マンションの需要が高まっている、知り合いにマンションを売って儲かった人がいるなどの話を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに昨今、マンションの需要が高まっていると聞きますし、期待してしまいますよね。はたして、マンション買った値段で売れるのでしょうか。
マンションは買った値段で売れる?
マンションは買った値段で売却できるのでしょうか?その答えと理由を解説します。
買った値段で売れる可能性は低い

マンションの売却額(売れた価格)はさまざまなもののかけ合わせで決まります。例えば、マンションの価格は高く設定しすぎても、近隣の同じような条件の物件と比べた際に割高だと売れにくくなってしまうので、売り出し価格を決める際は周辺のマンションの価格から大きく外れた値段を設定することは得策ではありません。
買った値段で売り出したとしても、周りがそれよりも安い価格であれば買った値段で売るのは難しいでしょう。また、マンションを売った際には費用がかかります。マンションが売れた額によって異なりますが、仲介手数料や譲渡所得税などが発生し、売却額がそのまますべて手に入るわけではありません。
マンションが買った値段で売れたとしても、手元に残るお金はそれより下回ってしまうでしょう。マンションの価格には築年数が関係ある
マンションが買った値段で売れる可能性が低いのは他にもあります。それは築年数です。
出典:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2025年)|東日本不動産流通機構
上記のグラフのように、マンションの平均価格は築年帯が古いほど低くなる傾向があります。その背景の1つとされているのが法定耐用年数です。
法定耐用年数とは不動産の評価額を公平に評価するために設けられたもので、ざっくり言うと資産価値の期限。この期限を過ぎると、建物の価値はほとんど残らないものとして扱われます。ただし、実際の売却価格がゼロになるわけではありません。築年数を重ねるということは、この法定耐用年数までの時間が短くなるということなので、築1年から建物の価値は下がってしまうのです。
そのため、築浅のマンションであっても買った値段で売れるとは言い切れないのです。
【2026年】マンションが高く売れる可能性はある
マンションの状態や築年数、立地などによりますが、場合によっては買った値段やそれより高く売れる可能性もあります。
その理由はマンションの価格の変化にあります。
マンションの価格は高い水準にある
マンションの価格は2013年ごろから上昇を続け、高い水準にあります。
出典:国土交通省 不動産価格指数(令和7年12月分・2026年3月31日公表)
国土交通省が毎月公表している不動産価格指数は不動産価格の動向を数値化したもの。
このグラフを見ると、マンション(区分所有)の価格指数は2013年ごろから上昇が続き、2025年12月には225.1(2010年平均=100)に達しています。
新築マンションの価格はバブル期と同等かそれ以上と言われており、世帯年収が1000万円を越えないと難しいと言われています。そのため、新築マンションの価格が上がるのと合わせて中古マンションの需要も上がり、価格も上昇。
物件によっては、中古マンションも買った値段に近い価格で売れる可能性があります。2026年以降も高く売れるか
マンションの価格は高い水準にありますが、2026年5月以降は首都圏の成約㎡単価が前年同月を下回る月が続いています。高く売れるかどうかは物件次第で、相場の動きを見ながら売り出し価格を決める必要があります。こちらは東日本レインズのマーケットデータ(2026年8月度)から見た、首都圏の中古マンションの成約㎡単価の推移です。
| 2025年8月 | 2026年3月 | 2026年5月 | 2026年8月 | |
|---|---|---|---|---|
| ㎡単価(万円) | 84.85 | 86.34 | 80.78 | 81.60 |
| 前年同月比(%) | +13.5 | +9.3 | -3.9 | -3.8 |
2025年8月は前年同月比+13.5%と大きく上がっていましたが、2026年5月以降は前年割れが続き、8月は81.60万円/㎡で4か月連続の前年割れとなりました。
㎡単価は1年前より3.8%低いものの、価格が大きく崩れたわけではありません。ただし、成約件数は5か月連続で減り、売りに出ている物件(在庫)は6か月連続で増えています。買い手が選べる物件が増えているため、周辺の成約事例を確かめたうえで、相場から外れない売り出し価格を設定することが高く売る前提になります。

高く売れるマンションの特徴
前述の通り、マンションが買った値段やそれ以上の価格で高く売れる可能性はあります。
しかし、すべてのマンションが高く売れるわけではありません。
マンションの価格は買主との交渉などによっても変わりますが、高く売れる主な特徴は以下になります。

築5年以上10年未満のマンション
新築でマンションを購入しているのであれば、築5年以上築10年未満のマンションが高く売れる可能性が高いです。中古マンションの購入を検討している買主は築10年未満で探している方が多く、築10年未満のマンションは人気です。そのため、強気の価格で売り出しても成約する可能性が高く売れやすいのです。
さらに、現在築10年であれば、新築当時は2016年ごろです。その後もマンションの価格は上がり続け、国土交通省の不動産価格指数(マンション)は2025年12月に225.1(2010年平均=100)となりました。購入後に相場が上がっているため、築10年分の値下がりがあっても、買った値段に近い価格で売れる可能性があります。
売却タイミングは、「市場での売れやすさ(築浅の優位性)」と「手残り額(税負担)」のトレードオフで考える必要があります。市場価値は築年数が浅いほど高いため、売れやすさを重視するなら築5年以内が有利です。
一方で、所有期間が5年を超えると売却益にかかる譲渡所得税の税率が大幅に下がるため、税負担を軽くして手残り額を最大化したい場合は5年超の売却が適しています。どちらを優先するかによって最適なタイミングは異なります。
| 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計 | |
|---|---|---|---|---|
| 長期譲渡所得(5年超) | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
| 短期譲渡所得(5年以内) | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
もし、家を購入してまだ5年経っていないという人は5年以上になるように待ってみるのも手でしょう。
立地が良い
マンションの価値に関わる重要な要素の1つが立地です。
当たり前ですが、同じような条件のマンションの場合、都心部へアクセスしづらい地域のマンションより都心部にあるマンションの方が価値があり、価格も高くなります。
需要もありますし、地価も上がっているので高く売れる可能性は高いでしょう。2026年に発表された公示地価(令和8年地価公示)で住宅地の地価上昇が見られたのは、福岡や東京、北海道、愛知、神奈川など。これらの地域の人気エリアは高く売れる可能性が高いでしょう。

また、立地と合わせて周辺環境も重要です。公共交通機関が近くにある、複数の駅が徒歩圏内など利便性の高い場所に建っているマンションは人気なので価格も上がりやすいです。
ファミリータイプのマンションであれば、有名学校の学区域内や病院、公園などが近くある場合も需要が高いでしょう。
角部屋である
価値の高いマンションの中でも高い価格がつきやすいのが角部屋です。
マンションの角部屋は窓が多く部屋が明るい、騒音問題になりにくいなどの理由で人気です。特に南や東にバルコニーがある部屋は日当たりが良く、価値は上がります。角部屋の場合、部屋と部屋の間に挟まれた中部屋よりも売却相場が数%~20%程度高くなると言われており、同じマンションの中でも希少性とメリットで高く売れやすいでしょう。高層階にある

同じマンションであっても間取りや階層によって価格は変わります。
マンションの部屋は階層別効用比と位置別効用比といったもので、価値が変わります。簡単に言うと基準にした階層から上か下か、基準とした位置から近いか遠いかで価格も上下するということ。
一般的には階数が上がるほど日当たりや景観が良くなるので、階数が上であればあるほど部屋の価値は上がります。同じマンション内でも高層階の方が価値は下がりづらく、高く売れる可能性も高いでしょう。
まとめ
現在、マンションの価値は戸建てや土地よりも大きく値上がりを続けています。
マンションを購入したタイミングや物件によっては買った値段で売れる可能性も高いでしょう。ただし、マンションが値上がっているということは住み替え先のマンションも値上がっているということです。マンションを買った値段で売ってもより良いマンションに住み替えられるとは限らないので、売り出し価格の設定やローンが完済できるかなどの確認はしっかり行っておくと良いでしょう。まずは、マンションがいくらで売れるのか確認してみることをおすすめします。


