マンションの売却を検討しているのならば、「マンション売却の手取りがいくらになるのか?」と気になっていませんか?
マンション売却の際に、よく扱われる「売却益(譲渡所得)」と「手取り額」は計算方法から全く異なるものです。
この記事では、あなたが一番知りたいマンション売却後の手取り額について、計算方法やシミュレーションを用いて紹介していきます。

マンション売却時の手取り額の計算方法
マンション売却時の手取り額とは、売却価格から費用を差し引いた額のことを指します。マンションを売却して住み替える際には手取り金額がいくらになるか把握しておくことが大切です。そのために、手取り額の方法から学んでいきましょう。
手取り額
=売却代金 ー(住宅ローン残債+税金+初期費用)
マンション売却時の手取り額は、家を売却するときの代金から、住宅ローンの残債、税金と追加でかかった諸経費を引くと求められます。
売却代金を知りたい方は、売却価格シミュレーターを参考にしてみてください。
手取り額と間違えやすい「売却益(譲渡所得)」
一方先述した売却駅(譲渡所得)とは、マンションや戸建て・土地などを含む不動産を売却(譲渡)した時に得る売却益のことを言います。
不動産の所有期間によって、短期譲渡所得と長期譲渡所得に分かれ、異なる税率の所得税と異なる住民税が貸せられます。
以下の公式を使って計算できます。
手取りの費用を決めるために重要なポイントとなるのは、「売却代金」と「住宅ローン残債」です。今から、手取りが気になる方は、まず、一括査定で自宅マンションの見込額を出してみましょう。
マンション売却にかかる費用
ここでは、マンション売却時にかかる費用を確認しましょう。
費用の中で特に負担が大きいものは仲介手数料と譲渡所得税(譲渡税)になるので、この2つの求め方は抑えておくようにしましょう。
費用項目 | 費用の目安 |
---|---|
不動産会社に支払う仲介手数料 | 上限額:取引額×3%+6万円 ※低廉な空家等に関しては物件価格が800万円以下の宅地建物の場合、上限が30万円まで引き上げられました。 |
抵当権抹消登記費用 | 2000円 |
司法書士への報酬 | 5万円~15万円 |
印紙税(契約書など貼付する印紙) | 200円~48万円 |
譲渡所得税 (所得税・住民税・復興特別所得税) | ※譲渡所得 = 売却価格 – 取得費用 – 譲渡費用(印紙税 + 仲介手数料)※譲渡所得税率=譲渡所得 ✕ 税率・保有期間が5年以の場合の税率:39.63% ・保有期間が5年超の場合の税率:20.315% |
引っ越し費用 | 約50万円~ |
リフォーム費用 | 100万円前後 |
ハウスクリーニング費用 | 約5万円 |
ローンを一括返済するための費用 | 残債によって異なる |
印鑑証明書発行費用 | 約400円 |
住民票発行費用 | 200円 |
固定資産税評価証明書発行費用 | 300円 |
登記事項証明書発行費用 | 500円 |
費用①:不動産会社に支払う仲介手数料
仲介手数料とは、不動産会社に売買の仲介を依頼して売主と買主の契約が成立した際に不動産会社に支払う成功報酬のことを指します。
金額は売却価格によって3段階になっており、仲介手数料の場合は上限額が決まっています。
不動産取引額 | 仲介手数料(別途消費税がかかる) |
---|---|
200万円以下 | 取引額×5% |
200万円超~400万円以下 | 取引額×4%+2万円 |
400万円超 | 取引額×3%+6万円 |
※空家等に関して、報酬の上限について見直しが行われ、低廉な空家等(物件価格が800万円以下の宅地建物)は、原則による上限を超えて30万円の報酬が受領できるようになりました。
費用②:抵当権抹消登記費用
抵当権とは、住宅ローンなどを借りる際に、購入する物件の土地と建物に対して金融機関(債権者)が設定する権利のことを言います。
住宅ローンが残っている場合には、引き渡し時に抵当権を抹消する必要があります。
抵当権を登記簿から抹消するためには登録免許税が必要となり、これは不動産1つにつき1,000円です。
建物と土地は別の不動産として扱われるため、マンション売却の場合不動産2つ分として2,000円の登録免許税がかかることが一般的です。
費用③:司法書士手数料
抵当権を抹消する際など、不動産の売却時に複雑な工程が多いため、司法書士や弁護士に依頼する方も多くいらっしゃいます。その場合、司法書士に対して払う手数料が発生します。
どういった方に頼むかによって費用は様々ですが、だいたいの相場は5万円~15万円ほどになります。
より詳しい情報に関しては、こちらの記事をご覧ください。
費用④:印紙税
印紙税とは、不動産売却時に売主と買主との間で交わす不動産売買契約書に対し、その売買価格に応じた印紙を貼ることで納める税金のことを指します。
印紙税は、2027年3月31日までの取引に対しては特例として軽減税率が適用されます。売買契約書に記載された売買価格によって異なり、本則税率の場合、200円~48万円の範囲内で、変動します。
印紙税は以下のように定められています。
売買契約書に記載する売買価格 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
1万円未満 | 非課税 | 非課税 |
1万円以上10万円以下 | 200円 | 200円 |
10万円超え50万円以下 | 400円 | 200円 |
50万円超え100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
100万円超え500万円以下 | 2,000円 | 1000円 |
500万円超え1,000万円以下 | 10,000円 | 5000円 |
1,000万円超え5,000万円以下 | 20,000円 | 10,000円 |
5,000万円超え1億円以下 | 60,000円 | 30,000円 |
1億円超え5億円以下 | 100,000円 | 60,000円 |
1億円超え5億円以下 | 200,000円 | 160,000円 |
10億円超え50億円以下 | 400,000円 | 320,000円 |
50億円超え | 600,000円 | 480,000円 |
費用⑤:譲渡所得税
譲渡所得税とは、マンション売却した際に発生した倍にその利益に対してかかる税金のことです。
譲渡所得税は所得税、住民税、復興特別所得税の3つに分けられ、以下の式にあてはめることで計算することができます。
- 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 ー 譲渡費用 ー 取得費用
- 譲渡収入金額:
マンションの売却価格 + 固定資産税・都市計画税の清算金 - 譲渡費用:
マンション売却にかかる諸費用(仲介手数料、印紙税、シミュレーション内の諸経費の項目等) - 取得費用:
土地購入価格 + (マンションの購入価格 ー 減価償却費)▼最後に譲渡所得税は所有期間に合わせて成立をかけます - 譲渡所得税 = 譲渡所得金額 × 税率
剰余所得税の税率は、マンションの所有期間によって異なります。
所有期間 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|
長期譲渡所得 | 5年以下 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
短期譲渡所得 | 5年超 | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
その他諸々の費用
代表的な費用や税金の他にかかる費用を紹介します。
まず、マンションを引っ越しする際にかかる費用は距離や人数、持ち物にもよりますが、3~4人家族であれば50~75万円以上が相場であり、繁忙期であれば100万円程度と言われています。
リフォームは、必ずしも必要と言うわけではありません。ハウスクリーニングなどでお手入れをする方もいます。
実際、リフォームで思いのほか費用がかかってという声も多くあるため、リフォームの要否は、不動産会社や専門の方と相談して決めるようにしましょう。
また、マンション購入後まだローン返済が完済していないという方は、住宅ローンが残っている状態ではマンションは売却できないため、売却したいマンションのローンは繰り上げて一括返済する必要があります。この時にかかる手数料を繰上返済手数料と言います。
その他にも証明書等の取得の際に200~500円程度、費用がかかります。
マンション売却時の手取り額のシミュレーション
マンションの売却時の手取り額はシミュレーションでも求めることができます。
まず以下の内容を入力する必要があるため、自宅マンションの基本情報の資料を集めておくとスムーズにシミュレーションを進められます。
入力が終わると、手取り金額が自動で算出されます。
- マンションの売却価格
- マンションの「所有期間」
- マンションの「取得費(取得時にかかった費用:購入価格)」
- その他「諸経費」
また、手取り金額の他にも、仲介手数料や印紙税、譲渡所得税など売却にかかる費用がそれぞれいくらかかるか分かりますよ。
ここでいう諸費用には以下のような項目が含まれます。ご自身の売却に伴って発生する費用を確認して入力してみましょう。
- 住宅ローン一括返済費用
- 抵当権抹消登録免許税
- 司法書士手数料
- 繰上返済手数料
- 引っ越し代
未記入(不明)の場合は5%で自動試算
未記入(不明)の場合は5%で自動試算
売却価格
0万円
仲介手数料
0万円
諸経費
0万円
印紙税
0万円
譲渡税
0万円
手取り金額
0万円
※このシミュレーション結果はあくまでも概算になります。
売却価格 | - | 0万円 |
仲介手数料 | - | 0万円 |
諸経費 | - | 0万円 |
印紙税 | - | 0万円 |
譲渡税 | - | 0万円 |
手取り金額 | 0万円 |
※このシミュレーション結果はあくまでも概算になります。
売却価格-(取得費+仲介手数料+諸経費+印紙税)=譲渡益(譲渡所得)
0-(0+0+0+0)=0万円
(譲渡益-特別控除) ×税率 (所得税+住民税)=譲渡税
(0-0) × 0% [0%+0%]=0万円
※上記所得税の税率には、復興特別所得税として所得税の2.1%相当が上乗せされています。
手取り金額のシミュレーションで分かるように、マンションの売却価格がそのまま手取り金額になるわけではなく、マンションの売却価格から売却時にかかった費用を差し引いたものが手取り額となります。
マンション売却時の出費を抑える方法
マンションを売却する方の中には、住み替え先の購入資金、住宅ローンの返済費用に使うために少しでも手取り金額を増やしたいという方もいるでしょう。
手取り金額を増やすためには、売却にかかる費用を安く抑える、マンションを高く売却する工夫をしなければなりません。
マンション売却のシミュレーションを行い、手取り金額に不安がある方はこれから紹介する方法を参考に対策を行いましょう。
まず初めに手取り金額を増やすための方法の1つ目、売却にかかる費用を安く抑える方法を解説します。
税金対策を行う
マンション売却を行い譲渡所得が発生した場合は、譲渡所得税を支払うことになります。この譲渡所得税は、譲渡所得によって負担の大きな費用となるため忘れずに対策を行いましょう。
譲渡所得税は控除を利用することで税金対策を行うことができます。
一般的によく使われる控除として「3000万円の特別控除の特例」があります。
3000万円の特別控除とは、マイホームを売却する際に譲渡所得から最高で3000万円控除できるというもので、マンションの所有期間に関係なく適用することができます。
この3000万円の特別控除の特例を使うことで譲渡所得が3000万円以下であれば譲渡所得税の課税対象外となることができるのです。
この控除を受けるためには確定申告を行います。マンションを売却した翌年に忘れずに確定申告を行いましょう。
仲介手数料を値引きしてもらう
マンション売却にかかる費用のうち、仲介手数料は負担の大きな費用となります。
仲介手数料を抑えるために、不動産会社に仲介手数料の値引き交渉をしましょう。値引き交渉をするタイミングは、媒介契約を結ぶ前です。
媒介契約を結んでから仲介手数料の値引きをすると契約の取り決めを変更することになるため交渉が難しくなります。
しかし、できるだけ仲介手数料の値引き交渉は避けたほうがよいでしょう。
仲介手数料は不動産会社に対しての成功報酬です。報酬である仲介手数料を減らしてしまうと売却活動に力を入れてもらえないなどデメリットが多いです。
値引き交渉が厳しい場合は、仲介手数料の割引サービスを行っている不動産会社を探して仲介を依頼しましょう。
仲介手数料は法律で上限額は決まっていますが、下限は決まっていないため、仲介手数料を半額、無料としている不動産会社もあります。
もちろん仲介手数料が安いからといって売却活動に影響を及ぼすこともありません。費用を抑えたい場合は仲介手数料に注目して不動産会社を選んでみましょう。
広告費用と引越し費用で無駄な出費をしない
マンションの売却にかかる様々な費用を最小限に抑えることも重要です。その中でも対策して安く抑えることのできる費用は広告費用と引っ越し費用です。
不動産会社の中には追加の費用を支払うことで特別な広告を出すことができるサービスを行っています。
しかし適切な広告を出すことができていれば費用を追加してまで広告を出す必要はありません。手取り金額を高くしたいならば広告は不動産会社が行っている一般的なものでよいでしょう。
また、引っ越しにかかる費用も安くすることを意識しましょう。
住み替え費用が高くなりやすいのは住み替えを行う際です。住み替えを行う場合は、引っ越し回数を1回にできるようにマンションの売却と新居の購入を行うようにしましょう。
先に住んでいるマンションを売却し、後から新居の購入を行う売り先行で売却活動を行うと、仮住まいの家賃や引っ越しを2回行う必要があったり、余分な費用を支払うことになってしまいます。
無駄な費用を抑えるためにも売却と購入のタイミングが合うように余裕のあるスケジュールを組みましょう。
マンション売却を高く売る方法
マンション売却時の手取り金額を増やす方法2つ目は、マンションをできるだけ高く売ることです。
急に現金が必要で売却をきめたり、下調べが不十分で売却活動を初めてしまうことで、実際の相場より安く売ってしまう方がいます。
手取りをできるだけふ増やすために、前もって高く売るためのポイントを把握し準備しておきましょう。
この章ではマンションを高く売るポイントを3つ選別し解説します。
- マンション売却が得意な不動産会社に依頼する
- 別の部屋と同じタイミングで売り出さない
- 売り出し価格を少し高く設定する
マンション売却が得意な不動産会社に依頼する
「売却業」を専門にしている不動産会社であっても、「マンションの売却が得意」「一戸建ての売却が得意」など得意な不動産種別があります。
マンションを高く売却するためにはマンションの売却を得意としている不動産会社であるか確認して依頼しましょう。
マンションの売却が得意な不動産会社であれば、高く売却するノウハウを知っており、アドバイスを貰うことができるでしょう。
不動産会社の得意な物件種別を確認するためには、ホームページにある売却実績を確認しましょう。マンションの売却実績が多ければ安心してマンションの売却を任せることができます。
もしホームページに載っていなければ、営業担当者に直接質問して得意な物件種別を調べておきましょう。
別の部屋と同じタイミングで売り出さない
大規模なマンションの場合、同じマンション内で複数の部屋が売りに出されていることもあります。高く売るのなら別の部屋との売り出しタイミングをずらすようにしましょう。
同じマンションであると、立地や周辺環境、間取りが同じになってしまうため、価格の安い部屋から成約が決まります。
ライバルとなる部屋がいる状態で売却するには別の部屋より低い価格で売却するしかありません。
高く売却するために一度売り出しをやめてライバル物件が売れるのを待つのもよいでしょう。
売り出し価格を少し高く設定する
マンションを高く売却するために、売り出し価格を少し高めに設定しておきましょう。
売買契約を結ぶ前に、買主から値下げ交渉を受けることがあります。売り出し価格を売却希望額と同じにしていたら、値下げ交渉を受けた際に売却希望額を下回ってしまい、手取り金額が少なくなってしまいます。
そこで、値下げ交渉を受けても希望額で売却できるように、あらかじめ少し高い価格で売りに出しておきましょう。
しかし相場より高すぎる価格に設定してしまうと、内覧者が少なくなり売却までに時間がかかってしまいます。売り出し価格は不動産会社の担当者のアドバイスを聞きながら慎重に決めましょう。
正確な手取り金額が知りたいなら不動産会社に相談しよう
ここまでマンションを売却した際の手取り額のシミュレーション項目と、手取り額を増やすためのコツについて解説しました。
シミュレーションはあくまでおおよその手取り額しか算出することができません。詳しい手取り額を算出するためには、不動産会社に相談して算出してもらいましょう。
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