アパートを相続したら必要な税金と費用を総まとめ|相続税対策のコツも解説

アパートを相続したら必要な税金と費用を総まとめ|相続税対策のコツも解説
土地活用を考えている方へ
  • 「何から始めると良いかわからない…」そんな方はまずはチャットでご相談を
  • 複数の活用プランを比較することで、より収益性の高い活用をできる可能性が高まります

亡くなった方の財産を受け取る相続は、場合によっては金銭だけでなく、土地や家など不動産も当てはまります。アパートもそのうちの1つですが、実は受け取った時点ではマイナスの遺産になってしまっていることが多いのです。相続した場合に気になる相続税、築古アパートがマイナスの遺産になりやすい理由、対策と注意点を踏まえて解説します。

先読み!この記事の結論
  • アパート相続税は計算が困難なため専門家へ依頼しよう
  • 相続後は経営状況を確認しよう
最適な土地活用のプランって?
STEP1
土地の有無
STEP2
都道府県
STEP3
市区町村

アパートの相続後に発生する税金と様々な費用

相続税以外にも、アパート相続後には様々な費用が必要です。ここからは税金と手続き費用に分けてアパート相続にかかる費用について解説します。

相続税

相続税とは、相続時に発生する税金で相続税評価額をもとに算出されます。(※具体的な算出方法は2章に記載しています。)2015年に行われた生命保険文化センターの調査によると、相続税を支払った人の割合は8.8%となっており、ほとんど人にとっては無縁である税金とも言えます。

しかし、相続税が課税された場合の平均納税額は1,714万円と算出されており、納税期限も相続発生後10ヶ月以内と短いため、事前に相続税が発生するかどうかは十分に計算しておくことが重要です。特にアパートなどの不動産の場合、小規模宅地等の特例や貸家建付地などの制度によって相続税評価額は大きく異なり、土地と建物でも相続税評価額の計算方法が異なるため、それぞれに応じた計算が必要です。

参考:相続税を払う人はどのぐらいいる?|生命保険文化センター

建物の相続税評価額では固定資産税評価額をもとにして計算を行います。一方で、土地の評価額を算出する方法は「路線価方式」と「倍率方式」の2つのパターンがあります。相続税の計算は、相続人の数や相続する財産割合によって大きく異なるため、専門家に計算をしてもらうことがおすすめです。

参考:No.4602 土地家屋の評価|国税庁

贈与税

アパートの相続が発生する前に、アパートを生前贈与を活用する場合には贈与税が課税されます。贈与税には、毎年110万円の基礎控除額があるため、計画的に相続するアパートの納税資金を引き継ぐこともできます。

相続税の納税義務がない場合には、110万円以上の贈与を行うと贈与税で損をしてしまうため注意が必要です。一方で、相続税の納税義務がある場合には、贈与税を支払ったほうが結果的に納税総額が小さくなる場合があります。

また、相続税の納税義務がなく110万円以上を生前贈与をしたい場合には、相続時精算課税制度を活用することで、贈与税を抑えながら効率的な相続ができます。

早めに相続したい場合や相続税の納税義務がある場合には、生前贈与を活用することで贈与税を減らすことができるため、専門家に相談しながら計算することがおすすめです。

固定資産税・都市計画税

アパートや土地を相続しオーナーとなった場合には、固定資産税や都市計画税の納税義務が発生します。固定資産税の税率は固定資産税評価額の1.4%、都市計画税は固定資産税評価額の0.3%です。

固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税され、被相続人(亡くなった方)が固定資産税などの滞納を行っていた場合には、相続人に納税義務が発生します。そのため、準確定申告などでアパートの経営状態を確認する際には納税状況も含めて確認しておきましょう。

都市計画税や固定資産税は税率としては小さい方ですが、毎年必要な上に、場合によっては10万円単位の額になることもあります。アパートの経営状態などによっては、負担となる費用であるため、固定資産税や都市計画税についても相続前には確認しておきましょう。

所得税

アパートの相続発生から4ヶ月以内に準確定申告を行う必要があります。準確定申告とは1月1日から相続発生までに被相続人が得ていた所得について、被相続人の代わりに相続人が確定申告することです。

一般的な確定申告同様に、医療費控除や青色申告特別控除なども使うことができるため、経費とできる費用などはまとめておきましょう。

また、アパート相続後には自身の所得と合算した上で、所得税が課税されます。最大課税率は45%にもなるため、所得税の負担が多い場合には、法人化するなどかならず対策を行っておきましょう

住民税

所得額に応じて、住民税も課税されます。住民税は税率10%となっており、所得税と合算すると最大55%にもなるため、決して負担が少なくありません。

また、住民税は所得を得た翌年から引き上げられるため、相続後に管理や集客が滞ってしまい空室になるとより負担が重くなります。必ず相続前や相続後には、経営状態や納税額について把握したうえで、経営判断を行いましょう。

不動産取得税

不動産取得税とは、不動産の取得者に対して課される税金で、取得時に支払う必要があります。不動産取得税は相続によってアパートや土地を引き継いだ際には発生しませんが、相続方法として生前贈与を選んだ際には、不動産取得税が贈与税に加えて課税されます。

不動産取得税の税率は、固定資産税評価額の3%と高く、数百万円の納税が必要なこともあります。住宅用地の特例などの軽減措置もあるが、不動産取得税だけでも100万円近くかかることもあるため、生前贈与時には注意が必要です。

相続手続きの費用

アパートの相続手続きには、様々な書類や申請費用などが必要です。相続税や相続後に課税される税金に比べてば負担は少ないですが、相続の事務手続きなどにかかる費用も確認しておきましょう。

費用の内訳 金額
書類にかかる費用 5000円~1万円
登録免許税 登録免許税 = 土地評価額 × 0.4%(100円未満は切り捨て)
必要書類の郵送方法 郵送方法による
司法書士(依頼したら)への報酬 5~8万円程度

うっかり納税忘れを防ぐためにも、まずはプラン請求がおすすめ。

アパートの相続税の計算方法

今年は家を売って良いか
相続税の計算は非常にややこしい計算順序があります。まずはそれぞれの順序ごとのポイントについてかんたんに解説します。

遺産総額を計算する

支払う相続税がいくらになるのかは、アパートだけでは計算することができず、相続人の財産総額を相続税の計算時に利用します。
そのため、相続税を計算する際には、アパートだけではなく現金や土地、その他の不動産、有価証券等を含めて相続税を計算する必要があります。
参考:相続税・贈与税目次一覧|国税庁

基礎控除額を計算する

基礎控除とは、遺産総額から差し引くことができる控除額です。相続する財産が基礎控除額に収まれば、相続税負担はありません。基礎控除額は以下のように算出されます。

基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)

法定相続人とは、遺産を相続する権利を有する人を指します。法定相続人には、直系卑属、直系尊属、兄弟姉妹などの種類があります。
遺産総額から基礎控除を差し引いた分が、課税遺産総額になります。例えば、6,600万円の遺産総額を1名の法定相続人で相続する場合には、「6,600万円ー3,600万円=3,000万円」が課税対象額になります。
参考:No.4132 相続人の範囲と法定相続分|国税庁

課税遺産総額を計算する

課税遺産総額とは、相続税を計算する際のもととなる数字です。相続税を算出する上で、基本となる課税遺産額は、以下の計算式で決まります。

課税遺産総額 = 遺産総額(土地評価額や現預金など含む全ての遺産) – 基礎控除額 -その他の控除額

参考:課税遺産総額の計算|国税庁
相続税の負担額は、遺産総額から基礎控除額やその他の控除額を差し引いた課税遺産総額によって決まります。その他の控除額とは、非課税財産や葬式費用、債務などがあげられます。
参考:No.4126 相続財産から控除できる債務|国税庁
課税遺産総額によって相続税率や相続税負担額が大きく変わります。個人で正確な計算が難しい場合には、税理士などに依頼して正確な課税遺産総額を計算しましょう。

相続税の総額と相続人ごとの負担額を計算する

相続税の計算は以下の手順で行われます

  • ①法定相続分通りに課税遺産総額を取得したと仮定して、相続額に税率をかけ合わせて各法定相続人ごとの課税額を算出
  • ②相続人ごとの課税額を合算して、相続税総額を算出する
  • ③実際の相続割合に応じて、相続税総額をあん分する
  • ④配偶者控除などの各種税額控除を差し引き、相続人ごとに実際に納める相続税額を算出する

遺産総額が2億円、配偶者1名と子供2名(成人)が相続する場合を考えてみましょう。この場合、基礎控除を差し引いて課税遺産総額が1億5,200万円と仮定して実際の相続税負担額をシミュレーションしながら、それぞれの手順に行う計算について解説します。
参考:相続税の計算|国税庁

①:相続人ごとの仮の相続税額を試算

まずは①について解説します。法定相続分通りの各相続人ごとの相続税額を以下の計算式で計算します。

各相続人の仮の相続税額=課税遺産総額×法定相続分×税率

この場合、配偶者が1,580万円(=課税遺産総額×1/2)、子供一人あたり560万円(=課税遺産総額×1/4)が、各相続人の仮の相続税額となります。
※法定相続人ごとの法定相続分はこちらを参考にしてください。

②:①の総和を出し、相続税の総額を算出

②では、各相続人の仮の相続税額を足し合わせて、相続税総額を算出します。

各相続人の仮の相続税額の総額=相続税総額

この場合、配偶者と子供2名の借りの相続税額を足し合わせると、相続税総額は2,700万円になります。

③:②の相続税総額を実際の相続割合に応じて分割

③では、実際の相続割合に応じて相続税総額を各相続人にあん分します。

各相続人の実際の相続税額=相続税総額×実際の相続割合

実際には配偶者が遺産の3/5、子供2名が1/5ずつ相続している場合、それぞれの相続税額は配偶者が1620万円(=相続税総額×3/5)、子供一人あたり540万円(=相続税総額×1/5)となります。

④:相続人ごとの控除を踏まえて実際の納税額を算出

④では、それぞれの相続人ごとの相続税負担から、それぞれの相続人に適応される税額控除を差し引き、実際に納税する相続税が算出します。

各相続人が納税する相続税額=各相続人の実際の相続税額 -各種税額控除

この場合、配偶者には配偶者控除があるため、1,620万円の相続税負担がなくなります。また、子供2名は540万円をそれぞれ相続税として納税する必要があります。現金などの分けやすい資産であれば、分割はしやすいです。しかし、アパートなどの不動産を含む相続では、相続する財産に偏りが生まれやすくなります。

そのため、遺産の分割方法によっては法定相続分と実際の相続税割合に大きな違いが生まれる可能性があります。アパートなどの不動産が財産に含まれている場合には、それぞれの相続税負担額も踏まえたうえで、遺産分割協議にて財産の分担を行う必要があります。
アパートの相続税計算で失敗しないためには、まずはプラン請求がおすすめ

どのようにアパートを相続するか決める

アパートの相続人が複数人いる場合には、遺産分割協議を経てアパートの分割方法を決める必要があります。アパートの相続方法には、以下の3パターンが考えられます。

現物分割

相続人のうち一名が現物のままアパートを相続する方法です。アパートの相続税負担や経営責任が明確になります。
例えば、自宅、アパート、その他現金等の財産を、配偶者1名、姉妹2名で現物分割する場合、配偶者が自宅、姉がアパート、妹がその他の財産を相続するという分け方が一例となります。
不動産と現金などのその他の財産は、公平な評価が難しいため公平な分割は困難になりますが、相続人が明確になるというメリットがあります。
この場合、アパートにかかる相続税負担は相続人1名が負担することになります。
参考:共有物の分割|国税庁

代償分割

特定の相続人が他の相続人の持ち分を買い取りアパートを単独所有する方法です。
例えば、1億円のアパートを、配偶者1名、姉妹2名で代償分割する場合を考えます。この場合、姉が1億円のアパートを相続した場合、法定相続分を目安として、配偶者に5,000万円、妹に2,500万円支払うという相続方法になります。
アパートの評価額をもとに、法定相続分に基づいた分割ができますが、相続人に十分な現金がないと困難な分割方法です。
参考:No.4173 代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算|国税庁

換価分割

不動産を売却処分して代金を分割する方法です。
例えば、アパートとその他の財産(5000万円)を、配偶者1名、姉妹2名で換価分割する場合を考えます。アパートを売却し1億を得た場合、その他の財産である5,000万円と合わせた1億5千万円を法定相続分に応じて、配偶者が7,500万円、姉妹で3,750万円ずつ分配することになります。
不動産を手放すことになりますが、売却益を公平に分割できるため、公平性の高い分割をすることができます。
参考:遺産の換価分割のための相続登記と贈与税|国税庁

アパートを相続するために必要なこと

様々な手続きや税金などが必要なイメージがあるアパートの相続ですが、相続後にやることは以下の表にまとめています。

専門家に相談 相続発生後なるべく早く
銀行にローン残債を確認 遺産分割協議までに
遺産総額の計算 遺産分割協議までに
相続放棄の意思決定 相続発生から3ヶ月以内
遺産分割協議 相続発生から3ヶ月前後
準確定申告 相続発生から4ヶ月以内
相続税の納税 相続発生から10ヶ月以内
不動産登記などの書類作成 遺産分割協議後
法務局で手続き 書類作成後
口座変更などを管理会社に連絡 名義人決定後

アパート相続は、様々な手続きを一定期間までに行う必要があります。特に、アパートを含めた全財産を相続するか相続放棄するかは、相続発生後から3ヶ月以内に決める必要があります。

また、所得税の試算に必要な準確定申告や、相続税も発生から一年以内には納税する必要があるため、資金面でも前持った準備が必要です。遺産分割協議に応じて、相続人ごとに負担する相続税は異なるため、必ず相続放棄の可否を決めた後にも、遺産分割協議を行うようにしましょう。

また、登記などの書類申請は特に期限が定められているわけではありませんが、翌年以降の確定申告等に使う場合もあります。法務局に提出する必要がある書類もありますが、オンライン状変更手続きができるものありますので、書類に関してはミスがないように落ち着いて用意しましょう。

参考:相続税の申告の準備はお早めに!(PDF/424KB)|国税庁

アパートの相続で失敗しないためには、まずはプラン請求がおすすめ。

アパートを相続する流れとポイントとは

アパートの相続が発生した場合、相続に関わる手続きを以下の期限までに行う必要があります。ここからはアパートを相続する流れについてかんたんに解説します。

参考:No.4202 相続税の申告のために必要な準備|国税庁

専門家に相談し段取りをしてもらう

アパート相続時には、様々な専門家を活用することで煩雑な手続きやトラブルを防ぐことができます。そのため、アパートの相続が発生したら、まずは専門家に相談することをおすすめです。
しかし、アパート相続に関わる専門家は弁護士・税理士・司法書士など多数います。そのため、余分な手間を減らすためには、状況に応じて適切な専門家を頼ることが重要です。
例えば、既に遺族間で相続に関するトラブルや遺言などの取り扱いに迷っている場合には、弁護士に相談することで法律上の視点からトラブルを解決できます。また、アパートの相続に必要な書類や相続手続きを進められない場合には司法書士を活用することで、煩雑な登記手続きや書類集めなどを効率化できます。
他にも、相続税納税額の計算や、相続税以外に必要な税金の試算などを行いたい場合には、税理士を活用することで、相続税の算出だけではなく相続税対策の相談にも乗ってもらうことができます。
アパートの相続手続きでは、様々な期限が決められています。トラブルを減らして迅速なアパート相続をする際には、専門家に頼りながら相続登記を行うことがおすすめです。

遺言書の有無を確認する

アパートの相続は遺言書があるか否かで大きく変わります。遺言書は法的拘束力があるため、遺言書に記載されていることは相続の方向性のほとんどを決めてしまいます。
しかし、遺言書を正式に処理をするためには、以下の様々なポイントがあります。

  • 遺言書は家庭裁判所に提出し検認が必要
  • 相続人の立ち会いのもとで開封が必要であり、勝手に開封してはならない
  • 勝手に開封した場合、過料が発生したりトラブルの原因となる

遺言書や遺言書らしいものを見つけた場合には、まずは専門家に相談しましょう。
また、遺留分という相続人の権利もあります。遺言書に財産割合が記載されていても、相続人が遺留分の権利を主張している場合には、その分を勘案した遺産分割が必要になります。

銀行に連絡してローンを確認する

アパート相続時には、ローンも含めて遺産を相続する必要があります。ローンによる債務控除は活用できるが、相続人はその借金を被相続人に代わって返済が必要です。
もし相続人が複数いる場合、各共同相続人に、それぞれの法定相続分に応じて債務を負担する義務が発生します。つまり、5人の共同相続人が5分の1ずつ相続する場合、被相続人が仮に100万円の借金を残しているとすれば、1人20万円の返済を肩代わりする義務があるということになります。

もし、返済が難しい場合には、相続放棄をすることでローンも放棄することができます。しかし、相続人がアパートローンの連帯保証人になっている場合、相続放棄をしても返済義務は残ります。

特に何も手続きをしていない場合には、アパートの権利者を決めていたとしても、その他の相続人にも法定相続分はローンの返済義務が発生します。アパートは持っていないけど、ローンの債務負担はあるなどといった状態にならないためにも、事前にローンに関しては銀行に確認しておきましょう。

一方で、被相続人が団体信用生命保険に加入していた場合、保険金からローンは完済されます。この場合、ローンの返済負担がない状態でアパートを相続することができます。保険金の加入状況の有無がわから無い場合には、銀行にいけば必ず教えてくれるため、相談しておきましょう。

ローンの返済状況や返済有無によって、遺産分割協議の結果や相続後の対応もかわります。まずは、相続税の試算の前に、まずはローン状況について銀行に確認しておきましょう。

相続財産を調べる相続税の概算を試算する

相続税を納税する際には、アパートだけの相続やアパートだけを相続放棄するなど、一部分だけの相続はできません。そのため、相続税について計算する際には、アパートの相続税評価額以外にも様々な財産を含めて計算する必要があります。

また、相続する財産のなかにはローン残債なども含まれます。団体信用生命保険などに相続人が加入していれば、ローンの返済負担を減らすことができます。そのため、アパートローンが残っている場合には、銀行に連絡が必要です。

銀行に連絡することで、ローンの残債や団信保険に加入しているかを確認できます。団信保険に加入している場合は、契約者が支払えなくなった際に残ったローンを保険会社が代わりに払ってくれるサービスが使えます。

つまりローンの残債に限って言えば、残された相続人が支払わずに済むということになります。ただしこの保険は残債に限る話であり、相続についてはきちんと遺言状など書面が必要です。

相続放棄か否かを決める

相続が発生して3ヶ月以内に、遺産を相続放棄するかどうか決める必要があります。相続放棄とは、遺産を相続する権利の一切を放棄することを指します。
債務が多く相続後の借金返済リスクが大きい場合や、相続税の支払いが困難な場合には、相続放棄を選択することで、相続後の負担を減らすことができます。しかし、相続放棄ではローンだけや不動産だけを放棄することができません。
相続放棄はプラスの遺産もマイナスの遺産も含めて権利を失うことになります。3ヶ月以内に相続放棄するかは決めなければならず、決して期限に余裕があるわけではありません。

相続放棄を行うと、法定相続分の比率や相続順位が変わる場合があります。故人の意思があるかどうかも含めて相続放棄は慎重に決定しましょう。また、相続人の財産を1円でも自分の利益のために使ってしまった場合、相続放棄をすることができなくなるため、遺産の管理は徹底して行いましょう。
参考:相続の放棄の申述|裁判所

誰にどのぐらい財産を分けるか遺産分割協議をする

遺産分割協議とは、「誰がどのぐらい遺産を相続するのか」を決める相続人同士の協議です。法律上有効な遺言書がない場合には、相続を確定するために、遺産分割協議が必要になります。
相続人については法定相続分の取り分が法律上定められていますが、遺産分割協議はこの法定相続分に拘束されません。そのため、各相続人が同意する場合には、1人の相続人が財産全部を相続することも可能です。
遺産分割協議で結論が出た場合は、合意内容を証する書面(遺産分割協議書)を作成する必要があります。その後の財産分配や相続税負担も遺産分割協議書によって行われるため、遺産分割協議は非常に重要です。

特にアパートなどの不動産は、分割しにくいため分割方法をよく検討したうえで決定するようにしましょう。

参考:遺産分割協議書|法務省

準確定申告を行う

準確定申告とは、1月1日から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税を行うことです。
一般的な確定申告同様に、所得総額から控除額や経費を差し引いた課税所得分の所得税を支払う必要があります。相続人が2名以上いる場合には、連署で準確定申告を行うことが必要です。

相続人がそれぞれ別々で準確定申告を行うこともできますが、該申告書を提出した相続人等は、他の相続人等に申告した内容を通知する必要があります。

準確定申告では支払う所得税も決して少なくはありません。そのため、確定申告や帳簿管理に慣れていない場合には税理士に相談するなど正確な計算ができるように工夫しましょう。

参考:No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)|国税庁

相続に必要な書類をまとめる

不動産については、通常、遺産分割協議の結果権利を取得するに至った場合には、権利移転について登記をすることになります。この登記に必要になる書類は一般的には以下の通りです。

書類名 取得できる場所
対象不動産の登記事項証明書(登記簿謄本) 法務局
被相続人の住民票の除票(本籍の記載があるもの) 市区町村の役所
被相続人の死亡時から出生時までの戸籍謄本 市区町村の役所
相続人全員の現在の戸籍謄本 市区町村の役所
対象不動産を取得する相続人の住民票 市区町村の役所
対象不動産の固定資産評価証明書 市区町村の役所
相続人全員の印鑑証明書 市区町村の役所
遺産分割協議書 自身で用意

参考:相続税の申告の際に提出していただく主な書類|国税庁

戸籍謄本などは収集するのに時間がかかる可能性もあるため、できるだけ早めに取り寄せておくことをおすすめします。
登記事項証明書は1通480~600円(申請方法によって異なる)、亡くなった方の住民票の除票は1通300円、被相続人の死亡時から出生時までの戸籍謄本は1通450円と、一つ一つは大きな金額ではありませんが必要書類をすべて集めようとするとそれなりに費用がかかります。
また、遠方にある役所から書類を取り寄せる場合は1つの発行に対し500円前後の郵送料がかかるため注意しましょう。

法務局で手続きを行う

作成した相続登記の申請書類を、他の書類とともに法務局に提出すると申請手続きは終了です。法務局で手続きをする際には必要書類以外に、名義変更の際に支払う登録免許税分の費用を持参します。

相続税を納税する

相続発生から10ヶ月後には、相続税の支払いが必要です。相続税の納税は、基本的には現金一括納付です。相続税の納付には、相続税の納付書を税理士が作成後、以下の決済手段があります。

  • 銀行
  • 郵便局
  • 税務署
  • インターネットからのクレジットカード決済

参考:[手続名]国税の納付手続(納期限・振替日・納付方法)|国税庁

相続税の支払いが遅れると延滞税などが加算される可能性があります。しかし、相続税は小さい額になりずらく、現金を用意するというのは困難です。そのため、現金での一括納付が難しい場合には、物納や延納といった納税方法もあります。

延納とは、相続税額が10万円を超え期限までの現金での支払いが困難な場合に、相続税を年賦で納めることです。延滞期間中には利子税がかかりますが、相続税の納税負担を減らすことができます。

物納とは、不動産などの一定の相続財産を相続税の代わりに納付することです。相続税以外の加算税や利子税、延滞税及び連帯納付責任額は物納の対象にならないため、現金での支払いが必要です。

相続税の納税は額によっては、100万円以上の場合も少なくありません。まずは、相続税の試算を行い、支払い方法も踏まえて考えておきましょう。

参考:延納・物納申請等|国税庁

アパート入居者や管理会社に連絡する

アパートを借りている賃借人に、大家さんが変わることを伝えるのは重要です。相続が発生した段階で連絡し、遺産分割協議を行った後に、相続人が改めて挨拶するのが一般的です。特に顔を合わせることがないような関係性なら、そうした挨拶はいらないと思う人もいるかもしれません。

しかし、たとえば前大家である親の預金口座が凍結された状態だと、賃借人は家賃振り込みができません。そのため代わりの振り込み先や、退去するなら誰に伝えればいいかなども合わせて連絡するとても重要な機会です。またそうした大切な情報を教えてもらえないことに不信感を抱いて、退去する人もいるかもしれません。

特に長期間入居している方が多い場合には、オーナーが変わったことを直接ではなくても、手紙などで伝えるようにしましょう。

アパート相続で失敗しないためには、相続に強いハウスメーカーにプラン請求がおすすめ。

アパートの相続で失敗しないコツ

マンション売却して損した時の控除

アパートを相続する際には、次の注意点を確認しておきましょう。

小規模宅地等の特例などを活用する

アパートにかかる相続税は、様々な仕組みを活用することで相続税を十分に引き下げることが可能です。ここからは、アパートにかかる相続税を節税する方法について解説します。

様々な特例を活用する

アパート経営にかかる相続税の計算時には様々な規制を利用することで、相続税を圧縮することができます。相続税対策としてよく使われるのは、以下の3つです。

  • 小規模宅地等の特例
  • 貸家建付地
  • 借家権割合 など

どの規制も相続税対策を行う際には欠かせませんが、それぞれの規制ごとに適用条件や条件ごとの細かな数値の違いがあります。

例えば、小規模宅地等の特例では、相続開始の直前における宅地等の利用区分によって対象となる限度面積や相続税評価額が減額される割合は異なります。相続税の計算は煩雑性が高いため、遺産整理や様々な書類手続きを行いながらだと利用できるはずの減額措置を利用できなくなってしまう可能性が高いです。

現金ではなく不動産は相続税対策効果は高いものの、正確な計算の難易度が高くなります。税理士などの相続税計算や節税のプロに相談し、様々な減額措置の活用がおすすめです。

参考:小規模宅地の特例|国税庁
参考:No.4614 貸家建付地の評価|国税庁

生前贈与の制度を活用する

相続税の納税義務が発生するほど相続財産が存在している場合、生前贈与を活用することで、将来的な相続税の納税負担を減らすことができます。生前贈与には、暦年課税と相続時精算課税制度の2つがあります。

暦年課税は110万円を超えた分に対して贈与税がかかる仕組みであり、相続税納税負担が確定している場合には、贈与額を調整することで相続税負担を減らすことができます。一方で、相続時精算課税制度とは、2,500万円までであれば贈与をうけても贈与税を支払う必要がなく、贈与時の評価額とその他の相続財産を合算して相続税を算出するという方法です。相続税評価額は贈与時の評価額を使うため、路線価や固定資産税評価額などが上がっている場合には、相続よりも相続税負担を減らすことができます。

アパートの相続税対策には活用しにくい相続時精算課税制度ですが、地価が大幅に上がる可能性がある場合には、おすすめです。

相続時精算課税制度は、選択式であり一度相続時精算課税選択届出書を提出すると変更することができません。また、小規模宅地の特例も使うことができなくなるため、宅地を相続する場合には、相続税がもともと課税されないが、早めに相続をしておきたい場合にはおすすめの相続方法です。

参考:No.4103 相続時精算課税の選択|国税庁

入居者を増やして賃貸割合を上げる

アパートなどの賃貸物件を建てると、建物は借家権割合、土地は貸家建付地による相続税評価額減額が適用されます。これらの評価額の減額割合は、実は「賃貸割合」という数字によって左右されるのです。

賃貸割合とは、厳密には以下の計算式で算出されます。入居率の概念に近いので、この記事では、わかりやすくするために入居率という言葉を使います。

(課税時期において賃貸されている各独立部分の床面積の合計)÷(その貸家の各独立部分の床面積の合計)

また、借家権割合や貸家建付地の制度の、相続税評価額減額の計算式は以下のようになっています。

借家権割合とは、他人に賃貸貸ししている建物を評価するに用いる減価率です。全国一律で30%を上限として、相続税評価額を減額できます。

貸家の建物評価額=建物固定資産税評価額 ×(1-借家権割合×入居率)

貸家建付地とは、他人に賃貸している建物が建っている土地を指します。借地権割合と借家権割合に応じて、相続税評価額を下げることができます。借地権割合は30~90%の範囲でエリアによって指定されています。
貸家建付地=路線価評価額 ×(1-借地権割合×借家権割合×入居率)

賃貸割合が上がればその分だけ、相続税評価額を引き下げることができます。いつ相続が発生するかは予測しにくいため、一定以上の入居率は常に維持しておきましょう。

賃貸割合の条件
1 各独立部分が課税時期前に継続的に賃貸されてきたものであること。
2 賃借人の退去後速やかに新たな賃借人の募集が行われ、空室の期間中、他の用途に供されていないこと。
3 空室の期間が、課税時期の前後の例えば1か月程度であるなど、一時的な期間であること。
4 課税時期後の賃貸が一時的なものではないこと。

参考:No.4614 貸家建付地の評価|国税庁

分筆を行う

分筆とは、登記簿上1つの土地を、2つの土地に分けることを指します。土地は形状や広さ、間口の広さなどによって評価が変わるため、分筆を行うことで評価額を下げることができます。分筆登記には大きな費用がかかる場合もありますが、広大地を相続する場合や相続負担が大きい場合には、分筆によって個人の相続税負担を減らせる可能性もあります

分筆は、相続人全員の同意があれば相続発生後でも可能な数少ない相続税対策方法です。しかし、分筆は個人で行うには難しく、分筆を行っても不合理分割として国税庁に認められない可能性もあります。
分筆を考えた場合には、税理士や土地家屋調査士などの専門家に必ず相談しましょう。
参考:宅地の評価単位-不合理分割(1)|国税庁
参考:宅地の評価単位-不合理分割(2)|国税庁

相続前にアパートを建て替える

アパートにかかっている借入金もアパート相続時には債務控除として控除額に計上できます。既にローンを完済している場合や、アパートローンをほとんど返済している場合には、新たに建て替えることで借入金による相続税負担の圧縮が可能です。
借入金による相続税対策の注意点としては、自己資金が十分な場合そこまで相続税対策効果がない点があげられます。

例えば、現金を6,000万円保有している方が、6000万円かけて相続税評価額が4000万円の賃貸物件を建てると仮定します。その場合、借入金を6000万円分借りても、自身の現金で支払っても負担すべき相続税評価額は建築した不動産評価額の4000万円のみになります。
借入金による相続税対策は、不動産評価額と現金評価額は異なるという点がポイントです。

そのため、建築費分の現金を保有していない場合には、借入金による課税遺産額の減額は大きな相続税対策効果があります。また、借入金を活用することで現金を残しやすくなるため、キャッシュフローが悪化した際にも対応することが可能です。
借入金は、相続後の返済リスクなども含むため、建て替えなどについては相続人への確認などを行っておきましょう。

資産価値を正確に把握しておく

遺産相続したアパートが、例えば築30年を超えていたり、手入れをしても活用が見出せなかったり、資産価値がない場合も考えられます。実際にこれから経営していくにあたり、結局のところ赤字になる可能性は低くありません

また自分がアパートを経営することで、将来的に子どもに借金として残してしまうリスクもあります。したがって正しい価値を知った上で、相続後にどう対応していくか、慎重に見極める必要があります。

しかし不動産会社によってアパートの売却価格はまちまちですし、そのままで売った方が良いケースもあれば、費用を負担して更地にした方より高く売れるケースもあります。そのため複数の不動産会社に見積もりを依頼し、信頼できる会社をピックアップして客観的に判断を下すことがとても重要になります。

アパート経営を管理会社任せにしない

管理会社による一括借り上げとはサブリースとも呼ばれ、アパートを所有するオーナーの代わりに、不動産管理会社が貸主として入居者募集から契約、家賃などの集金、物件管理などを全て行うサービスです。

契約すると、空室があったとしても取り決めに従った金額がオーナーの元に入ってくるため、空室のリスクを減らせるとされます。管理料などを不動産管理会社側も得られるため、非常に双方にとって利益の大きい契約です。しかし一括借り上げは、良い面ばかりではありません。

家賃保証は全額ではなく、物件に対する利益などに従って決めるため、法的に一定したパーセンテージでの取り決めがないのです。また一括借り上げを請け負う不動産管理会社側が「家賃を下げてもっと入居者を見つけよう」と価格を再設定することも可能です。

最初にアパートのオーナーが考えていた「利益が出る額」よりも、下げられてしまう可能性は十分にあります。原状回復費用や修繕費についても、どこまで不動産管理会社が費用を受け持つのかも変わります。解約の可否についても、条件を必ずチェックしておきましょう。

ともすれば、不動産管理会社側が「利益にならない」と判断したときに一方的に解約を決定できるような契約条件になっている可能性もあります。親の時はこのような不動産管理会社で良かった場合も、自分の身になれば信用できないケースも考えられます。したがって一括借り上げを解約し、自分で管理を行うようにすることで、収益化が図れるケースもあります。

アパートの相続にお悩みならおすすめはイエウール土地活用

アパートの相続には様々な手続きや、煩雑な相続税計算があります。しかし、手間がかかるアパート相続であっても専門家を活用することで、アパートの相続を効率化できます。
しかし、いちいち自分で土地活用方法ごとに業者を選択するのは非常に手間がかかります。そこでおすすめしたいのが、土地活用比較サイトの活用です。 選択項目に答えるだけで、複数業者の資料を請求でき効率的に情報収集することができます。まずは、土地活用比較サイトで、相続税対策に適した土地活用方法について調べてみましょう。

初心者でもわかる!
記事のおさらい
アパートを相続するにはどんな費用がかかる?
相続税や固定資産税以外にも、所得税や住民税の納税が必要な場合があります。より詳しくは、こちらで解説しています。
アパートの相続税はどうやって計算するの?
アパートの相続税を計算するには建物部分と土地部分を別々に計算する必要があります。こちらで詳しく解説しています。
アパートの相続はどんな流れで行うの?
アパートの相続には、遺言書の確認や相続放棄の意思決定、遺産分割協議など、様々な手続きや申請期限などが決められています。詳しくは、こちらで解説しています。
アパートの相続税対策にはどんな方法がある?
アパートの相続税対策としては、小規模宅地等の特例の活用や賃貸割合の改善、生前贈与の検討などが挙げられます。より詳しくは、こちらの内容を参考にしてください。

あなたの不動産、
売ったら いくら?

あなたの不動産、
売ったら いくら?

step
1
物件種別
step
2
都道府県
step
3
市区町村
step
4
町名
step
5
字・丁目
step1
物件種別
step2
都道府県
step3
市区町村
step4
町名
step5
字・丁目
【完全無料】最適な土地活用って?