マンション売却後に住宅ローン控除は適用できるのか
まずは現在住んでいるマンションを売却した後でも、住宅ローン控除を適用できるのかどうかを知っておきましょう。結論からいえば、マンションを売却した場合でも、住宅ローン控除は適用可能です。ただし、売却の結果次第で適用できるかどうかが異なります。
譲渡損が出た場合は適用できる
マンションを売却して、譲渡損が出た場合は、住宅ローン控除の適用が可能です。売却損が出ているかどうかは次の計算式で算出できます。売却価格-売却にかかった費用-不動産の取得費=譲渡益
これらで計算して、マイナスが出ている場合は譲渡損が発生しているため、住宅ローン控除の適用が可能です。
条件次第で住宅ローン控除は適用できない
もしマンションを売却した際に利益、つまり譲渡益が出た場合は、住宅ローン控除は適用できないため、注意しなければなりません。マンションの売却で譲渡益が発生すると利益分に対して税金がかかりますが、これは特例によって節税が可能です。特例を適用して節税をした場合は、住宅ローン控除は併用できないため、この点は覚えておきましょう。譲渡益が発生し、かつ併用できない特例を適用した場合などは、住宅ローン控除は受けられません。
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マンション売却後に使える住宅ローン控除の適用条件
譲渡損が出ている場合など、マンションを売却してからも住宅ローン控除を適用することは可能です。ただし、住宅ローン控除を適用するには、次の条件を満たさなければなりません。
- (新しい家が)自ら居住する住宅である
- 床面積が50平方メートル以上
- 現行の耐震基準を満たしている
マンションの売却で住宅ローン控除を適用したいなら、これら3つの条件は頭に入れておきましょう。
自ら居住する住宅である
マンションの売却後に住宅ローン控除を適用させるには、新しい住宅に一定期間内に居住しなければなりません。居住の条件としては、引き渡しから6ヶ月以内となるため、この点は覚えておきましょう。引き渡しから6ヶ月経過して住み始めると、住宅ローン控除は適用できなくなってしまうため、注意が必要です。
床面積が50平方メートル以上
住宅の床面積も、住宅ローン控除を適用する際の条件となります。対象となる住宅は、床面積が50平方メートル以上である必要があり、これを満たしていないと控除は適用されません。一戸建ての場合は床面積で判断しますが、マンションでは壁の内側を測る、内法というやり方を用います。そのため、一戸建てとマンションでは、床面積の測り方が異なることも覚えておきましょう。
現行の耐震基準を満たしている
対象となる住宅が中古住宅であるなら、現行の耐震基準を満たしているかどうかも条件に含まれます。新築住宅の場合はこの要件はないため、考慮する必要はありません。現行の耐震基準としては、次の条件を満たさなければなりません。- 耐震基準適合証明書がある住宅
- 既存住宅性能評価書で耐震等級1以上と確認されている住宅
- 既存住宅売買瑕疵保険に加入している住宅
中古住宅だと、これらの要件を満たしていないこともあるため、この点は確認が必要です。また、築年数によって条件もあるため、これもチェックしておきましょう。
- 耐火建築物以外の場合:築20年以内の住宅
- 耐火建築物の場合:築25年以内の住宅
築年数はもちろん、耐火建築物かどうかも確認しておく必要があります。
要件を満たせば土地のローンも控除の対象になる
マンションだけではなく、土地も住宅ローン控除の対象となる場合があります。土地で住宅ローン控除を適用する場合は、次の要件を満たしているかを確認しておきましょう。- 宅地建物取引業者から取得した建築条件付きの土地であること
- 住宅新築の日前2年以内に購入されたものであること
これらの要件を満たしているなら、建物だけではなく、土地にも住宅ローン控除の適用が可能です。
マンション売却後の住宅ローン控除の申請について
実際にマンション売却後に住宅ローン控除を適用するには、申請が必要です。スムーズに申請を行うためにも、申請方法から手続きの際に必要な書類まで把握しておくことが大切です。これらの点を理解して、住宅ローン控除を適用させましょう。
住宅ローン控除の申請方法
住宅ローン控除を適用するには、事前に申請が必要です。住宅ローン控除は、控除する最初の年に確定申告をしなければなりません。確定申告は最初の年のみ必要であり、その翌年からは年末調整を毎年繰り返し、行うことになります。確定申告には手間がかかりますが、手続きは最初の1年だけでよいため、この点は理解しておきましょう。最初の年で確定申告を忘れてしまうと、住宅ローン控除を適用できず、翌年度からの適用となってしまうため、注意しなければなりません。
住宅ローン控除の申請に必要な書類
住宅ローン控除を適用するには、申請のために必要な書類を準備しておかなければなりません。必要な書類としては、次のものがあげられます。書類の種類 | 取得場所 |
---|---|
確定申告書 | 税務署で取得 |
住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 税務署で取得 |
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(原本) | 金融機関から毎年送付される |
住宅の登記事項証明書(原本) | 住宅会社から送付される |
住宅の請負契約書の写しまたは売買契約書の写し | 住宅会社から送付される |
土地の登記事項証明書(原本) | マンションの場合は不要 |
源泉徴収票(原本) | 勤務先で取得 |
マイナンバーカード | – |
それぞれで取得場所が異なるため、この点は理解しておきましょう。確定申告書などは税務署で取得するだけではなく、国税庁のホームページからもダウンロードできます。
また、確定申告書は書類を取得しなくても、国税庁の申告書の作成コーナーを利用する方法でも可能です。この場合は、書類の取得は必要ありません。
確定申告の場合に必要な書類は多いため、スムーズに申請するためにも、早いうちから書類は集めておきましょう。
住宅ローン控除と併用できる控除や特例
特例を適用して節税をすると、住宅ローン控除は適用できません。しかし、一部の特例については、住宅ローン控除との併用も可能です。
- 居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
- 居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
これらの特例を把握し、住宅ローン控除との併用することで、節税効果を高めましょう。
居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
居住用の住宅を買い替える場合で、譲渡損が出ているなら、損益通算や繰越控除の特例が適用できます。これは売却によって発生した損失を、所得から差し引いて控除を受けられるものです。例えば1,000万円の譲渡損が出ているなら、この分を所得から差し引き、所得税の控除が受けられます。もし1年分の所得で控除しきれない場合は、以降3年間にわたって繰越控除ができることも覚えておきましょう。
そのため、年収が400万円で譲渡損が1,000万円なら、最初の年と次の年は400万円丸ごとが、最後の年は200万円分の控除が受けられることになります。特例を適用するには、家の所有期間が5年を超えているという条件があります。
これは売却した年の1月1日時点で、5年を超えているかどうかがポイントです。そのため、所有してから5年ではなく、売却した年の1月1日で5年以上所有しているかを考え、特例が適用できるかをチェックしておきましょう。
居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
住んでいる住宅を売却する場合は、買い替えを前提としていなくても、損益通算や繰越控除の特例は適用できます。この場合も買い替えと同じで、譲渡損を所得から控除できるものであり、1年で控除しきれなかった場合は、以降3年にわたって繰越での控除が可能です。ただし、損益通算の対象となるのは、住宅ローンの借り入れ額から、不動産の売却価格を差し引いたものが限度となります。そのため、譲渡損が丸ごと損益通算できるわけではなく、住宅ローンの金額から引いた分が限度額となることは理解しておきましょう。
買い替えを前提としない場合でも、売却するマンションは売却した年の1月1日で5年以上所有している必要があるため、この点も覚えておくことが大切です。
住宅ローン控除と併用できない控除や特例
一部の控除や特例は、住宅ローン控除とは併用できないため、注意しなければなりません。次の特例や控除を適用する場合は、住宅ローン控除とどちらを利用するかを考える必要があります。
- 居住用財産の3,000万円の特別控除
- 所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
- 特定居住用財産の買い換え特例
住宅ローン控除と特例などは、事前に節税効果を計算して、どちらのほうがお得になるかを考えておきましょう。
居住用財産の3,000万円の特別控除
住んでいる家を売却する場合は、3,000円の特別控除が適用できます。3,000万円の特別控除を適用するには、次の条件を満たす必要があります。- 現在主に居住している住宅の売却
- 取り壊した場合は1年以内に売却
- 空き家の場合は住まなくなってから3年以内の売却
- 家族など特別な関係の人への売却ではないこと
- 前年や前々年に同じ特例を受けていないこと
これらの条件を満たす場合は、譲渡益から3,000万円を控除することが可能です。譲渡益が出ている場合は、利益分に対して所得税や住民税、復興特別所得税などがかかります。
それぞれの税額を計算して、住宅ローン控除の場合とどちらのほうが節税効果が高いかを考えて、適用する制度を選びましょう。
所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
不動産の所有期間が10年を超えている場合は、軽減税率の特例が適用できます。これは所有期間10年を超える不動産を売却した場合に、金額に応じて所得税や住民税の税率が下がるというものです。譲渡益 | 所得税 | 住民税 |
---|---|---|
6,000万円以下 | 10% | 4% |
6,000万円超 | 15% | 5% |
所有期間が長いほど、税率は下がりますが、住宅ローン控除との併用はできないため、注意しなければなりません。
ただし、3,000万円の特別控除と軽減税率の併用は可能であり、住宅ローン控除を利用しないなら、特例や控除同士の併用を考えてもよいでしょう。
特定居住用財産の買い換え特例
もし新居を購入する場合で、売却価格よりも買い替えた住宅の金額のほうが高い場合は、譲渡益の課税を将来に繰り延べることができます。これによって、新居の購入時の税負担は抑えられます。ただし、税金はあくまで将来に繰り延べとなるだけで、非課税になるわけではないため注意しなければなりません。この特例を利用した場合は、次回住宅を買い替える際に繰り延べた分の税金がかかることは覚えておきましょう。
この特例も住宅ローン控除とは併用できません。譲渡益がかかる場合は、将来に課税分の支払いを繰り延べるか、住宅ローン控除を適用するかを考えておくことが大切です。
マンション売却を成功させるためのポイント
住み替えなどの資金計画を立てる際には、今住んでいるマンションをいかに高額で売却できるかが重要です。高値で売却できると、その分資金的な余裕も生みやすく、住み替えなどの計画も立てやすくなります。マンションの売却を成功させるためにも、売却活動のポイントを理解しておきましょう。
信頼できる不動産会社を見つける
不動産売却を成功させるには、いかに信頼できる不動産会社を見つけられるかが重要です。不動産会社によって売却の実績や得意分野は異なるため、複数の業者から査定を受けて、どこが信頼できるかを見極める必要があります。不動産会社によって不動産売却の実績が豊富か、マンションの売却に強みがあるかは異なります。そのため、査定を受けるだけではなく、不動産会社のホームページなどで実績や評判などを確認し、信頼できるかどうかを見極めるとよいでしょう。
一括査定サービスを利用する
信頼できる不動産会社を見極めるには、一括査定サービスの利用がおすすめです。一括査定サービスを利用することで、一度に複数の不動産会社から査定を受けられます。不動産会社の信頼度を確かめるには、各社が提示する条件を比較することが大切ですが、1社ずつから査定を受けていると、見極めに手間がかかります。効率的に不動産会社の選定をしたいなら、一括査定サービスで、複数社からまとめて査定を受けておくとよいでしょう。
一括査定を行うなら、イエウールの利用がおすすめです。イエウールは一度に最大6社から査定を受けることができます。また、全国にも対応しているため、幅広いエリアで利用できる点も魅力です。
提携している業者の信頼度も高く、悪徳業者を排除している点も利用するメリットといえます。信頼度の高い業者をスムーズに選びやすいため、売却活動を成功させやすいでしょう。
住宅ローン控除を利用して売却にかかる税金を抑えよう
マンションを売却すると税金がかかることがありますが、同時に住宅ローン控除が適用できるケースもあります。そのため、適用できるなら住宅ローン控除の利用も考え、税金を抑えることがおすすめです。節税の方法はさまざまあるため、いくつかの選択肢を頭に入れ、シーンに応じてどれを利用するかを決めましょう。