マンション売却|市場動向
最近、マンションの価格が上がっている。マンション売って住み替えたなんて話を周りの人からよく聞きませんか?
レインズ最新(2024年) のマーケットデータを見ると、前年同月の2月と比べても、中古マンションの成約数+3.4%(3,350件)、中古マンションの新規登録件数(売り出し件数)は+2.4%(16,730件)と右肩上がりです。
2023年に数が減少した月もありましたが、9ヶ月連続で前年同月を上回る形となりました。
2023年11月 | 2023年12月 | 2024年1月 | 2024年2月 | |
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成約件数(件数) | 2,9141 | 2,900 | 2,711 | 3,350 |
前年同月比(%) | +3.7 | 3.7 | 5.0 | 3.4 |
新規登録件数(件) | 16,281 | 14,744 | 16,526 | 16,730 |
前年同月比(%) | 12.5 | 1.2 | -0.4 | 2.4 |
また、中古マンションの㎡あたりの単価も、前年同月対比で、成約単価+9.9%、新規登録単価+0.2%となりました。
㎡あたりの成約単価は46ヶ月連続で上昇しており、これからも引き続き上昇すると予測する方も多くいます。
2024年2月の首都圏における中古マンション成約㎡単価は75.52円/㎡でした。
マンションを売る人が続出している理由
なぜ、マンションの動向から見て、マンション売却する方が増えているのはわかりますが、他にもマンションを売る人が続出している理由はあるのでしょうか。詳しく説明していきます。
マンション価格の値上がり
マンションの価格推移を見てみると、2013年から値上がり続けています。
国土交通省が不動産価格の変化を数値化した不動産価格指数(2023年度)を見てみると、マンションの価格は約10年前から右肩上がり。
新築マンションの価格はバブル期と等しいと言われており、現在世帯収入が1000万円以上ある家庭でないと難しいと言われるほどです。新築マンションの購入が難しい世帯は中古マンションの購入を検討。そのため、中古マンションの価格も値上がっており、前述の2024年度のレインズマーケットデータを見てみると、成約価格の値上がりが伺えます。
地域によって価格の変動は異なるので、一概には言えませんが購入時よりも値上がっている、または売却価格が購入時と比べて大きく下がってることがないといった理由で、現在売り出している人も多いのではないでしょうか。
リモートワークで手狭に感じている
現在住んでいるマンションが手狭と感じる人も多いようです。
新型コロナウイルスの感染拡大により、リモートワークやリモートでの授業を行う機会が増加。家での過ごし方や過ごす時間の長さが変わったことにより、より広いリビングや部屋数を増やしたいというニーズが増えるようになりました。
そのため、現在住んでいるマンションよりも広いマンションを求め住み替えが行われていると考えられます。
ちなみに、総務省統計局による3大都市圏の転入超過数の推移(2023年)によると、3大都市圏の転入者と転出者の推移は以下のように、2021年以降上がり続けています。
より具体的な数字を上げると、
3大都市圏(東京圏、名古屋圏及び大阪圏)の転入超過数をみると、3大都市圏全体では10万7635人の転入超過。前年に比べ2万6681人の拡大。
3大都市別に見ると、以下のような推移が確認できます。
- 東京圏は12万6515人の転入超過、前年に比べ2万6996人の拡大
- 名古屋圏は1万8321人の転出超過。前年に比べ2103人の拡大
- 大阪圏は559人の転出超過。前年に比べ1788人の縮小
築年数が売却タイミング
市況とは関係なくマンションが売り時という場合もあります。
中古マンションで人気なのは築10年以内。築10年以内だと部屋のダメージは少ないですし、キッチンなどの設備も最新とはいかずとも、古くて使いづらいということもありません。
さらに、修繕積立金の金額が上がるタイミングは築10~15年。毎月の支払いが増えるので、この時期に住み替えを検討される人も少なくありません。
新築で購入し、築10年~15年となると購入した年は2007年~2012年頃。マンションの値上がりが始まる前の時期に購入したことになります。マンションの価格は大きく値上がっており、今住み替えやすいタイミングということもあり、売り時と感じられた人が多いのかもしれません。
マンションを高く売るコツ
ローン残債や住み替え先の頭金が必要となるので、「マンションをできるだけ高く売りたい」「売って損をしたくない」と考える人もいらっしゃると思います。
ここでは、マンションを高く売る際に知っておきたいコツを紹介します。
仲介で売る
マンションを最も高く売りやすい売却方法は仲介です。
仲介はマンションを売る際に多くの人が選択する売却方法で、不動産会社に仲介業務を依頼し買主を見つけマンションを売却する方法です。
仲介なら売り出し価格も売却活動を始める時期も売主が自由に決められます。売却相場の7~8割での売却になってしまう買取や売り出し価格を金融機関に決められてしまう任意売却と異なり、売却額に制限がかからないので、高く売りやすいのです。
売却する季節を見極める
マンションを高く売るなら、2月~3月ごろです。
2月~3月はマンションを含む不動産が最も売れやすい時期。4月からの新生活に合わせて新居での生活を始めたい人が多く、マンションの購入を検討している人は多いです。また、4月という期限が迫っているので、回答を先延ばしにすることも他の季節よりも少なくなり、マンションが売れやすくなります。
不動産は売れない時間が長くなるほど売却額も下がりやすくなるので、売れやすい2月、3月に売却すれば希望額に近い価格で売りやすいでしょう。
ちなみに、マンションが売れづらいのは1月と8月。新年は何かと慌ただしいですし、8月は猛暑となるので、内覧数が減り売れづらくなります。この時期に売却活動を行わないようにタイミングを見計らうと良いでしょう。
大規模修繕直後に売る
マンションは大規模修繕直後だと売り出し価格を高く設定しやすいです。
大規模修繕とはマンションの共有部分であるエントランスや外壁などを修繕積立金を使って改修すること。大規模修繕直後であれば、専有部分以外のスペースも綺麗になり、買主への印象も良いですしアピールポイントとなります。
大規模修繕の周期は12年が一般的。近々大規模修繕が行われる予定という場合は、大規模修繕が終わるのを待ってから売却活動を行うのも手でしょう。
ただし、マンションの売却額は築年数を重ねるごとに下がっていきます。売れやすい築10年を越えてしまう、マンションの価値がゼロになると言われている築47年が近づいているという場合は、大規模修繕を待たずに売却活動を行った方が高く売れる可能性も。
不動産会社にいつごろ売却する方が高く売れるのか相談し、見極めた方が良いでしょう。
売り出し価格は少し高めに設定する
マンションの売り出し価格は少し高めに設定しましょう。
売り出し価格とは、マンションを市場に初めて出す際に設定する販売価格のこと。多くの場合、買主はマンションの売買契約書を交わす前に値引き交渉を行います。この値引き交渉、全額とは言わずとも値引きに対応してあげるのが一般的。
つまり、売却希望額で売り出してしまうと、最終の値引き交渉で売却希望額を下回って売却することになってしまいますし、値引き額が低すぎると買主が購入をやめてしまう可能もあります。
一度提示した価格より値上げして再度売り出すことは難しいので、最初の売り出し価格は少し強気で提示した方が良いでしょう。
マンション売却の流れ
マンションを実際に売る際にはどのようなことを行うのでしょうか。マンションを売る際に行う工程を知っておくことで、売却をイメージしやすくなります。
マンション売却の流れは大きく分けて3つ。売却活動前・売却活動中・売却活動後です。
売却活動前
売却活動前にまず行うのが査定です。
マンションがいくらで売れるのかを調べ、査定時の不動産会社の対応を基にどの不動産会社と契約を結ぶのか比較しましょう。
売却活動をサポートしてもらいたい不動産会社を見つけたら、媒介契約を結びます。媒介契約とは不動産会社に仲介業務を依頼する際に結ぶ契約。契約の種類は専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約の3種類となり、マンションをどのように売りたいかによって選択します。
媒介契約を結んだら不動産会社と相談して売り出し価格を決定します。売り出し価格は前述の通り、最終的な売却価格に影響します。査定結果や周辺のマンションの売り出し価格などを参考に決めましょう。
売却活動中
売り出し価格を決めたら、売却活動がスタートです。各ポータルサイトなどに物件情報が掲載され、内覧希望が不動産会社に届きます。不動産会社を介して日程を決めたら内覧対応を行いましょう。
当日までに部屋を掃除し、できるだけ不要なものは実家などに一時預かってもらうと良いでしょう。当日は部屋の電気をすべて点け、明るい印象を与えます。部屋は来訪前から換気を行い匂いがこもらないようにしておきましょう。
買主がマンションを気に入れば売買契約を結びます。売買契約書にはマンションの売却額はもちろんのこと、引き渡し日やどのような状態で家を渡すのかなど細かな内容も買主と話し合って記載していきます。
売主と買主それぞれが契約書にサインをして売買が決まります。
売却活動後
売買契約を結んだら、あとは引き渡しです。売買契約書い記載した日に買主にマンションを引き渡し、マンションの名義を買主に変更にします。
売主は引き渡し日までに引っ越しを済まし、ハウスクリーニングや家の修繕などを行うと買主と約束している場合は、この引き渡し日までに済ませておきましょう。
家を引き渡した後は確定申告を行います。家を売却した翌年の2月16日~3月15日までに、行いましょう。
利益などが出た場合に使える譲渡所得税の控除もこの確定申告時に合わせて申請を行います。上半期に売却活動が行うと確定申告までに時間が空くので、忘れないように注意しましょう。
まとめ
マンションを売る人が続出している昨今、自分もマンションを売却した方が良いのでは?と思われる方もいらっしゃると思います。
しかし、マンションの売却タイミングは購入した年やマンションの築年数などによりひとそれぞれ。マンションの市況だけに左右されず、さまざまなポイントをチェックして適切な売却タイミングを見極めましょう。