延べ床面積35坪の二階建て住宅の解体費用は、木造で105万円~175万円、鉄骨造なら210万円~245万円、鉄筋コンクリート造なら245万円~280万円が目安です。この金額は一般的な相場の範囲内といえます。
本記事では35坪の二階建て家屋の解体費用の相場と、費用が変動する要因、実際の見積もり事例、安くおさえるコツを解説していきます。
私の家の解体費用はいくら?
▼解体費用の基礎知識について知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
35坪二階建ての解体費用の相場は105万円~280万円
35坪二階建ての解体費用は105万円~280万円です。坪単価は建物構造によって異なり、木造は3万円~4万円、鉄骨造は6万円~7万円、鉄筋コンクリート造は7万円~8万円となっています。
構造 | 坪単価 | 相場 |
木造 | 3万円~5万円 | 105万~175万円 |
軽量鉄骨造 | 6万円~7万円 | 210万~245万円 |
鉄筋コンクリート造 | 7万円~8万円 | 245万~280万円 |
木造の場合は建材が柔らかいため分断しやすく、解体費用の相場も安価になる点が特徴です。
私の家の解体費用はいくら?
- 前面道路の幅が狭い、駐車スペースがない、隣接地との距離が近い
- 付帯物(門や塀、カーポート等)が多い
- 家屋内の家財や荷物の量が多い
- アスベストの量が多い
- 地中埋設物の量が多い
- 建物が老朽化している etc…
- 広い土地に建っており、隣家と距離があり周辺に駐車スペースもある
- 付帯物(門や塀、カーポート等)の量が少ない
- 家屋内の家財や荷物の量が少ない etc…
解体費用の決まり方については次章で解説していますので、ご参考ください。
▼木造二階建ての解体費用についてはこちらの記事でも詳しく解説しています
35坪の二階建ての解体費用の決まり方
本章では35坪の二階建ての解体費用の決まり方を解説しています。
- 前面道路の幅や重機用の駐車スペースの有無
- 隣接地との距離
- 撤去する付帯物(庭木や庭石、門、カーポート)の量
- 撤去するアスベストの量
- 撤去する地中埋設物の量
- 撤去する家屋内の家電や家具の量
前面道路の幅や重機用の駐車スペースの有無
前面道路の幅や重機用の駐車スペースの有無は、重機の搬入のしやすさにつながるため、解体費用に影響します。
前面道路が狭かったり、駐車スペースが周辺にない場合、解体作業に必要な重機を運ぶことができません。重機を使用できないと、手作業で解体するか、一回り小さい小型の重機を使用することになるため、建物の解体に時間がかかってしまいます。
解体費用の大半は現場作業員に対する人件費(日当)によって構成されていますので、作業期間が長引くほど解体費用も高くなります。
重機用の駐車スペースがない場合は、周辺の駐車場を借りるなどして手配する必要があります。そのための手続きにかかる諸費用も別途かかるため、やはり費用が高くなりやすいです。
隣接地との距離
隣接地との距離が狭い場合、隣家への損傷を防ぐために重機で一気に解体せず、一部手壊しから作業が進められるケースがあります。
また、振動の発生を防ぐために養生シートで通常よりも入念に保護措置を実施します。なお、集団密集住宅地などで人の往来が激しい場合は、現場監視員の配置などで人件費や設備費用が追加で発生します。
こうした安全確保のための施策や諸手続きには人も設備も追加で必要となり、解体費用もそのぶん高額になります。
撤去する付帯物の量
35坪の木造二階建ての敷地内に付帯物が多く設置されている場合、付帯工事費用が別でかかります。
付帯工事費用とは建物周辺の付帯物の撤去にかかる費用です。建物の解体費用とは別で発生し、付帯物の数が多いほど高額な費用が追加されます。
▼付帯工事費用の一覧
内訳 | 概要 |
---|---|
ブロック塀などの撤去費用 | 2,000円~3,000円/㎡ |
庭石の撤去費用 | 5,000円~8,000円/㎡ |
庭木の撤去費用 | 5,000円/約1本(高さが約1.5m未満)、15,000円/約1本(高さが約3m未満) |
駐車場の撤去費用 | 20,000円~30,000円/台 |
物置の撤去費用 | 15,000円~30,000円/台 |
残置物(二階建て具や二階建て電)の処分費用 | 60,000円~80,000円/4tダンプ1台 |
アスベストの除去費用 | 10,000円~85,000円/㎡ |
地中埋設物の除去費用 | 5,000円~/㎡ |
撤去するアスベストの量
木造二階建てにアスベストが使用されている場合、アスベスト除去費用が追加で発生します。
アスベスト除去費用の相場は1万円~8.5万円/㎡です。アスベストが含まれている面積が広ければ広いほど、除去費用は高くなりやすいです。
アスベストは人体に有害な物質を含む建材で、2006年に使用が全面禁止されました。よって、2006年以前に建てられた建物の場合、アスベスト建材が使用されている可能性があります。
なお、アスベスト除去費用には補助金を利用できるケースもあります。前者は上限25万円/棟、後者は各地方公共団体の補助額の1/2以内が支給額となっています。
撤去する家屋内の家電や家具の量
家屋内に家具や荷物が残されている場合、撤去の費用が追加で発生します。
解体工事で発生する産業廃棄物は産業廃棄物処理場に運ばれて処理されます。処分費用の相場は4tダンプ1台で6万円~8万円ですが、産業廃棄物処理場によって実際の金額が異なります。
家屋内に残された家具や荷物は自分で処分すると、処分費用をおさえることができるため注意しましょう。
撤去する地中埋設物の量
解体後に地中埋設物が見つかった場合、撤去する必要があるため追加費用がかかります。
地中埋設物とは、地中に埋まっている廃棄物のことです。具体的にはコンクリートガラ、屋根瓦などの建築資材、浄化槽などを指します。撤去費用は地中埋設物の種類によって異なり、相場は以下のとおりです。
▼地中埋設物の撤去費用
種類 | 相場 |
---|---|
木くず | 5,000円~/㎡ |
コンクリートガラ、石膏ボード | 12,000円~/㎡ |
レンガ、瓦 | 22,000円~/㎡ |
タイル | 25,000円~/㎡ |
浄化槽 | 30,000〜70,000円/基 |
なお、各費用は解体業者やエリアによって異なるので、詳しい金額が知りたい場合は解体業者に相談しましょう。
私の家の解体費用はいくら?
35坪の二階建ての解体費用を安くするコツ
本章では解体費用を安くするコツを解説しています。
- 不要品は自分で処分する
- 補助金を利用する
- 複数の業者に相見積りを依頼する
不用品は自分で処分する
家屋内にある家財や荷物などの不用品はできるだけ自分で処分しましょう。
前述したとおり、解体工事で不用品を処分する場合は廃材処分費用が追加でかかります。
不用品は廃品回収で廃棄するだけでなく、知人に譲ったり、業者買取やリサイクルショップで売る等の方法があります。いずれも解体業者に依頼するよりも安く処分できるため、解体費用を大幅に抑えることができます。
補助金を利用する
家を解体する場合、自治体から支給される補助金を利用できます。
解体費用の補助金制度は自治体ごとで設けられており、支給条件や支給額にバラつきがありますが、概ね解体費用の1/5~1/2で上限50万円程度が相場となっています。
35坪の木造二階建てで解体費用が約105万円~140万円だとすると、上記の条件で補助金利用した場合の解体費用を約50万円~約70万円までおさえることができます。
ただし、実際は自治体ごとで制度の有無や内容が異なりますので、詳しく知りたい方は自治体の公式HPから内容を調べることができます。
複数の業者に相見積りを依頼する
必ず2~3社の複数の解体業者に見積もりを依頼しましょう。
解体業者によっては、見積もり金額が100万円ほど異なるケースも珍しくありません。
解体業者によって人件費や利用している廃材処分場の相場が異なるので、複数社を比較しながら見積もりを取得し、対応の良さも含めて信頼できそうな解体業者に依頼することが大切です。