この記事では、購入したマンションを高く売却する方法や注意点を解説しています。さらにマンション売却時にかかる税金や特例についても詳しく解説しています。
マンションを3年で売却すると損をする理由
マンションを購入したけど3年で売却するケースはあると思います。
- 住宅ローンの支払いが予想以上にきつい
- すぐに転勤が決まり不要となった
- マンション暮らしが合わず戸建が欲しいと思うようになった
- 離婚した
購入したマンションを3年で手放す場合、売却すると損なのでしょうか?
この章ではマンションを3年で売却すると損をする理由を解説します。
理由1|譲渡所得税が高くなる
理由の一つ目は、譲渡所得税が高くなる点です。
譲渡所得税とは、不動産売却時に得た利益にかかる税金のことで、所有期間が5年未満の場合は短期譲渡所得の対象です。
譲渡所得税の税率は所有期間によって変わります。
| 譲渡所得の区分 | 税率(住民税・復興特別所得税を含む) |
| 短期譲渡所得税(所有期間が5年未満) | 39.63% |
| 長期譲渡所得税(所有期間が5年超) | 20.315% |
所有期間が3年の場合短期譲渡所得として扱われるため税率が高くなってしまうのです。
理由2|購入価格より売却価格が低くなる
理由の2つ目は、購入価格より売却価格が低くなる点です。
マンションの売却価格は築年数で変わります。
なぜなら、建物の資産価値は経年により減少するからです。
つまり、築年数を重ねるほど購入価格より売却価格が低くなるのです。

参照:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2024年)レインズ
マンション新築時の資産価値を100%とした場合、マンションの市場価値は上記のグラフのように減少します。
中古マンションを購入後3年で売却する場合も価格が安くなる可能性は高いでしょう。
理由3|住宅ローンの完済が難しい
購入金額のほとんどをローンを組んだ状態でマンションを購入した方は、早すぎる売却には注意が必要です。
なぜなら、住宅ローンの完済が難しいからです。
前提として、住宅ローンを完済しなければマンションを売却出来ません。
多くの場合、住宅ローンは元利均等返済方法で返済します。元利均等返済とは毎月支払う返済額が一定となる返済方法です。
元利均等返済では、返済当初は毎月の支払額のうち利息の占める割合が多いため、元金の返済がほとんど進みません。
つまり、3年でマンションを売却するとまだ多額の住宅ローンが残っている状態のため、売却して得た利益だけでは住宅ローンが完済できるとは限らないのです。
状況によっては自己資金を使って住宅ローンを完済しなければなりません。
築3年のマンションを高く売却するコツ
マンションを売却するならできるだけ高く売却したいですよね。
この章では、築3年以内のマンションを高く売る方法を4つご紹介いたします。
2・3月に売却する
築3年のマンションを高く売却するコツの一つ目は、2・3月に売却することです。
新生活が始まる4月に合わせて2・3月に新居を探す方は多くいます。つまり、2・3月はマンション購入の需要が高まり売れやすくなるのです。
そして4月から新しい職場などが決まっているため、購入時期に期限を設けている買主は多くいます。
購入を検討している方が多く、購入時期も決まっているため、多少高めの価格設定でも応じてもらえる可能性は高いでしょう。
反対に、1月と8月はマンションがなかなか売れない時期と言われています。すぐに売却する意思がなければ、2・3月まで待つのも一つの方法です。
マンション売却が得意な不動産会社に依頼する
築3年のマンションを高く売却するコツの二つ目は、マンション売却が得意な不動産会社に依頼することです。
マンションの売却が得意、アパートの賃貸が得意など、不動産会社の得意分野はそれぞれ異なります。
マンションの売却が得意な不動産会社といっても、大手の不動産会社から、地域に根差した小さな不動産会社まで、さまざまな不動産会社が存在します。
どの不動産会社に仲介を頼むかによって、売却価格は大きく変わるのです。
まずは、複数の不動産会社に査定を依頼して価格を比較するところから始めましょう。
売り出し価格を少し高めに設定する
築3年のマンションを高く売却するコツの三つ目は、売り出し価格を少し高めに設定することです。
不動産売却をする際、買主から値下げ交渉をされることが多いです。値下げ交渉に応じても希望価格で売却できるように、最初から少し高めに売り出し価格を設定して売却することをおすすめします。
また、築3年のマンションは建物としてはほぼ新築状態と変わらず、内装や設備もきれいな状態で、大規模修繕までの期間が長いというメリットがあります。
築年数の浅い中古マンションは売りに出る場合が少なく、中古市場で注目されやすいため、平均売却価格の相場より少し高めに設定しても売却できる可能性は高いでしょう。
内覧対策を行う
築3年のマンションを高く売却するコツの四つ目は、内覧対策を行うことです。
築3年のマンションはほかの中古マンションに比べて居住期間が短く、内装や設備もきれいな状態です。
しかし、水回りやキッチンは内装に比べて汚れやすく、そのまま売却してしまうと買主に悪い印象を与えてしまい、販売価格が下がる原因になってしまいます。
家全体の掃除に手間や時間がかかり大変な時はプロのハウスクリーニング業者にお願いするのもオススメです。
ハウスクリーニングの料金相場は以下を参考にしてください。
| 1DK、1LDK | 15,000円〜30,000円 |
| 2DK、2LDK | 30,000円〜40,000円 |
| 3DK、3LDK | 30,000円〜70,000円 |
| 4DK、4LDK | 70,000円〜100,000円 |
| それ以上 | 要相談 |
築年数が浅いからといって掃除をおろそかにするのではなく、清潔感をアピールできる状態にしておきましょう。
マンションを3年で売却する際の税金対策
不動産を売却して得た利益には税金がかかります。しかし、税金の控除、特例を利用すると税金を安く抑えられます。
- 居住用財産の3,000万円の特別控除
- 譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例
どのような特例を利用できるかや、利用するための手続きを知り、できるだけ安く税金を抑えましょう。
居住用財産の3,000万円の特別控除
居住用財産には、譲渡所得から3,000万円(譲渡所得が3,000万円以下の場合はその金額)を控除できる特例があります。
特例の適用を受けるための主な要件は以下のとおりです。
- 自分が住んでいる居住用物件であること
- 以前に住んでいた場合は住まなくなった日から3年目の12月31日までに売ること
- 売却した年の前年および前々年に特別控除制度を利用していないこと
- 売主と買主が、親子や夫婦など特別な関係でないこと
この特例を利用すれば、譲渡所得が3,000万円以下のケースで税金が発生しません。
適用を受けるためには、一定の書類を添えて確定申告が必要です。適用により税額がゼロになる場合も申告が必要ですので注意しましょう。
しかし、3,000万円の特別控除を利用すると税金の発生を防げますが、買い替えで新しい住宅を購入する場合、住宅ローン控除を利用できない点に注意しましょう。。
住宅ローン控除と3,000万円の特別控除は選択適用ですので、どちらかを利用するともう一方が利用できなくなるのです。
参照:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
マイホームを買い替えた場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例
マイホームを令和5年12月31日までに売却して新たにマイホームを購入した場合に、譲渡による損失が生じた時は一定の要件を満たすものに限り、その譲渡損失をその年の給与所得や、事業所得などほかの所得から損益通算できる制度です。
特例の適用を受けるための主な要件は以下のとおりです。
- 自分が住んでいるマイホームを譲渡すること
- 以前に住んでいたマイホームの場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること
- 譲渡した年の1月1日における所有期間が5年を超え、日本国内にあるもの
- 譲渡の年の前年の1月1日から売却の年の12月31日までの間に買替資産(住宅)を取得すること
- 居住用部分の床面積が50㎡以上のものであること
- 取得年の12月31日において買替資産の取得に関わる返済期間10年以上の一定の住宅ローン等の残高を有すること
- 繰越控除の適用を受ける各年分においては、合計所得金額が3,000万円以下であること
- 取得年の翌年12月31日までの間に居住を開始することまたは居住開始見込みであること
売却した年の所得より譲渡損失が大きい場合は、控除しきれなかった分を翌年以降に繰り越し、最長3年間にわたって控除できます。
適用を受けるためには、売却した年の所得税について確定申告が必要です。また、翌年以降、繰越控除を受ける場合も確定申告が必要です。
参照:国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」
築3年のマンションの売却相場
最後に、築年数別にマンション売却価格の平均相場を見ていきましょう。
| 築年数 | 価格(万円) | 面積(㎡) | ㎡単価(万円) |
| 築0~5年 | 7,808 | 61.93 | 126.08 |
| 築6~10年 | 7,156 | 65.6 | 109.09 |
| 築11~15年 | 6,619 | 66.62 | 99.35 |
| 築16~20年 | 5,972 | 70.2 | 85.07 |
| 築21~25年 | 5,320 | 71.2 | 74.71 |
| 築26~30年 | 3,835 | 66.45 | 57.71 |
| 築31~35年 | 2,455 | 60.56 | 40.54 |
| 築36~40年 | 2,742 | 57.54 | 41.24 |
| 築41年以上 | 2,351 | 56.65 | 47.66 |
参照:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2024年)レインズ
新築から15年目までは1年あたりの価格の下げ幅が大きいです。そのため、市場での売れやすさや売却価格を重視するなら、できるだけ早く、築浅のうちに売却することが有利になる場合があります。一方で、売却益が出た場合の税負担を軽くしたいのであれば、所有期間が5年を超えてから売却し、長期譲渡所得の税率を適用させることが重要です。どちらのメリットを優先するか、ご自身の状況に合わせて売却タイミングを検討しましょう。
マンションを3年で売却して損しないためにも、まずはいくつかの不動産会社に相談するところから始めてみましょう。


