分譲マンションを相続放棄する前に知るべき5つの注意点

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「まずはマンション売却の基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。

マンション売却に注意点はある?流れや費用も紹介!

マンション相続で必要な手続きと相続税の計算方法とは

分譲マンションを相続するデメリット

相続する財産にマンションが含まれることは珍しくありません。そしてそういった場合に、実は、相続を放棄する選択を取る方もいらっしゃいます。

マンションの相続放棄ができるのか、そもそもマンションを相続する際にどんなデメリットがあるのでしょうか?まずは、マンションを相続する際のデメリットに注目してみましょう。

 

  • 所有しているだけで管理費用や固定資産税がかかる
  • 修繕対応が必要な可能性が高い
  • マンション独自のコミュニティに所属しないといけない可能性が高い

すべてのマンションが上記の対応が必要というわけではありませんが、マンションが建っている立地やマンションの状態によって、売却が困難な場合が多く、「相続を放棄する」という選択を考える方もいます。

マンション相続にかかる税金

まずは、その分譲マンションを相続した場合、どんな種類の税金がいくらぐらいかかるのか把握しておきましょう。マンションの管理費や修繕積立金も、前もって調べておきましょう。

登録免許税

分譲マンションに限らず、不動産を相続すると所有者が変わるため、「所有権移転登記」が必要となります。登録免許税は相続人の名義に不動産登記を申請する方が支払います。

不動産の登記にかかる登録免許税の税率は、相続による所有権移転の場合、固定資産税評価額の0.4%です。計算方法は以下のようになります。

  • 固定資産税評価額×0.4%

登記を司法書士に頼む場合、別途、司法書士への報酬(一般的には5万円くらい)が必要です。

相続税

相続税は、被相続人から相続人への財産移転に対して課される税金です。マンションを含む相続財産の総額から各種控除(基礎控除等)を差し引いた額に対して計算されます。

その純資産価額から、各相続人の課税価額(自分が支払う税額)を計算します。

  • 純資産価額+相続開始前3年以内の贈与財産の価額=各相続人の課税価額(千円以下切り捨て)

税理士に頼む場合は、別途、税理士への報酬が必要です。税理士への報酬は、相続額や相続人の人数にも変動があります。推定で20万円以上は覚悟したほうがよさそうです。

相続税の基礎控除

相続税は条件が合えば基礎控除が利用できます。控除は、3,000万円+(600万円×法定相続人数)です。

この控除額を超える相続財産がある場合に相続税が課税されます。

固定資産税・都市計画税

固定資産税と都市計画税は、不動産を所有していることに対して毎年課される税金です。相続によってマンションの所有者が変わった場合、新しい所有者がこれらの税金を負担することになります。

固定資産税額=固定資産税評価額×1.4%
都市計画税額=固定資産税評価額×最高0.3%

こちらも、税理士に頼む場合は、別途、税理士への報酬が必要です。
相続人同士による遺産分割協議が長引き、その間に固定資産税が発生したという場合は、

1. 相続人の代表者が固都市税を立て替え、立て替え分は相続財産から徴収
2. 相続人の代表者が固都市税を立て替え、不動産を相続した人に不動産の持ち分に応じた金額を請求
3. 現金・預金等の配分は未定でも、不動産については相続人が確定している場合、その相続人が払う

上記1~3のうちいずれかの方法が取られます。

次の章では、相続予定の分譲マンションを放棄できる条件や注意点を見ていきましょう。

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分譲マンションの相続は放棄できる?

分譲マンションの相続放棄ができるのかの問いについて、ひと言でいえば、相続放棄できます。しかし、不動産の相続放棄は法律的なルールや手続きも複雑で、思っている以上にいろいろとステップを踏まなければいけず厄介です。「不要な相続不動産は相続を放棄してしまえばいい」と安易に考えがちですが、そうもいきません。

資産価値によって相続放棄できるかどうか決める

そのマンションの資産価値もあらかじめ調べておくことをおすすめします。単純な話、支払う税金や管理費などのランニングコストより、資産価値のほうが高ければ相続放棄する必要はありません。また、複数の相続人がいる場合は、相続人同士で協議する必要がありますから、その際の資料としても役立ちます。
今すぐにでもできる手軽な方法として、一斉査定サイトの利用があります。サイトはネット上に数多くありますが、なかでも、大手不動産会社から地域密着の中小の不動産会社まで、選び抜かれた優良な2300社に一斉査定の依頼ができる不動産一括査定サイト「イエウール」の利用がおすすめです。
早ければ翌日、遅くても3営業日前後で不動産会社から机上査定額がメールなどで届きます。査定額によっては、相続放棄より売却を検討したほうが良い場合もあります。司法書士や税理士に相談できる不動産会社の窓口やサービスがあれば、利用するのも良いでしょう。

相続したマンションを売却する流れや活用方法、相続税の仕組みを解説

分譲マンションを相続放棄する際の注意点

分譲マンションの相続放棄に必要な法律の概要と手続きについてご説明しましょう。特に見落とせない注意点についても触れておきます。

相続放棄までには時間と労力が必要

相続放棄は、あくまで相続方法の選択肢の一つです。相続方法を決定するステップではさまざまな調査や精査が必要となり、すぐに相続放棄できるわけではありません。民法では、相続の開始を知った時から相続方法決定まで、原則3カ月の「熟慮期間」が定められています。
相続方法の決定には、以下の段階を踏むのが通常です。

相続人の調査・確定

遺言書がある場合は、その内容に従って相続手続きが行われますが、遺言書がない場合は、まず「誰が相続人なのか」を調べなければなりません。後々、第三者の相続人が現れると、相続人同士で協議した内容もその時点で無効となってしまうため、調査は必須です。
相続人の調査は相続人自身が行います。財産を遺した故人=被相続人の出生から死亡時までの戸籍や住民票を集め、それを基に誰が相続人なのか判断します。もちろん、弁護士や司法書士、行政書士といった専門家に相談し、費用を払えば代行も依頼できます。

被相続人の財産や負債の精査

被相続人のプラスの財産マイナスの財産を調べることです。プラスの財産のうち、相続財産が分譲マンションの場合は、権利書や登記簿がありますから、所在や内容を明らかにするのは比較的容易です。

法務局で登記簿を調べ、登記簿謄本を入手しておきましょう。

マイナスの財産とは、借金やローンの残債、管理費や税金の未払いなどの負債です。借入契約書、請求書や督促状、預金通帳など、すべて調べます。銀行、信用金庫、クレジットカード会社、貸金業者など、正規の金融業者であれば個人信用情報の開示を請求することで借入先の特定もできます。

相続方法の選択と決定

プラスの財産よりもマイナスの財産が上回るようであれば、相続放棄を選択できます。ただし、重要な注意点があります。相続放棄を選択すると、プラスの財産も含めすべて相続放棄することになります。また、相続放棄が認められると、後日で撤回はできません
あなたが相続を放棄すると、別の相続人が相続を引き継ぐことになりますので、前もって親族に伝え了承してもらっておくようにしましょう。このステップをおろそかにしたために、後でトラブルになってしまうケースが多くあります。相続人全員が相続放棄した場合、民法では、相続財産法人を設立し、「相続財産管理人」を選任することが定められています。

相続方法の選択肢は3種類

単純承認相続財産のすべてを無条件で引き受ける方法
限定承認プラスの財産の限度内でマイナスの財産を引き受ける方法
相続放棄その相続に関する一切の権利や義務を放棄する方法

3カ月の熟慮期間に何も手続きをしなければ、自動的に単純承認と見なされます。限定承認は、相続開始後3カ月以内に被相続人の住所地の家庭裁判所で申し立てをする必要があります。限定承認の手続きは非常に複雑なので、実際にはこの方法を選択するケースはあまり多くありません。

  • 誰が相続人になるか調べる
  • 被相続人の財産を精査
  • 3つの相続方法から選択する

相続放棄した分譲マンションはどうなる?

相続財産が分譲マンションの場合、通常、相続財産管理人がマンションを売却し、現金化して国庫に納めます。

実はこれが必ずしもスムーズに進行するとは限りません。相続を放棄したからと言って、相続マンションと縁が切れるわけではないからです。

民法では「相続を放棄した者は、もはや相続人の地位にはないのであるが、相続財産管理人が選任されるまでは、自己の財産を扱うのと同じ注意を払って遺産の管理を続けなければならない」と定められています。

管理組合との連絡室内の点検などは行なうべきでしょう。

相続放棄にかかる費用は?

相続を放棄して何も受け取らないのだから、費用も掛からないというわけにはいきません。

相続放棄に至るまで、「相続人の調査・確定」「被相続人の財産や負債の精査」という2段階のステップを踏みますが、調査や書類の準備・提出などにも費用はかかります。

また、仕事や家庭を持ちながら、3カ月の限られた熟慮期間に調査を行なうのは結構大変です。熟慮期間は延長できますが、ただでさえ身内を失って気落ちしている時ですから、気力も体力も消耗します。専門家に代行を依頼したほうが確実かつスムーズに手続きは進められますが、その報酬も必要経費と考えておきましょう。

項目費用
相続放棄の申述書に添付する印紙代800円(一律)
被相続人の戸籍謄本450円(被相続人の配偶者が申請する場合は不要)
被相続人の除籍謄本・改製原戸籍謄本750円
被相続人の住民票300円程度(区市町村によって異なる)
申述人の戸籍謄本450円
郵便切手500円程度
その他交通費・通信費など
行政書士報酬5千円程度~(依頼内容により異なる)
司法書士報酬3万円程度~(依頼内容により異なる)
弁護士報酬5万円程度~(依頼内容により異なる)

相続放棄の前に今一度「売却」も検討

案外、手間のかかる相続放棄。

幸い、近年、中古マンション市場は活況化しています。マンションを売却して現金化すれば、親族に分与する方法も選べます。早期に現金化して相続税などに充てたいなら、不動産会社による買い取りという方法もあります。

相続するのが分譲マンションであれば、不動産会社はいわばその道のプロです。不動産会社の営業担当も宅地建物取引士などの国家資格を持つ専門家の場合が多いです。

また、不動産取り引きには必ず司法書士の介在を必要としますから、紹介してもらうことも可能です。
自分に合った不動産会社と巡り合うために、家族であれこれ悩むより、一括査定会社の『イエウール』を利用するのも一つの方法です。一括査定は無料ですから、今後の参考資料としてまずは査定依頼をしてみてみましょう。

相続放棄で疲弊する分譲マンションの管理組合

ここまでは、相続人の立場で分譲マンションの相続放棄について見てきました。視点を変えて、社会的観点から相続放棄を見ると、どうなのでしょう?

不在区分所有者が増えると管理組合は困窮する

すでに自宅を持っていてローンを組んでいる場合、さらに分譲マンションを相続すると、管理費や修繕積立金が家計を圧迫します。しかし、築年数が比較的浅いマンションなら、賃貸もできますし、ローンが完済に近づけばプラスの財産に転ずることも期待できます。

問題は築年数の古いマンションです。大規模修繕などの費用も嵩み、相続放棄されるケースも増えてきています。区分所有者の不在は管理組合の管理費収入を減少させて管理の低下を招き、修繕費も不足するため、マンション価値が下がるという負のスパイラルを招きます。

中古マンションの空室率低下は国家的課題

こうした状況を受けて、10年先、20年先まで大規模修繕計画を立て、エレベーターの設置・交換や耐震補強を実施する中古マンションも増えてきました。また、室内をリノベーションして売却する方法が普及し、中古マンション市場活性化の牽引役として期待が掛けられています。
国土交通省も、今後、高築年数の中古マンションが増えていく傾向を見据え、さまざまな施策を対策として打ち出しています。さらに、相続放棄による空室率の増加にも注目し、管理組合を支援する試みやアンケート調査、研究会の発足などを行なっています。


分譲マンションを手放すならまずは無料査定

相続の問題に立ち返ってみましょう。相続する対象が、もし、分譲マンションではなかったら、あなたは相続放棄を考えたでしょうか?相続放棄すると、すべての相続の権利を失ってしまいます。もし、相続の対象が現金だったら、どうでしょう?

目的が「相続を放棄すること」ではなく、「分譲マンションの保有を放棄したい」ということであれば、まずは、「その相続マンションを現金化する」方法を考えてみてはいかがでしょうか。

相続マンションを売ったらいくらになるか」を知るのは非常に簡単です。

分譲マンションの売却は日本最大級のイエウール

分譲マンションを売却する場合、まずは不動産会社に査定を依頼して家の価格を把握します。家の価格を把握する際には、インターネットで不動産会社へ査定を依頼できる不動産一括査定サイト「イエウール」の利用がおすすめです

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