アパート経営をするなら、土地と建物が必要です。ただし、土地を持っていない、あるいは建物を持っていないとしても、そこからアパート経営を始めることは可能です。
土地なしでアパート経営を始める場合は、すでに不動産を持っている人よりも準備に時間や費用がかかります。経営成功のポイントを知り、土地なしの状態からでも無理なくアパート経営を行いましょう。
アパート経営の初期費用や維持費用については、以下の記事をご覧ください。
土地なしの状態からアパート経営を始める方法
土地なしの状態からアパート経営を始める方法としては、次の3つの選択肢があげられます。
- 土地を購入してアパートを建てる
- 新築アパートを購入する
- 中古アパートを購入する
方法ごとの違いを知り、自分に合ったやり方を見つけましょう。
土地を購入してアパートを建てる
土地を持っていないなら、アパート建築用の土地を購入する必要があります。土地を購入してからアパートを建築することで、自身の希望に沿った建物を取得できます。その土地のニーズに合わせて建築ができるため、入居者の需要を満たしやすいです。
新築アパートを購入する
建築途中、あるいは建築したばかりの新築アパートを購入しても、アパート経営は始められます。新築アパートは資産価値が高く、きれいな状態であるため、入居者を獲得しやすいです。そのため、購入後しばらくは、安定した経営を行いやすいでしょう。
また、土地から購入してアパートを建築するよりも、経営開始までのスピードは速いです。新築アパートの購入には高額な費用がかかりますが、素早く経営を開始でき、かつ入居者を獲得しやすいのは大きな魅力です。
中古アパートを購入する
すでに建築されている、中古アパートを購入することでもアパート経営は始められます。中古アパートは新築よりも安価で購入できるため、初期費用を抑えられる点が魅力です。
また、すでに入居者が入っている実績があるため、建物の状態や入居者のニーズを把握しやすく、経営戦略も立てやすいでしょう。ただし、中古アパートは経年劣化によって建物が傷んでいることもあるため、修繕費がかかることは覚えておかなければなりません。
安く購入できるものの、建物の状態次第では購入後すぐに修繕費がかかり、結果的に高い出費になってしまうこともあるため注意が必要です。
土地なしアパート経営のメリット
土地なしの状態からアパート経営をするメリットとしては、次の2つがあげられます。
- 賃貸経営に適した立地が選べる
- 建てたいアパートに適した広さの土地が選べる
メリットを正しく把握して、土地なしからアパート経営を始める場合ならではの魅力を知っていきましょう。
賃貸経営に適した立地が選べる
土地の購入から始める場合は、賃貸経営に適した立地を選んで購入できることが大きな魅力です。すでに土地を持っているなら、アパート経営のために新たに土地を取得する必要はありません。
しかし、所有している土地が賃貸経営に適しているかどうかはわからず、場合によっては立地条件が悪く、賃貸経営に適していない可能性もあります。
賃貸経営がしやすい立地を自分で選べるため、明確なビジョンを持ってアパート経営がしやすいのは大きなメリットでしょう。
アパート経営に適した土地であれば、利回りも高くなりやすく高収入に期待することができるでしょう。
建てたいアパートに適した広さの土地が選べる
建築したいアパートの種類に適した広さで、購入する土地を選べることも土地なしからアパート経営をする場合のメリットです。ひとくちにアパートといっても、単身者向けなのか、ファミリー向けなのかによって、1戸に必要な広さは異なります。
ファミリー向けの場合は部屋数を増やしたり、部屋を広く取ったりする必要があるため、その分必要な土地の広さも大きくなります。ターゲットにしたい層に合わせて、購入する土地の広さをあらかじめ決められるのは、土地なしから始める場合の特権といえます。
アパート経営では、「土地ありからの方が有利」と言われることが多いですが、土地なしでも立地を自由に選べるといった大きなメリットがあります。
しかし、いくら良い土地でアパート経営をしても見立てが甘いと思うように収益が出ないことも珍しくありません。しっかりと収益を出すためには、事前の計画がとても大切です。
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活用事例:2×4・ユニヴァリィⅡ
エリア | 埼玉県 |
土地面積(㎡) | 974 |
工法 | 高耐震木造2×4工法 |
土地なしのアパート経営に必要な資金
土地なしでアパート経営を開始するには、資金が必要です。土地と建物を購入する場合に資金がかかることはもちろん、アパート経営にかかる諸費用も存在します。
また、アパート経営開始後は、維持費もかかります。経営開始から経営後のランニングコストまで理解を深め、どれくらいの資金が必要なのかを知っていきましょう。
土地と建物を購入する場合
土地と建物を購入する場合は、物件価格のおよそ10~20%の資金が必要といわれています。審査に通るならフルローンで全額融資を受けることも可能ですが、借入額が大きすぎると、ローンの返済が苦しくなりやすいです。
そのため、滞納リスクを下げるためにも、自己資金は物件購入価格の10~20%程度用意しておくと考えましょう。仮に土地と建物の購入で3,000万円がかかる場合は、300~600万円程度が用意しておくべき自己資金の目安です。
アパート経営にかかる諸費用
アパート経営ではこまごまとした費用がかかります。諸費用としてあげられるものは、次の通りです。
- 仲介手数料
- 印紙代
- 登記費用
- ローンの事務手数料
- 不動産取得税
- 土地購入手付金
入居者の募集を業者にしてもらい、入居が決まると、家賃の半月分を仲介手数料として支払います。印紙代は売買契約書に貼り付ける、収入印紙の費用です。
土地や建物を購入した際には、自身の名義に変更、登録する必要があります。この際にかかる費用が登記費用です。ローンを組む場合には、事務手数料がかかります。
不動産を新規で取得すると、不動産取得税がかかり、経営開始までにもさまざまな税金がかかることは覚えておきましょう。土地の購入時には購入価格の5~10%程度の手付金を支払います。諸費用は多数ありますが、合計すると物件価格の6~7%程度になることが多いです。
アパートの維持にかかる費用
アパートの維持にかかる費用としては、次のものがあげられます。
項目 | 金額の目安 |
---|---|
保険料 | 1~10万円(加入する保険会社や保険のプランによって変動) |
管理費 | 家賃の5%程度 |
修繕費 | 建物の規模や老朽化具合に応じて数十万円~数百万円 |
仲介手数料 | 家賃0.5ヶ月分 |
光熱費 | 1万円程度 |
光熱費は毎月発生する費用です。保険に加入していたり、業者に管理を委託しているなら、保険料や管理費も毎月支払います。
修繕費は修繕が必要なタイミングでかかるものであり、築年数の古い物件ほど、その頻度は多くなりやすいです。仲介手数料は、入居者が入るたびに支払います。
参考:国土交通省 賃貸住宅の計画的な維持管理及び性能向上の推進について
土地なしのアパート経営を成功させるには
土地なしでアパートの経営を成功させるには、次のポイントを踏まえることが大切です。
- 年収が高くなるまで待つ
- 都市部の場合は駅から徒歩5分のエリアを狙う
- 地方なら駐車場を確保する
- 間取りはワンルームを選ぶ
ポイントを意識することで、土地なしの状態でもアパート経営を成功させやすくなります。
年収が高くなるまで待つ
土地なしの状態からアパート経営を始めるには、土地と建物の両方を購入する必要があり、かかる初期費用は高額になります。そのため、資金の余裕を持つためにも、自身の年収が高くなるまで待ち、自己資金が十分にできてから始めることもおすすめです。
銀行から融資を受けられる年収は、600万~700万円程度が目安です。年収が高くなるほど融資も受けやすくなり、かつ自己資金も用意しやすくなるため、資金的な余裕ができるまで待ってから経営を開始してもよいでしょう。
都市部の場合は駅から徒歩5分のエリアを狙う
都市部でアパート経営をするなら、駅から徒歩5分のエリアを狙うことがおすすめです。都市部で駅に近いエリアは、家賃の設定が高めになっていますが、徒歩5分くらいならある程度金額は下げられます。
家賃が高すぎると入居者を獲得しづらいため、徒歩5分くらいでほどよい家賃設定にできるエリアを狙ったほうが、入居率を高めて家賃収入を得やすくなるでしょう。
地方なら駐車場を確保する
地方でアパート経営をするなら、入居者のための駐車場を確保しておくことが大切です。地方では生活に車が欠かせないことも多く、駐車場の有無が重要視されることもあります。
駐車場付きの物件だと、ニーズを満たせるため入居者を獲得しやすいです。地方でアパート経営を考えているなら、駐車場スペースを確保できる、広めの土地を選ぶとよいでしょう。
間取りはワンルームを選ぶ
投資効率の高さを考えるなら、間取りはワンルームを選ぶことがおすすめです。ワンルームなら同じ広さの土地でも戸数を多く取ることができ、家賃収入を多く得やすいです。
ファミリー向けの場合は2~3LDK以上が基本となり、1室あたりが広くなるため、戸数を多く取ることが難しくなります。広い部屋で家賃を上げて貸すよりも、コンパクトな部屋を多数貸しているほうが利益は出やすいため、投資効率の高さを重視したいならワンルームを選びましょう。
駅から近いエリアや周辺に学校やビジネス街がある場所なら、学生や社会人の単身者需要を獲得しやすいため、入居者を見つけやすいです。
アパート経営を始める可能性が出てきたら、複数の企業にプランを提案してもらうのがおすすめです。
なぜなら、アパート経営は建築費の見積もりや賃料設定など経営プランによって収益が1,000万円以上変わることもあるからです。
建築費がいくらなら収益性の高いアパート経営ができるのか、利回りはどのくらいが適切なのか、気になるところを建築会社に相談してみましょう。
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土地なしでアパート経営を始めるときの注意点
土地なしでアパート経営を始めるときには、注意したいポイントが3つあります。
- 経営開始まで時間がかかる
- 初期費用の負担が大きい
- ローンの審査に通らない可能性がある
注意点を正しく理解して、アパート経営の成功に役立てましょう。
経営開始まで時間がかかる
土地なしの状態からアパート経営を始めるには、複数のステップを踏む必要があるため時間がかかります。購入する土地を選び、土地を買ってアパートを建築し、経営開始となりますが、すでに土地や建物を持っているなら、すぐにでも経営を開始できます。
土地や建物を持っている場合と比較すると、アパート経営開始までに時間がかかり、その分利益が得られるまでの期間も長くなることは理解しておきましょう。
初期費用の負担が大きい
土地なしでアパート経営を始めるには、土地を購入し、アパートを建築しなければならないため、初期費用の負担が大きいです。すでに土地と建物があるなら、諸費用のみで経営が開始できます。
土地のみを持っている場合でも、アパートの建築費用と諸費用で経営が可能です。土地なしだと土地の購入からアパートの建築、さらには諸費用まで多額の費用がかかるため、念入りに資金計画を立てておくことが大切です。
ローンの審査に通らない可能性がある
ローンの契約を申し込んだからといって、全員が審査に通るとは限りません。審査の際には年収や貯蓄額、年齢などがみられており、金融機関の定める条件を満たしていない場合は、ローンを受けられない場合があります。
また、事業用のアパートローンでは、賃貸経営の有無やこれまでの返済実績なども考慮して審査を行います。未経験で年収が低く、貯金も少ないと審査には通りづらく、アパート経営を断念しなければならない可能性があることは理解しておきましょう。
土地なしでアパート経営を検討しているなら土地選びに重点を置こう
土地なしの状態からアパート経営を検討しているなら、土地選びに重点を置くことが大切です。アパート経営が上手くいくかどうかは、大部分が立地条件によって決まります。
立地は後から変更ができないため、購入時点でこだわって選ぶ必要があります。立地にこだわり土地を選んで、土地なしの状態からでもアパート経営を成功させましょう。