空き家の放置はNG!6つのリスクと対策4つのメリット・デメリットを解説

空き家の放置はNG!6つのリスクと対策4つのメリット・デメリットを解説

こんにちは、イエウール編集部です。親から相続した実家を、住む予定も使う予定もないまま空き家にしている人は少なくありません。総務省の住宅・土地統計調査によると、2023年10月時点の全国の空き家は900万2千戸です。空き家率は13.8%で、どちらも過去最多・過去最高でした(総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」)。

空き家は、使っていない間も建物が傷み、税金や近所への賠償といった負担が膨らんでいきます。この記事では、空き家を放置したときの6つのリスクと、「売却」「解体」「活用」「管理」の4つの対策を、それぞれのメリット・デメリットとあわせて紹介します。

先読み!この記事の結論
  • 空き家を放置すると、建物の傷み・税金・損害賠償・行政の指導などのリスクが年々大きくなる
  • 対策は「売却する」「解体して更地にする」「貸す・活用する」「管理して持ち続ける」の4つ。費用と手間を比べて選ぼう
  • 使う予定がなく管理も続けられないなら、建物が傷んで価格が下がる前に売却を検討しよう
「家を売りたい」と考えている方へ
  • 「家を売りたいけど、何から始めれば良いのか分からない」という方は、まず不動産一括査定を
  • 複数の不動産会社の査定結果を比較することで、より高く売れる可能性が高まります
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「まずは家を売る基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。

家を売るための基礎知識【完全版】手順、税金、注意点を1から解説!

空き家の売却方法は?費用・税金やその抑え方も解説!

空き家を放置するとどうなる?6つのリスク

空き家は、使っていなくても所有者に管理の責任があります。空家等対策特別措置法でも、所有者は周りの生活環境に悪い影響を与えないよう、空き家を適切に管理するよう努めることとされています。放置したときに起こりやすいリスクは次の6つです。

注意のイラスト

①建物の傷みが進み、売りにくくなる

人が住まなくなった家は、換気や通水がされないため傷みが早く進みます。閉め切った室内に湿気がこもるとカビが生え、柱や床の木材が腐ります。雨漏りやシロアリの被害に気づくのも遅れがちです。

建物が傷むほど修繕費がかさみ、売るときの価格も下がります。「いつか売ればいい」と先送りしている間に、そのまま住める家が、解体を前提にした「古家付きの土地」としてしか売れなくなることもあります。

②固定資産税などの負担が毎年続く

空き家でも、毎年1月1日時点の所有者には固定資産税がかかります。市街化区域にある家なら都市計画税もかかります。すでに自宅を持っている人は、自宅と空き家の両方の税金を払うことになります。

税金のほかにも、水道や電気の基本料金、火災保険料、庭木の手入れや草刈りの費用がかかり、遠くに住んでいれば通うための交通費もかかります。使っていない家のために、こうした出費が毎年続きます。
飛んでいくお金のイラスト

③「管理不全空家」「特定空家」になると税金が上がる

管理されていない空き家は、市区町村から「特定空家」や「管理不全空家」とされ、指導や勧告を受けることがあります。

「特定空家」は、倒壊のおそれがあるなど、周りに深刻な影響を与えている空き家です。2023年12月13日に施行された改正空家等対策特別措置法で、その手前の段階として「管理不全空家」が新設されました。放置すれば特定空家になるおそれがある空き家にも、市区町村が指導・勧告できるようになったのです(国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」を閣議決定)。

どちらも勧告を受けると、土地の固定資産税を安くする「住宅用地の特例」が使えなくなります。特例が外れると、土地の固定資産税は計算上最大で6倍になります。ただし、実際の税額は負担調整があるため、上がるのは最大で約4.2倍程度です。特例の仕組みは「対策②解体して更地にする」で説明しています。

特定空家への対応は、助言・指導→勧告→命令の順に進みます。命令に従わない場合は50万円以下の過料が科され、最終的には市区町村が建物を取り壊す「行政代執行」の対象になります。取り壊しの費用は所有者に請求されます。

国土交通省の調査では、2015年の法施行から2025年3月末までに、特定空家への勧告は4,153件、代執行(所有者が分からない場合の略式代執行を含む)は878件ありました。2023年12月に始まった管理不全空家への勧告も、2025年3月末までに378件出ています(国土交通省「空き家対策に取り組む全国の市区町村の状況について(令和7年3月31日時点調査)」)。

空き家問題の解決策|放置リスクと活用方法を徹底解説

④倒壊や瓦の飛散で損害賠償を負うことがある

台風のイラスト
台風で飛んだ瓦が隣の家や車を傷つけたり、古いブロック塀が倒れて通行人がけがをしたりすると、空き家の所有者が損害賠償を求められます。建物や塀などに欠陥があって他人に損害を与えた場合、所有者は自分に過失がなくても責任を負うと民法で定められているためです(民法717条の工作物責任)。

地震や豪雨、台風は、どの地域の空き家にも起こりうる災害です。保険で備える方法もありますが、その保険料も空き家のためにかかる費用です。

⑤放火・不法侵入・ごみの不法投棄を招く

人の出入りがない家は、放火や不法侵入、ごみの不法投棄の標的になりやすくなります。伸びた庭木や雑草が道路にはみ出したり、ネズミや害虫がすみついたりすると、近所から苦情が来ることもあります。
ゴミ出しのイラスト
荒れた空き家は、周りの家の資産価値にも影響します。家を探している人が、気に入った家の隣にごみのあふれた空き家を見つけたら、購入をためらうはずです。

⑥相続登記をしないと過料の対象になる

窓口で書類のやりとりをする様子2024年4月1日から、相続で不動産を取得したら、名義を相続人に移す登記(相続登記)をすることが義務になりました。相続で取得したことを知った日から3年以内に登記をしないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象になります。2024年3月以前に相続した不動産も対象で、2027年3月31日までに登記が必要です(法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」)。

空き家を売るときも、先に相続登記で名義を自分に移しておく必要があります。どの対策を選ぶにしても、まず名義を確かめておきましょう。

空き家の対策4つとメリット・デメリット

空き家の対策は「売却する」「解体して更地にする」「貸す・活用する」「管理して持ち続ける」の4つです。まずは表で違いを比べてみましょう。
対策メリットデメリット向いている空き家
①売却する管理と税金の負担がなくなり、まとまったお金が入る家を手放すことになる。古い家は売れるまで時間がかかることがある使う予定がない、管理を続けられない
②解体して更地にする倒壊や放火のリスクがなくなる。土地として売りやすくなる解体費用がかかる。土地の固定資産税が上がる建物が傷んで住めない
③貸す・活用する家賃などの収入が入り、家を手元に残せるリフォーム費用や、入居者への対応の手間がかかる賃貸の需要がある場所にあり、建物の状態がよい
④管理して持ち続ける将来自分や家族が使うときに備えられる税金や管理の費用が毎年かかり続ける数年以内に使う予定がある

ここからは、4つの対策をひとつずつ説明します。

対策①売却する

不動産売却の相談に親身に応じるスーツ姿のスタッフ使う予定のない空き家なら、売却すると管理の手間と税金の負担がまとめてなくなります。建物の状態がよければ「そのまま住みたい」という買い手が見つかりますし、傷んでいても、買い手が解体する前提の「古家付きの土地」として売る方法があります。

売却のメリット

  • 固定資産税や管理の費用、損害賠償などのリスクがなくなる
  • 売却代金を受け取れ、相続人どうしで分けやすい
  • 相続した空き家なら、条件を満たせば税金を軽くする特例(後で説明する3,000万円特別控除)が使える

売却のデメリット

  • 実家や思い出のある家を手放すことになる
  • 古い家や地方の家は、買い手が見つかるまで時間がかかることがある
  • 仲介手数料や登記の費用がかかり、売却で利益が出れば所得税・住民税もかかる

仲介で売るか、買取業者に売るか

売り方には、不動産会社に買い手を探してもらう「仲介」と、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」があります。仲介では一般の人が買い手になりますが、売り手としては、プロの買取業者に買い取ってもらう選択肢もあります。ここでは双方のメリット・デメリットを比べてみましょう。

業者が買う(買取)一般の人が買う(仲介)
価格×安い○高い
融資 or 現金○現金決済×ローンを使う
決済スピード○早い×時間がかかる
契約不適合責任○不要×必要(特約で回避可)
仲介手数料○不要×必要
プライバシー○秘密裏に売却可能×ご近所に知られるかも
買取のメリットは、早く確実に現金にできることです。一般の買い手の多くは住宅ローンを使うため、融資の審査に時間がかかり、審査に通らなければ売却活動はやり直しになります。買取なら広告を出さずに売れるので、近所に知られずに手放すこともできます。

一方で、買取の価格は相場より安くなるのが一般的です。買取業者は買い取った家をリフォームしたり建て替えたりして売り、その利益を見込んで価格を決めるためです。「安くてもすぐ現金にしたい」なら買取、「時間がかかっても高く売りたい」なら仲介と、優先したいことで選びましょう。

なお、売却価格が800万円以下の空き家は、仲介手数料が通常の計算より高くなることがあります。2024年7月1日から、この価格帯では、仲介手数料の上限が現地調査などの費用を含めて30万円(税込33万円)まで引き上げられたためです。安い空き家でも不動産会社が引き受けやすくするための見直しで、金額は媒介契約を結ぶ前に説明を受け、合意したうえで決まります(国土交通省「不動産業による空き家対策推進プログラムについて」)。

空き家の売却を考えているなら、まずは一括査定で今いくらで売れるのかを確かめましょう。複数の会社の査定額を比べると、空き家の相場がつかめます。

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対策②解体して更地にする

空き家を重機で解体している様子建物が傷んで住めない空き家は、解体して更地にする方法があります。建物がなくなれば、倒壊や放火、不法侵入の心配はなくなります。更地なら買い手が建てたい家を自由に建てられるため、土地として売りやすくなる場合もあります。

解体のメリット

  • 倒壊・放火・不法侵入などのリスクがなくなる
  • 換気や修繕など、建物の管理が要らなくなる
  • 更地として売りやすくなり、駐車場などにも使いやすくなる

解体のデメリット

  • 解体費用がかかる(木造30坪で100万円前後が目安)
  • 土地の固定資産税・都市計画税が上がる
  • 道路に接していないなど再建築ができない土地では、一度壊すと新しく家を建てられない

解体費用の目安

解体費用は「1坪あたりの単価×延床面積」でおおよそ計算できます。1坪あたりの目安は、木造で3万〜4万円、鉄骨造で4万〜6万円、鉄筋コンクリート造で5万〜8万円です。延床30坪の木造住宅なら、建物本体の解体だけで90万〜120万円ほどになります。

ブロック塀や庭木、物置の撤去や、家の中に残った家具などの処分には別に費用がかかります。前の道が狭くて重機が入らない場合は、さらに高くなります。正確な金額は、複数の解体業者から見積もりを取って確かめましょう。

自治体によっては、古くて危険な空き家の解体に補助金を出しています。多くの制度は工事の契約前に申請が必要なので、解体を決めたら先に市区町村の窓口で確かめましょう。

関連記事:家の解体費用の相場はいくら?金額の決まり方まで解説

更地にすると固定資産税が上がる

建物を解体すると、土地の固定資産税・都市計画税を安くする「住宅用地の特例」が使えなくなります。住宅が建っている土地は、次のように税金の計算のもとになる額(課税標準)が小さくなっているからです。
区分面積固定資産税の課税標準都市計画税の課税標準
小規模住宅用地住宅1戸につき200平方メートルまで価格×1/6価格×1/3
一般住宅用地住宅1戸につき200平方メートルを超えた部分価格×1/3価格×2/3
更地(住宅が建っていない土地)―特例なし特例なし

税率は、固定資産税が1.4%、都市計画税が0.3%です(東京23区の場合。東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」)。特例が外れると、土地の固定資産税は計算上最大で6倍になります。ただし、実際の税額は負担調整があるため、上がるのは最大で約4.2倍程度です。固定資産税は毎年1月1日時点の土地の状況で決まるので、解体すると翌年度の税金から上がります。

だからといって「税金が上がるから、解体せずに放っておこう」とは考えないでください。リスク③で説明したとおり、管理不全空家や特定空家として勧告を受ければ、建物が残っていても特例は外れます。

空き家の固定資産税が6倍になる可能性が!法改正の理由や納税の仕組みを紹介

解体したあとの土地は、売るほかに、駐車場などに使う方法もあります。駐車場の需要がある場所なら、解体費用を賃料で取り戻せる場合もあります。
駐車場のイラスト

対策③貸す・活用する

家を手放さずに収入を得たいなら、賃貸住宅などとして貸し出す方法があります。親から相続した家は住宅ローンを払い終えていることが多く、家賃がそのまま収入になりやすいのも利点です。

袋とお金のイラスト

活用の方法には、次のようなものがあります。

  • 一戸建ての賃貸住宅として貸す
  • 個室ごとに貸すシェアハウスにする(法人の社員寮として一棟ごと貸す方法もある)
  • イベントスペースやレンタルスペースとして時間単位で貸す
  • 建物を解体して、賃貸住宅を建て直す

話し合うイラスト

活用のメリット

  • 家賃などの収入が入り、固定資産税や管理の費用をまかなえる
  • 人が使うことで換気や掃除がされ、建物が傷みにくくなる
  • 実家を手元に残せ、将来自分や家族が使うこともできる

活用のデメリット

  • 古い家は、貸す前にリフォームが必要になることが多い
  • 入居者の募集、設備の故障、家賃の滞納などへの対応が必要になる
  • 家賃収入は不動産所得になり、確定申告が必要になる
古い空き家は今の賃貸需要に合わず、そのままでは借り手がつかないことがよくあります。水回りの交換や耐震補強などの大きなリフォームが必要になれば、工事費は数百万円単位になります。

貸し始めてからも、設備の修理や、退去したあとの原状回復、入居者を探すための広告費など、突然の出費があります。管理会社に任せれば入居者への対応の手間は減りますが、管理手数料がかかります。

電話がかかってきているイラスト

【事例】空き家を活用している人の例

ここで、実際に空き家を活用して収入を得ている例を見てみましょう。

ケース1:

会社員のFさん(40代)は千葉県にある実家を相続して、その活用方法に頭を悩ませていました。

当初はそのまま賃貸に出すことを考えましたが、家が広すぎて核家族のニーズを満たしておらず、建物や水回りも老朽化して賃貸需要が弱いと判断して、建物は解体することに。一度更地にした敷地に、新たに戸建2棟を建てました。

2棟とも賃貸に出して、上場企業の転勤族をターゲットに入居者を募集。狙い通りの入居者が入り、地域の賃料相場よりも高い賃料で貸しに出せました。建設にかかった費用は賃料で回収し、将来的には自分で住むことも視野に入れています。

ケース2:

会社員のHさん(40代)はWebサイトで見つけた23区内の空き家を投資目的で購入。

再建築不可の物件だったため融資付けに苦労したものの、周辺相場より安く購入できました。Hさんは物件価格以上のリフォーム予算を投じて5LDKの空き家をシェアハウスに全面改装。

管理が大変そうなイメージのあるシェアハウスですが、社員寮として使いたい法人に一棟貸ししているので手間はほとんどかかりません。

リフォームの過程や家具家電の設置では苦労もあったようですが、現在は満足のいく収益を得られています。

リフォームした家のイラスト

ケース3:

神奈川県在住のSさん(30代)は、かつて祖父母が住んでいた戸建てを改修して住んでいます。

一人暮らしをするには広すぎる戸建てに対して、Sさんはリノベーションで2階を自宅に、1階をイベントスペースにコンバージョンすることにしました。

イベントスペースはスペースマッチングサイトを通じて貸しに出したり、知り合いによるさまざまなイベントが企画されたり、一人暮らしでありながら賑やかな週末を過ごしています。

こうした例のように、賃貸の需要がある地域の空き家や、少ないリフォームで貸し出せる空き家なら、賃貸経営の収支が合う可能性があります。反対に、家賃相場が安い地域の空き家や、大がかりな改修が必要な空き家は、かけた費用を家賃で取り戻すのが難しくなります。貸すかどうか迷うときは、リフォーム費用を家賃で何年かけて回収できるかを計算してから決めましょう。

対策④管理して持ち続ける

数年以内に自分や家族が住む予定があるなら、きちんと管理しながら持ち続ける方法もあります。売るか貸すか決めきれない間も、管理を続けていればリスクを抑えられます。

空き家の管理でやっておきたいのは、次のようなことです。

  • 定期的に窓を開けて換気し、水道の水を流す
  • 雨漏りや、外壁・屋根のはがれ、塀のぐらつきがないか見る
  • 庭木の剪定や草刈りをする
  • 郵便受けをこまめに空にし、人の出入りがあることを見せる

遠くに住んでいて通えない場合は、見回りや換気を代わりにしてくれる「空き家管理サービス」を使う方法があります。不動産会社や警備会社、NPO法人などが行っているので、料金と内容を比べて選びましょう。

管理して持ち続けるメリット

  • 実家を残したまま、使い道をゆっくり考えられる
  • 将来、自分や家族が住むときにすぐ使える

管理して持ち続けるデメリット

  • 固定資産税や管理の費用が、使わない間もかかり続ける
  • 管理していても建物は年々古くなり、売るときの価格は下がっていく
  • 所有者が亡くなると、次の世代が空き家の問題を引き継ぐことになる
「いつか使うかもしれない」というだけで持ち続けると、費用とリスクだけが積み上がりがちです。使う時期が決まっていないなら期限を決め、それまでに使わなければ売るか貸すと決めておきましょう。

どの対策を選ぶ?状況別の目安

迷ったときは「自分や家族が使う予定があるか」「管理を続けられるか」「賃貸や売却の需要がある場所か」の3点で考えると決めやすくなります。
空き家の状況おすすめの対策
使う予定がなく、管理も続けられない①売却する
建物の傷みがひどく、そのままでは住めない①古家付きの土地として売る、または②解体して土地を売る
賃貸の需要がある場所にあり、建物の状態がよい③貸す・活用する
数年以内に自分や家族が住む予定がある④管理して持ち続ける

どの対策を選ぶにしても、まずは空き家が今いくらで売れるのかを知っておくと判断しやすくなります。売った場合の金額が分かれば、貸したときの家賃収入や、持ち続けたときの費用と比べられるからです。税金の扱いは税理士に、売却や活用の見通しは不動産会社に相談しましょう。

売れない・使い道がない空き家の手放し方

地方の空き家や古い空き家は、不動産会社に相談しても買い手がなかなか見つからないことがあります。その場合は、次の方法も検討しましょう。

空き家バンクに登録する

空き家バンクは、空き家を売りたい・貸したい人と、使いたい人を自治体がつなぐ仕組みです。移住先を探している人などが物件を探しています。全国の空き家バンクの物件は、国土交通省が選んだ2社が運営する「全国版空き家・空き地バンク」でまとめて探せます(国土交通省「空き家・空き地バンク総合情報ページ」)。登録のしかたは、空き家のある市区町村の窓口で確かめましょう。

相続土地国庫帰属制度で国に引き取ってもらう

相続した土地は、一定の条件を満たせば国に引き取ってもらえます。2023年4月27日に始まった「相続土地国庫帰属制度」です。

ただし、建物がある土地は申請できないため、空き家は解体して更地にする必要があります。土壌が汚染されている土地や、境界がはっきりしない土地なども対象外です。申請には土地1筆あたり14,000円の審査手数料がかかり、承認されると10年分の管理費用にあたる負担金を納めます(法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」)。宅地の負担金は原則20万円で、市街化区域などにある宅地は面積に応じて計算されます(法務省「相続土地国庫帰属制度の負担金」)。

解体費用と負担金がかかるので、まずは売却や空き家バンクで手放せないかを試し、それでも難しいときの手段と考えておきましょう。

相続した空き家を売るなら「3,000万円特別控除」を確かめよう

親が一人で住んでいた家を相続して売る場合、条件を満たせば、売却の利益(譲渡所得)から最高3,000万円を差し引けます。「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」と呼ばれる制度で、2027年12月31日までの売却が対象です。

主な条件は次のとおりです。

  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家であること(マンションなどの区分所有の建物は対象外)
  • 相続の直前まで、亡くなった人以外に住んでいる人がいなかったこと(老人ホームなどに入っていた場合も、条件を満たせば対象)
  • 相続してから売るまでの間、住んだり、貸したり、事業に使ったりしていないこと
  • 相続が始まった日から3年を経過する日が属する年の12月31日までに売ること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 耐震基準を満たすようにリフォームしてから家ごと売るか、家を取り壊してから土地を売ること(2024年1月1日以降の売却は、売った年の翌年2月15日までに耐震改修や取り壊しをすれば対象)

2024年1月1日以降の売却で相続人が3人以上いる場合は、控除できるのは1人あたり2,000万円までです。特例を使うには、空き家のある市区町村から「被相続人居住用家屋等確認書」を受け取り、確定申告をする必要があります(国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」)。

相続したあとに貸したり自分で住んだりすると、この特例は使えなくなります。「しばらく貸してから売ろう」と考えている人は、貸す前に特例が使えるかどうかを確かめておきましょう。

まずは空き家の価値を知ろう

お金のイラスト売るにしても貸すにしても、まずは空き家がいくらで売れるのかを知ることから始めましょう。価格を知るには、不動産会社に査定を依頼します。

査定額は不動産会社によって違うため、複数の会社に頼んで比べるのが基本です。一括査定サイトを使えば、一度の入力で複数の会社に査定を依頼できます。

「簡易査定」と「訪問査定」を使い分けよう

査定には、物件の情報だけで価格を出す「簡易査定」と、担当者が現地を見て価格を出す「訪問査定」の2種類があります。とりあえずいくらで売れるか知りたい方は簡易査定を、具体的に売却することが決まっている場合は訪問査定と使い分けましょう。空き家は建物の傷み具合で価格が大きく変わるので、売ると決めたら訪問査定で確かめるのがおすすめです。

「イエウール」なら、全国2,500社以上の提携不動産会社の中から、空き家のある地域に対応した会社を選んで査定を依頼できます。査定依頼に必要な情報入力は60秒ほどで終わります。

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まとめ:空き家は傷む前に対策を決めよう

空き家を放置すると、建物の傷み、税金、損害賠償、行政の指導、相続登記の過料といったリスクが年々大きくなります。2023年12月の法改正で「管理不全空家」が新設され、倒壊しそうになる前の段階でも税金が上がる可能性が出てきました。

空き家の対策は、次の4つです。

  1. 売却する:管理と税金の負担がなくなる。早く現金にしたいなら買取も選べる
  2. 解体して更地にする:倒壊などのリスクはなくなるが、解体費用と土地の税金が上がる点に注意
  3. 貸す・活用する:収入が入るが、リフォーム費用と入居者への対応の手間がかかる
  4. 管理して持ち続ける:使う予定があるなら有効。使う時期を決めておく

使う予定がなく、管理も続けられないなら、建物が傷んで価格が下がる前に売却を検討しましょう。相続した空き家なら、3,000万円特別控除が使えるかどうかもあわせて確かめておくと安心です。

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