マンション経営の平均利回りを知ろう!物件は利回りだけで判断してはいけない?

マンション経営の平均利回りを知ろう!物件は利回りだけで判断してはいけない?

マンション経営は不動産投資の一つであり、多くの投資家が利益を得るための手段として利用しています。

そして、マンション経営を始める前に利回りについて理解することはとても重要であるため、利回りの平均がどれくらいなのかを知りたい人もいるのではないでしょうか。

そのため本記事では、マンション経営の利回りの平均について様々な視点から解説します。また、シミュレーションをしつつ利回りだけで判断してはいけない理由も解説します。

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マンションの建築費については以下の記事をご覧ください。

【2024年3月】マンション建築費はいくら?構造別の坪単価や計算シミュレーションを紹介

地域ごとのマンション経営の平均利回り

マンション経営の利回りについて東京・城南の平均的な相場は、日本不動産研究所によると2023年4月時点でワンルームタイプが3.8%、ファミリータイプが3.9%となっています。

都内駅近における平均的な利回り

日本不動産研究所によると、賃貸住宅一棟の利回りについて東京の城南地区では、2022年10月時点でワンルームタイプが3.9%、ファミリータイプが4.0%です。

そして、2023年4月時点の利回りはワンルームタイプが3.8%、ファミリータイプが3.9%となっています。

出典:日本不動産研究所 第48回 不動産投資家調査(2023年4月現在)

上記の賃貸住宅一棟の利回りの推移を見ると、年々水準が低くなっていっているのが分かります。

地方都市における平均的な利回り

日本不動産研究所によると、賃貸住宅一棟の利回りについて地方都市の平均的な相場は、ワンルームタイプとファミリータイプそれぞれ以下のようになります。

  • ワンルームタイプ
2022年10月2023年4月
札幌5%5%
仙台5%5%
横浜4.5%4.5%
名古屋4.7%4.6%
京都4.8%4.8%
大阪4.5%4.4%
神戸4.8%4.8%
広島5.2%5.2%
福岡4.7%4.7%
  • ファミリータイプ
2022年10月2023年4月
札幌5.2%5.2%
仙台5.2%5.2%
横浜4.5%4.4%
名古屋4.8%4.7%
京都4.9%4.9%
大阪4.5%4.4%
神戸5%5%
広島5.5%5.3%
福岡4.8%4.7%

出典:日本不動産研究所 第48回 不動産投資家調査(2023年4月現在)

数字を見ると、地方都市のほうが駅近と比べて利回りが高いことがわかると思います。そのため、都内に比べて地方都市での賃貸経営のほうが有利に見えるかもしれません。

しかし、地方の利回りが高くなるのが物件の購入価格が都内よりも安いからで、都内の場合は購入にかけた費用の分リターンも多くもらえる可能性があるのです。そのため、一概にどちらの方が儲けることができると言い切ることは出来ません

また、地方は都内と比べて人口が少ないためその分空室リスクも高くなります。地方都市のほうが利回りが高いからと言って、その数字をそのままうのみにすることは危険であるということを覚えておきましょう。

理想の利回りはどれくらい?

マンション経営の利回りを判断する際は、5%を理想的な目安として判断することをおすすめします。

逆に、利回りの最低ラインは3%なので、この数字を下回らないようにしましょう。

マンションの種類・築年数別の平均利回り

本章では平均利回りについて、マンションの種類や築年数別に紹介しています。

マンション経営の利回りは物件の種類や築年数によって大きく変わります。自分が投資する物件がどのようなものかを想定し、利回りの平均を把握していくと比較しやすいでしょう。

「区分マンションの1室か一棟物件か」「新築か中古か」といった要素が重要になります。それぞれの平均的な表面利回りは以下の通りです。

新築中古
区分マンション1室3%~4%4%~10%
一棟物件5%~6%6%~8%

新築の利回り平均

都内の新築マンションの平均表面利回りは、区分が3%~4%で一棟が5%~6%です。特に人気の高いワンルームマンションでも、2017年の調査によって港区・品川区などでは4.3%、墨田区・江東区などでは4.5%程度ということがわかっています。

当然マンションによって差は生まれますが、あまり高利回りにはならないでしょう。新築マンションの利回りが低い理由は、物件の購入価格が高いことにあります。利回りは簡単に言うとマンションの購入費に対しての利益の割合なので、購入価格の高い新築の利回りは低くなります。

ただし、初期費用で多くのコストがかかるものの、回収できる金額はその分大きくなります。そのため、「利回りが低い=収益が少ない」ということにはならないことは理解しておきましょう。

投資の目安

都内で新築マンション経営を行なう場合、表面利回りの目安は3%程度になります。やや少なく感じるかもしれませんが、新築マンションのリスクの少なさや入居率が比較的高くなることを考慮すると、このくらいの物件であれば収益を得られるでしょう。

実質利回りが3%を切るような物件は、その地域の地価に変動がない限りはメリットがないと言えます。いずれにせよ、不動産の専門家に一度相談することをおすすめします

中古の利回り平均

中古マンションの表面利回りの平均は、区分が4%~10%で一棟が6%~8%です。中古に関しても物件ごとに利回りは変わるため、購入時に詳細な情報を確認しておく必要があります。

また、中には10%を超える利回りをもつ物件もあり、中古の物件は比較的利回りが高いものが多いです。ただし、利回りが高ければ必ず儲かるわけではないことに注意しましょう。

利回りのみを見て新築と中古を比べると中古の方が有利に見えますが、中古マンションは新築と比べて購入価格が安いので回収できる金額も小さくなってしまいます。

投資の目安

都内で中古マンション経営を行なう場合、築20年程までなら利回りは4%~5%程度、築20年以上は5%~8%を上回れば充分な利回りと言えます。

古い物件であるほど購入価格が下がり利回りが高くなりますが、築年数に比例して管理費・修繕費がかさむようになり家賃収入も下がります。加えて空室のリスクなども高まるため、利回りのみで判断して比較するのはやめましょう。

マンション経営の利回りは2種類ある

利回りとは、投資した額に対して一定期間にどれほどのリターンを得ることができるかを表すもので、表面利回りと実質利回りの2種類があります。

投資した額は物件の購入代金や修繕費など諸費用のことで、リターンは主に家賃収入のことです。利回りについて、新築や築浅でクオリティの高い物件が必ず高利回りというわけではなく、投資額と収入のバランスによって決まるため中古物件のほうが利回りが高いという可能性もあります。

マンション経営を始める際は、高利回りを狙える物件を購入することが重要であるため、表面利回りと実質利回りの違いを理解し、自分で計算できるようになっておくことをおすすめします。

表面利回り

表面利回りとは、物件の購入価格に対して年間の家賃収入の割合がいくらかを表したものです。表面利回りは以下のように計算できます。

表面利回り = 年間家賃収入 ÷ 物件購入価格 × 100(%)

物件情報には表面利回りが掲載されていることが多いですが、これは経費が考慮されていないので実際の利回りとは異なってしまいます。そのため、物件を購入する際は表面利回りだけを見て決めないことが大切です。

実質利回り

実質利回りとは、物件の購入価格と購入時の諸経費を合わせた額に対する、年間の家賃収入から諸経費を差し引いた額の割合がいくらかを表したものです。実質利回りは以下のように計算できます。

実質利回り = ( 年間家賃収入 – 年間経費 ) ÷ ( 物件購入価格 + 取得時諸経費 ) × 100(%)

実質利回りは年間にかかる経費や物件取得時の経費を考慮しているため、表面利回りと比べて収益性を正確に判断できます。表面利回りと実質利回りとでは数字に大きな差が出ることもあるため、利回りを考える際は実質利回りで考えることが重要です。

マンション経営は利回りだけで判断してはいけない

マンション経営で物件を選ぶ際、利回りは重要な指標となりますが、それだけで判断してはいけません。

条件なしの家賃相場

下の画像は賃貸情報サイトhomesの家賃相場情報ページで、住みたい街ランキングで首位を独占している吉祥寺駅周辺物件の家賃相場となっています。


参照:homes
上記の家賃相場について、ワンルームの表面利回りについて計算していきます。物件価格が4,000万円だとすると、以下のように計算できます。※実際の物件価格とは異なります。

(8万1,600円×12ヶ月)÷4,000万円=約0.024

つまり、利回りは2.4%ということになります。

条件ありの家賃相場


参照:homes

上記の画像は、以下の条件を付けたしたときの吉祥寺駅周辺物件の家賃相場です。

  • 駅徒歩1分~5分
  • 新築
  • バス・トイレ別
  • オートロック

先ほど度同じくワンルームに着目すると、条件なしと比べた家賃相場は1万1,200円上がり9万2,800円となっています。物件価格が6,000万円だとすると、表面利回りは以下のように計算できます。※実際の物件価格とは異なります。

(9万2,800円×12ヶ月)÷6,000万円=約0.019

つまり利回りは1.9%ということになります。

利回りだけで判断しない

条件なしの利回りが2.4%、条件付きの利回りが1.9%なので、利回りの数字だけをみると条件なしの物件のほうが収入を得られることになります。

しかし、実際に何の条件もない物件と、駅近・新築・バストイレ別・オートロックなどの条件が付いた物件だとどちらの方が入居者が入りそうでしょうか。

条件の良い物件のほうが空室リスクがなく、安定収入を見込むことができるため、利回りだけで判断することはできないのです。

利回りを正しく理解しよう

マンション経営の利回りは、マンション経営の成功を測る一つの指標です。しかし、多くの要素が影響を与えるため、他の要素も考慮する必要があります。

上記に挙げた以外にも、利回りのは投資家のリスク許容度、市場のリスク状況、経済状況、金利政策などによって決まり、それらが変動すると利回りのも変動すると言えます。

マンション経営は、適切な知識と理解を持つことで、有益な投資となります。利回りを理解し、適切な物件選びと管理を行うことで、成功する可能性が高まります。

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