購入するマンションを探す場合、結婚や子供の成長、転勤などのライフイベントで起こりうる住み替えの可能性に備えて売るつもりでマンションを選ぶことがおすすめです。
将来売りたいタイミングで売ることができるだけでなく、高額売却も期待できるマンションというのは、資産価値が高くて下がりにくい特徴を持っています。
いくら気に入ったマンションでも「売りたいときに全然売れない」「ローンが残っているのに安くしないと売れない」なんて可能性は避けたいですよね。
ただ、せっかく住むマンションを買うのだから希望の条件もかなえたいものです。
そこで、今回は資産価値が高くて下がりにくいマンションの特徴と住みたくても避けるべき特徴を説明します。
抑えておくべき特徴の優先順位を知りつつ希望をうまく組み合わせることで、自分たちが住みたい条件をかなえつつ、将来的に売ることになったとしてもいい条件での売却ができますよ。
また、マンションを売るつもりで買う際に発生するメリットや高く売るためのコツと注意点も紹介していますので、是非最後までお読みください。
マンションを売るつもりで買うメリット
購入するマンションを検討する場合、売却して他の家へ住み替える可能性を考慮しておくことはかなり重要です。
マンションをはじめから売るつもりで買っておくメリットは以下の通りです。
- 高額売却を叶えつつ売りたいときに売れる
- 生活の変化やアクシデントに対応できる
- 理想の住み心地にもこだわれる
- 売らなかった場合は資産になる
これらのメリットを一つずつ見ていきましょう。
高額売却を叶えつつ売りたいときに売れる
マンションは基本的に年数が経過するほど資産価値が下がっていきます。
そのため、将来的に売るつもりのマンションを購入する際には、需要が高く資産価値が下がりにくいものを選ぶことが重要となります。
つまり、前もって売ることを意識しておくことで、高く売れるだけでなく好きなタイミングで売れるマンションを購入することができるのです。
需要が高いマンションは多くの人が購入したいと申し出てくるため、買主を選べる売主は立場が強くなりやすく売買を有利に進められます。
マンションの売却額や引き渡し日、引き渡すときの状態など、買主との話し合いが発生する場面で売主の希望が通りやすくなるでしょう。
もし売る可能性を視野に入れず売れにくいマンションを買ってしまった場合は売る際に安く買いたたかれてしまう可能性が高まります。次の住まいを探すときにも条件を下げることになったり、条件を下げなくても金銭面の負担が大きくなってしまうでしょう。
生活の変化やアクシデントに対応できる
終の棲家と決めず売るつもりで購入しておけば、生活の変化やアクシデントがあっても柔軟に住み替えることができます。
子供が生まれる、子供が成長して家が手狭になる、夫婦2人だけになって使わない部屋が生まれてしまうなど、人生のタイミングによって必要となる住まいの広さや設備、周辺環境は変化します。
マンションを売るつもりで買っておけば、住まいに問題や不便を感じた時など好きなタイミングでマンションを売ることができるため、その時の生活に合う家に住み替えることが可能です。
また、急な転勤や隣の部屋に引っ越してきた人とトラブルを起こしてしまった、収入が減ってしまい住宅ローンの返済が苦しくなったなど、長くそのマンションに住むつもりでも、やむを得ず住み続けられなくなってしまうアクシデントがあった際にも、売ることを意識して購入したマンションであれば買主が見つかりやすく、住み替えを早く終わらせることができます。
アクシデントが起きて住み替えたい場合は期日までに住み替えを終えたいなど、早く売却したいケースが多いでしょう。またアクシデントはお金が動くことも多いため少しでも高く売れると万々歳のはず。
売るつもりで買ったマンションは予想よりも高い値段で売却できる可能性もあるため、特に収入面のアクシデントで売却することになった場合は嬉しいポイントでしょう。
理想の住み心地にもこだわれる
せっかくマイホームを購入するのですから、住み心地などの希望条件もかなえたいことでしょう。
売るつもりで買う場合は需要が高いマンションを選ぶことになりますので、駅近や設備の充実度などの面で基本的には住みやすさを兼ね備えていることになります。
ただ、みんなにとって住みやすいだけでなく、自分にとって住みたい理想の条件もかなえられないと満足のいく買い物はできないでしょう。
売るつもりで買う場合、重要ポイントさえ抑えておけば後は自分好みの住み心地を取り入れてより満足度の高いマンションを選ぶことができます。
資産価値と希望の住み心地のバランスを取ることで、売却時には高く売れるという安心感があり、自分が住みたいと思うマンションを見つけられるのです。
売らなかった場合は資産になる
マンションの資産価値は土地、建物自体、建物設備に分けて土地以外が減価償却されるため基本的には年々下がっていきます。
特に建物自体はマンションの耐用年数によって原価償却されるので、最も長い鉄筋コンクリート、鉄筋鉄骨コンクリートの場合でも大体47年ほどで資産価値が0になります。
つまり、人気のないマンションであれば、売らない限り固定資産税だけがかかる負の遺産となってしまうのです。
売るつもりで需要の高いマンションを買うことで、自分が売らなかった場合もすぐに負の遺産になることは免れ、マンションが相続された場合はご親族に資産を渡すことができるでしょう。
すでに住んでいる住まいがある方が相続した場合、相続された家には相続税がかかるだけでなく、固定資産税の支払いも発生することになります。
余計な出費を避けるためにマンションを売却しようとしても、売れなければ処分に困り出費を生む負債になってしまうのです。
売るつもりで買うべき資産価値が高いマンションの選び方
売るつもりで買うべきマンションは資産価値が高く下がりにくい、いわゆる売れるマンションです。。
このようなマンションには以下の特徴があります。その特徴を軸にマンションを選ぶことが大切です。
【売るつもりで買うべきマンションの特徴】
- マンション品質がよい
- 築年数が浅く新築に近い
- 耐用年数が長い
- 高いブランド力を持っている
- 立地がよく生活利便性が高い
- エリアの将来性が高い
- 管理会社の管理が行き届いている
マンションを選ぶ軸となる特徴を一つずつ確認しましょう。
マンション品質がよい
当然のことながら品質のいいマンションは需要が高く買い手から人気であるため、高価格での売却が見込めます。
耐震性や耐火性、断熱性の高いマンションは災害に強く、安全で品質のいいマンションだと言えます。また、劣化・維持管理・防犯面の対策がされているかも品質を左右するためきちんと確認しておくようにしましょう。なるべくこの6点全てを満たすことが理想的です。
また、マンションの品質を保証する制度に住宅性能表示制度というものがあります。
住宅性能表示制度とは、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく一定の基準に沿って、第三者となる専門家が建物の品質を評価する制度のことです。評価する対象によって評価書の種類が異なり、建物の設計に対して評価をする設計住宅性能評価書と工事中・工事完了後の建物状況に対して評価をする建設住宅性能評価書の2種類に分かれます。
マンションを購入する場合は、不動産会社に住宅性能評価書付きかどうかを確認してみてください。この評価書がついているマンションであればその品質を等級で確認することができます。
ただし、住宅性能評価を受けることは義務ではないため、2000年の制度スタート以降もまだまだ取得率が高くないのが現状です。
住宅性能評価書がない場合、マンションの品質は高い可能性も低い可能性もあるため、必ずご自身で確認するようにしましょう。
築年数が浅く新築に近い
マンションを購入する際に築年数の浅さは重要なポイントです。
一番いいのは新築マンションですが、さらに言うと売却時に築年数が20年以内なのがベストです。
マンションの価格は築1年目から下がっていき、築47年程度で建物の価値はゼロになってしまうと言われています。
築年数 | 売却相場の値下率 |
---|---|
0~5年 | |
6~10年 | -15.8% |
11~15年 | -29.5% |
16~20年 | -31.6% |
21~25年 | -45.6% |
26~30年 | -60.0% |
31年~ | -58.1% |
築年数が浅いほど劣化も少ないので、マンションの状態を気にする買主も購入を決めやすくなります。
マンションを売るつもりで買うのなら築浅を購入した方が良いでしょう。
また、購入するマンションが新築である場合はさらに需要が高まる傾向があります。
短期間だけ人が住んでいたとしても、築年数が浅い場合にはほとんど新築と変わらないマンションと感じられる場合が多いため買い手にとっての印象がよく、需要が高くなります。
新築マンションは購入し居住した後でもより好条件で売れるのです。
耐用年数が長い
マンションは耐用年数が長いほど資産価値が上がり、高く売れやすくなります。
耐用年数はマンションに使われている建材によって以下のように分類されていますが、最も長い47年とされている鉄筋コンクリート造か鉄筋鉄骨コンクリート造を選びましょう。
構造 | 耐用年数 |
---|---|
木造 | 22年 |
軽量鉄骨造(鋼材の厚さが3mm以下) | 19年 |
軽量鉄骨造(鋼材の厚さが3mmごえ4mm以下) | 27年 |
重量鉄骨造 | 34年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
鉄筋鉄骨コンクリート造 | 47年 |
耐用年数が残り0年になっても住めないわけではありません。
しかし、耐用年数は建物の構造と強度によって決められているため、耐用年数が長いほど耐久性が長く資産価値が高まります。
そのため、資産価値の面でも安全面でも、耐用年数が長いマンションほど需要が高く人気となります。
高いブランド力を持っている
マンションの中には不動産会社が直接土地を仕入れて建築から管理までを一貫して行っているブランドマンションと呼ばれるものがあります。
ブランドマンションを選ぶのであれば、財閥系不動産会社のものが最もおすすめです。
ブランドマンションは各不動産会社の看板を背負っていますので、所在地や維持管理、建物の品質等、資産価値が高くなる条件を抑えて作られています。
またブランドマンションを展開しているの「三井不動産」「住友不動産」「東急不動産」「積水ハウス」など大手不動産会社であることが多く、自社のブランド価値を下げないためにもできるかぎりマンションが安く売買されないことを大切にしているため、ブランド力が高いほど資産価値が高く下がりにくくなっているのです。
マンションのブランドを展開している不動産会社に任せればできる限り高値で売却しようとしてくれるだけでなく、抱えている見込み顧客にいち早くアプローチしてくれるのでよりスムーズに高く売れますよ。
立地がよく生活利便性が高い
特に資産価値が変わりづらいマンション特徴の一つに立地が良く安全で生活利便性が高いが挙げられます。
最も良いのは、交通の便がよく地盤が強くて施設が充実している立地です。
都心部へアクセスしやすい路線沿線や駅の近くであったり、山手線内であるおしゃれなエリアとして知られているなど人気のエリアであれば需要が大きく下がることはありません。
地盤などもチェックしておくべきポイントです。マンションを購入するとなれば、買主は災害に強いか否かも気になります。地震が起きて液状化してしまわないか、近くの川が氾濫して被害に合うことはないかなども合わせて確認しておきましょう。
さらに、マンションの周りに何があるのかという周辺施設も大切なポイントとなります。
マンションに住み長い時間を過ごすため、周辺施設は生活利便性を大きく左右しマンションの価値に影響します。ファミリー用のマンションであれば子育て世代に人気のエリアを選ぶと良いでしょうし、スーパーやドラッグストアがあることはもちろん、マンションを売るつもりで買う場合は学校や病院などが近くにあるかをチェックしておくといいでしょう。
スーパーやドラッグストアは経営する企業の都合により閉店してしまう恐れがありますが、学校や病院であれば早々になくなってしまう可能性は低いです。
マンションを売る時も周辺施設のアピールポイントとして使えるであろう施設を特にチェックしておきましょう。
エリアの将来性が高い
マンションがあるエリアの将来性も確認しておきましょう。
マンションを売るのは今ではなく、未来です。今現在ではなく、マンションを売ることになる未来にマンションの周辺エリアはどのようになるのか調べておくと良いでしょう。
一番のオススメは、再開発が進んでいるなど今よりも需要が高まる可能性のあるエリアです。
近くに大型の商業施設や新駅などが誕生する予定であれば、マンションの価値は今より上がります。
反対に、マンションの隣などにさらに高いマンションやビルなどが建ってしまうと、今は日当たりが良くても将来は日当たりが悪くなりマイナスポイントとなってしまうのでできる限り避けるようにしましょう。
WEBで周辺地域の建設予定はないか調べてみたり、大きな空き地などがないかマンションを購入する前に確認しておきましょう。
管理会社の管理が行き届いている
マンションが良い状態で保たれているか管理状況も確認すべきポイントです。
しっかりと管理が行われているマンションは修繕積立金の管理や使い道がしっかりと定められており、外壁や設備などの劣化を抑えることができるため資産価値が下がりにくくなっています。
最もいいのは2022年4月に開始されたマンション管理計画認定制度で管理基準を満たしていることが保証されていることですが、まだ新しい制度なのでこれが確認できなくても足を運んでみてみることが大切です。
5年後、10年後にマンションがいい状態を保てているかというのは、現在の管理が行き届いているかどうかにかかっています。マンションを購入する際はマンションの管理状況にも目を光らせましょう。
しかし、常駐する管理人が少なかったり無駄な工事が多いようなお金の使われ方をしているようなマンションは必ず避けるようにしましょう。
マンションを売るつもりで買う時に選ぶべき特徴の優先度
先ほどご紹介した売るつもりで買うべきマンションの特徴すべてを満たすことが理想ではありますが、住みたい希望の条件を取り入れることも考えると、探すタイミングによっても該当するマンションが売り出されていないこと可能性もあります。
どの特徴をあきらめるかを検討する際に判断に迷ったら、売るつもりで買うべきマンションの特徴の中でも「築年数」「耐用年数」「立地」を優先度高く押さえるようにしましょう。
- 価値が最も高いタイミングである新築に近いマンションを選ぶ
- 耐用年数が一番長い以下の構造を選ぶ
- 鉄筋コンクリート造鉄(47年)
- 筋鉄骨コンクリート造(47年)
- 立地は主な交通手段によって以下どちらかを選ぶ
- 電車移動がメインの地域:駅に近い立地
- 車移動がメインの地域:周辺施設の利便性が高い立地
この3点はどの地域のどの大きさのマンションにも言える特徴なので、売るつもりで買う場合は必ず押さえられるようにしましょう。
売るつもりで買うなら住みたくても絶対に避けるべき特徴
どんなに住みたいマンションが見つかったとしても、売るつもりで買うなら避けた方がいい特徴があります。資産価値が高く下がりにくいマンションの特徴を抑えつつ、これらの特徴を避けて希望の条件を組み込むことが大切です。
需要が少なく、コストがかかりやすいケースはこれまでにおすすめした選び方に反しており特に避けた方がよいため、以下の特徴を持つマンションは選ばないようにしましょう。
- 旧耐震基準のマンション
- 定期借地権付きマンション
- メゾネットタイプのマンション
特徴1:旧耐震基準のマンション
マンション構造上の耐震性を表す基準を耐震基準と言いますが、これは旧耐震基準と新耐震基準に分かれます。
旧耐震基準とは1981年(昭和56年)5月31日までの建築確認に採用されていた基準のことを言い、新耐震基準とは1981年6月1日以降の建築確認に採用されている基準のことを指します。
旧耐震基準は震度5強程度の揺れで倒壊することがなく、建物が破損しても補修により生活可能な構造という基準になっています。
これに対し、新耐震基準では震度6強~7程度の地震でも倒壊しない水準が求められています。
近年日本で起きている地震の震度を鑑みると、旧耐震基準は安心できず、信頼が高いのは新耐震基準になります。
今後新耐震基準のマンションが増えていく中で、敢えて旧耐震基準を選ぶ人は少なくなるでしょう。
また、旧耐震基準は倒壊リスクから住宅ローンが利用しにくくなっていますし、後々耐震強化のために工事を行うことになればさらにコストがかかります。
そのため、マンションを売るつもりで買うのであれば、需要が少なくコストが大きくなりがちな旧耐震基準のマンションは選ばない方が得策です。
注意が必要なのは、1981年6月1日以降に完成したマンション全てが新耐震基準で建てられているわけではないということです。
建築確認とは行政が建築前に建築物の建築計画が建築基準関係規定を満たしているかどうか審査することを指すため、1981年5月31日までに建築確認がなされ、6月1日以降に完成したマンションは旧耐震基準で建てられている可能性があります。
建築確認日は「確認通知書(副)」に記載がありますので、かならず所有者に聞くようにしましょう。
特徴2:定期借地権付きマンション
定期借地権とは、決まった期間に限定して地主から土地を借りて建物を建てられる権利のことを言います。借地権の期間が満了となった場合、定期借地権付きのマンションは借地契約を更新できないため建物を取り壊し更地にしたうえで土地を地主に返還する必要があります。そのため、追加コストとしてマンションを取り壊すための解体積立金が発生します。
通常のマンションは土地、建物自体、建物設備によって資産価値が決まり、土地以外が減価償却されるのですが、定期借地権付きの場合は土地も借地期間の終了に近づくにつれ価値が下がります。
また、定期借地権付きマンションを融資してくれるのは一部の銀行に限られているため、住宅ローンを組むことも困難です。
つまり、所有者の立場は弱くて不安定なだけでなくコストも割高になるため、購入希望者が少なく、もともと低い資産価値がさらに下がりやすいマンションとなっているのです。
売るつもりで買うべきマンションとは反対の性格をしているため、よっぽどお金の余裕がある場合でなければ必ず避けた方がいいでしょう。
特徴3:メゾネットタイプのマンション
メゾネット(複層住戸)とは集合住宅の中でも1つの住戸が2階以上で構成される間取りのことを言います。マンションにも関わらず階段で2階層に分かれていることから戸建てのような住体験ができる点が魅力に思われやすいのが特徴です。
マンションを売るつもりで買う場合にメゾネットタイプを避けた方が良いのは、構造上利便性が低く買い手が見つかりにくい可能性があるためです。
メゾネットタイプは階段移動が発生するため家事導線が悪く、バリアフリーにならないことから、マンションの利便性が享受できません。
マンションの購入を検討している人からは避けられることがありますし、家事導線やバリアフリーを気にしない人は戸建てを買う可能性が高いと言えます。
これにより一般的な間取りのマンションに比べて資産価値が下がりやすい傾向にあるため、選ばないのが得策です。
売るつもりで買うマンションを高く売るコツ
売るつもりで買ったマンションが高く売れやすいことは事実ですが、高く売れやすいマンションをきちんと高く売るためにはいくつかコツを押さえておく必要があります。
マンションを売却して損をした…と思わないよう、以下のようなコツを覚えておきましょう。
コツ1:購入から5年以内は売却しない
マンションを売却する際には何種類かの税が発生しますが、その中でも特に負担が大きいのが譲渡所得税です。
譲渡所得税はマンション売却で生じた売却益が対象になりますが、その税率はマンションの所有期間に応じて決まります。
所有期間 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 ※対象の場合のみ | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|
長期譲渡所得 | 5年以下 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
短期譲渡所得 | 5年ごえ | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
つまり、5年以内に売却すると税率はおよそ39%、5年を超えて売却するとおよそ20%となるのです。
ご自身の状況によって売却のタイミングを必ずしも決められるわけではないと思いますが、もし売却までの期間に余裕がある場合は所有期間5年を超えて以降の時期で検討することがおすすめです。
コツ2:同じマンション内で争わない
同じマンション内でいくつか部屋が売り出されている場合、他の部屋と競わないようにしましょう。
階数や日当たりなどの違いはありますが、同じマンション内で部屋が売り出されているとなると、駅までの距離や周辺環境などは同じ。安い部屋から売れやすくなってしまいます。
ここで他の部屋より先に売れようと値下げをしてしまうと価格競争になってしまう可能性が高くなり、売却相場よりも安い価格で売ってしまう恐れがあります。
マンションの部屋がいくつも出ている場合は、一旦売却活動をやめて他の部屋が売れたところで売却活動を再開すると良いでしょう。無駄に価格競争に巻き込まれず、マンションを高く売れやすくなります。
コツ3:売却相場を自分でも調べる
不動産会社に査定依頼をする前に、売却相場を自分でも調べるようにしましょう。
そうすることで、不動産会社の査定結果に対して相場より高いのか低いのかを判断することができます。
これを判断できると、査定してくれた不動産会社が自社に利益が出るようにことを運ぶ悪質な会社でないかを判断することができます。
また、相場より高すぎる、低すぎる場合はどんな理由でその査定価格にしたのかを担当者に聞いてみてください。
高すぎる場合は自社と契約させる目的の場合が多く、後から値下げを申し出てくる可能性があります。
低すぎる場合はその不動産会社で担当することが難しく、売りやすくするために安くしていることが考えられます。
そのどちらにも当てはまらず明確な理由がない場合は担当者の知識不足が懸念されるでしょう。
相場の範囲の査定価格を提示してくれ、信頼できる不動産会社と契約することが重要です。コツ4:複数社の査定を受ける
不動産会社の査定は複数社に依頼するようにしましょう。
不動産会社の査定はマンションの売却相場を知るためには最も適していますが、法律などで決められた明確なルールはなく、不動産会社によって査定結果が異なります。
つまり、1社だけの査定結果では、その価格が安いのか高いのかを比較判断することができません。
そのため、不動産会社に査定する際は3社以上に査定依頼をし、査定価格の幅や平均である売却相場を調べられるようにしましょう。
複数の不動産会社に査定を依頼するのであれば、一括査定サイトのイエウールが便利。
一度の申込みで複数社に査定依頼を出せるので、何度も同じような応募フォームに同じような回答を記載する必要がありません。
イエウールでは不動産会社を審査し、不適切な価格を提示するような不動産会社は排除しているので、不動産会社の質も一定以上になり安心です。
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売るつもりで買ったマンションを売る際の注意点
売るつもりで買うのですから売却は必ず成功させたいですよね。
売却したいタイミングになってマンションを確実に売るために、以下の注意点を把握しておきましょう。
注意点1:売却には最低限必要となる期間がある
マンションを売却するスケジュールに余裕を持たなかった結果、安く買いたたかれてしまうケースがあります。
売るつもりで買うマンションは望むタイミングで売ることができますが、どれだけ短くしようとしても不動産会社や買主に対する比較検討、各種信用機関の審査などで最低限かかる期間があることは把握しておいてください。
売却期間は少なくとも4~6か月ほど確保しておくと安心です。売却の流れは以下通りで、各工程の必要期間はSTEP1~4は1週間~1か月、STEP5が1~3か月、STEP6~7がおよそ1か月だと言われています。
注意点2:ローンが残っていると売却できない
住宅ローンの残債が売却価格を上回ると、オーバーローンと言われる状態になりマンションの売却ができないことがあります。
住宅ローンを組んでマンションを購入した場合、金融機関がそのマンションに抵当権を設定します。抵当権は住宅ローンの担保の位置づけであり、完済することで外すことが可能になります。
つまり、マンションを売却しても住宅ローンが残ってしまい、自己資金やその他の方法でも残債を支払えない場合は抵当権を外してもらうことができないため売却できないのです。
マンションを売却する際には住宅ローンの残債を金融機関に必ず確認しましょう。
注意点3:価値が高くても売却の勉強を怠ると失敗する
マンションを売るつもりで買う場合の一番の落とし穴が、資産価値を過信してよくある失敗にひっかかってしまうことです。
マンション売却は購入と同じく一生に何度も経験するものではありません。その一方で、専門知識が必要な場面が多いのが特徴です。
売るつもりで買ったマンションが高く売れやすいからと言って、売却自体を丁寧に行わないことがあれば本末転倒となります。
マンションを売却する際には必ず売却の流れとマンションの価格相場を確認し、信頼できる不動産会社を頼りながら不安なことは自分自身でも調べてみるようにしましょう。
まとめ
マンションを購入するとなると、高い買い物ですし住宅ローンを払い続けられる確証もないので、不安が多いでしょう。
しかし、マンションを売るつもりで購入すれば、もし収入などに変化があっても売却するという選択肢を選ぶことができます。
もちろん、購入するマンションが気に入るというのも重要ですが、マンションが後々売却できるかという視点も忘れずに購入する物件を選んだ方が良いでしょう。