ペットを飼っているとマンションの査定額は下がる?
結論から言うと、ペットを飼っていたという理由だけで査定額が下がることはありません。しかし、ペットを飼っていたためについた部屋の汚れや傷が減額ポイントとなり、査定額が下がってしまうことはあります。つまり、人間以外の生き物がいたかどうかではなく、あくまでも 部屋の劣化状況でマンションの査定額は変わるのです。
状態にもよりますがペットのせいで家が劣化した場合、修繕などで価格の大幅な下落を抑えることができます。そのための工事費をマイナスを考えると数百万円も減ることはなく、多くの人は数十万円に抑えることができるようです。
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マンション査定額がペットで下がってしまう理由
ペットが原因でマンションの査定額が下がってしまう主な理由は部屋の劣化ですが、その他にも価格が下がるポイントとなってしまうものもあります。この章では部屋の劣化につながってしまう理由やそのほかの原因をより詳細に見ていきましょう。
ニオイ
犬や猫などの動物はニオイがつきやすく、査定価格が下がってしまう大きな原因 です。普段一緒に暮らしている売主は気が付きにくいですが、内覧にきた買主はすぐに気が付きます。直前に換気をする程度では、ニオイを完全に消すのは難しいでしょう。ペットのニオイは家具やカーテンだけではなく、壁紙などにも染みついてしまいます。
傷
猫が壁で爪とぎをしてしまった、犬がフローリングを走り回ったなどで室内に傷がつけば査定価格が下がるポイント になります。ペットのしつけ次第では傷を最小限に抑えることは可能ですが、長期感に渡って飼っており傷が多い場合は修繕が必要となるでしょう。状態や依頼する業者によって異なりますが、フローリングの修理の相場は1㎡1万円前後。ペットが動き回れる範囲が広いほど修理代はかさむでしょう。
ペット可のマンションかペット共生型のマンションか
ペット共生型マンションとは、ペットと飼主が一緒に暮らすことを想定して作られたマンションのこと。脱臭機能のあるイオン発生機が設置されていたり、壁クロスが小さい面積で貼り替え可能になっている、屋外にペット用の水道があるなどペットと暮らすことを想定したマンション作りになっています。ペットを飼っていることで起きてしまうニオイや傷の問題が考えられた作りになっていますし、ペット共生型マンションの購入を検討する人は同じく ペットと暮らす物件を探していることが多く、ペットが原因で価格が下がることは少なくなります。
逆に価格が下がりやすいのは、ペット共生型マンションが登場する前にペット可としていた古いマンション。古いマンションの場合、ペット共生型のような設備や工夫が整っていないことが多く、ニオイが強く残ってしまうことが多く価格が下がりやすいです。
また、ペット可のマンションはペットと暮らしたいと考える人意外も買主の候補となりますし、ペットを飼っている人はペット共生型マンションの方が魅力的に感じられるというのも理由の1つです。
ペットを飼育していたマンションの査定額を下げないための注意点
ペットを飼っていたマンションの売却する場合、ペットがつけたひっかき傷などを修繕してから売却するのが望ましいですが、リフォームまでする必要はありません。リフォームはまとまったお金が必要になりますし、リフォームにお金をかけても売却価格が高くなる保証はないからです。
では、ペットを飼育していた場合、どのような点を注意すればいいのでしょうか?
下記より詳しく見ていきたいと思います。
室内の状態によって修繕する箇所は変わってくるので、媒介契約を結んだ不動産会社とよく相談するようにしてください。
修繕すべきポイント
ペットを飼っていたマンションを売却する際に、修繕すべきポイントは以下の通りです。- ひっかき傷の修繕
- ノミ・ダニ対策
- 抜け毛の除去
- ニオイ対策
室内で犬や猫を飼っていた場合、柱やフローリングが爪で傷ついていることがあります。
このようなひっかき傷は目立つので、売却前に修繕をして、きれいにしたほうがよいでしょう。
また、抜け毛があると買い手に良い印象を与えないため、室内全体を掃除して除去しておきましょう。
ニオイ対策は徹底して行う
特に気をつけなければならないのがニオイ対策です。ペットのニオイが室内に染み付いていると、売却価格は大きく下がることがあります
居住者はペットのニオイに気づかないことが多いですが、買主はニオイに非常に敏感です。
特にペットを飼っていない人が購入希望者の場合、ニオイが残っていると非常に成約は難しくなるでしょう。
市販の消臭スプレーや換気だけでは、染み付いたニオイは消えにくいので、第三者にニオイの度合いを確認してもらうのがよいでしょう。
ニオイがきついということであれば、消臭クロスへの張替えをなどを検討する必要があります。
ただし、専門業者に依頼しても、染み付いたニオイを完全に消すことができない場合もありますので、不動産会社とよく相談しましょう。
状況によっては、ある程度減額して売却することも検討する必要があります。
内覧時に気をつけること
売却予定のマンションにまだ住んでいる場合、内覧時はペットを不在にして対応しましょう。内覧者はあくまで物件の細部を見るのが目的。
ペットがいると気が散ったり、集中できなくなり、悪い印象を与えてしまう可能性があるからです。
内覧希望者には女性が対応するのがベストなので、ご夫婦の場合は、夫に散歩に連れて行ってもらうなどの対応をとるのがおすすめです。
また、ペット共生型・同居型マンションの場合は、購入希望者もペットを飼うことが前提です。
周辺環境の説明時に、動物病院やペットショップ、公園などの存在を説明すると喜んでもらえるでしょう。
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その他マンション査定で見られるポイント
マンションの売却価格はペット飼育の有無だけでなく、立地や築年数、部屋の階数など、複合的な要素から成り立っています。確かにペット飼育の有無も価格に影響を与えますが、まずは他の要素について整理し、物件そのものの価値を調べましょうマンション購入を検討している買主は、立地や築年数はもちろん周辺環境などの生活のしやすさなど様々な点を重視して物件を探します。
ペットを飼っていたことはマイナスの要素だったとしても、他の要素が魅力的であれば、購入を検討します。
大きい買い物ですので妥協はしたくありませんが、中古マンションですので新築のマンションとは異なる観点で判断する傾向にあります。
以下の項目で、それぞれのチェックポイントを確認していきましょう。
立地のチェックポイント
マンションの査定額に大きな影響を与える要素のひとつが「立地」です。特に都心は電車で通勤・通学をする人が多いので、最寄り駅からの距離が重要になります。
一般的には「徒歩10分以内」が一つの目安だと言われていますが、駅から5分、7分など、最寄り駅から近いほど資産価値は高くなる傾向にあります。
また快速や特急が止まる主要駅である場合は、さらに評価が高くなります。
ただし、最寄り駅に近いだけでなく、周辺施設などによっても資産価値は変動します。「スーパーやコンビニが近い」「大きな公園があって子どもが遊べる」「図書館や病院などの公共施設がある」など、住みやすい環境が整っていると資産価値は高くなります。
所有マンションの立地をあらためて確認し、買主にアピールできるポイントを見つけ、自身のマンションの強みを知り、しっかり不動産会社に伝えることが売却を成功させるためには必要です
築年数が大きく影響する
築年数も、マンションの査定額に大きな影響を与える要素です。基本的には築年数が新しいほど、その資産価値は高くなります。
そもそも新築マンションとは、新たに建てられた1年未満のマンションで、まだ誰も入居していないものを指します。
新築マンションの販売価格には広告費などが上乗せされているので、入居後すぐに資産価値は10%程度下がります。その後は資産価値の下落ペースは緩やかになり、築10年前後で新築の70%~80%の資産価値を維持しているので、築10年以内の物件であれば高く売ることが可能です。
またマンションの法定耐用年数は47年とされています。
そのため、築12年を超えると、買主が35年ローンを組めなくなるというデメリットが生じます
さらに築年数において重要なポイントは、1981年(昭和56年)以降の「新耐震基準」で建てられているかどうかです。
新耐震基準で建てられたマンションであれば、築年数が30年前後と古くても、価格に割安感があるので一定の需要があります。
しかし、新耐震基準で建てられていないマンションは、住宅ローンが利用できないため、買い手がつきにくく、売却が難しくなります。
このように築年数は、単に古いかどうかではなく、買主に与える要素が多くありますので、納得のいく価格で売却するには複合的な観点で考慮する必要があります。
部屋の階数も影響する
部屋の階数も、マンションの価格に影響を与えます。1~2階よりも、3階以上の上層階のほうが価格は高くなります。
その理由として、マンションは上層階のほうが日当たりや眺め、通気性がよく、騒音も軽減されるためであったり、都心部であれば眺望や高層階に住むというステータスもあります
一方で、1~2階はエントランスや駐車場との距離が近いので、エレベータ―を待つ必要がなく、「荷物が運びやすい」「手軽に外出できる」といったメリットもあります。
特にセカンドライフ用にマンション購入を考えている高齢層は、低階層を好む傾向にあります。
基本的には3階以上のほうが評価は高くなりますが、低層階の物件を売り出す場合は、低層階ならではのメリットをアピールするとよいでしょう。
部屋の間取りや向き
部屋の向きや間取りも、マンションの価格に影響を与える要素です。南向きの部屋や角部屋は、他の部屋に比べて日当たりがよいので人気が高く、買い手にアピールできるポイントです。
また買い手は立地や築年数と同じぐらい、間取りを重視する傾向にあります。
間取りには、以下のような種類があります。
- 1K:1つの部屋+キッチン
- 1DK:1つの部屋+(キッチン+ダイニング(食事をするスペース))
- 1LDK:1つの部屋+(キッチン+ダイニング+リビング)
そして、2DK、3LDKのように、部屋数が増えると数字も増えていきます。
一般的に一人暮らしには1Kや1DK、夫婦などの二人暮らしは2LDK、ファミリーには3LDKが人気の間取りです。
同じ間取りでは、当然広い方が査定は高くなりますが、立地やターゲットによって求めるものは変化するので、しっかりとニーズを把握する必要があります。
単身者であれば出勤のために駅からの近さや周辺環境にコンビニやスーパーなどがあることを重視するかもしれませんし、ファミリーなら小学校や駐車場の有無などを気にするかもしれません。
いずれにせよ、所有物件の間取りに応じて、ターゲットに広くアピールすることが大切になります。
正しく管理が行われているか
正しくマンションが管理されているか、管理組合が機能しているか、という点も価格に影響を与えます。管理組合がしっかりと機能し、長期修繕計画に基づいて大規模修繕工事や定期的なメンテナンスが行われていると、マンションがよい状態で保たれるからです。
修繕積立金の滞納がなく十分に貯まっていると、修繕積立金が増額される可能性が低いため、買い手に安心感を与えます。
また、管理人が常駐しているかも査定に影響を与えます。
24時間体制で管理人が常駐しているマンションは、セキュリティーの観点から評価が高くなります。
しかし、修繕積立金や管理費が競合よりも高いようですと、買主はローンもあるため毎月の支出を非常に気にします。たとえ、価格が適切でも売れにくくなる場合も考えられるので、よく吟味する必要があるでしょう。
マンション内の清掃も、アピールできるポイントの一つです。
管理人が清掃する場合のほか、清掃会社と契約していることもあるので確認しておきましょう。
不動産会社選びがマンション売却の鍵を握る
どんなに対策をしても売却価格が下がってしまうことがあるため、好条件で売却するには良い不動産会社を選び、媒介契約を結ぶのが非常に重要です。最後に、不動産会社選びのポイントについてお伝えします。
よい不動産会社との出会いは必須
ペットを飼っていたマンションを売却する際に、どんなに対策をしても、時期や競合によって売却価格が下がってしまうこともあります。また修繕やハウスクリーニングなどの対策をしても、売却額は上がらないということも考えられます
不動産の知識がない個人には限界があるので、プロの視点から効果的な対策を検討する必要があります。
たとえば、ペット可のマンションですと、どれだけペットを飼育している層にアプローチできるかによって、まったく売却価格や時期も異なってくるでしょう。
極端な例ですが、売主の希望売却価格を考えずに、ペットを飼育する予定がないターゲットにして安くしましょう、と提案してくるようでは納得のいく売却とは程遠いものになるはずです。
そのためには、良い不動産会社との出会いは必須です。
一口に不動産会社と言っても、大手の会社や地域に強い会社など、得意分野は不動産会社によってさまざま。
また、マンション売却は金額が大きいため、親身に相談に乗ってくれる担当者の存在も大きくなります。
トラブルなく、好条件でマンションを売却するには、自分に合った不動産会社選びが不可欠なのです。
一括査定を利用するのがおすすめ
良い不動産会社を選ぶのが大切だとわかっていても、どうやって探せばよいかわからない方も多いのではないでしょうか。マンションを売却するために不動産会社を探すなら、一括査定を利用するのがおすすめです。
一括査定なら、不動産情報と基本情報を入力するだけで、手間なく一度に複数の不動産会社の査定額を調べることが可能です。
最大のメリットは、一社ではなく複数社の査定や根拠を比較できるということです。
自分が想定していた価格より高い額を提示する業者もあれば、低くなる業者もあるでしょう。
しかし、選ぶ際に重要なのは「査定の根拠を明確に説明できる」「担当者が親身に相談に乗ってくれる」ことです。
また査定価格は売却できる金額ではありません。
「より高く売りたい」こと多くの方に共通するでしょうが、 住み替え・買い換えの時期が決まっている方などは売却時期なども非常に重要になります。
マンションを売却する理由、希望時期、売却希望価格と最低売却価格は最初に想定しておくと良いでしょう。
不動産会社の査定価格や根拠なども含めて、ご自身の背景を含めるとより選びやすくなります。
また不動産会社を選んでも、任せっきりにするのはやめましょう。
物件の弱みや強み、価格や時期の希望などを伝え、できるだけ希望に近くなることも必要です。
よい不動産会社を選ぶために、まずは一括査定を利用して複数の不動産会社に連絡をとってみましょう。
まとめ
最近はペットを飼うことが一般的なものとなっているため、ペットを飼っていたマンションでも査定価格を下げないのは可能です。ペット共生型・同居型のマンションなら資産価値は高く、ペット可のマンションでも、立地や築年数などの条件がよく、室内がきれいな状態であれば、高く売れることもあります。
しかし、ペットを飼っていたマンションを嫌がる買主が多いのも事実なので、ひっかき傷の修繕やニオイ対策などはしっかり行うことが大切です。
また、トラブルなく、好条件でマンションを売却するには、信頼できる不動産会社を選ぶことも重要になります。
まずは一括査定を利用して、複数の不動産会社の査定額を確認することから始めましょう!