一括返済する旨を伝えて抵当権抹消に向けた準備を進めてもらう必要があることがお伝えした通りです。ここでポイントなのは、一戸建てを売却する際は住宅ローンが完済できなければ抵当権を抹消することはできないということです。
抵当権は金融機関がお金を貸す際に土地と建物を担保に取る権利を指すため、売却益だけでローンを返しきれない場合でも自己資金で解決できれば問題はありませんが、そうでない場合は抵当権は外れません。
一戸建てを第三者に売却する場合は抵当権を外す義務がありますので、ローンが返済できる計画を立てたうえで売却活動に挑みましょう。
注意点8:譲渡所得が出たら利用できる控除特例がある
一戸建てを売却した際に発生する利益を譲渡所得といいます。
譲渡所得が発生した場合は所有期間に応じて住民税と所得税が課せられ、それぞれ売却年の1月1日時点で所有期間が5年以下の場合は39.63%(所得税30.63%、住民税9%)、5年を超えていれば20.315%(所得税15.315%、住民税5%)となっています。
ここで利用できるのが以下3つの控除特例です。
- 3,000万円特別控除
- 所有期間が10年を超える居住用財産を譲渡した場合の軽減税率特例
- 特定の居住用財産の買換え特例
それぞれ利用できる条件が決まっているため、最も得が大きい選択肢をえらぶようにしましょう。
ここまで一戸建ての売却について解説しました。
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