価格が細かく変動する不動産。マンションの売却や購入を検討する時、「今買っていいのか?」「今後もマンションの価格は上昇するのか?」と悩む方は多いと思います。
そこで、今回は2023年最新(※)のマンション価格の状況と今後の予想について解説します。
近年のように未曾有の自体が起こることもあるため、未来の価格を予想することは難しいですが、最近の価格の推移を見てマンションの買い時を予想するのに役立つこともあるでしょう。
【2023年】最新のマンション価格の推移
新型コロナウイルス拡大の影響も含めて、ここ数年でのマンション価格の推移を見てみましょう。国土交通省が発表する年間約30万件の不動産の取引価格のもとに不動産価格の動向を指数化した「不動産価格指数」の推移が参考になります。
マンション価格の推移に注目して見ると、マンションの価格は2013年からずっと上昇していることが分かります。
2020年には新型コロナの流行、2021年には東京オリンピック閉幕があり、マンションの価格が下落するのではないかと言われていましたが、2023年現在もマンションの価格は上昇を続けています。
▼2019年から2021年までの価格推移
月 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
---|---|---|---|
1月 | 146.1 | 151.4 | 157.1 |
2月 | 146.9 | 150.8 | 159.2 |
3月 | 146.5 | 151.8 | 159.6 |
4月 | 146.4 | 152.6 | 161.0 |
5月 | 146.5 | 154.4 | 164.5 |
6月 | 146.8 | 152.0 | 165.4 |
7月 | 147.4 | 151.1 | 167.1 |
8月 | 147.9 | 152.9 | 168.7 |
9月 | 147.4 | 155.2 | 169.7 |
10月 | 149.7 | 155.0 | 167.6 |
11月 | 150.4 | 155.7 | 171.4 |
12月 | 149.0 | 157.3 | 173.4 |
※2010年平均=100
コロナが流行する前の2019年から新型コロナ禍の2021年までのマンション価格の推移を詳しく見てみましょう。
2020年の2月から7月にかけてマンションの価格が下がる月が何度かありましたが、8月以降は目立った下落もなく、順調に価格が上昇しています。
さらに、月ごとに2019年と2020年の不動産価格指数を比べてみると、2020年は全ての月が2019年の指数を上回っています。よって、新型コロナの流行はマンションの価格推移に大きな影響はなかったと言えるでしょう。
地域別のマンション価格推移
さらに詳しくマンションの価格推移を把握するために、地域別のマンション価格の推移について解説します。
全国のマンション価格推移と同じく、国土交通省が発表している不動産価格指数の推移を参考に、価格がどのように変動しているか見てみましょう。
北海道地方のマンション価格推移
北海道地方のマンション価格は、他の地域と比べて1番上昇していました。
最新の不動産価格指数を見てみると、関東地方が165.8であるのに対し、北海道地方は253.3と、首都圏よりも価格の上昇率が高いことが分かります。
東北地方のマンション価格推移
東北地方のマンション価格の推移を見てみると、全国版のマンション価格推移と同様に上昇傾向にあるといえます。
しかし直近の2,3年を見てみると価格が一時的に下落している月があることが分かります。今後も安定してマンション価格が上昇するとは限らないため、今後の価格推移に注目しましょう。
関東地方のマンション価格推移
関東地方のマンション価格推移を見てみると、先ほど解説した北海道地方や東北地方と比べて、マンション価格の上昇幅が小さいことが分かります。
しかしレインズのデータによると、東京都の中古マンションの㎡単価は83.11万円と、高い価格で売却されています。
他の地域に比べて価格の上昇幅は見られませんが、高い価格でマンションが売却されていると判断できるでしょう。
北陸地方のマンション価格推移
北陸地方のマンション価格の推移は、他の地域と比べて変動が安定しておらず、2020年以降は価格が低くなっていると言えるでしょう。
このようにマンションの価格が変動している地域では、いつがマンションの売り時か見極めて売却することが重要です。高く売れるベストタイミングで売却できるように不動産会社と相談して売り出しタイミングを決めましょう。
中部地方のマンション価格推移
中国地方のマンション価格の推移を見てみると、全国のマンション価格推移と同様に安定して価格が上昇しているといえます。
2020年頃には一度価格が下がっている時期もありますが、その後は上昇に転じ、2021年末までマンション価格は上昇傾向に推移しています。
近畿地方のマンション価格推移
近畿地方のマンション価格は、安定して上昇していると言えるでしょう。
近畿地方の中では大阪府が特にマンションの価格が上昇しています。レインズのデータによると、大阪府のマンション売買価格は直近12か月間全ての期間で前年より高くなっています。
中国地方のマンション価格推移
中国地方のマンション価格も、長期的に見ると上昇しているといえますが、関東地方や近畿地方と比べると、変動の幅が大きいことが分かります。
中国地方でマンションの売却を考えている方は、直近1年など短期的にマンションの価格がどう推移しているか確認しておくとよいでしょう。
四国地方のマンション価格推移
中国地方のマンション価格は、2010年頃から見てみると上昇していますが、直近で価格が大きく下落している時期があったことが確認できます。
2021年11月の価格指数が198.6であったのに対し、2021年12月の価格指数は167.3と、年末で大きく価格が下落していました。
このまま価格が下がり続けるとは限りませんが、マンションの売却や購入を考えている方は価格がどう推移しているか確認して売却活動を始めるようにしましょう。
九州・沖縄地方のマンション価格推移
九州・沖縄地方のマンション価格は、北海道地方や東北地方のように大幅に上昇しているといえます。
コロナ禍であった2020年に多少の下落は見られましたが、その後は順調に価格が右肩上がりとなっています。
今後も価格の上昇が続くとは限らないため、マンションの購入や売却を控えている方は、こまめに価格の推移を確認するようにしましょう。
築年数別のマンション価格推移
マンションの価格は、マンションの所在している地域だけでなく、築年数によっても大きく変化します。築年数によってマンションの価格がどのように推移するのか把握しておきましょう。
出典:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年) レインズ
築年数によるマンションの価格推移のグラフを見てみると、築年数が古くなるほど売却価格が低くなっていることが分かります。
価格(万円) | 面積(㎡) | ㎡単価(万円) | |
---|---|---|---|
築0~5年 | 6239 | 55.40 | 112.61 |
築6~10年 | 5462 | 57.60 | 94.83 |
築11~15年 | 4686 | 59.06 | 79.35 |
築16~20年 | 5067 | 65.85 | 76.95 |
築21~25年 | 3979 | 65.03 | 61.18 |
築26~30年 | 2419 | 53.75 | 45.00 |
築31年~ | 2358 | 50.02 | 47.15 |
築0~5年と築31年以降の価格を比べてみると、3分の1程度まで価格が低くなっています。
マンションの売却を考えている方は、不動産市場だけでなく、高く売れる築年数であるかという点にも注意して売却計画を立てると、より損をせずに売却することができます。
今後のマンション価格はどのように推移する?
今後のマンション価格の推移がどのように変化するのか、正確には分かりません。
しかし、今後”暴落”というほど大きく価格下落することはないのではないのではないかと予想します。国土交通省も2021年の地価調査の結果に対し「新型コロナウイルスによる先行き不透明感のある中で立ち止まった状態」と考察しています。
住宅地は今回下落となっていますが、商業地や工業地は東京圏や大阪圏などでは、平均変動率は8年連続で上昇していますし、上昇幅の縮小は見られても需給バランスの変化は見られていません。
社会活動も新しい形で元に戻りつつありますし、このまま下落し続けると言うとのは難しいでしょう。
自分の所有しているマンションがいくらで売れそうか知りたい方は、インターネット経由で不動産会社からの査定を受けましょう!いつでもどこでも無料で依頼出来て、売却を考えている不動産に適した不動産会社を紹介してくれるので初めて使う方も安心して利用できます。
まずは、物件種別を選択してから査定依頼をスタートしてみましょう。査定依頼に必要な情報入力はわずか60秒ほどで完了します。
あなたの不動産、
売ったらいくら?
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2023年、マンションは買い時か
今年マンションは買っても問題ないといえるでしょう。
地域や実際に売却しているマンションにもより異なりますが、都道府県地価調査では土地の価格は下がっています。大幅値下げは期待できませんが、地価の分価格も調整されているかもしれません。
新型コロナウイルスにより先行きが不透明ではありますが、先程解説した通りマンションの価格が大幅に下がる可能性は低くいので、来年まで待った方が安くなるという可能性は低いです。
それよりも、欲しいと思った物件が成約できるかどうかです。2013年からの価格上昇により高級物件となってしまった新築マンション。都市部などでマンションの購入を検討されている多くの方は中古マンションも検討されていると思います。
しかし、東日本不動産流通機構の最新データ(2020年10月現在)である8月度マーケットデータを見ると、中古マンションの在庫件数は前年比のマイナス11.3%となり前月比でも3.7%減少している状態。
在庫が減っているにも関わらず、首都圏における中古マンションの成約件数は前年同月比よりプラス18.2%と多くの人が中古マンションを購入している結果となりました。
つまり、中古マンションの競争が激化している可能性が高いということ。来年の地価下落を期待し、購入を先延ばしにしているうちに他の人に買われてしまうということが考えられるので、良いと思った物件に出会った際は購入を本格的に検討することをおすすめします。
ただし、予算以上の物件の場合はよく検討を。マンションを購入した際には住宅ローンの支配の他に維持費も必要です。管理費や修繕費積立金の維持費を気にしても固定資産税が発生することを忘れてしまっている人は少なくありません。
予算以上の住宅ローンと固定資産税の支払いで家計を予想以上に圧迫してしまい、生活が苦しくなることもあります。先行き不安な時期だからこそ、住宅ローンだけでなく月々の出費を考えたマンション選びを行いましょう。
マンションの固定資産税に関する内容はこちらをご確認ください。
まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大という今までにない世の中の流れで今後マンションの価格はどうなるのか気になる方も多いと思います。しかし、この後不動産価格がどのように変化するのか明確に知るのは難しい状態。現状を細かく観察していくのが最善かもしれません。
今後住み替えを検討しているのなら、まずは現在住んでいる住宅の価格を知っておくのも重要です。住宅の価格を知ることで、次に住むマンションの購入資金の計画を立てられたり、今住み替えるべきか否か判断しやすくなります。