築年数が経過した家を売却するにあたっては、リフォームしたほうがいいのか迷いますよね。
結論から言うと、リフォームすべきかどうかは家の状態によって決まります。一般的に家をリフォームしたとしても高く売れるとは限らず、家を売却する前のリフォームは採算が取れない可能性が高いです。
そのため、高く売ることを目的としたリフォームはおすすめできません。
ただし、家の状態が悪い場合はそのままだと買い手が見つからない可能性が高いため、買い手を見つける目的で最低限のリフォームを行うことも選択肢の一つとなります。
この記事では、家を売却する前にリフォームしたほうがよいのか、判断のポイントを解説していきます。
「まずは家を売る基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
家の売却前にリフォームしたほうがいいの?
家を売却する前にはリフォームしたほうがよいのでしょうか?
結論としては、家を売却する前にリフォームしたほうがよいかどうかは、家の状態によって決まります。家の状態が悪く、そのままでは買い手が見つかりそうにない場合には、部分的なリフォームも選択肢の一つとなります。
そのままでは買い手がつかない家でも、傷んだ箇所をリフォームすることで買い手がつきやすくなります。
逆に、そのままの状態でも十分買い手が見つかる家であれば、リフォームの必要はないといえます。
家の売却前のリフォームは採算が取れない場合が多いため、家を「高く売る」目的のリフォームはおすすめできません。しかし、状態の悪い家を「買ってもらいやすくする」目的のリフォームであれば一つの選択肢です。リフォームすべきかどうかを判断するためにも、リフォームのメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
家の売却前にリフォームするデメリット
リフォームのデメリットは、リフォーム費用の元がとれずに損してしまうということです。
リフォームすると物件が高く売れやすい傾向にはあるものの、高く売れるとしてもリフォーム費用を回収できるほど高く売ることはできません。
そのため、結果的にはリフォームせずにそのまま売る方が結果的により高く売れるケースが多いです。
高く売り出すと売れにくくなる
リフォーム費用を売出価格に上乗せして高く売り出した場合、価格で他の物件に競り負けて、買い手が見つかりにくくなってしまう可能性が高いです。
中古で家を買う人の多くは、価格の手ごろさに惹かれて中古の家を購入しています。
実際、令和5年度 住宅市場動向調査報告書(国土交通省)によると、中古の家を買う理由として、価格の手ごろさを挙げた人は69.6%であるのに対し、リフォーム済を挙げた人は29.1%と、半数以下にすぎません。
そのため、リフォームした分高く売り出そうとすると、かえって売れにくくなってしまいます。
さらに、同じような条件の物件であれば、価格が安いほうが買い手に好まれやすいです。
そのため、似たような条件であれば、リフォーム代を上乗せした割高物件は、リフォームなしで相場価格で売り出されている物件に価格で競り負けてしまいやすいのです。
リフォーム費用の元が取れない
リフォーム費用を価格に上乗せせずに売り出さなければいけないとなると、リフォーム費用の元を取るのは難しいです。
たとえば、そのままでも十分買い手がつくような2,000万円の価値があるに、500万円でフルリフォームを施して売り出した場合を考えてみましょう。
リフォーム費用を上乗せした2,500万円で売り出したものの買い手が見つからず、最終的には値下げして2,100万円で売却したとします。
この場合、そのまま売却するよりも手取りが400万円減ってしまい、リフォーム費用の元をとることはできません。
家の売却前にリフォームするメリット
家の売却前にリフォームするメリットは買い手がつきやすくなることです。
というのも、状態の悪い家は手入れの大変さのゆえに買い手から敬遠されやすいのですが、リフォームすることで家の印象がよくなるため、買い手がつきやすくなります。
ただし、デメリットとして説明した通り、金銭的には損失が出る点には注意が必要です。
金銭的には不利だとしてもフォームをすべきか、家の状態を踏まえて判断することが大切です。
リフォームすると家の第一印象がよくなる
リフォームした物件であれば、物件の内覧時の第一印象がよくなるため、購入検討者が家を気に入って、高くて買ってもらえる場合もあります。
特に、家の一部の状態がきわめて悪い場合には、その箇所に絞ってリフォームするだけでも家の印象が大幅に良くなります。
たとえば、古い家で床が腐食してしまってフカフカになっている場合であれば、床をリフォームすることで、家の状態が悪く家全体が傷んでいそうな印象を大幅に改善することができます。
また、汲み取り式トイレや、五右衛門風呂など、あまりにも古めかしい印象を与えそうな水回りの設備は、現代風の水洗式トイレやユニットバスにそれぞれリフォームすることで、家の古めかしい印象をかなり改善することができます。
ただし、リフォームで第一印象がよくなったとしても、必ずしも高く買ってもらえるとは限らない点には注意が必要です。
リフォーム済物件を探している人に買ってもらえる可能性がある
すぐにその家に住みたい人や、リフォーム済み物件を探している人に家を高く買ってもらえる場合もあります。
たとえば、突然転勤が決まって、限られた予算の中で急いで家を探している人にとっては、リフォーム済みですぐに住める中古の家はとても魅力的です。
また、新築よりも割安できれいな家を購入したいと考えて、あえてリフォーム済み物件を探している人もいます。
ただし、すぐにその家に住みたい人や、リフォーム済み物件を探している人は、単に中古物件を探している人に比べてかなり少数派です。
ごく少数の買い手に非常に気に入ってもらうことを狙うのか、それとも広く浅く買い手を探すのか、売却戦略にあわせてリフォームするかどうかを判断しましょう。
最低限のリフォームをすべき場合とは?
ここまでに、リフォームをすべきかどうかを判断する基準について見てきました。
では、具体的にどのような場合にリフォームを検討すべきなのでしょうか?
結論としては、壁紙がはがれている場合や、風呂の設備があまりに古く五右衛門風呂が設置されている場合など、買い手に与える印象が極端に悪い場合には、敬遠されないように必要最低限のリフォームを施しましょう。
ここからは、「家の状態が悪い場合」とはどのような場合なのか、そしてどのようなリフォームをすべきなのかについて、具体的に見ていきましょう。
壁や床が老朽化している場合
壁紙については、たとえば、たばこのヤニや日焼けで壁紙が黄ばんでいる場合や、壁紙が破れている場合には、壁紙を張り替えるとよいでしょう。
壁紙の張り替えは10万円前後の費用がかかりますが、部屋の印象が明るくなるので、壁紙の状態が悪い場合には張り替えをオススメします。
床がフローリングの場合には、数十年程度で老朽化してしまうため、長年住んでいる家であれば、床がきしんだり、ぶかぶかしたり、傾いたり、反り返ったりしているケースも多いです。
このような場合には、内覧を受け入れる前に修繕しておくことをオススメします。
床の状態が悪いことには内覧の際に購入希望者も気付くため、床が老朽化しているということは家の構造まで老朽化しているのではないかとが心配になってしまうケースが多いです。
床が畳の場合、畳にカビがついていたら修繕しておくことをオススメします。
カビは畳の裏側や建物の構造にも広がってしまうケースも少なくありません。
構造にまでカビが広がってしまっている場合、放っておくと家の構造が老朽化してしまうので、必ず業者に依頼して修理してもらいましょう。
家の設備があまりにも古い場合
家の設備があまりにも古い場合には、家自体が古めかしい印象を与えてしまうケースが多いので、新しい設備に交換するとよいでしょう。
具体的には、汲み取り式トイレや、五右衛門風呂が設置されている場合には、新しい設備に交換するのも手です。
ただし、設備の交換は費用が高額になりやすいので、あくまでも設備があまりにも古くない限りは極力交換せずそのまま売却しましょう。
家の設備が故障している場合
設備が故障している場合には、家自体も老朽化している印象を与えてしまうケースが多いので、設備を修理しておくとよいでしょう。
具体的には、水道や給湯器から水漏れしている場合には、設備を修理しておきましょう。
ただし、家の設備が修理できそうになく交換になる場合は費用も高額になってしまうケースが多いので、修理で対応しきれない場合にはそのまま売り出すことをオススメします。
リフォームしなくてもハウスクリーニングは必要
リフォームしない場合でも、家を売却する前にハウスクリーニングと必要最低限の修繕を施しておくことをオススメします。たとえば、風呂が黒カビだらけの場合や、蛇口に水垢がついている場合、なかなか素人がピカピカに掃除するのは難しいため、ハウスクリーニングをすることをオススメします。
ハウスクリーニングは、専門家が専門の機材を使って、素人には難しい箇所の掃除を行ってくれます。
費用は部屋の広さや依頼箇所、汚れの程度によって決まりますが、相場は5万円ほどです。
ハウスクリーニングの作業は長くとも半日ほどで完了します。
長く住んでいる家であれば、少なからず家は汚れてしまうものです。
とくに水回りは汚れやすいため、風呂が黒カビだらけのケースや、蛇口に水垢がついているケース、トイレが黄ばんでしまっているケースも少なくありません。
家を売却するのであれば、内覧を受け入れる前に、水回りを中心にハウスクリーニングを実施しておくとよいです。
できればホームインスペクションしよう
ホームインスペクションは必ずしも実施しなければいけないわけではありませんが、できるだけ実施しておくことをオススメします。ホームインスペクションとは、専門家に依頼して、住宅の欠陥や劣化状況、補修すべき場所やメンテナンス時期、費用などを調査してもらうことをいいます。
築年数が経過した家を購入する人は「建物の構造自体が傷んでいないか」を不安に思っているケースが多いです。
ホームインスペクションで専門家のお墨付きをもらえば、買い手としては安心して購入できます。
ホームインスペクションは必ず実施しなければいけないわけではありませんが、家が売れやすくなるので、できれば実施することをオススメします。
リフォームで悩んだら不動産会社に相談してみよう
家を売却するにあたってリフォームするかどうか迷ったときは、不動産会社に相談するのが一番です。
不動産会社には専門の知識や経験がたまっているため、不動産会社に相談すれば、必要な情報を提供してくれたり、相談に乗ってくれたりします。
買い手のニーズに誰よりも詳しいのは、日々買い手に接している不動産会社です。
そのため、家を売却するにあたっては、不動産会社の力を借りることが大切です。
不動産会社は買主のニーズを熟知している
不動産会社は、日々多くの買主や売主と接しています。
だからこそ、不動産会社はどのような物件が好まれるのかをデータや肌で知っています。
不動産会社は買い手の傾向を熟知しているので、物件種別や状況、エリアに合わせたアドバイスをしてくれるでしょう。
不動産会社に相談すれば、リフォームすべきかどうか、そしてリフォーム以外の選択肢についても相談に乗ってくれるので、自力だけで判断せずに、不動産会社の方に相談することをオススメします。
信頼できる不動産会社を見つけよう
せっかく不動産会社に相談するのであれば、できるだけ高くスムーズに売ってくれる、対応のよい不動産会社を探したいですよね。
不動産会社に自力で一社ずつ連絡をとり、それぞれの会社に詳しく事情を説明して査定してもらうにはかなりの手間がかかります。
不動産一括査定サイトを活用すれば、複数の不動産会社の査定額が簡単にわかり、自分の家どのくらいで売れそうかの目安を知ることができます。
さらに、複数の不動産会社の対応を比較できるからこそ、対応が良くて信頼できる、よりご自身にあった不動産会社に出会える可能性が高くなります。
不動産会社を効率良く探すのであれば、一括査定サイトを利用するとよいです。
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