4階建てマンションの建築費はいくら?構造別の相場や利回りシミュレーションも解説

4階建てマンションの建築費はいくら?構造別の相場や利回りシミュレーションも解説

4階建てのマンションは、規模としては「低層マンション」に区分されます。

4階建てマンションの建築費は、2億1,000万円~3億円が目安です(延べ床面積240坪のマンションを想定)

2・3階建てのアパートに比べて、4階建てのマンションは土地に対する収益性を高められる一方で、初期費用である建築費は高額になります。

しかし5階建てのマンションが建てられない土地でも、4階建てであれば建てられる可能性があります。土地の面積あたりの収益性も高められます。

ご所有の土地にマンションを建てることを検討している方は、是非この記事をご参考にしてください。

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もくじ

マンション建築費については以下の記事もご参考になります

【2024年3月】マンション建築費はいくら?構造別の坪単価や計算シミュレーションを紹介

4階建てマンションの建築費はいくら?

マンションの建築費は、建物の構造と大きさで金額が変わってきます。

構造とは、建物を支える骨組みのことです。材質ごとに種類が分かれています。4階建てのマンションは、重量鉄骨造(S造)または鉄筋コンクリート造(RC造)で建築されるのが一般的です。

4階建てマンションの建築費の目安

4階建てマンションの建物本体の建築費の目安は、重量鉄骨造で建築した場合と鉄筋コンクリート造で建築した場合でそれぞれ以下のようになります。

建坪重量鉄骨造(S造)鉄筋コンクリート造(RC造)
30坪1億800万~1億4,400万円1億1,400万~1億5,000万円
40坪1億4,400万~1億9,200万円1億5,200万~2億円
50坪1億8,000万~2億4,000万円1億9,000万~2億5,000万円
60坪2億1,000万~2億8,800万円2億2,800万~3億円
80坪2億8,800万~3億8,400万円3億400万~4億円
100坪3億6,000万~4億8,000万円3億6,000万~4億8,000万円
150坪5億4,000万~7億2,000万円5億4,000万~7億2,000万円

土地の用途地域の指定にもよりますが、100坪の土地に4階建てマンションを建てる場合、マンションの建築面積(建坪)はおよそ50坪~80坪になります。詳しくは、3章の「4階建てマンションを建築できるか確認する方法」にて解説しています。

なお、防火地域・準防火地域に建てるマンションは、耐火構造化しなければならないため、坪単価が割高になります。

また、建物にエレベーターを設置する場合は、設備費・設置工事費がかかるため建築費が高くなります

建築費の構造別坪単価相場

先程紹介した建築費の目安金額は、「坪単価×延べ床面積(坪)」で概算できます。

延べ床面積とは、建物の各階の床面積の合計値のことです。シミュレーション上では、「延べ床面積=建築面積(建坪)×建物の階数」で簡易的に計算しています。

建物の構造別の建築費の坪単価相場は以下の通りです(イエウール編集部調べ)

構造坪単価相場
木造(W造)74万~105万円/坪
軽量鉄骨造(S造)80万~105万円/坪
重量鉄骨造(S造)90万~120万円/坪
鉄筋コンクリート造(RC造)95万~125万円/坪
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)110万~140万円/坪
  1. 坪単価がわかれば、ご自身でもかかる建築費を試算できます!

一般的に、丈夫な構造ほど建材費が高くなります。鉄骨鉄筋コンクリート造は建築工程が複雑で工期がかさむため、特に高額な費用がかかります。

また、重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造は建材が重いため、軟弱な地盤に建設する場合は改良工事が必要となり、かかる費用が増大します。

鉄筋コンクリート造は、更に工法によって「壁式構造」と「ラーメン構造」というバリエーションがあります。一般的に、壁式構造の方が低コストでマンションを建築できます。


実際のマンションの建築費は、建築する建物の面積だけでなく、マンションを建てるエリアや導入する設備や資材のグレード、エレベーターの設置の有無などでも変動します。より具体的な見積金額を知りたい方は、以下のフォームから建築会社に資料請求してみましょう。

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※工事請負契約を締結するまで、完全無料でご利用いただけます。

アパート建築費シュミレーター

新築アパートを建築する際は、アパート本体(躯体)、仕上げ、設備それぞれに建築費用がかかってきます。
試算条件を入力していただくと過去の建築事例をもとに、建築する際の概算費用を試算することができます。

試算条件を入力する

試算条件を入力し、「この条件でシュミレーションする」をクリックしてください。 予想建築費が、画面下部に表示されます。

坪数

建ぺい率

%

容積率

%

未記入(不明)の場合は建ぺい率60%、容積率200%で自動試算

土地所在地

構造

 

坪単価

万円

<参考>構造別坪単価

木造 : 坪単価 73万円

軽量鉄骨造 : 坪単価 125万円

重量鉄骨造 : 坪単価 108万円

鉄筋コンクリート造 : 坪単価 108万円

試算結果

予想建築費 万円

内訳

(坪数 × 建ぺい率 × 容積率) × 構造別の坪単価*1 = 予想建築費

*1 構造別の坪単価は、建築着工統計調査 住宅着工統計 第34表中の 「共同住宅」における「工事予定額」に基づいています。

\完全無料/
  1. 本当にシュミレーション通りの建築費用で建てられるかな?

実際の建築費用の見積もりは坪数やアパートの材質だけでなく、建築会社の工法や設備のグレードによって大きく変動します。
建築費用の見積もりをとる際は、複数の建築会社で相見積もりをおこなって比較・検討をしましょう。
イエウール土地活用なら、 最大で10社の建築費の見積もりを一括請求 することができます。

マンション建築にかかる費用の内訳

マンションの建築には、建物本体の工事費(本体工事費)以外にも費用がかかります。

賃貸マンションの建築にかかる費用の内訳は、以下の通りです。

費用の内訳概要
本体工事費建物そのものの工事にかかる費用。仮設工事や建物の基礎部分、外壁、内装の工事、浴室・トイレなどの設備工事にかかる費用。
付帯工事費建物の建築に付随して必要となる工事の費用。給排水管や電気・ガス管の引き込み工事や庭や駐車場などの外構工事、整地や地盤改良工事等にかかる費用。
諸費用税金や登記費用、ローン手数料、保険料等。

なお、建築会社によって費用の項目の仕訳が異なる場合が多々あります。希望する工事の費用が見積もりの内訳に含まれていないこともあるため、見積もりを取り寄せて確認する時は注意しましょう。

本体工事費

本体工事費とは、マンションの本体そのもの工事にかかる費用のことです。一般的に、「坪単価×延べ床面積」で求められる建築費は「本体工事費」を指し表します。

本体工事はさらに工程ごとに躯体工事、仕上げ工事、設備工事に分けられます。

工事の種類内訳
躯体工事
  • 仮設工事
  • 土工事
  • 基礎工事
  • 木工事、鉄骨工事、鉄筋工事、型枠工事、コンクリート工事 など
仕上げ工事
  • 外装工事
  • 内装工事
  • 建具工事
  • 塗装工事 など
設備工事
  • 電気設備工事
  • 給排水衛生設備工事(キッチン・トイレなどの設置工事) など

それぞれの工事にかかる費用の割合は一般的に、躯体工事費が全体の約40%、仕上げ工事費が約40%、設備工事費が約20%程度です。

付帯工事費

付帯工事費とは、土地にマンションを建てるのに付随して必要となる工事にかかる費用のことです。

具体的には、土地に残存している家屋の解体工事や地盤改良工事、屋外給排水管工事、外構工事(庭や塀、門、駐車場などの設置工事)、空調設備や照明器具の設置工事にかかる費用が含まれます。

実際に行われる工事によって費用は変わりますが、本体工事費の20%程度かかるのが一般的です。

諸費用

アパートの建築に際しては、建物の設計や事務的な手続きにも費用がかかります。また建物を新築すると、税金もかかります。これらの費用をまとめて諸費用と呼びます。


▼諸費用の一例

  • アパートの設計料(※)
  • 測量・地盤調査費用
  • 水道分担金
  • 建築確認申請の手数料
  • 登記費用
  • 不動産取得税
  • 各種保険料
  • アパートローンの手数料

(※)設計から施工までを1社に一貫して任せる場合(設計施工一貫方式)は、設計料が建築費に転嫁されていることが多いです。

こちらも状況に応じて支払う費用や金額が変わりますが、本体工事費の約10%程度かかると考えておくとよいでしょう。

総費用の計算方法

マンション建築にかかる費用の総額は、以下のように試算できます。

費用総額=本体工事費+付帯工事費+諸費用
=本体工事費+本体工事費×20%+本体工事費×10%
=本体工事費×130%
(坪単価×延べ床面積)×1.3

たとえば、坪単価120万円の鉄筋コンクリート造で、延べ床面積240坪(1フロア60坪×4階)のマンションを建てる場合、かかる費用の総額は以下のようにシミュレーションできます。


  • 本体工事費=120万円/坪×240坪=2億8,800万円
  • 費用総額=2億8,800万円×1.3=3億7,440万円

シミュレーションによって費用の全体感を知ることができます。マンションを建築する規模を検討する際にお役立てください。

なお、実際に建築プランの見積もりを検討する際には、必ず費用の内訳を確認しましょう。

建築会社によっては仮設工事費が本体工事費に含まれていなかったり、照明器具や空調設備の設置工事費が省かれていることがあるため、項目をしっかりとチェックして、何にいくらかかっているかを確認することが重要です。


適正な建築費を見極めるためには、複数の企業の建築プランを比較しましょう。「イエウール土地活用」の一括見積を利用すると、大手ハウスメーカーのプランや資料を一度にまとめて取り寄せられます。

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4階建てマンションの利回りシミュレーション

マンションの収益性を測るには、「利回り」という指標が役に立ちます。

利回りとは、初期投資費用に対する収益の割合を表したものです。一般的には年間の収益の割合を表します。

マンション経営においては、建築費用や家賃収入の想定額から利回りをシミュレーションすることで、建築予定のマンションの収益性を大まかに把握することができます。

利回りをシミュレーションする方法

「利回り」には、指標を用いる目的によって種類が様々あります。

賃貸物件の収益性を表すときは、「表面利回り」と「実質利回り」の2種類が用いられます。

表面利回り年間家賃収入額を物件購入価格(建築費用)で単純に割り算した値。
「グロス利回り」「単純利回り」とも呼ばれる。
実質利回り税金や管理費、修繕費など賃貸経営にかかる経費まで考慮に入れた利回り。
「ネット利回り」とも呼ばれる。

所有地にマンションを建築して賃貸経営する場合の表面利回りの計算方法は、以下の通りです。

表面利回り=年間家賃収入÷建築費用×100

たとえば、1億円でマンションを建築して、年間家賃収入が900万円だった場合の表面利回りは、以下のように計算できます。

900万円÷1億円×100=9%

一方で、実質利回りは、年間家賃収入から年間あたりの経費を差し引いた金額を、マンションの建築費用に建築時にかかった諸費用を足し合わせた金額で割り算して求めます。

実質利回り=(年間家賃収入-年間諸経費)÷(建築費用+諸費用)×100

たとえば1億円のマンション建築時に諸費用として800万円かかり、また年間のランニングコストとして135万円掛かる場合の実質利回りは以下のように計算できます。

(900万円-135万円)÷(1億円+800万円)×100=約7.1%

また、実質利回りの年間収入額から更にローン返済額を差し引くことで、毎年手元に残る収益の割合を示す「返済後利回り」も求められます。

  1. 表面利回りは収益性を大まかに把握するのに役立ちますが、収支計画を練る段階では実質利回りを計算して検討を深めましょう!

重量鉄骨造単身者向けマンションのシミュレーション例

以下の条件で、利回りをシミュレーションしてみましょう


  • 重量鉄骨造4階建てマンション
  • 間取り:1K(8.5坪)16戸
  • 工事延べ床面積:150坪
  • 工事坪単価:100万円
  • 家賃:8.5万円/月
  • 所有地に建築するため、土地代は考慮しない

まずは、マンションの建築にかかる費用を計算しましょう。

本体工事費=坪単価×延べ床面積
=100万円×150坪=1億5,000万円

付帯工事費=本体工事費×20%
=3,000万円

諸費用=本体工事費×10%
=1,500万円

年間の家賃収入額は以下のように試算できます。

年間家賃収入=8.5万円/月×16戸×12ヶ月
=1,632万円

したがって、表面利回りは以下のように計算できます。

表面利回り=年間家賃収入÷建築費用×100
=1,632万円÷(1億5,000万円+3,000万円)×100
=約9.1%

実質利回りは、年間の諸経費と、建築時の諸費用を考慮に入れて試算します。諸経費は管理会社の管理委託費の金額や、入退去に伴う修繕の有無によって金額が変動しますが、ここでは家賃収入の15%を見込んでシミュレーションします。

実質利回り=(年間家賃収入-年間諸経費)÷(建築費用+諸費用)×100
=(1,632万円-1,632万円×15%)÷(1億5,000万円+3,000万円+1,500万円)×100
=約7.1%

また、月額の返済額を70万円として、返済後利回りを計算すると以下のようになります。

返済後利回り=(年間家賃収入-年間諸経費-ローン返済額)÷(建築費用+諸費用)
=(1,632万円-1,632万円×15%-80万円×12ヶ月)÷(1億5,000万円+3,000万円+1,500万円)×100
=約2.8%

ローンの返済を含めると、建築にかかった費用の約2.8%の金額を毎年収益として得られることがわかります。

RC造ファミリー向け住戸のあるマンションのシミュレーション例

お次は、以下の条件で利回りをシミュレーションしていきます。


  • RC造4階建てマンション
  • 間取り:2LDK(18坪)8戸、1LDK(12.5坪)3戸
  • 工事延べ床面積:200坪
  • 工事坪単価:120万円
  • 家賃:18万円/月(2LDK)、13.5万円/月(1LDK)
  • 所有地に建築するため、土地代は考慮しない

まずは、マンションの建築にかかる費用を計算しましょう。

本体工事費=坪単価×延べ床面積
=120万円×200坪=2億4,000万円

付帯工事費=本体工事費×20%
=4,800万円

諸費用=本体工事費×10%
=2,400万円

年間の家賃収入額は以下のように試算できます。

年間家賃収入=(18万円/月×8戸+13.5万円×3戸)×12ヶ月
=2,214万円

したがって、表面利回りは以下のように計算できます。

表面利回り=年間家賃収入÷建築費用×100
=2,214万円÷(2億4,000万円+4,800万円)×100
=約7.7%

実質利回りは、年間の諸経費と、建築時の諸費用を考慮に入れて試算します。諸経費は家賃収入の15%を見込んでシミュレーションします。

実質利回り=(年間家賃収入-年間諸経費)÷(建築費用+諸費用)×100
=(2,214万円-2,214万円×15%)÷(2億4,000万円+4,800万円+2,400万円)×100
=約6.0%

また、月額の返済額を100万円として、返済後利回りを計算すると以下のようになります。

返済後利回り=(年間家賃収入-年間諸経費-ローン返済額)÷(建築費用+諸費用)
=(2,214万円-2,214万円×15%-100万円×12ヶ月)÷(2億4,000万円+4,800万円+2,400万円)×100
=約2.2%

ローンの返済を含めると、建築にかかった費用の約2.2%の金額を毎年収益として得られることがわかります。

ファミリー向けの住戸を設けると、単身者向けマンションに比べて利回りが下がりますが、平均入居期間が延びるため、入退去に伴う修繕費を抑えたり、空室リスクを抑えやすいというメリットがあります。ある程度の収益が見込めるのであれば、地域のニーズに合わせて間取りの広いファミリー向けのマンションを建築することも、長期的なマンション経営を行う上での1つの戦略になります。

マンション経営の平均利回りを知ろう!物件は利回りだけで判断してはいけない?

4階建てマンションを建てるメリットとデメリット

建築にかかる費用を踏まえた上で、所有している土地にマンションを建てるべきか、アパートを建てるべきか、悩まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、「マンション」と「アパート」について法的な定義はなく、両者には厳密な違いはありません

  1. 同じ4階建ての賃貸物件でも、マンションと呼ばれるものがあったり、アパートと呼ばれるものがあったりします。

一般的に、木造2~3階建ての共同住宅はアパートと呼ばれています。また4階建ての共同住宅でも、外観や住宅設備が簡素だったり、軽量鉄骨造の物件はアパートと呼ばれることがあります

この章では、建築する賃貸住宅の規模を検討している方向けに、4階建てのマンションを建てるメリット・デメリットを解説していきます。

4階建てマンションを建てるメリット

建築する賃貸物件に4階建てのマンションを選択するメリットは以下の通りです。

  • 土地面積あたりの収益性を高められる
  • 高収入を目指せる
  • 減価償却期間が長い

土地面積あたりの収益性を高められる

4階建ての賃貸物件は、当然ながら3階建ての賃貸物件よりも多くの戸数を設けることが可能です。つまり、その分多くの賃料が得られるため、土地の面積あたりの収益性が高まります

建ぺい率と容積率など建築規制にも気をつける必要がありますが、特に1フロアに確保できる戸数が少なくなりがちな狭い土地で土地活用をするなら、4階建て以上のマンションの建築して賃貸部分を増やすのはおすすめです。

より高収入を目指せる

アパートよりも設備や間取りの設計、仕上げを凝って施工したマンショは、入居者に対してより高い家賃を設定しやすいです。

また、4階建ての規模であれば、1階部分をテナントにして店舗や事務所に貸し出すことで、収益のチャネルを増やすことができます。

賃貸物件は入居者の出入りが多いと経費がかさんでしまったり、空室期間は家賃収入が途絶えてしまうというリスクを抱えていますが、店舗や事務所はある程度長期的な貸借が期待できます。つまり、店舗・事務所併用マンションの建築は賃貸経営の安定化にもつながります

ただし、テナント併用マンションの建築によって収益性を高められるかどうかは、地域の需要に大きく依存します。マンション建築を依頼する企業とよく相談した上で判断するのがよいでしょう。

RC造なら減価償却期間が長い

賃貸向けのアパート・マンションの法定耐用年数は、木造は22年であるのに対して、鉄筋コンクリート造(RC造)は47年に設定されています。

47年間にわたって建築費を償却し続けることで、長期間にわたって所得税の節税効果を受け続けられます

一方で、賃貸経営を事業として積極的に展開していきたい方であれば、償却期間の短い木造の賃貸物件を建てて早期に費用を償却し、得た利益で再投資を行って事業を拡大していく戦略もあります。

しかしながら、相続税対策でアパートやマンションの建築を検討している方にとっては、物件を長期的に保有する前提と長い間減価償却し続けられるメリットがかみ合いやすいです。

4階建てマンションを建てるデメリット

建築する賃貸物件に4階建てのマンションを選択するデメリットは以下の通りです。

  • 建築コストが高い
  • 消費税納税義務が生じやすい

建築コストが高い

4階建て以上の建物は、「安心して住める基準」を満たすためのコストが2階建て・3階建ての建物よりも高くなります

木造2×4工法で建てられる木造2階建て・3階建てアパートに比べて、鉄骨造・鉄筋コンクリート造(RC造)のアパート・マンションの建築費の坪単価は高くなります

また、準防火地域でも必ず「耐火建築物」として建築しなければなりません。

4階建てであればエレベーターの設置されていない賃貸物件もありますが、エレベーターを設置するのであればその分の費用がかかります。

マンション建築のための資金はアパートローンから調達できますが、借入金額が高額になるほど、経営が上手くいかなかったときのリスクは大きくなることに留意しておかなければなりません。

消費税納税義務が生じやすい

年間の家賃収入が1,000万円を超える場合、消費税の納税義務が生じます

前々年の課税売上高が1,000万円を超える個人事業者は「消費税の課税事業者」に該当し、手続きを行って消費税を納税しなければなりません。

なお、開業から2年間は前々年の売り上げがないため免税事業者になりますが、3年目以降は消費税の納税義務を負うことになります。

4階建てのマンションは3階建てまでのアパート・マンションに比べて十戸数が多くなるため、年間の家賃収入が1,000万円を上回りやすいです。

課税事業者となった場合は経理上の手続きも必要になってくるため、副業として賃貸経営をしたい方にとっては、負担になるかもしれません。


どのような賃貸物件を建てて、経営していくのがベストなのかを検討したい方は、是非とも土地活用のプロ達に相談しましょう。

イエウール土地活用」の一括見積なら、実績豊富な企業の建築プランをまとめて取り寄せられます。

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▼活用事例:「Clair 荒町」 活気あふれる地域をリードする5階建ての店舗併用賃貸マンション

エリア宮城県
土地面積(㎡)835.95
延べ床面積(㎡)1387.72
工法プレハブ工法 重量鉄骨ラーメン構造
ゆったりとした1LDKを中心に、女性視点の設備や内装を採用。働く女性入居者をメインターゲットに、暮らしやすさを考えた賃貸マンション。もしもの時にも役立つよう充電設備や水、ヘルメット等を備蓄した防災庫も設置しています。(パナソニック ホームズ株式会社の土地活用事例)

4階建てマンションを建築できるか確認する方法

4階建てのマンションは、おおよそ12m程度の高さがあります。

建物の建築には様々な規制があり、マンションを建てたい土地によっては、希望する規模のマンションが建築できない可能性があります。

以下の4つのポイントを確認すると、ご自身の土地で4階建てのマンションを建築できるかを調べられます。


  • 用途地域
  • 建ぺい率と容積率の制限
  • 接道義務を満たしているか
  • 自治体の条例など

用途地域を確認する

市街地の土地には「用途地域」というものが設定されています。これは、都市開発を計画的におこなったり、住宅地の環境を整備するために、各自治体が設定しているものです。

「第一種低層住居専用地域」ならびに「第二種低層住居専用地域」の土地は、低層住宅の街並みを保全するために、建築物に対して絶対高さ制限が設けられています。高さ10mまたは12mまでの建物しか建築できないため、4階建てのマンションの建築は難しいでしょう。

【4階建て規模のマンションを建設できる地域】
  • 第1種中高層住居専用地域
  • 第2種中高層住居地域
  • 第1種住居地域
  • 第2種住居地域
  • 準住居地域
  • 商業地域系
  • 工業地域系(工業専用地域を除く)

ご自身の土地の用途地域の指定は、各自治体のHPや用途地域のマップなどで確認できます

なお、絶対高さ制限以外にも、周辺の日照や住環境を守るために、他にも「斜線制限」や「日影規制」といった高さ制限が設けられています。

用途地域によって制限適用の基準は異なり、制限が緩和される条件もあるため、ご自身の土地にどれくらいの規模の建物が建てられるか知りたい方は、まずは建築会社に相談してみましょう。

建ぺい率と容積率の制限を確認する

土地には、用途地域ごとに更に「建ぺい率」と「容積率」の制限が設けられています。

建ぺい率敷地に対して建物が建っている割合のこと。
60坪の土地に建築面積30坪の建物が建っている場合、建ぺい率は「30坪÷60坪×100=50%」
容積率敷地に対する建物の高さの割合のこと。
60坪の土地に延べ床面積180坪の建物が建っているとき、容積率は「180坪÷60坪×100=300%」

建物を建築する際は、建ぺい率と容積率の両方の制限を満たしている必要があります。

たとえば、建ぺい率80%、容積率300%を上限として建物の建築が制限されている土地の場合、100坪の土地で建てられるマンションの1フロア当たりの建築面積の上限は80坪、延べ床面積の上限は240坪です。

80坪いっぱいに建築して4階建てマンションを建てようとすると、延べ床面積は80坪×4階=320坪になってしまうため、上階の床面積を減らしたり、1フロア当たりの建築面積を減らした設計にする必要があります。

建ぺい率と容積率の制限についても、各自治体のHPや用途地域のマップなどで確認できます

接道義務を満たしているか確認する

接道義務とは、土地と前面道路の接し方に関する規定です。一般的に、建物を建てる土地は幅員4m以上の公道に2m以上の間口で接している必要があります。

マンションは建築基準法上、「特殊建築物」に該当するため、接道する間口の長さに関する規定が、都道府県ごとの条例によって別途設けられていることがあります。

たとえば、東京都では、以下のような規定が設けられています。

マンションの延べ床面積接道する間口の長さ
500㎡以下4m以上
500㎡を超えて1,000㎡以下6m以上
1,000㎡を超えて2,000㎡以下8m以上
2,000㎡を超える10m以上

(※適用の例外もあります。)

なお、前面道路の幅員が4m未満の場合は、セットバックを行う必要があります。

自治体の条例などを確認する

その他にも、各自治体ごとに独自に住宅の建築に関する規制を設けていることがあります。

たとえば、いわゆる「ワンルーム条例」は地域にワンルームマンションが濫立しないようにするために設けられている規制です。

ワンルームマンション経営は、オーナーにとって坪当たりの収益性の高い不動産投資方法です。しかし、地域に単身者向けのワンルームマンションが濫立すると、ファミリー向けの住居が不足してしまうため、各自治体は一定規模以上のマンションを建築する際には、ファミリー向けの住戸の確保や、駐車場や管理人の設置等を義務付けています。

4階建てのマンションはワンルーム条例の適用対象になりやすいため、間取りの設計には工夫が必要です。


ご自身の土地で4階建てのマンションを建てにくい場合は、2階建てのアパートや、3階建てのアパートを建てて経営することを検討してみてください。

また、容積率の制限が緩い場合はより高階層のマンションを建てて、収益アップを狙うこともできます。

マンションの建築に関する規制について更に詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

マンションの建築計画を立てるときに知っておくべき用途地域とは?【基礎から解説】

【マンション建築と建築基準法】建築規制の基礎知識を解説

4階建てマンションの建築費を抑える方法

マンション経営の利回りを高めるためには、マンションの建築費をいかに抑えるかが重要です。

この章では、マンションの建築費を抑える3つのポイントをご紹介します。


  • ハウスメーカーの設計施工一貫方式で建てる
  • 内装・設備をシンプルにする
  • エレベーターを設置しない
  • 複数社から見積もりを取得する

ハウスメーカーの設計施工一貫方式で建てる

マンションの建設方法には、ハウスメーカーに設計から施工まで一貫して行ってもらう「設計施工一貫方式」と、設計は設計事務所、建設工事は工務店に依頼する「設計施工分離方式」の2つの方法があります。

設計施工分離方式の場合、設計料が建築費の5~15%程度かかりますが、設計施工一貫方式であれば、設計料を1~5%程度に抑えることができます

内装・設備をシンプルにする

外観・内装をシンプルなデザインで設計したり、導入する住宅設備のグレードを抑えることも、マンションの建築費を抑える方法です。

凝ったデザインのマンションは設計にも施工にも費用がかかります。

また、トイレや浴室・キッチンといった住宅設備は、グレードによって費用が大きく異なります。

賃貸マンションの設備には強いこだわりのない入居者も多いため、建築するマンションにコンセプトがない限りは、必要最低限の設備を導入してコストダウンを図りましょう。

エレベーターを設置しない

建築基準法では、高さ31mを超える建物に対して、エレベーターの設置を義務付けています。31mは、階数にすると7階から10階程度の高さです。つまり、4階建てのマンションにはエレベーターの設置義務はありません

マンションにエレベーターを設置するとなると、1,000万円ほど費用がかかります。また、年間の維持費もかかり続けます。

  1. さらに、エレベーターを設置する面積も確保しなければならないため、土地あたりの収益性が低下するという側面もあります。

エレベーターがあることで入居者の利便性が増し、客付けしやすくなるというメリットもありますが、4階建てのマンションは「エレベーターを設置しない」という選択を取っている物件も多い規模です。周辺物件と比較しながら、設置の有無を判断しましょう。

複数社から見積もりを取得する

マンションの建設にかける費用を抑えるためには、複数の建築会社に見積もりを出してもらって比較しましょう。

複数社から見積もりを取得することで、建設予定のマンションの規模に対する相場感を掴みやすくなります

相場感を掴めれば、建築会社への建築費の減額提案もしやすくなるため、工事契約を結ぶ前に是非とも複数社に相談するのがおすすめです。

建築会社への見積もり依頼は「イエウール土地活用」の一括見積が便利です。工事請負契約を結ぶまでは無料で利用できるため、是非ご活用ください。

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4階建てマンションで高収益を上げるポイント

4階建てのマンションの建築は、木造2・3階建てアパートの建築に比べて費用がかかるため、リスクが高くなります。

経営がうまくいかなければ、将来的に土地を手放さなければならなくなる恐れもあります。

失敗を避けるためにも、あらかじめマンション経営を成功させるポイントを押さえておきましょう。


  • マンション経営の目的を明確にする
  • 容積率を最大限に消化して設計する
  • エリアのニーズにあった間取りで建てる
  • 競合物件と差別化できるポイントを作る

マンション経営の目的を明確にする

あらかじめ、ご自身がマンション経営をする目的を明らかにしておきましょう。

不動産投資で利益を得る方法については、インターネット上にも様々な言説があふれています。しかしながら、マンションを経営する目的が違えば、マンションの建築や経営の最適解も異なります

たとえば、一般的に賃貸マンション・アパートの間取りは単身者向けのワンルームが最も収益性が高いと言われています。

しかし、所有地の土地にかかる税金の節税を目的にマンション建築を考えているのであれば、1戸の間取りを40㎡以上確保すれば、不動産取得税の軽減措置が受けられることはメリットになるでしょう。住宅にかかる固定資産税についても、4階建てのマンションなら条件を満たせば最長7年間、2分の1に減額されます。

マンションの構造も、節税目的なら償却期間を長く取れるRC造がおすすめです。減価償却によって所得金額を抑えて所得税が節減できる以外に、アパートローンの返済期間を長く取れるというメリットもあります。

一方で、大家業をどんどん拡大していきたい方、売却による出口戦略も視野に入れている方は、鉄骨造で建築して利回りを高めるメリットが大きいでしょう。

容積率を最大限に消化して設計する

賃貸マンションの収益性を高めるには、「容積率を最大限に消化できているか」という視点で建築プランをチェックしましょう。

容積率を最大限に消化して、延べ床面積を多く確保できれば、住戸数を増やしたり、各住戸の専有面積を増やして賃料を上げられるため、家賃収入が上がります。高収益を狙う上では、是非とも押さえておきたいポイントです。

ただし、4階建てのマンションの場合は容積率による制限以外にも、斜線制限や日影規制による高さ制限を受ける場合もあります。所有地に実際にどれくらいの大きさのマンションが建てられるかどうかは、建築プランを請求して相談してみましょう。

エリアのニーズを調査する

マンションの間取りや導入設備を決める際には、エリアの賃貸需要を事前に調査しましょう。

単身者の賃貸需要が低いエリアや、既にワンルームマンションが飽和しているエリアでは、新しくワンルームマンションを建ててもなかなか入居が見込めません。そのため、事前に立地調査をしっかり行って、ニーズに合った設計でマンションを建てる必要があります。

賃貸需要の調査をするには、たとえば周辺物件の空室状況をチェックしましょう。近隣でどんな物件が満室になっているか・空室ができているかを調べることで、どのような間取り・設備の物件が人気なのか、そもそもエリアの賃貸需要が飽和してしまっていないかがわかります

競合物件と差別化できるポイントを作る

マンション建築時には、競合物件と差別化できるポイントをつくることも重要です。

竣工直後のマンションは「新築であること」自体が売りになるため、客付けや家賃設定を有利に行えます。しかしながら、退去が発生した後は新築のプレミアは効力を失います。

そこで、多少コストをかけて競合物件と差別化できるポイントをつくれば、築年数が経過したマンションでも入居率や賃料を維持しやすくなります

たとえば、以下のようなコンセプトのマンションがあります


  • セキュリティ設備に力を入れたマンション
  • リモートワークや趣味向けに防音性を重視したマンション
  • 高速インターネットを利用できるマンション
  • 共用部にリモートワークスペースやカフェスペースを導入したマンション

設備に満遍なくお金をかけるよりも、コンセプトを決めて特化させる方が高い費用対効果を得られます。

また、周辺物件よりも居室が広いというだけでも十分セールスポイントになります。建築プランを決める際には、周辺物件の間取りもチェックしておきましょう。

まとめ

土地にマンションを建ててマンション経営を長期的に行うためには、収益性を確保することが重要です。

マンションの建築費を抑えられれば、融資の借入金額も抑えることができるため、収益を得やすくなります。

ご自身の土地にどのようなマンションを建てるのが適切なのか、まずは土地活用のプロに相談してみましょう。

提案されたプランを複数比較して検討し、マンション経営の成功を目指しましょう。

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