転勤の内示を受けるタイミングは、会社にもよりますが、2週間~1ヶ月ほど前となっていることが多く、そこからマンションの売却に向けて動き出すとなると、転勤前に売却が間に合うかと心配になる方も多いと思います。
実際、転勤をきっかけにマンションの売却をする方で、「時間がないこと」は一番の障害となります。
この記事では、早く売りたい気持ちは山々だが、売却方法選びもきちんと検討したい方向けに、早く売る方法やコツを紹介したり、転勤期間が短期である場合は、「貸し出す」際のポイントを紹介します。
また、実際に動き出す際のタイミングについても解説していきます。
転勤者の「マンションをとにかく早く売りたい」を叶える売却方法
マンション売却には、通常およそ3~6ヶ月程かかります。しかし、急に転勤が決まった場合、マンションの売却に時間をかけられないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この章では、「マンションをとにかく早く売りたい」方へ、様々なマンションの手放し方を紹介します。
- 不動産買取業者にマンションを買い取ってもらう
- 不動産仲介会社にマンション売却を依頼する
- 転勤期間中は賃貸として貸し出す
不動産買取業者にマンションを買い取ってもらう
とにかく早く売りたいという方におすすめは、不動産買取業者に買い取ってもらう方法です。
「買取」とは、不動産買取を専門とした企業や不動産会社に、不動産を直接買い取ってもらう方法です。最大のメリットとして、仲介と違い買主を探す手間が省けるため、金額に合意さえ取れれば早期に売却をすることができます。
通常、およそ7日間から1ヶ月程度で買取を完了し、現金化することが可能です。
ただ、売却価格が仲介のときの7割~8割程度になるのが一般的になります。
そのため、期間ギリギリまで色々試してみたが買い主が全く見つからない場合の最終手段と「マンションの買取」を捉えた方が良いでしょう。
不動産仲介会社にマンション売却を依頼する
次に紹介するのは、売却するならば一般的な方法で、不動産仲介会社にマンション売却を依頼する方法です。
仲介会社は、不動産売買の専門家ですので、広範なネットワークと市場知識を持っていて、市場価格に基づいた適切な価格設定が可能になります。
売却価格が高すぎてか購入希望者が現れなかったり、価格が低すぎて売却者が利益を最大化できない、となる前に、専門の方からアドバイスをいただけるのが仲介会社に依頼するメリットの1つです。
しかし、仲介業者を通じた販売には、通常、数週間から最短で3ヶ月ほど、平均して6ヶ月ほどかかることがあります。
そのため、転勤にするまでに短期間しか猶予がない方には向いていない売却方法かもしれません。
売却に使える期間と自身の転勤までの期間を計算して、売却方法を選びましょう。
転勤期間中は賃貸として貸し出す
「とにかく早く売りたい」と希望している場合でも、賃貸として貸し出すという選択肢は一定のメリットがあります。
最大のメリットは、転勤が終わった後に戻ってきて住むことができることです。
長期の転勤が決まっている場合は、検討が必要かもしれませんが、転勤は、短期間で、将来的に自分で再び住む予定がある場合、物件を保持し続けるメリットがあります。また、転勤期間中、空き家にすることなく賃貸収入を得ることができる点や、毎月の家賃収入は安定した収入源となり、売却が難しい場合のリスクヘッジにな流転もメリットです。
賃貸物件として所有することで、減価償却や経費として計上できる項目が増え、節税効果が期待できます。
しかし、管理の手間や賃貸人とのトラブルリスクを考慮し、信頼できる管理会社の選定や適正な賃料設定が重要です。
短期的な売却が難しい場合には、賃貸を検討する価値があります。
転勤者向け!マンションをできるだけ早く売るためのコツ
「転勤先に赴任するまでもう3か月もない!」
一般の不動産仲介会社を利用して、売買するとギリギリになってしまいそうなスケジュールの場合、できるだけ早く売るためにできるコツを3つを紹介します。
- 「一般媒介契約」を結ぶ
- 書類は同時並行で準備しておく
- 思い切って売買価格を下げる
デメリットとしては共通で販売時の価格が下がることですが、それぞれの方法について解説します。
「一般媒介契約」を結ぶ
「一般媒介契約」とは、売主・買主を仲介する際に不動産会社と結ぶ「媒介契約」の一つです。
媒介契約とは、簡単に言うと、不動産会社に売主・買主の間に立って売買の成立に向けた仲介をしてもらうための契約のことを指します。種類は3種類あり、それぞれ「一般媒介契約」「専任媒介契約「専属専任媒介契約」があります。詳しくは、下部の記事をご覧ください。
一般媒介契約の最大の特徴は、複数の不動産会社に同時に仲介を依頼することができるという点です。
不動産売却は買い手集めにかなりの時間と労力を要するので、単純に仲介してくれる不動産会社が増えれば増えるほど広く買い手を集めることができます。
デメリットとしては、仲介を依頼した会社同士で悪い方向に競争原理が働きやすいということです。売却を急ぐあまり、買い主との値段交渉に負けやすくなり、相場より低い値段であっても販売をしてしまう可能性があります。
書類は同時並行で準備しておく
売却や引っ越しの際に必要になる書類を予め把握し、売却活動の中で、並行して準備していけるとかなりの時間短縮となるでしょう。
以下がざっくり、不動産売却の際に必要な書類になります。
- 登記済権利証
- 間取り図と測量図
- 身分証明書
- 利用規約書
- マンションの管理規約・長期修繕計画
以上は、マンション売却時に必要な書類で、他にも持参が「推奨」されているものも多くあります。
また、家の売却の場合は、建物のみならず、土地のことも考慮しなければならないため、マンション売却と計算方法や必要書類が異なります。マンション売却の場合の必要書類は、その都度担当に確認するようにしましょう。
思い切って販売価格を下げる
売りに出すマンションの販売価格を思い切って下げれば、買い手が見つかる機会が増える可能性があります。
値下げのテクニックとしてよく使われるのが、端数を使うテクニックです。例えば3000万円の物件があったとしたら、2980万円まで値下げする、ということです。
よく知られた手法ではありますがやはり効果のあるものなのでおすすめです。
また、物件のポータルサイト上の検索条件を意識した値下げも効果的です。
例えば3200万円の物件があったとして、3020万円まで値下げするということであれば、思い切って3000万円以下まで値下げしましょう。
ポータルサイトの検索条件は通常500万円なので、3020万円だと「2500万円~3000万円」という検索条件に引っかからず、販売機会を逃してしまうということです。
転勤期間が短い場合にマンション
先ほど軽く先述しましたが、現在のマンションが気に入っており、転勤先から戻れる時期が明確に分かっている場合は売却ではなく「賃貸」や「空き家のままに」にする選択肢もあります。
賃貸が良いケース
赴任の期間が3年などの中期の場合、都内など賃貸需要が多いエリアに限られますがマンションを賃貸に出して家賃収入を得ることも可能です。ただ、期間限定で賃貸に出す場合は借りる人が見つかりにくく、相場より家賃が安くなってしまう可能性があります。
空き家のままが良いケース
赴任の期間が1年以内などの短い場合は、そのまま空き家にしておいた方がよいでしょう。さすがに1年未満の転勤で売却を考える人はいないと思いますが、そこまで短い期間で賃貸に出しても借りる人が見つかる可能性はかなり低く、仮に見つかったとしてもクリーニングやリフォームの費用で結果的に損をしてしまう可能性があります。
1年以内に戻るのであればそのまま空き家にしておきましょう。
転勤に伴うマンション売却のベストなタイミングとは
転勤が決まってから、マンション売却が必要になった場合、実は、「転勤前に焦って売り出す」方法以外にも、転勤後に売り出すこともできます。
転勤に伴うマンション売却では、売り出すのにベストなタイミングとはいつなのでしょうか。
売り出すタイミングとして、「転勤前」と「転勤後」のどちらがベストかは、状況や優先事項によって異なります。
それぞれのタイミングのメリット・デメリットを比較、解説していきます。
転勤する前に売る場合
まず、転勤前にマンションを売却するメリットとしては、売却活動に専念できる点が挙げられます。
現地にいる間に物件の清掃を行い、不動産業者との打ち合わせもスムーズに進めることができます。
また、転勤後に新しい生活に集中できるため、精神的な負担も軽減されます。
さらに、転勤後に物件が空き家になるリスクを避けられるため、管理費用や防犯対策の負担も減ります。
一方で、転勤前に売却するデメリットもあります。
転勤までの時間が限られているため、売却活動に十分な時間を確保できない場合があります。
その結果、売却が思うように進まないと、急いで売る必要が生じ、価格が下がるリスクがあります。
転勤して後に売る場合
次に、転勤後にマンションを売却するメリットとしては、時間的な余裕があるため、最適な売却時期や価格を見極めることができる点があります。
冷静に売却活動を行えるため、納得のいく価格で売却できる可能性が高まります。
また、市場の状況を見極めることができ、市場が好転するのを待つことで、より高い価格で売却できるかもしれません。
しかし、転勤後に売却するデメリットも存在します。
まず、空き家の管理や維持費がかかるため、経済的な負担が増加します。定期的な清掃やメンテナンス、防犯対策が必要になるため、管理の手間も増えます。
また、現地にいないため、不動産業者との連絡や内覧の対応が難しくなる可能性があります。これにより、売却活動における意思決定が遅れることがあります。
さらに、転勤後に賃貸として一時的に貸し出すことを検討する場合、賃借人の対応やトラブル対応が必要になります。
賃貸契約があると、売却時に新しい買い手が見つかりにくくなる可能性もあります。
転勤者におすすめなのは「転勤前」に売却する
総じて、「転勤前」に売却する場合は、売却活動に専念できることや転勤後の負担軽減が大きなメリットですが、時間的な制約があり急いで売る必要が生じるリスクがあります。
それでも、売却のタイミングを自分でコントロールできるため、転勤前に市場調査を行い、適切な価格設定と売却戦略を立てることが可能です。
一方、「転勤後」に売却する場合は、余裕を持って売却活動ができるため、より良い条件で売却できる可能性がありますが、管理の負担や遠隔地からの対応が難しくなるデメリットがあります。
したがって、転勤が決まった際には、個々の状況や優先事項を考慮し、どちらのタイミングが自分にとって最適かを判断することが重要です。
転勤前に売却することで売却活動に専念でき、転勤後の生活に集中できるため、精神的にも経済的にも安定した状況で新しい環境に適応することができるでしょう
転勤者がマンション売却を成功させるための5つのコツ
「早く売却したいけど、どうせなら出来るだけ高く売却したい….」
この章ではそんな時間のない転勤者がマンション売却を成功させるためのコツについて解説します。
- そのマンションを売却した実績のある不動産会社に依頼する
- 複数社を比較して適切な価格設定で売り出す
- 不動産会社に任せきりにせず、自分でアピールしてみる
- 購入希望者に対する柔軟な対応
- 信頼できる不動産会社の選定
以下で5つのコツについて詳しく解説します
そのマンションを売却した実績のある不動産会社に依頼する
自分の住んでいるマンションの別部屋を売却した実績のある不動産会社に仲介を依頼すれば、スムーズに売却できるケースが多いです。売却経験のある物件であれば、その物件を購入しやすい買主の特性も不動産会社側が理解しているので、比較的早いスピードかつ売主が納得のできる価格で売却できる可能性が高い、ということです。
販売実績を聞くには実際に不動産会社に会った際に聞くしかないのですが、インターネットでの一括査定サービスを利用すれば複数社に同時に査定を依頼できるので、実績を聞ける機会も増えるので効果的です。
複数社を比較して適切な価格設定で売り出す
マンション売却において最も重要なのが価格設定です。
不動産一括査定のイエウールなどのサービスを利用して、事前に保有しているマンションの市場価格を正確に把握し、適切な価格で物件を売り出すことで、マンションが早く売れる確率が高くなります。
価格設定が高すぎると買い手が見つかりにくくなり、売却に時間がかかる原因となります。逆に安すぎると損をしてしまう可能性があります。
適正価格の設定には、周辺の類似物件の売買価格や最近の取引事例を参考にすることが重要です。また、不動産会社と相談し、市場動向や物件の特性を考慮した価格設定を行うことが望ましいため、仲介の不動産会社が、そのエリアに精通しているのかも判断軸になってきます。
不動産会社に任せきりにせず、自分でアピールしてみる
不動産会社選びの重要性は前章で解説しましたが、買主集めのためのアピールにおいては全て不動産会社任せにする必要はなく、自分で実施した方が良い場合もあります。
例えば、不動産会社は販売の際にマイソクと呼ばれるチラシを作成しますが、デザインが古い・載っている情報の粒度や伝え方が悪いなどの理由で、買主がなかなか集まらないケースがあります。そういったときは思い切って自分で作成した方が良いでしょう。
た、マイソクと同様、SUUMOなどのポータルサイトに掲載してある情報が魅力的ではない場合があります。そういった場合は不動産会社に変更して欲しい旨を連絡し、具体的な変更内容を伝えましょう。
ポータルサイトなどのWEB上の情報は買主との接点も高いので、出来るだけ魅力的な情報を掲載することをおすすめします。
購入希望者に対する柔軟な対応
売却過程においては、購入希望者からの様々な要望に柔軟に対応することが重要です。価格交渉や条件の変更に対して柔軟に応じることで、売却のチャンスを逃さないようにします。
また、購入希望者の質問に迅速かつ丁寧に対応することも大切です。購入希望者との良好な関係を築くことで、スムーズな取引につながります。
さらに、物件の魅力を最大限に引き出すためには、清掃や整理整頓が欠かせません。内覧時に良い印象を与えることで、購入希望者の心を掴むことができます。
信頼できる不動産会社の選定
信頼できる不動産会社を選ぶことは、マンション売却の成功に不可欠です。
地域の市場を熟知している会社、積極的な販売活動を行う会社を選びます。また、担当者とのコミュニケーションがスムーズかどうかも重要なポイントです。不動産会社との密な連携により、適切な価格設定や販売戦略を立てることができます。
さらに、契約から引き渡しまでのプロセスをサポートしてくれる会社を選ぶことで、安心して売却活動を進めることができます。
まずは、不動産一括査定サイトを通して複数社の対応を比較してみましょう。「イエウール」のオンラインサービスが、あなたにピッタリの不動産会社探しをお手伝いします。あなたの不動産、
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