マンションを相続したら売却?賃貸? 相続税の仕組みと流れとともに解説!

こんにちは、イエウールコラム編集部です。
マンションを相続した場合、売却すればいいのか賃貸にしたほうが良いのか悩ましいところです。また、相続税はどうなるのか気になる点は多いかと思います。
この記事では、マンションの相続から運用・売却までの流れや、相続税の仕組をご説明します。 家族が亡くなったとき、誰もが直面するのが相続という問題。しかし、相続は法律が絡む複雑な問題で、解決までに時間や手間がかかってしまうことも珍しくないのが現状です。 マンションなど高額の不動産を相続するときに必要な手続きや、相続したマンションの活用法など、たくさんの方が悩んでいます。イエウールによく寄せられるご質問をもとに、相続の基本かつ大切な知識をご説明いたします。


先読み!この記事の要点
  • 売却はすぐに現金が手に入る分資産が残らない
  • 賃貸は安定収入は得られるが空室などのリスクも伴う



1. マンションを相続する際の対応と流れ

マンションを相続してから売却するまでの一連の流れは次の通りです。





1.1 相続人調査・相続財産調査

身近な方が亡くなったら、相続手続きが行われます。まずはじめに行うのが、相続人の人数と相続すべき財産の全体像を把握するための相続人調査」と「相続財産調査です。

民法という法律では、故人の財産を相続できる人(=法定相続人)の範囲と優先順位が定められています。そこで、故人やその家族の戸籍を遡ることにより、法律に従って法定相続人を確定させる必要があります。同時に、借金などマイナスの財産を含めた相続財産がどれくらいあるかも調査しなければなりません。

相続人が複数いる場合は、遺産分割協議によってどのように故人の財産を分割するかを話し合います。この遺産分割協議は、必ず相続権を持つすべての人で行わなければならず、協議のあとからほかに相続人がいることが判明した場合、すでに合意を得られている場合も、その協議は無効となってしまいます。相続財産に関しても同様で、遺産分割協議のあとに新たな財産が見つかった場合、その規模によっては、協議が無効となってしまう可能性があります。

そのため、相続人調査、相続財産調査は、遺産分割協議の前に完了させておく必要があるのです。

1.2 遺産分割協議

法定相続人が複数いる場合は、話し合いによってどのように遺産を分けていくかを決めなければなりません。故人が遺言を残している場合、基本的には遺言書に記載の内容に従って遺産を分割します。しかし、遺産分割協議ですべての相続人の同意が得られれば、遺言書に従わない遺産分割も可能です。

不動産がある場合の遺産分割は複雑

現金や預貯金などは「誰にいくら」と法定相続分に従って分けることができますが、土地や建物などの不動産は、半分、1/3ずつ、などと分割するわけにはいきません。そのため、相続財産に不動産が含まれる場合の遺産分割は、少々複雑です。

遺産分割の方法には、主に以下の4つがあります。

・現物分割
土地と建物は妻に、預貯金は長男に、株式などの有価証券は長女に、といったように、現物をそのまま、1人の相続人が相続する方法です。場合によっては公平性に欠ける可能性もありますが、不動産がある場合にはもっともわかりやすい遺産分割の方法となります。

・代償分割
1人の相続人が土地や建物を相続した場合に、不動産を相続した人がほかの相続人へ、それぞれの相続分を現金などで補てんする遺産分割方法です。現物分割に比べて公平性はあるものの、不動産を相続する人に支払い能力があることが前提となります。

・換価分割
不動産など分けられない遺産は売却して換金し、売却益と預貯金などそのほかの遺産と合わせて、それぞれの相続分に従って分配する方法です。この場合、遺産分割協議書に換価分割であることを明記するようにしましょう。

・共有分割
不動産などの分けられない遺産がある場合、相続人同士が共同で所有権を持ちます。故人の遺産をそのままの形で残した上で公平性を担保することが可能な遺産分割方法ではありますが、持分に従った利益の配分が複雑であったり、将来的に売却したくなっても、1人の所有者の独断では処分できなかったりするデメリットがあります。

相続財産にマンションなどの不動産が含まれる場合、共有分割の方法を選択すると、一見平等に思えるものの、あとからトラブルになる可能性が高くなります。そのため、住む人がいない物件の場合は換価分割、遺産を不動産として残しておきたい、誰かが住まいとして引き続き住み続ける、といった場合は、現物分割や代償分割の方法をとるのがよいといえます。

ローン残債がある場合における不動産の遺産分割の考え方

相続する不動産にローンが残っている場合、換価分割ならば、売却益からローン残債と諸経費を差し引き、残った利益を分割します。そのほかの遺産分割の場合は、不動産を相続した人が同時にローンの残債も相続します。

とはいえ、住宅ローンを組む際は、ほとんどの方が団体信用生命保険(通称“団信”。住宅ローンの契約者が死亡などの理由により、ローンが払えなくなった場合、ローン残債の支払いが免除される生命保険)に加入します。そのため、故人が亡くなられたときには、住宅ローンも完済しているケースがほとんどです。

1.3 不動産の名義変更

遺産分割協議において不動産を相続する人が決まったら、相続人は不動産の名義を故人から自分に移す手続きをしなくてはなりません。この手続きは、相続登記や所有権移転登記と呼ばれます。

相続登記に期限などはありませんが、不動産を売却したりローンの担保にしたりしたい場合、名義を変更していないと手続きを進められません。そのため、相続が確定した時点で相続登記を行うのが一般的です。

相続登記には、相続した不動産の所在地を管轄する法務局へ、必要書類の提出と免許登録税の納付が必要です。免許登録税は、相続した不動産の固定資産評価額×0.4%。固定資産評価額は、法務局より毎年送付される固定資産税の課税明細に記載されています。または、市区町村役場にて固定資産評価額証明書を取得することでも確認できます。

1.4 確定申告・相続税支払い

相続によって不動産を取得した場合、確定申告や相続税の納付が必要なケースがあります。相続税の申告や支払いには期限もあり、不明なまま手続きを怠っていると、後々課税のペナルティを受ける可能性も否めません。

ただし、取得した不動産の価値が基礎控除額内に収まる場合、相続税を支払う必要はありません。相続税に関する手続きは複雑なため、司法書士や税理士などの専門家に依頼することをおすすめします。

2. マンションの相続税の計算方法



相続によりマンションを取得した場合の相続税は、以下の計算式により算出します。

(マンションの評価額[=資産価値]×税率)―控除額

また、税率と控除額は、マンションの評価額に応じて以下のように定められています。


マンションの評価額 税率(控除額)
~1,000万円以下 10%(なし)
~3,000万円以下 15%(50万円)
~5,000万円以下 20%(200万円)
~1億円以下 30%(700万円)
~2億円以下 40%(1,700万円)
~3億円以下 45%(2,700万円)
~6億円以下 50%(4,200万円)
6億円~ 55%(7,200万円)

参照: 国税庁HP No.4155 相続税の税率


2.1 マンションの評価額の算出方法

マンションの評価額は、建物部分と土地部分とに分けて算出します。

土地部分の評価額

土地部分の評価額は、国税庁の定める路線価を活用し、以下の計算式で算出できます。

土地部分の評価額=路線価×マンション全体の面積×持分割合

路線価とは、簡単にいえば“公道につけられた価格”のことです。本来ならば土地は時価で算出するものですが、全国のすべての土地それぞれで相続時の時価を割り出すのは大変煩雑な作業になり、時間も要します。そこで、所有するマンションに隣接する公道の価格に、マンションが建っている土地の面積を掛けることで、土地の評価額とする「路線価方式」が採用されています。


マンションが建っている場所の路線価は、
国税庁のHP 財産評価基準

から確認することが可能です。また、持分割合は、登記簿謄本やマンション契約時の売買契約書などを見れば確認できます。

路線価がつけられていない土地の場合は?

郊外に建てられたマンションなど地価に大きな差がないところでは、路線価がつけられていないケースもあります。その場合は、路線価方式ではなく「倍率方式」で計算します。計算式は、以下のようになります。

土地の固定資産税評価額×倍率

倍率は、国税庁ではなく市区町村役場で確認してください。

建物部分の評価額

相続登記の際に調べた固定資産税評価額が、そのまま建物部分の評価額となります。つまり、土地部分と建物部分の評価額を合わせた金額が、相続したマンションの評価額となります。

2.2 マンションの評価額<基礎控除額であれば、相続税はかからない

土地と建物を合わせたマンションの評価額が基礎控除額の範囲内であれば、相続税の課税対象にはなりません。基礎控除は、以下の計算式により算出されます。

(3,000万円+600万円)×法定相続人数

法定相続人が妻と子ども2人だった場合、基礎控除額は3,600万円×2=7,200万円となり、マンションの評価額が7,200万円を下回れば、相続税を支払う必要はありません。



マンションなど故人の財産を相続する場合は、基礎控除のほか、条件に当てはまればさまざまな控除を受けることが可能です。マンションなど不動産を相続する際の代表的な控除には、たとえば以下のようなものがあります。

配偶者控除

相続においては、配偶者という立場は手厚く保護されています。そのため、相続税も大幅な軽減措置を受けることが可能です。ただし、配偶者控除を受けるためには、必ず確定申告を行わなければなりません。また、申告期限までに遺産分割協議を終え、相続財産を確定させておく必要があります。

配偶者控除の控除額は1億6,000万円。つまり、故人の配偶者はきちんと手続きさえ行えば、ほとんどのケースで相続税の課税対象とはならないのです。

小規模宅地等の特例

相続したマンションが故人の宅地、つまり住まいとして利用されていた場合、故人と同居の親族が相続人であるときに受けられる控除です。宅地の建っている土地面積が330平米以下の部分に対して、相続した土地の評価額の80%が控除されます。相続したマンションが事業用として使われていた場合は、土地面積が400平米以下の部分まで80%の控除を受けられます。また、賃貸物件を相続した場合は、200平米以下の土地に対しては、50%の控除が適用されます。

相続人が故人と同居していなかった場合でも、故人と同一生計であれば、小規模宅地等の特例の対象となります。

なお、相続税の申告と納税には、故人が亡くなった日の翌日から10カ月以内の期限があります。どのような控除を受けられるか、相続税の課税対象となるかどうかがわからない場合は、早めに税理士などへ相談してみましょう。

3. 相続したマンションは売却?賃貸?



マンションなどの不動産は相続したら終わりではなく、その後にどう維持管理をしていくのか、あるいは処分するのかを決めなければなりません。住まいとして住み続けるのであれば特に問題はありませんが、維持管理費、修繕費の積立金、固定資産税とさまざまな費用がかかってくるため、ただ資産として所有し放置しておくのはおすすめできません。

マンションを相続したときの対策としては、主に

  1. 住み続ける
  2. 賃貸として貸し出す
  3. 売却する

の3つの選択肢があります。ここでは、賃貸と売却のメリット・デメリットを比較してみましょう。


3.1 必ずしも賃貸=安定収入とは限らない

マンションを賃貸物件として貸し出す最大のメリットは、一定の不労所得を得られることでしょう。しかし、賃貸で利益を得るには、それなりにリスクもあります。

賃貸のメリット

・家賃として安定収入が得られる
毎月、何もしなくても一定のお金を家賃収入として得られる点が、賃貸の大きなメリットのひとつです。

・資産を残せる
次の世代に相続することのできる資産が残ることも、賃貸の大きなメリットのひとつ。「いずれは地元に戻りたい」「子どもが大きくなったらマイホームを子どもに譲り、相続したマンションで老後を送りたい」などの将来像を描いているなら、定期借家契約(あらかじめ賃貸契約の期間を定めておくことで、期間満了にともない自動的に契約が終了する賃貸の形態)という選択肢もあります。

賃貸のデメリット

・諸経費や税金がかかる
“何もしなくても”一定の収入があると先述しましたが、厳密にいうとこれは正確ではありません。

まず、賃貸物件として人に貸すためには、ハウスクリーニングや、場合によってはリフォームが必要なケースもあります。また、人に貸すとなると不動産会社に仲介を依頼することになるため、不動産会社へ一定の費用を支払わなければなりません。さらに、入居後も、所有者としてマンションを維持・管理していくための費用が必要です。

加えて、一定の収益があるわけですから、税金の支払いも発生します。賃貸マンションの場合、固定資産税や維持管理費、修繕費積立金などは経費として計上できるため、所得税を減額することは可能です。しかし、しっかりとした運用知識がなければ、順調に利益を出していくことは難しいかもしれません。

・空室のリスクを考慮する必要がある
家賃として一定の収入が入るのは、あくまでも住み続けてくれる人がいる場合です。退去後にすぐに次の入居者が見つからないなど、空室の期間が長ければ利益を得られないばかりか、維持管理費を考慮すると、赤字になる可能性もあります。マンションを賃貸物件にしたい場合は、立地や周辺環境など、さまざまな条件から借り手がつくかの判断も重要なのです。

固定資産評価額=売却額ではないことに注意!

マンションを一度賃貸物件にしてしまうと、マンション経営がうまくいかないからといってあとから売却しようとしても、収益物件、経年劣化による価値の下落から、高く売れない可能性があります。そのため、どうせ売却するのであれば、できるだけ早いほうがいいという考え方もあります。

とはいえ、固定資産としての評価額がそのままマンションの売れる価格ではないこともあり、希望価格では売却できないリスクも考慮しなければなりません。

売却のメリット

・換金できる
売却益として現金が手元に残ります。

・維持管理の費用や手間がかからない
不動産を所有していると、どうしても手間やコストがかかるため、相続したマンションが現在の住まいから離れたところにあるケースなどでは特に、適切な維持管理が難しくなる可能性があります。

売却のデメリット

・資産を残せない
売却益としてまとまったお金が入る代わりに、資産としての不動産を手元に残せないデメリットがあります。

・譲渡所得税や住民税がかかる

賃貸の場合と同様、マンションの売却益には、売却時にかかった諸経費と減価償却を引いた部分に対して譲渡所得税と住民税がかかります。しかし、譲渡所得税や住民税に関しては控除も受けられるため、適切な不動産会社に任せれば、大きな負担を避けられるといえるでしょう。

3.2 相続したマンションを貸すか売るか迷ったときに考えたい2つのポイント

マンションを賃貸物件にすべきか売却すべきか迷ったら、まずは以下2つのポイントを慎重に検討してみましょう。

ライフプランをチェック

賃貸にするか売却するかの判断基準のひとつとなるのが、将来的に相続したマンションに住む可能性があるかどうかです。自身が住むのではなくても、自身の子どもや親族が住む可能性があるのであれば、資産として残しておくことを考えなければなりません。その上で、将来的に住むようになるまでの期間、賃貸物件としてどのように収益を上げていくかが重要になります。

一方で、将来的に住む可能性がない場合は、しっかりと管理・運用していかなければ不動産として抱えていても時が経てばたつほど資産価値は減っていきます。資産価値がもっとも高い段階で売却すべきという判断もできます。

借り手・売り手のニーズをチェック

マンションを貸すにしても売るにしても、利益を得るにはニーズがあることが大前提。まずはその地域にどのようなニーズがありそうかをリサーチし、借り手がつきそう、買い手がつきそうといった判断で、賃貸か売却かを決定するのも一手です。

4. まとめ



地元のニーズをリサーチするとはいっても、一般の方ができる範囲は非常に限られています。そこで重要なのが、賃貸にせよ売却にせよ、その仲介を担ってくれる不動産会社です。

地元のニーズに精通していて、物件の状態や立地、周辺環境などから、不利・有利を適切に判断してくれる不動産会社を選ぶことが、後悔しない不動産活用の第一歩。リサーチ力ももちろんですが、賃貸・売却それぞれの条件に合わせて物件の魅力を最大限に引き出せるかどうかも不動産会社の力量にかかっています。

どの業者に任せるべきか判断に迷ったら、イエウールの無料一括査定を利用して、複数の業者とコンタクトをとってみましょう。1社に絞るのではなく比較・検討するための判断材料を増やすことで、より信頼度の高い不動産会社を選択できますよ。

関連記事

不動産売却時に知っておきたい基礎知識!売る時の注意点とは?

不動産売却の流れや不動産の売却価格・相場の調べ方、失敗しない不動産査定のポイントなどについてお伝えします。

中古マンションの利回り相場|投資のメリット・デメリット

中古マンション投資を成功させるには、利回りの相場を知ることが大切です。平均的な利回りを知り、本当に優れた物件を選ぶことが、投資の成功に繋がります。中古マンション投資のポイントを知り、低価格高利回りな優良物件を見つけましょう。

中古マンション購入までの流れ|必要手続きとポイント

最近では、マイホーム購入の選択肢として中古マンションの購入を考える人が増えています。そこで中古マンション購入の契約までの流れと物件選びのポイントを分かりやすくまとめ、解説していきます。

住宅購入にかかる登記費用や諸費用について

人生の大きな買い物である憧れの住宅の購入を検討している人。住宅の価格ばかりに目が行ってしまいがちですが、実際はそれ以外にもさまざまな費用が必要になります。実際に住宅を購入するときに慌てないように、登記費用や諸費用について確認しましょう。

分譲マンションを貸す初心者向けガイド。手順と節税のコツを伝授

購入した分譲マンションから引っ越すことが決まって空き家になる場合、貸して家賃収入を得るという選択肢があります。また、投資用として分譲マンションを購入する人もいます。実際に分譲マンションを貸し出す手順とうまく節税する方法を見ていきましょう。

おすすめ記事

不動産売却時に知っておきたい基礎知識!売る時の注意点とは?

不動産売却時に知っておきたい基礎知識!売る時の注意点とは?

不動産売却の流れや不動産の売却価格・相場の調べ方、失敗しない不動産査定のポイントなどについてお伝えします。

いつかマンションを売りたい、売るかも?売却の背景や流れ、方法を解説!

いつかマンションを売りたい、売るかも?売却の背景や流れ、方法を解説!

中古マンションは不動産会社を介して売買が成立するため、一個人の力だけでは買い手を見つけることは困難です。今回は、マンシ...

いつかマンションを売りたい、売るかも?売却の背景や流れ、方法を解説!

戸建て売却の完全マニュアル!無料の一括査定で簡単に見積もりがわかる

自宅(戸建て)の住み替えの検討、売却が必要になった場合、一社のみに査定を依頼すると、相場より安い価格で自宅を手放すことにな...

あなた不動産の売却価格をチェック

所在地と種別を選択して、大手から地場で実績豊富な会社まで最大6社の査定額を比較しましょう

step1
step2
step3
step4

提携数は全国1700社以上

  • 住友林業ホームサービス
  • スターツピタットハウス
  • 三井住友トラスト不動産
  • 近鉄不動産
  • みずほ信不動産
  • 大京穴吹不動産
  • 大成有楽不動産販売
ページトップへ