築10年マンションの売却相場は新築マンションの84%となっており、高く売ることができます。 成約率は築6~10年のマンションが最も高くなっています。
築10年マンションを売却するメリットには、早く高く売却しやすい・そのままの状態でも売却できることなどが挙げられます。
築10年のマンション売却がおすすめ!|【参考】マンション売却相場と成約率
築10年前後のマンションの売却を検討している方々にとって、ご自身のマンションがいくらで売れるのか、そして売れやすいのかはとても気になっているポイントなのではないでしょうか。
そこで、この章では築10年マンションの売却相場と成約率のデータを基にいくらで売れるのかと売れやすいのかについて徹底的に解説していきます。
【マンション売却相場】築10年マンションは高く売れやすい
まずは築10年のマンションがいくらで売れるのか、そして高く売れるのかについて見ていきましょう。
以下は築年数ごとのマンションの平均売却価格のデータを基に作成されたグラフになります。
出典:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年) レインズ
グラフを見てみると、マンションの売却価格の相場は築年数の経過とともに低下しながら推移していることが分かります。
古くなればなるほどマンションの価格は下がっていくことが実際にデータにも表れているようです。
より詳細に分析していくために、築10年前後のマンションの売却相場の具体的な数値についても確認しておきましょう。
価格(万円) | 面積(㎡) | ㎡単価(万円) | |
---|---|---|---|
築0~5年 | 6239 | 55.40 | 112.61 |
築6~10年 | 5462 | 57.60 | 94.83 |
築11~15年 | 4686 | 59.06 | 79.35 |
築16~20年 | 5067 | 65.85 | 76.95 |
築21~25年 | 3979 | 65.03 | 61.18 |
築26~30年 | 2419 | 53.75 | 45.00 |
築31年~ | 2358 | 50.02 | 47.15 |
築0~5年の新築マンションや建てられたばかりマンションと築10年程度のマンションの売却相場を比較してみると、築10年のマンション売却相場は約84%となっており、築0~5年のマンションよりも価格が16%ほど下落しているようです。
また、グラフを見て頂ければ分かる通り、マンションの価格相場は築年数の経過とともに下落しながら推移していきますが、推移の幅は一定ではありません。
つまり、売却相場の値下がり率は築年数帯によって大きく異なっているということです。
ちなみに築11~15年のマンションの売却相場は築0~5年のマンションのおよそ70%であることから、築10年のマンションはまだまだ高く売れる築年数帯に分類することができます。
このことから、築10年のマンションの売却相場は購入時のおよそ84%程度であり、築年数の経過によって売却相場がその後大きく低下していくことなどを考えると、築10年のマンションは高く売れやすいと言えるでしょう。
東京都中央区の築10年のマンション売出事例
不動産種別 | マンション |
売出価格 | 7080万円 |
エリア | 東京都中央区 |
築年 | 2013年 |
駅徒歩 | 東日本橋駅 2分 |
専有面積 | 52.7 |
埼玉県さいたま市の築10年のマンション売出事例
不動産種別 | マンション |
売出価格 | 5980万円 |
エリア | 埼玉県さいたま市 |
築年 | 2013年 |
駅徒歩 | 浦和駅 14分 |
専有面積 | 73.09 |
愛知県名古屋市の築10年のマンション売出事例
不動産種別 | マンション |
売出価格 | 3990万円 |
エリア | 愛知県名古屋市 |
築年 | 2013年 |
駅徒歩 | 東別院駅 7分 |
専有面積 | 84.61 |
【成約率】築10年マンションは買い手が見つかりやすい
築10年のマンションが高く売れることが分かったら、次に売れやすさについても確認しておきましょう。
以下は中古マンションの築年数帯別の成約率データを基に作成したグラフになります。
出典:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年) レインズ
築年数帯別の中古マンション成約率のグラフを見てみると、2020年と2021年ともに築6~10年のマンションの成約率が最も高いことが分かります。
マンションの売れやすさ=買い手の見つかりやすさであることを考えると、築10年前後のマンションは他の築年数帯と比較して最も買い手が見つかりやすく、売れやすい築年数であると言うことができます。
マンションの売却を検討している方々の中では、マンションは新しければ新しいほど価格が高く人気も高い一方で、古ければ古いほど価格は安く人気もなくなっていくのではないかと考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際のデータを見てみると、築0~5年のマンションよりも築6~10年のマンションの方が成約率が大きく上回っており、売れやすいことが示されています。
では一体どうして築10年のマンションは売れやすいのでしょうか。ここで築10年のマンションが買い手に人気の理由についても理解しておきましょう。
築10年マンションが人気の理由
このように築10年のマンションは人気であり、売れやすいことがデータから分かりました。
築10年のマンションは、新築時と比較すると築年数の経過によって多少の汚れや傷がありますが、ダメージとしてはまだまだ少なく買い手に人気が高くなっています。
マンションの購入を検討している人からすると、ダメージが少なくきれいなマンションを新築マンションや築5年以内のマンションよりも安く手に入れられるという点はとても大きな魅力になっているためです。
また、マンションの購入を検討する方はインターネット上の不動産サイトなどからマンションを探すことが多いですが、築年数で絞り込んでマンション探しをしている人がほとんどです。
その中でも築10年で絞り込んで検索している方々が多いというのが、築10年マンションが買い手に人気で他の築年数のマンションよりも売れやすくなっている理由だと考えられます。
築10年マンションを売却するメリット
さて、築10年のマンションの売却相場や成約率などから、築10年マンションが高く売れやすいことや、買い手が見つかりやすいことが理解できたのではないでしょうか。
この章では、この点を含めて築10年のマンションを売却するメリットについて解説していきます。
マンションを早く高く売却できる可能性が高い
築10年のマンションを売却する1つ目のメリットは、なんといってもマンションを早く高く売却できる可能性が高いという点です。
マンションの売却価格が買い手の見つかりやすさ、つまりマンションの売れやすさと密接な関係にあることは言うまでもありません。
さらに、買い手が見つかりやすいということはそれだけ早く売れる可能性も高いと言うことです。
築10年までのマンションは、成約率が最も高い築年数帯であることから売却に要する期間も短くなる可能性が高く、高い価格での売却も期待できると言えるためこの点が大きなメリットとして挙げられます。
そのままの状態でマンションを売却できる
築10年のマンションを売却する2つ目のメリットは、そのままの状態でもマンションを売却することができるという点です。
築10年程度であれば、建物自体や設備などの劣化も少なく、汚れや傷などもそこまで目立たたないため、きちんと手入れや掃除をしていればそのままの状態で買い手がつくことが多いようです。
マンションの売却に際してわざわざリフォームやリノベーションなどを行う必要がないため、余計な費用をかけずに売却することができる点は大きなメリットだと言えるでしょう。
売却しやすくするための工夫がしやすい
築10年のマンションを売却する3つ目のメリットは、売却しやすくするための工夫がしやすいという点です。
マンションを売却しやすくするための工夫としては、物件の掃除をプロに依頼するハウスクリーニングや、内装を家具やインテリアでコーディネートしてもらい物件の魅力を引き出すホームステージングなどが存在します。
2つ目のメリットで、築10年程度のマンションであればそのままの状態でマンションを売却することができると解説しましたが、リフォームやリノベーションを行う必要がないため、資金にゆとりがある場合や、売却価格や期間にこだわりたい場合にはハウスクリーニングやホームステージングなどの工夫をしやすい点が大きなメリットだと言えるでしょう。
修繕積立金が上がる前に手放せる
築10年のマンションを売却する4つ目のメリットは、修繕積立金が上がる前にマンションを手放すことができるという点です。
修繕積立金とは、入居者達がマンションの修繕に備えた資金を毎月管理会社に支払うことで積み立てていくという費用になります。
多くのケースでこの修繕積立金は段々と値上がりしていきますが、築10年ではまだこの修繕積立金はそこまで値上がりしていないことが多いため、今後の修繕積立金の負担を抑えることができます。
また、修繕積立金が高い物件は買い手側からすると購入後の負担が増えるということでもあるため、修繕積立金の高い物件は売却価格が低くなってしまう可能性もあります。
そのため、修繕積立金が値上がりしてしまう前のタイミングでマンションを売り出せば、高い価格での売却にも期待が持てるのです。
これらのことから、修繕積立金が上がる前にマンションを手放すことができるという点も、築10年マンションを売却する大きなメリットだと言えるでしょう。
築10年マンションを売却するデメリット
築10年でマンションを売却する際には多くのメリットが存在することが分かりました。
とはいえ、築10年でマンションを売却する際にデメリットは存在しないのでしょうか。この章では、多くの方が気になっているデメリットについて解説していきます、
住みながら売却するケースが多い
築10年マンションを売却する1つ目のデメリットは、住みながら売却するケースが多いという点になります。
マンションを売却する場合には、売却後に住む新居の購入を先に行い、新居への引っ越しを済ませた状態でマンション売却を行うケースと、マンションに住んだまま売却を行い、売却後に新居を購入して引っ越すケースが存在します。
築10年マンションの売却では済みながらの売却となるケースが多い理由は住宅ローンです。住宅ローンを借り入れてマンションを購入した場合、築10年あたりでは住宅ローンがまだまだ残っているケースが多いでしょう。
住宅ローンを借り入れて購入したマンションを売却する場合には、基本的に住宅ローンを完済しておく必要があるため、マンションの売却資金で住宅ローン残債を一括返済した上で、余剰資金を新居購入費用に足すなどして売却後に新居を購入するケースが多いのです。
また、住みながらの売却だからといってマンションが売却しづらくなってしまったり、売却価格が低くなってしまったりする訳ではないため、住みながらの売却=デメリットという訳ではありません。
しかし、住みながらの売却の特徴として費用を抑えやすい分手間がかかりやすいという点が挙げられ、手間をかけたくないと考えている方にとってはデメリットとなることが考えられるでしょう。
マンション売却の費用が高くなりやすい
築10年マンションを売却する2つ目のデメリットは、マンションを売却する際にかかる費用が高くなりやすいという点です。
マンションを売却する際にかかる費用は以下の通りです。
項目 | 費用の目安 |
---|---|
仲介手数料 | ( 売却額 × 3% + 6万円 )+ 消費税 |
印紙税 | 1,000円〜6万円 ※売却金額により異なる |
抵当権抹消費用 | 司法書士へ依頼するとして5,000円~2万円程 |
ローンを一括返済するための費用 | 一括繰上返済にかかる金融機関への手数料1~3万円 |
所得税及び復興特別所得税・住民税 | 売却した年の1月1日での保有期間によって異なる 保有期間が5年以下なら譲渡所得の39.63% 保有期間が5年超なら譲渡所得の20.315% |
その他費用 | ※費用項目より異なる |
マンションを売却する際にかかる費用の中でも最も大きな部分を占めるのが仲介手数料になります。
仲介手数料とは、マンションの売却をする際に不動産会社と契約して売却活動の様々なサポートをしてもらい、マンションの売却が完了した場合にその成功報酬として不動産会社に支払うお金のことです。上の表を見て頂ければ分かる通り、この仲介手数料はマンションの売却額によって支払う額が変化します。つまり、マンションの売却価格が高いほど仲介手数料も高くなるということです。
つまり、築10年マンションは高く売れやすいため、不動産会社に支払う仲介手数料も高くなり、結果的にマンション売却にかかる費用が高くなりやすいということになります。
とはいえ、仲介手数料が高くなると言っても、マンションが高く売れることに変わりはないため、必ずしもこの点だけで築10年マンションを売却するべきではないと言うことはできないでしょう。
築10年マンションを売却する際の注意点
ここまで、築10年マンションの売却相場や成約率、メリットとデメリットなどについて見てきました。
最後にこの章では、実際に築10年マンションを売却する際に気を付けておくべき注意点には以下のようなものがあります。
- 住宅ローンに注意
- 安易にリフォームしないように注意
それぞれについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。(築10年のマンションを売るためのコツは築20年のマンションを売るためのコツと似ています)