せっかく買ったマンションですが、突然の転勤や住んでみたら住みにくかったということもあるでしょう。
買ったばかりのマンションをすぐ売るとどうなるのか、高く売れるのかなどを解説します。
マンションは買ってすぐ売ると買った値段で売れる?
買ったマンションをすぐ売った場合、マンションの売却額はどうなるのでしょうか。
価格は下がる可能性大
買ってすぐのマンションでも購入額より価格は下がる可能性が高いでしょう。
その理由は築年数です。マンションを含む不動産は築年数を重ねるほど価格が下がっていきます。建物には国が定めた法定耐用年数というものがあります。この法定耐用年数を過ぎてしまうと建物の価値はほぼゼロになると言われています。
築年数を重ねるとこの法定耐用年数までの期限が短くなるので、マンションの価格は下がってしまうのです。法定耐用年数は建物の建材によって異なり、多くのマンションの耐用年数は築47年です。
種類 | 耐用年数 |
---|---|
木骨モルタル | 20年 |
木造・合成樹脂造 | 22年 |
れんが作り・石造・ブロック造 | 38年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート | 47年 |
マンションが高く売れる可能性はある?
マンションが高く売れる可能性はあります。
先程解説した通り、マンションの価格は築年数を重ねるごとに下がるので、購入した価格より高く売るのは難しいですが、中古マンションの需要は高まっているので、相場より高く売れる可能性はあるでしょう。
新築のマンションを購入しているのであれば、需要はさらに高いので値引きをする必要もなくより高く売りやすいです。中古マンションであれば、築年数により高く売れるか否かは変わります。
築47年に近いマンションであれば、高く売るのは難しいでしょう。
【2022年】今年はマンション高く売れる?
2022年マンションが高く売れる可能性は高いです。
もちろん売却価格はマンションの築年数や立地などによって左右されるので、一概には言えませんがマンションの価格は2013年からずっと右肩上がり。
本年度も中古マンションの価格は値上がり続けています。前年同月比と比較してみるとマイナスになっている月がなく、今後も価格が落ちる可能性は低いでしょう。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
成約㎡単価(万) | 64.18 | 62.51 | 65.4 | 68.72 | 65.61 | 66.99 | 68.51 | 67.29 | 69.1 |
前年同月比(%) | 11.5 | 8.4 | 10.8 | 16.3 | 12 | 12.8 | 12.9 | 13.7 | 11.2 |
ただし、成約件数は最新の9月度現在で8月に続き減少中。前年同月と比較しても5.9%減少しています。中古マンションの値上がりは止まらず需要も増えてはいますが、値上がりしたマンションに手が出せる買主が減っているのかもしれません。
ご自身のマンションがいくらで売れるか知りたい方は、ぜひ売却価格シミュレーターも参考にしてみてください。
高く売れるマンションのポイント
たかく売れるマンションとはどのようなマンションなのでしょうか。基本的には求める買主が多ければ多いほど人気となるので、高く売れるマンションの特徴となります。
高く売れる主なポイントは以下になります。
角部屋であるか
角部屋は同じマンション内で高くなりやすいです。
そもそも購入時にも他の部屋よりも高くなる角部屋ですが、売却する際も高くなるポイントです。角部屋はマンション内で希少性が高い部屋になりますし、片方は隣に面していない分窓が多く風通しが良い場合は多いです。
両隣が部屋に面している中部屋よりも売却相場は数%~20%程度高くなるでしょう。
高層階にあるか
部屋の位置と合わせて重要なのは部屋の階数です。
売却したいマンションの部屋が高層階であれば評価は高くなるでしょう。マンションの部屋が高層階だと評価が高くなる理由は日当たりと景観です。
周辺の建物によっても異なりますが、高層階になれば他の建物でまどを覆われることが無くなるので、景観が良いのはもちろんのこと、日当たりもよくなります。
マンションを選ぶ理由の方の中には日当たりを重視する方も多く、需要が高まるので高くなるのです。
ブランドマンション
誰でも名前を聞いたことあるようなブランドマンションは高く売れやすいでしょう。
東京建物のブリリアや住友不動産のシティテラスなどのブランドマンションは大手デベロッパーが手掛けるマンション。施工から販売、管理までを一貫してやっていることもあり、安心・安全性が高く管理も行き届いているので、マンションの資産価値が下がりづらいといった理由で人気です。
築年数が経っているマンションほど耐震性や安全性が不安の種になりやすいので、ブランドマンションという安心感はより買主に購入の意思決定をさせやすく、人気も高まり高く売れやすくなるでしょう。
立地
マンションの立地は価格を大きく左右するポイントです。
マンションは戸建てより若い世代が購入したり、戸建てより専有面積が狭くなる分立地が重要になります。周辺にスーパーや学校があるかなど住みやすい環境であるかも重要なポイントの1つですが、何もより交通の便が良いかです。
駅までの距離ももちろんですが、都心部までアクセスしやすい路線であるか、複数の路線が通っているかなども価格を左右するポイント。
多少駅から遠くても最寄り駅の路線が都心部まで1本で行けるアクセスの良さだと、マンションの価値が上がる場合もあるでしょう。
マンションをすぐ売る理由
購入するマンションをすぐ売ると決めた方は、どのような理由なのでしょうか。ここでは、マンションをすぐ売却される方のよくある理由をご紹介します。
ご近所トラブル
自分の部屋の上の階や左右、下の階の人とのご近所トラブルです。
どんなにマンションを内覧しても住んでみないと分からないのが、上下左右の方がどのような生活をしているか、どんな人かです。
マンションで多いご近所トラブルが生活音や騒音のトラブル。赤ちゃんの泣き声や子供の歩く足音、洗濯機や掃除機の音など気になりだしたらどんな音でもストレスに感じてしまうことがあります。苦情を受ける側も改善できるものもありますが、改善が難しいものの場合はそのまま口論になってしまったりして、トラブルになってしまうことがあるようです。
転勤
マンションを買うタイミングは自分次第ですが、転勤は自分の都合では決められないことも多々あります。
せっかく買ったのに転勤が決まってしまい長期間の転勤になりそう、お子さんが小さいので単身赴任は難しいという理由で、すぐにマンションを売却してしまう方もいらっしゃるようです。
マンションを貸すという手もありますが、購入したマンションのローン返済と転勤中に住む家の賃料を支払うのは難しい、また帰ってくる時にはライフステージが変わっている可能性があるといった理由で売却を決断するようです。
離婚
マンションを購入しても離婚によって住宅を処分しなくてはいけないといった場合も。
離婚をする際には財産分与をすることになりますが、住宅ローンも対象。しかし、住宅ローンを折半し別々が支払うということは金融機関の許可が降りません。
離婚後も相手と連絡を取り続けるわずらわしさやトラブルを回避するためにも、離婚する前にマンションを売却する決断をされる方がいらっしゃるようです。
ローンの返済が苦しい
マンションのローン返済が苦しいという場合もあります。
マンションを購入した際には問題なかったが、会社の都合で給与が下がってしまった。体調を崩してしまい今までのように働けなくなってしまった、共働きだったが子供ができたのでフルタイムで働くのが難しくなったなど、理由はさまざまですが住宅ローンの返済が難しくなり手放すしかなくなってしまうこともあります。
マンションを含む不動産を売却する際、原則残りのローンは一括返済です。ローン残債の完済に売却額を使うことが可能なので、多くの場合ローン中のマンションで売却活動を行います。
マンションを高く売るコツ
高く売れるマンションのポイントが多く当てはまらないマンションでも、高く売るコツを知っていることで、安く売ってしまうリスクを下げたり、より希望額に近い価格で売却ができるようになります。
高く売るコツを確認しておきましょう。
同じマンション内で争わない
同じマンション内で売却に出している部屋があれば争わないようにしましょう。
部屋の専有面積や階数などによってそれぞれ売却相場は異なりますが、似たような部屋の場合は立地やマンションの設備などは一緒なので安い物件が売れやすくなります。
他の部屋が売れるのに自分の部屋が売れないと焦るかもしれませんが、焦って価格を下げてしまうと売却希望額から遠のいてしまいますし、価格競争になってしまう恐れがあります。
マンションの部屋が多く売りに出されているのであれば、一度販売を止めてみるのも手でしょう。
複数社の査定を比較する
マンションの査定を受ける際には複数社の査定結果を比較するようにしましょう。
マンションの売却相場を知るには不動産会社の査定ですが、実は不動産会社の査定に法律で定められた明確なルールはありません。そのため、査定結果は不動産会社によって異なります。
つまり、1社の査定だけだと査定額が高いのか安いのかも分からないということです。安い査定額を参考にマンションを売却してしまっては、損してしまう可能性が高いでしょう。
複数社の査定額を見て、結果を比較することで安く売ってしまうことを回避できます。
あなたの不動産、
売ったら
売り出し価格は少し高めに設定する
マンションの売り出し価格を決める際は少し高めに設定すると良いでしょう。
多くの方が査定額=マンションを市場に出す価格(売り出し価格)と思われていますが、査定額はあくまでも参考価格。売り出し価格を決めるのは売主です。
売り出し価格を決める際には売却希望額や査定額を加味して、その価格より少し高めに設定しましょう。
なぜなら、多くの場合買主は最後の売却額決定の前に値引き交渉をするからです。
せっかく見つかった買主を逃さないためにも全額とは言わずとも値引き交渉に応じるのは一般的。値引き交渉に応じても売却希望額を下回らないように、売り出し価格を上乗せしとくと良いでしょう。
買ったマンションを売るべきタイミングはいつ?
買ったばかりのマンションの売却を迷われている方もいるかと思います。そんな場合はマンションを売ると良いタイミングを見てみるのはいかがでしょうか。
主なマンションを売るタイミングは以下になります。
築10年以内
マンションが売れやすい築年数は築10年以内です。
前述の通り、築年数が経つにつれ建物の価値は下がっていくので、築浅物件を望む方が多いです。築浅物件は人が住んでいる期間も短いので使用感が少ないですし、水回りの設備なども最新の設備に近いので便利で人気です。
多くの方がSUUMOなど不動産のポータルサイトを利用して物件を探すかと思いますが、その際築10年以内とフィルターをかけて検索する方も多く、築10年以内であれば買主の目にも入りやすいという理由もあります。
1年の中なら2月と3月
1年の中で最も売りやすい時期は2月と3月でしょう。
この時期は4月に始まる新生活を前に不動産が多く動く時期。4月に新生活を始められるように、内覧が活発に行われています。また、4月という期限が決まっているので買主も決断することが多く、成約もしやすくなります。
逆にマンションが売れづらいと言われているのは1月と8月。1月は新年で親族との予定が多かったり、仕事始めで忙しかったりと内覧に割く時間が少なくなります。
8月はとにかく酷暑。すでに引っ越しを済ませて売却するマンションは空室になっている場合も多いのですが、そうなるとクーラー使えないことも。
暑いなか内覧を行うと集中力も切れますし、判断するというより早く涼しい所へ行きたいと思うらしく、マンションを購入する方は少なくなるようです。
ライフイベント
マンションを売却したい方の中にはライフイベントが理由でマンションを売却したい方もいらっしゃるでしょう。
結婚や出産などのタイミングでマンションを売却し住み替えるのは問題ありませんが、注意すべきタイミングもあります。それは転職です。
マンションを売却する際に転職が原因で売れないことはありませんが、新居を購入する際に転職直後だとローン審査に通らない場合があります。
住み替えローンの利用を検討している場合は、住宅ローンより審査が厳しくなるので、より注意した方が良いでしょう。
住み替えの場合、売却と購入のタイミングはなるべく近い方が何かと便利。購入のことも考えて売却のタイミングを見た方が良いでしょう。
買ったばかりのマンションの売却相場の調べ方
買ったばかりのマンションをすぐ売りたい場合、多くの方が気になるのがローンは完済できるのかでしょう。ここでは、買ったばかりのマンションの売却相場の調べ方を解説します。
方法はいくつかあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
ポータルサイトを見る
自分で調べるなら不動産ポータルサイトでマンションを探すと良いでしょう。
SUUMOやHOME’Sといった売り出し中の不動産情報が載るポータルサイトで、マンション名を検索してみましょう。同じマンションで同じような間取り、専有面積の部屋があれば売り出し価格は参考になります。
同じぐらいの価格で売り出せる可能性が高いでしょう。ただし、注意したいのはポータルサイトの価格はあくまでも売り出し価格であるということです。
売り出し価格とは販売価格であり、最終的に売れた金額ではありません。売却活動の途中で値引きして再販する可能性はありますし、買主に最後の契約前に値引き交渉されることもあります。
仲介手数料や税金の支払いなどもあるので、売り出し価格がそのまま手元に残ると間違えないようにしましょう。
また、同じマンション内であれば価格も近くなりますが、階数や劣化具合などによっても価格は変わってくるので、注意が必要です。
査定シミュレーションを使う
手軽に簡単に知りたいのなら査定シミュレーションを使うというのも手です。
査定シミュレーションとは、過去の売買データの中から築年数や専有面積など査定したいマンションに似た物件の売却価格を査定結果として出す査定方法です。
不動産会社に査定を依頼するわけではないので、連絡が来ることもなくその場で査定結果が分かります。
ただし、査定シミュレーションはおおよその価格しか分かりません。土地の価格も中古マンションの価格も毎年変化しています。使用されているデータが少なかったり、あまりも古いと信憑性に欠けます。査定シミュレーションの価格は参考程度で見ると良いでしょう。
一括査定を使う
マンションの売却相場を正確に知りたいのなら一括査定を使うのが良いでしょう。
一括査定とは、一度の申込みで複数の不動産会社に査定を依頼できるサービスのこと。売却相場を正確に知るには、不動産会社の査定が最も適しているのですが、不動産会社の査定には明確なルールがありません。
そのため、査定結果は不動産会社によって異なります。つまり、1社の査定結果を見ただけでは、査定結果が売却相場なのか、それより安いのか高いのかが判断できないということ。
そこで、一括査定を使って複数社に査定してもらい、査定けっかを見比べてて、査定価格の幅や平均である売却相場を調べるのです。
一括査定のイエウールなら完全無料で利用できるので、まだ売却を検討中の方でも気軽に利用できます。
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マンションを買ってすぐ売ると税金が高くなる
マンションを買ってすぐ売る場合、ローンが完済できるのかなどお金まわりが気になる方も多いと思います。
実はマンションを買ってすぐ売ると、支払う税金が高くなる可能性があります。ここでは税金が高くなる理由と使える控除の解説をします。
税金が高くなる理由
マンションを買ってすぐ売ると税金が高くなる理由は所有期間です。
マンションが購入した金額より高く売れた場合、マンションを売って利益を得たとして譲渡所得税が発生します。この譲渡所得税がマンションを所有している期間によって、かかる税率が異なるのです。
所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
長期譲渡所得(5年超) | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
短期譲渡所得(5年以内) | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
境目は5年。5年以上マンションを所有していると、長期譲渡所得となりかかる税率は約20%ですが、5年未満の短期譲渡所得となると長期の約2倍の税率になってしまいます。
譲渡所得税には使える控除がある
新しいマンションであればあるほど、高く売れる可能性は高く譲渡所得税も心配されます。ここで覚えておきたいのが譲渡所得税には使える控除があるということ。
家を売却した際にはこの譲渡所得税に使える控除がいくつかあり、買ったばかりのマンションに使えそうなのは、3000万円特別控除です。
3000万円特別控除とは、譲渡所得税が発生した際に発生した利益3000万円までは課税対象から除外するというもの。
この特別控除を利用すれば3000万円以下の利益はなかったことになるので、利益が3000万円以下であれば譲渡所得税を支払わなくて良いということになります。
3000万円以上の利益が出てしまった場合も利用可能で、その場合は3000万円を引いた額に譲渡所得税が発生します。
特別控除を使う際の注意点
3000万円特別控除を使う際に注意したいのは住宅ローン控除とは併用ができないことです。
住宅ローン控除は家を購入した際、ローン残高の0.7%を所得税から控除するという制度。最大で13年間適用されます。
マンションを売却した後、新しくマンションや戸建てを購入する場合は心配ありませんが、住み替えを行い新居を購入する場合は注意しましょう。
どちらがお得になるのかは、発生した譲渡所得益と購入する新居の価格によって異なります。よって、利用する前に計算して調べた方が良いでしょう。ローンを返済する銀行と新たにローンを組む銀行が一緒の場合、銀行に相談してみるというのも手です。