分譲マンションの建て替え費用は住民も負担します。建て替え費用は相場で1戸1,000万円かかります。
ただし、反対する住民が多い傾向にあり実際に建て替えが進むケースは少ないです。建て替えに賛同できない場合や、立ち退いたり売却したりする選択肢もあります。
分譲マンションの建て替え費用は住民も負担する!
分譲マンションを建て替える場合、住民が費用を負担すべきかどうか気になるところです。ここでは、建て替える理由や費用内訳について解説していきましょう。マンションにも寿命がある
マンションにも寿命があり、国土交通省では、60年を建て替え基準としていますが、本来、建物自体の定期的保全工事が行われていればそれ以上保つことが可能です。
ただし、電気・水道・ガスなどのライフライン保全が健全でなければ、建て替える必要性が出てくるのです。また、耐震性が低いマンションは、ここ最近頻発している地震対策として建て替えを検討することになります。
たとえば、1960年代から一般家庭として普及したマンションは、築30年程度で建て替えるケースが増加。老朽化とともに、耐震設備など重要視してこなかった時代に建てられたマンションでは、危険性が高まるので建て替えを検討しています。
マンションは居住者の資産
マンションを購入したという時点で、居住者はそのマンションの一部が資産となります。そのため、建て替えるときも、その費用を負担しなければいけません。購入した時から「資産価値」がうまれ、その価値にみあった費用を住民で分担するのです。- やっぱり住人が建て替え費用を負担しなきゃいけないんだ…
建て替え費用の相場・内訳
分譲マンションの建て替え費用は、資産価値などにもよりますが、基本的相場として1戸1,000万円程度。そのほかにも、建築中に出て戻る2回の引っ越し費用・仮住まい中の賃貸料金なども加算されるため、総額1,400万円とみたほうがよいでしょう。マンション建て替えのおもな費用内訳は、解体費用・建築費用・設計費用・事務経費・借入金の利息などです。つまり、居住者による分譲マンションの建て替え費用はかなりまとまった金額となり、マンションを購入する時点でそのことを考慮したうえで検討しなければいけません。
- 1000万円以上もするんだ!急にこんな費用用意できるか心配だなぁ
- そんな時は今のうちからマンションの売却も検討しておくべきじゃ!
マンションの売却を少しでも検討しているのであれば、「自分のマンションがいくらで売却出来そうか」を把握しておきましょう。
そのためには、不動産会社から査定を受ける必要があります。「イエウール」なら不動産会社に行かずとも自宅で24時間申し込みが可能です。自分のマンションに適した不動産会社を紹介してくれるので、膨大な不動産会社の中から選ぶ手間も省くことができます。
まずは、自分の物件種別を選択してから査定依頼をスタートしてみましょう!査定依頼に必要な情報入力はわずか60秒で完了します。
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建て替えだけじゃない!売却という選択肢も持っておこう
分譲マンションを持っている方は「売却」という選択肢も検討しておきましょう。- なんで売却も検討した方がいいの?
下記のグラフをご覧ください。
現在右肩上がりのマンション価格ですが、今後は下がることが予想されています。
一般財団法人 日本不動産研究所 2018/9/27プレスリリースより
マンションの価格水準は、2020年の東京オリンピック前後がピークと予測されています。
こちらは日本不動産研究所による新築マンションの価格予測ですが、東京23区内の新築マンションでさえ、2020年以降はマンション価格の下落が予測されています。
- えっ!マンションの資産価値は落ち始めるんだ…
- 逆に言うと、今が一番資産価値が高いということじゃ!
あなたが既にマンションを持っていたら2020年までにマンションの売却を検討すべきなのです。
まだ売却する気がない方でも少なくとも、今が一番マンションが高く売れやすい時期なので
今のうちにマンションの売却価格だけでも調べておくとよいでしょう。
- たしかに自分のマンションが、いくらの価値があるのかは気になるなぁ!
- 今だと特に高額の価値がつく可能性が高いので、調べて損はないじゃろう!
マンションの売却額を調べるなら査定を依頼しよう
不動産会社の売却額は同じマンションでも部屋によって異なります。部屋の状況や階数、日当たりなどによって価格は左右されます。そのため、同じマンション内の売り出し中の物件価格を見ただけでは参考程度の価格しか分かりません。
自身の部屋の売却額を知りたい場合は、自分の部屋の価格を調べてもらう他に方法はありません。自分の部屋の価格を調べる際には不動産会社の査定が良いでしょう。マンションを含め不動産の価格を知る方法はいくつかありますが、売却相場を知りたい場合最も適切なのは不動産会社の査定です。
ただし、不動産会社の査定には国が定めた明確なルールなどがないため各社によって査定結果が異なります。不動産会社の査定を行う場合は、正確な売却相場を知るために複数社の査定結果を取り寄せて比較しましょう。
査定結果を比較することで、売りたい部屋の価格の幅や平均である売却相場が分かります。
複数社に査定依頼を出す際には、一括査定サービスのイエウールを使うと良いでしょう。イエウールなら一度の申し込みで複数社に査定依頼を出せますし、24時間依頼の受付を行っているので、貴重な休日の時間を不動産会社のハシゴなどに使う必要もありません。
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分譲マンションの建て替えは進まないことが多い
管理組合でマンションの建て替えを検討しても、実行されることが少ないのが現状です。その理由について挙げてみましょう。反対する住民が多い
分譲マンションを建て替えるときは、居住者の意見を聞いてから検討することになります。一定数の賛成(100戸のマンションであれば80戸が賛成する)が必要になり、それ以下になると建て替えが望めません。反対者が多い以上建て替えることができず、年数が経過するうちに老朽化してしまうマンションが増えているのが現状。2014年国土交通省資料によると、全国で建て替えが検討されているにもかかわらず、実行されているのは230物件程度です。
逆に築50年以上のマンションは全国で5万戸もあります。また、耐震性において重要視されておらず、震度7にも耐えることができる基準が制定されるまえに建てられたマンションが全国で106万戸も存在。マンションの老朽化として社会問題となっています。
高齢者による経済面の問題
年金暮らしの高齢者にとって1,000万円以上の費用はかなり負担となり、払えない人もでてくるでしょう。若い世代は戸建てや新しいマンションに転移する場合が多く、老朽化したマンションの大半は高齢者が残ります。これだけの費用を負担できる世帯は何割かいると想定しても、全体の8割以上がそれに該当することは現実的ではありません。1,000万円はあくまでも目安であり、立地条件などによる資産価値によっては2,000万円以上、プラスして引っ越し費用と仮住居の賃貸費用などでハードルはかなり高くなります。
- 建替えがほぼ実行されない
- 築50年以上は耐震性不十分
- 高齢者の経済問題
分譲マンションが建て替えされるまでの流れ
マンションが建て替えられるまでにはさまざまな工程があります。ここでは4つの段階を順を追って解説します。建て替え準備を検討する段階
分譲マンションを建て替えすべきかどうか検討する段階です。築30年以上の建物は老朽化が進み、住み続けるのが困難になってきます。そこで管理組合により、建て替えをすべきかどうか正式に検討。本格的に建て替えをしたいことになったら理事会にはたらきかけます。そして集会決議にて「建て替え再生」が決定してから、管理組合内に検討組織を設置。そこで本当に建て替えが必要なのかどうかを検討していくことになります。
建て替えを本格的に検討する段階
分譲マンションの建て替えをしたいといった意見がでて、その実現に向けて本格的に検討する段階です。ここでは、建て替えのほかに「修繕」といった意見もあり、どちらがよりよい選択であるかを判断していきます。管理組合のあいだでは専門的知識がないため、マンション再生のスペシャリスト参加のうえ、あらためて意見交換を行っていくのです。耐震的な問題点がない場合は、修繕が検討されます。「小規模修繕」と呼ばれ、外壁塗装・鉄部塗装・屋上防水工事・給水管工事・排水管工事などがこれに該当します。
建て替えと比べて費用が抑えられるので、居住者による負担が軽減されるため、賛同されやすくなります。専門家の意見が重要視され、ここで本格的に建て替えが決定されるのです。
具体的なマンション建て替え計画の段階
分譲マンションの建て替えが決まると、そこから具体的な計画段階に進みます。どんな外装デザインのマンションなのか、どんな間取りになるのかなど明確な計画を作成。管理組合側だけの意見ではなく、マンション住民との面談を行ったうえで、要望や問題点などを参考に実現可能な計画を練っていきます。たとえば、「バルコニーがほしい」「今の間取りを変えないでほしい」といった希望があるときはこの時点で伝えておくようにしましょう。具体的な計画案が決まったら建て替え決議を実施。この計画案をもとに住民の5分の4以上の賛同を得られた場合、建て替えすることができます。
実際にマンション建て替えをする段階
建て替え決議が通って、実際にマンション建て替えを行う段階です。マンション建て替え組合を設置して、所有者の持ち分決定や住宅ローンの抵当権の引き継ぎをします。抵当権とは、住宅ローンなどでお金をかりたときに、家と土地を担保にすること。もしもローン返済が困難になったときに、これらの資産をとりあげるといった契約になります。分譲マンションでローンが残っている場合は、この抵当権が発生し、建て替えのときに引き継がれるのです。そしてここからマンションの建て替え工事が開始。
完成してから借住まいをしていた居住者が再入居します。費用だけでなく日数もかかってくるので、中には、引っ越しを検討する人もいます。建て替え費用と仮住まいを含めた準備期間を考慮したうえで賛同するかどうか決定しましょう。
- 建て替えか修繕か検討
- 5分の4以上賛同が必要
- 仮住まいを考慮する
分譲マンションの建て替えに賛同できない場合は
マンションの建て替え費用を出せないときは、他の選択枠もあります。どんな解決方法があるのか、見ていきましょう。立ち退くことも一つの選択
分譲マンションを購入したからといって必ずしも建て替えで戻る必要はありません。立ち退くという選択枠もあります。なぜなら、建て替えには1戸あたり1,000万以上の費用を負担することになるからです。これだけまとまった金額を支払える経済力がなければ、マンションに居続けることができません。今住んでいるマンションの住戸を売却して、中古マンションを購入する人も増加しています。最初にマンションを購入する段階で、のちのちの建て替え費用について検討しておかなければ、こういった問題が起こるのです。
ただし、高齢者の場合、「高齢者向け返済特例制度」があります。これは、60歳以上の人を対象とした制度で、1,000万円まで融資、毎月の支払いは利息のみで元金は本人が死亡したあとに住宅・敷地を処分して支払うか相続人が一括返済。こういった制度を考慮したうえで、建て替えマンションに戻るか立ち退くかを検討しましょう。
売却するときの4つのポイント
ポイント①価格の相場を把握する
マンションを売却する一番のポイントは、価格です。一体どれくらいで売れるのか、購入した金額と大差はないかなど気になる点は多いでしょう。まずは価格の相場を把握。売却しようと思っているマンションと同じ立地条件のマンションはいくらぐらいで販売されているのか調べてください。まず、新聞にはいっている築何年の中古マンションの売買折り込みをチェックしてみましょう。築年数が近いマンションの販売価格と相場などから売却価格を算出してください。
ポイント②よりよい不動産会社を探す
二つ目のポイントは、よりよいパートナーとなってくれる不動産会社を探すことです。自分ひとりではなかなか見つけることができない中古マンション購入者を不動産会社が仲介してくれます。ここで注意すべき点は、会社の規模で決めないこと。大規模な会社だからといって必ずしもよいというわけではありません。小規模でも地域密着型の不動産会社であれば、その土地に詳しく、本当に欲しいと思っている希望者を紹介してもらえるのです。もちろん、よい不動産会社を見つけるために、自分で調べることも大事な要素。一括査定でそれぞれの不動産会社の特徴を知っておきましょう。
ポイント③アピールポイントを考える
マンションを売却するとき、買いたい人を探すために広告に載せます。そのときのアピールポイントによって、よりよい金額での売却になるかどうか決まるのです。キレイな室内や共有施設・エントランスなどは希望者にとっては魅力的な存在。また、充実した公共施設や学校・病院・公園などが近いこともアピールポイントになります。これから売りたいと思っているマンションの魅力について、再確認してみましょう。
ポイント④室内をキレイにしておく
マンションを売りたいと思ったときから、室内をキレイにしておきましょう。広告には室内写真を掲載しますが、写真だけでは分からない部分もあるため、実際に出向いてチェックされることになります。そのときにカビくさかったり、汚れていると購入意欲も減退してしまいます。事前に掃除などをしっかり行い、内覧当日はきちんと換気するようにしてください。とくにバルコニーは見たい人も多く、汚れているだけで買いたい気持ちもうせてしまうので、抜かりなく徹底的に掃除をしましょう。
- 立ち退くことも選択肢
- よい不動産会社を選ぶ
- 室内をきれいに保つ
分譲マンションを買う時は管理状態を見よう
今住んでいるマンションを売って、中古マンションを購入するときは必ずチェックすべき箇所があります。どこを確認すべきかどうか見ていきましょう。管理状態で中古マンションの良し・悪しが決定する
駅や病院・ショッピングモールが近いなど立地条件がよくても、建物自体の管理体制が悪いとイメージが半減。エントランスはゴミだらけ、中庭は手入れがされずに雑草が生い茂っているような環境では決して住みごこちがよくありません。また、建物自体の老朽化がすすみ、耐震対策が十分に行われていない場合、これから長く住みつづけるうえで不安がついてまわります。これでは買った意味がないので、管理状態はとても重要なのです。
良い管理状態である一例
エントランスがキレイ
エントランスは住民だけでなく多くの人が出入りする場所。ゴミが落ちていたり、集合ポストにチラシが散乱しているような状態は決してキレイといえません。きちんとした管理体制がされていないと評価されます。ゴミ置き場・駐輪場がキレイ
汚れが目立つごみ置き場の状態チェックも必要。収集車によって回収されなかったゴミの破片などが散乱しているときは、すみやかに掃除がされているのかどうか確認しましょう。また、駐輪場では、きちんと所定のところにバイクや自転車が置かれていることで、住人のマナーが確認できます。管理費・修繕積立金が相場内
管理費などできるだけ維持費を抑えたいと思いますが、あまり安すぎるのも将来的に不安です。管理費の平均水準は1平米あたり180~200円程度。プラス修繕積立金が1戸あたり80万~100万円となるので、この範囲内のマンションが理想でしょう。修繕積立金とは、その名のとおり、マンションの修繕工事などに使う費用のことで、毎月決まった額を住民から徴収して、将来大規模な修繕工事のために積み立てておきます。
- 管理状態をチェック
- 共有部分もきれいか?
- 管理費が安すぎも注意
事前に分譲マンションの建て替えに備えよう
分譲マンションの建て替えをすることになった場合、居住者が考えなければならない問題にぶつかります。ここでは事前に検討すべき内容について解説します。分譲マンションの建て替えが決定されたら、住居者は再入居・売却のどちらかを選ぶことになります。再入居の場合は、建て替え費用と仮住まいなどの費用について、売却の場合は、売却額や新しい住居探しなどを検討しなければいけません。
どちらの場合でも、費用や労力が必要になるので、家族内でしっかり話しあったうえで決定しましょう。
中古マンションの売却を検討している場合、「イエウール」がおすすめ。なぜなら、最大6社と比較することができるからです。家を売るとき、条件入力などできるだけ面倒をかけずにいろいろな不動産を比べたいもの。
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分譲マンションの建て替えは事前に把握・準備しておこう
いかがですか。購入したマンションにこれから長く最適に住めると思った矢先、建て替えで1戸1,000万円以上の費用を居住者が負担しなければいけないとなれば、焦ってしまうかもしれません。そのため、購入前から以下についてしっかり把握・準備しておく必要があります。- 修繕工事のために、毎月修繕積立金がかかる
- 建て替え工事に1戸1,000万円以上必要
- 建て替えは住民の賛成数によって決定
- 建て替えのために引っ越し代・仮住居代などがかかる
これらのことを頭に入れておきながら、分譲マンションを購入しましょう。また、再入居せず売却する場合は、査定メリットの多いイエウールを検討してみてください。