ワンルームマンションは比較的手頃な価格で購入できるため、初めての不動産投資や単身者向けの居住用物件として人気があります。
ワンルームマンションを売却する場合、ワンルームマンションを保有している目的が「投資用」か「居住用」かによって売却すべきタイミングが異なります。
この記事では、ワンルームマンションの売却に適したタイミングと、売却の流れや費用、注意点を解説します。

【居住用・投資用】ワンルームマンション売却のタイミング
ワンルームマンションは所有目的が、投資目的か居住目的かによって売却するのに適したタイミングを判断するポイントが違います。
居住用のワンルームマンションを売却すべきタイミングは、ご自身にとって住み替えや資金が必要になるタイミングです。
一方、投資用のワンルームマンションを売却するのであれば、不動産市況や収支を踏まえて、ご自身にとって経済的な利益が大きくなるタイミングでの売却を目指す必要があります。
居住目的のワンルームマンション売却に適したタイミング
居住用のワンルームを売却するのに適切なタイミングは、ご自身にとって売却が必要となるような、次のようなタイミングです。
- ライフステージが変わるタイミング
- 資金が必要なタイミング
ライフステージが変わるタイミング
ライフステージが変わったときは、ワンルームマンションを売却して住み替えるべきタイミングの1つです。
ワンルームマンションは一人暮らしやカップル向けで、コンパクトな間取りが長所ですが、家族が増えた場合には手狭になってしまいます。
そのため、結婚や出産などのタイミングにあわせて、広い住居への引越しを検討することになります。
資金が必要なタイミング
現金が必要な場合も、居住用のワンルームマンションを売却すべきタイミングの1つです。
結婚資金や子供の教育費、あるいは新たな投資や、不慮の出費等でまとまったお金が必要になったタイミングも、ワンルームマンションを売却すべきタイミングです。
投資用のワンルームマンション売却に適したタイミング
投資用のワンルームマンションを売却する際は、経済的な利益が大きくなるように売却のタイミングを見極めることがポイントです。
- 不動産市場が活発なタイミング
- 路線価が上昇しているタイミング
不動産市場が活発なタイミング
不動産市場では、時期によって、不動産取引が活発なタイミングと、不動産取引があまり行われていないタイミングがあります。
毎年3月頃はマンション売却がさかんな一方で、毎年1月ごろは極端に取引件数が少なくなっています。
毎月のごとに不動産の取引件数がどのように変化するのかがわかるグラフを見てみましょう。
※参照:国土交通省「不動産取引件数・面積」
3月に不動産市場が活発になるのは、入学や就職など、新生活が始まる前のタイミングで、多くの方が新生活のために住み替えするからです。
こうした市場が活発な時期に不動産を売り出すことで、ワンルームマンションが早く売れる可能性が高まります。
また、買い手からの人気が集まりやすく、好条件で売却しやすくなるため、高値で売却を実現できる可能性も高まります。
3月に市場に出るように、その1-2ヶ月前には、売却のための動き出しをスタートさせましょう。
理想としては、1月頃に不動産会社に相談して契約を結び、不動産会社と相談しながら売出を進めていくとよいでしょう。
住宅ローン金利が低いタイミング
住宅ローン金利が低い時もワンルームマンションの売却に適したタイミングだと言えます。住宅ローン金利が低いということは、購入者側が住宅ローンを組みやすいため、マンションなどの不動産への需要が高まると考えられています。
つまり、ワンルームマンションなどの購入希望者が増えることでマンションが売れやすくなる可能性が高いのです。
次のグラフは近年の住宅ローン金利の推移を示したものです。
平成11年からの日本銀行によるゼロ金利政策などがあったり、現在も低金利の状態が続いています。
2024年ごろから金利が上昇傾向にあるものの、依然として、歴史的には金利が非常に低い水準にあるといえます。
そのため、住宅ローン金利の観点からも現在はワンルームマンションなどの売却に適したタイミングだと言えるでしょう。

ワンルームマンション売却の流れ
次に、ワンルームマンションの一般的な売却の流れと期間の目安について紹介しておきます。
ワンルームマンションの売却は売却前の準備や下調べなども含めて以下のような流れで進んでいきます。
大きく分けて「売り出し前」「売り出し中」「売り出し後」の3段階に分けられます。特に重要なのが売り出し前の不動産会社選びです。
不動産会社選びで失敗してしまうと売却が長引いたり、相場よりも安くなってしまうなど損するため、売り出し前は情報収集も含めてじっくり検討するようにしましょう。
売却完了までの期間は一般的に3か月~半年ほどと言われています。
また、それぞれの項目でかかる期間の目安は以下の通りです。
築年数や立地といった物件の条件や、不動産会社が販売活動にどのくらい力を入れてくれているかによって期間は変わるため一概には言えませんが、おおよその売却スケジュールを立てる際の参考にしてみてください。
タイミング | やること | 所要期間 |
---|---|---|
売り出す前 | 査定 | 1日~数週間 |
不動産会社選び | ||
売却プラン決定 | 1週間 | |
売り出し中 | 売却活動 | 売れるまで 約1ヶ月前後 |
内覧対応 | ||
売り出し後 | 売買契約 | 1か月前後 |
引き渡し・決済 |
ワンルームマンション売却にかかる費用
ワンルームマンションに限った話ではありませんが、不動産売却には費用がかかります。
以下は売却にかかる代表的な費用の一覧になります。
項目 | 費用の目安 |
---|---|
仲介手数料 | ( 売却額 × 3% + 6万円 )+ 消費税 ※低廉な空き家等(物件価格が800万円以下の宅地建物)の場合、仲介手数料の上限額が30万円(税抜)となります。 |
印紙税 | 200円〜48万円 ※売却金額により異なる |
抵当権抹消費用 | 司法書士へ依頼するとして5,000円~2万円程 |
ローンを一括返済するための費用 | 一括繰上返済にかかる金融機関への手数料1~3万円 |
所得税及び復興特別所得税・住民税 | 売却した年の1月1日での保有期間によって異なる 保有期間が5年以下なら譲渡所得の39.63% 保有期間が5年超なら譲渡所得の20.315% |
その他費用 | ※費用項目より異なる |
ワンルームマンションを売却する際にこんなに沢山の費用がかかってしまうことに驚いている方も多いのではないでしょうか。
一般的に、マンションなどの不動産の売却にかかる費用は物件の売却価格の5~7%程度だと言われています。
また、ローン返済中のワンルームマンションの売却を考えている方は、これらの売却費用を差し引いてもローン残債を一括返済することが可能なのかもよく確認しておく必要があります。
譲渡所得の計算方法
譲渡所得は次の式で計算できます。
売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除=課税譲渡所得
譲渡所得には、短期譲渡所得と長期譲渡所得の2種類があり、それぞれ税率が異なります。
短期譲渡所得
短期譲渡所得とは、売却した年の1月1日現在で「所有期間5年以下」の場合の譲渡所得です。
税率は次のとおりです。
- 所得税:36.3%
- 住民税:9%
- 合計:45.3%
長期譲渡所得
長期譲渡所得とは、売却した年の1月1日現在で「所有期間5年超え」の場合の譲渡所得です。
税率は次のとおりです。
- 所得税:15.315%
- 住民税:5%
- 合計:20.315%
このように5年以下か5年超かというだけで、税率は倍近く変わります。
売却の費用・税金シミュレーション
ワンルームマンションの売却にかかる費用や税金をシミュレーションして、ワンルームマンションの売却でいくら手元に残るのかを計算してみましょう。
シミュレーション物件情報
物件種別|マンション
所在地|東京都
間取り|1R
築年数|5年
購入価格|1,700万円
成約価格|2,000万円
東京都内のワンルームマンションを1,700万円で購入し、2,000万円で売却できたケースになります。
単純計算では300万円程の利益が出ていますが、売却にかかる費用などを差し引いてどのくらい手元に残るのかは気になるところです。結果を見てみましょう。
売却費用シミュレーション結果
売却費用総額|162.3万円
仲介手数料|72.6万円
印紙税|1万円
譲渡税|88.7万円
このケースではワンルームマンションの売却に約160万円かかっていることが分かります。今回のケースでは、1,700万円で購入した物件が2,000万円で売却できた結果、およそ140万円程の利益が出たことになります。
今回のシミュレーションはあくまでも参考程度ですが、思っていたよりも多額の費用がかかりそうです。
ワンルームマンション売却の注意点
ここまでワンルームマンション売却の注意点や売り時について解説してきました。
最後に、投資用・居住用のワンルームマンションを売却する際に注意すべき点を見ていきましょう。
優れた不動産会社を見つける
マンションを売るためには、売却活動で買い手を集めること、買い手に物件の良さを知ってもらうこと、買い手との交渉が必要です。つまり、マンション売却が成功するかどうかは、不動産会社の力量に大きく左右されます。
良い不動産会社を見分けるポイントはこちらです。
査定額に根拠があり、査定額が他社と大きく違わない
自社のHPに、マンション売却の実績が多い/マンション売却の実績が新しい
営業時間内に電話したら、必ず電話がつながる
「盛りすぎ」な広告をしていない、広告内容にウソがない、おとり広告をしていない
また、不動産会社を見分けるのと同時に、相性の良い担当者を見極めることができれば、ワンルームマンションの高値売却もより狙えます。
- 訪問や査定のあとに、フォローの連絡をくれるか
- 説明の内容が分かりやすいか、専門用語をかみくだいて説明してくれるか
- 誤字脱字、書類の渡しわすれなど、ミスや雑なところがないか
- 物件の弱みや、自社の弱い所など、悪い情報もしっかり説明してくれるか
相性の良い不動産会社を見つけるにも担当者を見つけるにも、複数の会社を比較することが必ず必要になってきます。そのためには、まずは一括査定を利用して査定結果をもらうことで、複数の不動産会社と接触することが効果的です。
ワンルームマンションの売却を検討している場合、まずは査定から始めてみましょう。
あなたの不動産、
売ったらいくら?
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複数の不動産会社に査定を依頼する
複数のの不動産会社に査定を依頼することで、ワンルームマンションをより高く早く売ってくれる、優秀な不動産会社と出会える可能性が高まります。
まずは一括査定サイトで複数の不動産会社とコンタクトに査定を依頼してみましょう。複数の不動産会社から査定を受けるメリットは、売却相場がつかめること。
また査定価格=売却価格ではありませんので、高額な物件になり、売れ残ってしまうリスクもあります。
不動産会社によっても得手不得手は存在しますので、比較して信頼できる会社を選ぶことができるのは最大のメリットであり、売却成功の一歩と言えるでしょう。
知名度がある大きな会社から、地元での売却実績が豊富な会社までさまざまな会社の意見をもらいながら、うまく売却を進めてくれそうな会社をみつけましょう。
あなたの不動産、
売ったらいくら?
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まとめ
少子高齢化が進み、単身者の世帯が増えている今、特に都心部ではワンルームマンションの需要が高まっています。
さらに、子どもや親族に残すために、手ごろな価格で入手・売買できる魅力的な資産としても注目されています。
2010年以降、マンション売価価格は右肩上がりになっています。今現在所有している人も、これから購入を検討している人も、安定した収益を生むワンルームマンションに今後も目が離せません。
ワンルームマンションを長期保有されている方は、一度一括査定を試してみてはいかがでしょうか。