コインランドリー経営で失敗する人はたくさんいます。それは、コインランドリー経営に求められる知識や落とし穴について十分に把握していないことが原因です。
それでは、コインランドリー経営に失敗する人とは具体的にどのような人なのでしょうか。
本記事では、コインランドリー経営で失敗しやすい人の特徴や成功事例、必要な費用などについて詳しく解説します。
- 自己資金比率が低い
- 立地が悪い
- 経営開始後ほったらかしにする
- 情報収集や収支計画をおろそかにする
コインランドリー経営が失敗する要因とは
本章ではコインランドリー経営が失敗となる要因はついて詳しくご紹介します。
自己資金比率が低い
コインランドリー経営は、初期費用だけでも2000万円~4000万円ほどかかることも珍しくありません。また、初期費用のローンの大半をローンに頼ると失敗する可能性が各段に高まります。
コインランドリー経営は、新規出店から人々に認知され安定した収益を上げられるまでに1~2年かかります。つまり、経営開始から最大2年間は赤字を覚悟しなければなりません。そのため、ローンをたくさん借りていると毎月の返済や金利によって2年の間に赤字が膨れてしまうことも考えられます。
もちろん、ローンを一切使うな、というのではありません。自己資金ですべて賄えるのであればそれがベストですが、多くの場合はローンを組んで始めることになるかと思います。コインランドリー経営でローンを組む場合は、自己資金を初期費用の1/3以上用意しておくとが収支に余裕を持てる可能性が高まります。
コインランドリー経営における赤字について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
立地が悪い
コインランドリー経営は、空きテナントや居抜き物件だと建物を用意する必要がないため書記費用を抑えることができます。しかし、ここにも落とし穴があります。
確かに、もともとある物件を有効活用できるという点において、コインランドリー経営はうってつけでしょう。ただ、その場所でコインランドリー経営によって投資回収できるだけの収益を上げられるのかということはまた別の問題です。あの場所を活用できてしかも初期費用を抑えられる!」ということでコインランドリー経営を検討される方も多いかと思いますが、コインランドリー経営は立地産業ですので立地が悪いと利用者が全く見込めないということも普通にあります。
所有している物件の有効活用としてコインランドリー経営にを考えている方は、コインランドリーを出店させて安定的な利用者が見込める土地であるのかについてしっかりと調査しておく必要があります。
経営開始後ほったらかしにする
コインランドリー経営は、基本的に無人で経営できることから「経営開始後はほったらかしても大丈夫そうだな」と思われる方もいらっしゃるかと思います。しかしそれは誤りです。
日々利用される洗濯乾燥機や店舗内は、洗濯物から出たホコリなどですぐに汚れてしまいます。繁盛している店舗ならなおさらでしょう。自分の衣服や布団を洗う場であるコインランドリーが不衛生であれば、客離れを加速させてしまいます。そのため、無人のコインランドリー店舗でも定期的な清掃は必須です。
コインランドリー経営をフランチャイズで行う場合でも、店舗の清掃や集金作業はオーナー側で行う必要がありますので注意してください。
コインランドリー経営のフランチャイズについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
情報収集や収支計画をおろそかにする
土地活用や投資であるといっても、コインランドリー経営は立派なビジネスです。そのため、失敗しないようにするにはどうすれば経営が上手くいくのかといったことを常に考える必要があります。これは、フランチャイズ契約でも例外ではありません。
経営を始める前はコインランドリーに適した立地なのか、経営を始めた後は利用率や客単価、毎月の収支などもとにして課題となるところを改善していくことが大切です。
どのような経営方式であれ、実際にお店を経営するのは自分ですので、コインランドリー経営で失敗しないためには自ら積極的に情報などを集めていく姿勢が求められます。
コインランドリー経営の基礎に関して詳しくは以下の記事をご覧ください。
コインランドリー経営を始め、土地活用を検討している方は情報収集が足りていないと失敗する確率が上がります。そこで、土地活用企業に相談することはその対策として非常に有効な方法です。
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コインランドリー経営の費用
ここでは、コインランドリー経営にかかる費用について詳しくご紹介します。
初期費用
コインランドリー経営の費用は、4000万円ほどかかることもあると冒頭でご紹介しました。
では、具体的な内訳とともに初期費用について見ていきましょう。
機械設置費用 | 1000万円~2000万円 |
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内装工事費用 | 600万円~1000万円 |
外装工事費用 | 100万円~300万円 |
コインランドリー経営の費用には、このような費用がかかってきます。また、土地から始める場合にはさらに数千万円必要になることもあるので、1億円近い投資となる可能性もあるでしょう。
コインランドリー店舗は10坪ほどのスペースで経営していることも多く、敷地面積によってはご紹介した金額ほど費用がかからないこともあります。
ランニングコスト
コインランドリー経営を始めて収益が出たとしても、必要経費によって赤字をとなってしまうこともあります。
一つの目安として、コインランドリー経営のランニングコストは収益のうち25%であるといわれています。
例えば、ひと月あたりの収益が20万円であれば5万円、30万円であれば7万5000円といった具合です。また、店舗規模ごとの収益性は以下の通りです。
- 小型店舗(15坪前後)・・・約20万円~30万円程
- 大型店舗(50坪前後)・・・約40万円~
ここでは、土地や物件の取得費、家賃や固定資産税などは考慮していませんので注意してください。
コインランドリー経営に失敗しないための方法
コインランドリー経営で失敗につながりやすい原因を理解したところで、成功するために抑えておきたいポイントもチェックしておきましょう。
リサーチやシミュレーションを徹底する
コインラインドリーを開業する前には、周辺に競合店が出店していないか、どんな住民が多いエリアなのか、リサーチを徹底的に行うことが大切です。そして、綿密な収支シミュレーションが経営を厳しくさせないためにも必要不可欠と言えるでしょう。
コインランドリーの売上は月に60~80万円程度が一般的で、100万円を超えるような売上を作る店舗は稀です。月々の返済がある場合は、その数字を踏まえて返済計画を検討すると大幅に狂うことが少なくなります。
開業しても放置は厳禁
無人経営が可能なコインランドリーではありますが、開業したからと言って放置してしまうことは厳禁です。衣類を洗濯する場なので、清潔感を維持することが鉄則と言えるでしょう。また、女性の利用客も増えていることから、安心感を与えられるような店作りも欠かせません。店舗内の清掃や機器メンテナンスは定期的に行う重要業務と捉えて取り組むのがおすすめです。
衛生面に関しては、各自治体で規定を設けていることがあります。例えば、1日1回の洗濯槽と乾燥機の清掃やゴミ箱の設置、ネズミや害虫が発生しない環境作りなどが挙げられます。予想以上にコインランドリーの衛生基準には細かく設定されていることが多いので、各自治体に事前に確認しておくと安心でしょう。
差別化を図る努力をする
自分が出店しているエリアに、競合店があとから出店してくる可能性もあります。そんなときは、他店との差別化を図ることが経営を厳しくしないポイントでもあります。
広告などに力を入れるのもおすすめです。折り込みチラシや駅貼りポスターなどさまざまな手法がありますが、特に注力したいのが看板です。
利用者がコインランドリーに求めるものは、どれだけ安く綺麗に洗えるか、アクセスしやすいかといった点です。さらに、ここにコインランドリーがある、ということが明確に分かる看板があれば十分に広告として役目を果たしていると言えるでしょう。
防犯対策にも力を入れる
最近のコインランドリーは女性の利用客が増えています。女性の利用客が最も気にするポイントとしては、盗難などの被害を受けずに安心して来店できるという点です。防犯性を高めるために、可視性の高い窓を多く設置したり、防犯カメラを設置したりすることは必須と言えます。
おすすめは開閉式ではなくはめ込み式の窓を設置することです。もし盗難などの被害に遭った場合でも、犯人は出入り口から逃走するしか道がないため、犯人の人物特定をしやすくなるというメリットがあります。
また、24時間営業をしないことも一つの防犯対策です。酔っ払いやホームレスといった人が気軽に立ち寄れない工夫を施すことで、高齢者や女性の利用客でも安心して来店しやすい店造りを心がけましょう。
コインランドリー経営を検討されている方は、まずは土地活用プランの比較サイトを使ってみることをおすすめします。一度の土地情報の入力で複数の施工会社から、コインランドリー事業での収益性やその他の土地活用のプランを受け取ることができます。
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コインランドリー経営の成功事例
ここではコインランドリー経営の成功事例について詳しくご紹介していきます。
成功事例をみることによって、自分の場合は失敗することなく経営できるのかについての参考となるでしょう。
テナントを活用させた成功事例
ここでは、都市部のテナントとしてコインランドリー経営を始めた成功事例をご紹介します。
主な基本情報は以下の通りです。
立地 | 駅近で、マンションや商業施設が立ち並ぶ地域 大通り沿いではないが、半径500mに5000世帯が入居している |
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敷居面積 | 15坪 |
駐車場の有無 | 無 |
初期費用 | 約1500万円 |
稼働率 | 8% |
また、予想年間収益は以下の通りです。
初年度 | 約48万円 |
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2年目 | 約88万円 |
3年目以降 | 約127万円 |
こちらは、十分な商圏人口があり集客も容易であることがポイントである事例です。
立地としては、徒歩圏内に5000世帯があることから十分に投資回収できるという判断のもと出店を行っています。また、周囲にはカフェや商業施設があり人の動きも多いことも有利な条件といえるでしょう。
経営開始から3年目以降は、年間で100万円以上の収益が予想されています。利回りでみると10%以上ですので、安定すれば大きな頼りになる収入源となります。
コインランドリーが儲かるのかについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
もともとある建物を活用させた事例
続いて、コンビニとして使われていた店舗を有効活用してコインランドリー経営を始めた成功事例をご紹介します。
主な基本情報は以下の通りです。
立地 | 郊外の県道沿いにあるコンビニ跡地 生活道路沿いであり、コンビニや銀行は付近にある |
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敷居面積 | 40坪 |
駐車場の有無 | 有(4台) |
初期費用 | 約2400万円 |
稼働率 | 10% |
また、予想年間収益は以下の通りです。
初年度 | 約-100万円 |
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2年目 | 約120万円 |
3年目以降 | 約196万円 |
こちらは、生活の利便性が高い立地であり車でのアクセスがしやすいことがポイントである事例です。
郊外型の店舗は利用者が車で来店する機会も多いことから、停めやすい駐車場を完備すると利用率がアップし収益性も高くなるでしょう。また、このように生活道路沿いに空き物件を持っている方はコインランドリー経営を十分に検討できる状況であるということが分かります。
ただし、コインランドリー経営は客付け期間が2年ほどかかるためこの間は収益が安定しないことも多いです。実際、今回ご紹介した事例では初年度が赤字となっていますので、コインランドリー経営を始める場合はこの点に注意し経営開始後の数年間は赤字をカバーできるだけの家計を維持することが大切です。
コインランドリー経営で失敗しないかどうかを見極めよう
コインランドリー経営は、近年店舗数も増加しており注目の土地活用・投資方法ですが、簡単に儲かるものではありません。自分で積極的に情報収集などをしなければ、失敗する確率はかなり高いといえます。
コインランドリー経営で失敗しないためには、経営者としての意識を持つことが大切です。