国土交通省によるとこの20年間で空き家が1.9倍も増えていて、今後も増加する見込みと発表し、2023年に法改正を行い、条件によっては空き家の固定資産税が6倍になる可能性がでました。
ニューズをご覧になった方も多いと思いますが、新しく設定された「特定空き家」とは何か、どういった仕組みで、税金による負担を増やさないためには何ができるのか、この記事では紹介していきます。
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空き家の固定資産税や都市計画税がかかる
不動産を所有していると、必ず固定資産税や都市計画税がかかります。
空き家でも例外ではなく、誰も住んでいない家だとしても不動産を所有している場合には固定資産税と都市計画税の納税義務があり、各市区町村から毎年通知される納税額を納めなければいけません。
固定資産税と都市計画税はそれぞれ、次のように計算できます。
課税標準額×1.4%(標準税率)
都市計画税
課税標準額×上限0.3%(制限税率)
軽減措置の対象となる場合の計算方法
ただし、固定資産税等の住宅用地特例を使えば、固定資産税や都市計画税を節税することができます。
この特例の適用条件は「建物が建っていること」なので、空き家にも適用することができます。
特例を利用して軽減税率を適用した場合、国定資産税と都市計画税は、それぞれ次のように計算できます。
固定資産税 | 都市計画税 | |
---|---|---|
更地 | 課税標準額×1.4% | 課税標準額×0.3% |
敷地面積200㎡まで | 課税標準額×1/6×1.4% | 課税標準額×1/3×0.3% |
200㎡を越える部分 | 課税標準額×1/3×1.4% | 課税標準額×2/3×0.3% |
更地より空き家のまま所有している方がお得
固定資産税等の軽減措置をの対象となる条件は、空き家には建物が残っていること。
基本的に「特定空き家」でなければ、固定資産税等の住宅用地特例の軽減措置を受けられるケースが多くあります。
一方で、空き家の管理ができないからと言って空き家を解体して更地にすると、特例は適応されず、追加の費用として解体費用がかかります。
固定資産税は「建物」と「土地」にかかるものであり、更地にするということは、建物にかかるはずの税金は「0円」になると考えると聞こえはいいですが、土地にかかる税率が上がるのと総合的にどちらがお得なのでしょうか。
解体費用は一般的に数十万円から数百万円にのぼり、特に大きな建物や古い建物の場合はさらに高額になることもある点を踏まえると、どちらの選択肢も取れますが、土地にかかる税率が上がるため、基本的には、軽減措置を受けて、空き家のまま維持する方が経済的です。
空き家を放置すると固定資産税が6倍になる可能性がある
なぜ、今空き家の固定資産税は6倍になるという改正が行われたのでしょうか。
国土交通省の発表によると、使用目的のない空き家は、1998年に182万戸だった空き家が、2018年には349万戸にまで増加、この20年間で1.9倍も増えているということがわかりました。
空き家のままの家が増えることで周囲への悪影響を懸念、また有効活動するために、2023年12月13日に「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部が改正」が施行されました。
わかりやすく例えると、2023年の法改正以降、空き家を放置して特定空き家に指定されてしまった場合、空き家の固定資産税は最大6倍になる上に、罰金を科されるというものです。
特定空き家に指定される条件
特定空き家に指定される条件は、次の4つです。
- そのまま放置すると倒壊の危険性がある
- そのまま放置すると衛生上有害となる恐れがある
- 適切な管理がされておらず、周囲の景観を損なう
- 周囲の生活環境を保つために、不適切な状態である
具体的には、次のような状態の家は特定空き家に指定される可能性が高いです。
- 家の一部が損壊している
- ゴミが敷地内にあり、害虫や野良猫などの住処になっている
- 犯罪に使われてしまう可能性がある
このように、ご自身の所有している空き家を管理しきれていない場合には、固定資産税に軽減税率を適用できず、固定資産税が6倍になるリスクがあります。
また、特定空き家に指定された場合には、固定資産税が6倍になる以外にも、50万円以下の過料、行政代執行が課されるリスクがあります。
特定空き家に指定されないためにはどうしたらいい?
特定空き家に指定されない工夫はあるのでしょうか。
方法としては、大きく2つあります。
1つ目は、「空き家の手入れをして管理をする」。2つ目は「空き家を売却や賃貸に出す」方法です。
詳しく説明していきます。
空き家の手入れをして管理をする
特定空き家に指定されないようにするには、空き家を適切に管理する、つまり空き家の手入れをすることが必要です。
具体的には、次のような手入れを定期的に行う必要があります。
- 空き家の窓を開けて換気
- 郵便物の回収
- 建物にひび割れなどがないかチェック
- 庭の草むしりや野良猫のフンの除去
- ゴミの処分(不法投棄等があれば)
空き家は放置期間が長いほど状態が悪くなってしまうので、できれば月に1回は空き家の手入れを行うことが望ましいです。
毎月行くのが難しい場合は、知人や親戚に管理を依頼したり、専門の管理会社に依頼することもできます。
とはいえ、空き家を持ち続ける限り管理コストがかかります。
コストをかけ続けてまで本当にその空き家を維持するのか、今一度見直してみることをオススメします。
空き家を売却や賃貸に出す
空き家を売却や賃貸に出すことで活用するのも、特定空き家に指定されないための有効な手段です。
特に、空き家を利用することで建物が劣化しにくくなり、定期的な利用が建物の維持に役立つためです。
売却や賃貸が難しい場合、地域のコミュニティスペースや期間限定のシェアスペースなどに活用する方法も検討できます。
建物の価値は、築年数によっても大きく変わり、土地の場合はエリアや利便性によって価値が大きく変わります。
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放置している空き家を見直そう
2023年の法改正を機に空き家を放置するリスクがさらに高まりました。
もしあなたが放置している空き家をお持ちであれば、コストを支払ってでも本当にこのまま維持し続けるのか、それとも処分するのかを一度検討してみましょう。
もし空き家の処分を検討しているなら、まずは不動産会社の査定を受けて、今の物件価値を知ることが大切です。
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本当に処分するのかどうかも含めて、一度不動産会社に相談してみてはいかがでしょうか。
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