任意売却と競売の違い|メリット・デメリットと注意点を解説

任意売却と競売の違い|メリット・デメリットと注意点を解説

競売任意売却の違いはご存じでしょうか?

競売と任意売却はいずれも借金滞納の解決策だという点では共通していますが、売却価格や残債の返済方法、手続き方法などに大きな違いがあります。

競売と任意売却かを悔いなく選択するためには、これらの違いがメリット・デメリットを知ることが重要です。

この記事では、競売と任意売却の違いや、どちらを選ぶかの判断方法を解説します。

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「まずは不動産売却の基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。

不動産売却の基本から初心者向けに売却の流れや会社の選び方を解説!実際の売却事例からの学びも紹介

【任意売却とは】売ったらどうなる?競売との違いやできないケースを解説

競売とは

競売とは、借金の返済が滞っている債務者からの貸付金回収は困難と金融機関が判断した場合に、債権者である金融機関が裁判所に申立てを行い、オークション形式で家の買取希望者を募る方法です。

競売は裁判所が主導する法的手続きなので、債務者の意思とは関係なく、滞納された借金を回収するために、債権者が一方的に手続きを進めることができます。

競売は次のような流れで進みます。

競売の流れと任意売却の申請期限

 

住宅ローンを滞納すると、3か月目で裁判所から督促状が届きます。さらに、督促状が来て1年以内に競売が始まります。

任意売却に切り替えられるのは、競売の入札期日の2日前までです。

競売には、担保不動産競売強制競売の2種類があります。

担保不動産競売は、不動産を担保にお金を借りたものの返済が困難になった債務者からお金を回収するために、債権者が裁判所を通して担保に取った物件を、優先的に返済してもらうために進める競売手続きです。

一方、強制競売は金銭の給付を要求する権利をもつ債務者が、この権利を持つことを裁判所に示したうえで進める不動産競売手続きです。

一般的に、住宅ローンを滞納した場合に進められる競売は担保不動産競売にあたります。

両者の違いは不動産が担保になっているかどうかにありますが、基本的な流れは同じです。

任意売却に失敗する理由とは?手続きができないケースや買い手がつかない場合の対処法

任意売却とは

任意売却は、住宅ローンの返済を滞納した場合に、債権者の許可を得た上で、家を売却する方法です。

任意売却は、オーバーローンの場合にのみ行われます

オーバーローンとは、家の売却価格よりも住宅ローン残高の方が大きく、売却後も債務が残る状態です。

ローン残高よりも家の売却価格の方が高い(アンダーローン)場合には、売却によりローンを完済できるため、任意売却ではなく通常の売却手続きを行うことが可能です。

任意売却における家の売買取引の流れは、通常の売却の場合とほぼ同じですが、債権者(住宅ローンを借りている金融機関)の許可がなければ進められない点に注意しましょう。

任意売却をする場合には、督促状が届いたらできるだけ早く次の手順で手続きを進めましょう。

  1. 督促状が届く
  2. 不動産会社に相談・家の価格査定を依頼する
  3. 金融機関から任意売却の許可を得る
  4. 不動産会社に売却手続きを進めてもらう
  5. 内見・交渉に対応する
  6. 売買契約の締結・決済
  7. 家の引き渡し・引っ越し

金融機関からの督促状が届く点と、任意売却の許可を得る点を除き、任意売却の流れは通常の売却とほぼ同じです。

任意売却に失敗したらどうなるの?

任意売却が失敗するのは、競売開札日の前日までに任意売却での売買契約が成立しなかった場合です。

そして、任意売却に失敗した場合には、競売が執行されます

したがって、任意売却に着手すること自体にはリスクはないといえるでしょう。

競売と任意売却の違い

競売任意売却は、いずれも借金滞納の最終手段として家を売却する方法ですが、売却価格や残債の返済方法、手続き方法などに違いがあります

最も大きな違いとしては、任意売却は通常の不動産売買と同様に売主と買い主が契約する形で手続きが進む一方で、競売は売主の意向に関わらず強制的に売却が執行される点が挙げられます。

任意売却と競売の違いを簡単にまとめると、以下の表のようになります。

任意売却と競売の違い比較

任意売却の相場については、こちらをご覧ください。

任意売却する家の相場・適正価格とは?競売・通常売却との差額や安くなる理由を解説

任意売却や競売にあたっての注意点

任意売却や競売を行う際の注意点としては、住宅ローンの残りの返済義務が免除されるわけではなく、残債の支払い義務は続く点があります

たとえば住宅ローンの残債が2,000万円あり、任意売却による売却代金が1,500万円だった場合、残りの500万円を引き続き支払う必要があるということです。

なお、任意売却の場合は、金融機関との交渉次第で残債の分割払いに対応してもらえるケースがあります。

一方で競売の場合、残債は一括払いを要求される点に注意してください。

任意売却・競売によっても、まだ残っているローンの支払いが困難な場合には、自己破産などの債務整理を行う必要があります。

任意売却のメリットとデメリット

一般的に、不動産を売却して債務整理する場合には、任意売却のほうがメリットが大きいため、任意売却を優先的に活用する人が多いです。

ただし、任意売却にはデメリットもあるため、注意して判断する必要があります。

任意売却のメリット

任意売却の主なメリットは、以下の4点です。

  • 競売よりも売却価格が高くなる
  • プライバシーが守られやすい
  • 引越し費用や諸経費を受け取れる場合もある
  • リースバックにより​​住み続けることも可能

それぞれ解説します。

メリット①|競売よりも売却価格が高くなる

競売と比較すると、任意売却は市場価格に近い金額で売却が可能です。

売却金額が高くなることでローンの残債が減少し、任意売却後の返済計画も立てやすくなるメリットがあります。

任意売却の手続きは、通常の不動産売却の手続きとほぼ変わらないため、立地条件に恵まれているなど、物件次第では市場価格と同等の金額で売却できるケースもあります。

メリット②|プライバシーが守られやすい

任意売却では、競売の場合と異なり、公的機関などで物件情報が一般公開されるわけではないため、プライバシーが守られやすいメリットもあります。

競売のように近隣に伝わる可能性が低く、事情を知られることなく売却を進められます。

なお、通常の不動産売却と同様に、不動産会社に対して物件写真を提供したり、購入希望者の内見を受け付けたりすることも可能です。

メリット③|引越し費用や税金を控除できる場合も

任意売却では、金融機関との交渉によっては引越し費用・税金・仲介手数料などを、売却代金から出してもらえるケースがあります。

売却代金の中から最大30万円程度の引越し費用や、税金・仲介手数料の費用を支払ってもらうことにより、生活の再建がしやすくなるメリットがあります。

ただし、すべての金融機関が応じてくれるわけではなく、ご自身や不動産会社による交渉によって決まるため、交渉力に優れた会社に任せることが重要です。

任意売却での債務整理についてはこちらをご覧ください。

任意売却後の債務整理の方法6種類をメリット・デメリットと共に紹介

メリット④|リースバックにより​​住み続けることも可能

任意売却の場合には、物件を購入したオーナーに対して家賃を支払うことで、そのまま家に住み続ける「リースバック」を利用することも可能です。

リースバックを利用する場合、親戚や家族、投資家などに家を購入してもらうことが条件となります。

これまでと変わらない生活を送ることができるほか、転居が不要となるため引越し費用を節約できるメリットもあります。

任意売却とは?メリットとデメリットや競売との違い、流れを解説

債務者が任意売却を行うデメリット

一方で、任意売却においては、通常の売却と比較するといくつかデメリットが発生します。

  • 金融機関や連帯保証人の同意が必要
  • 任意売却できないケースがある
  • 信用情報に事故情報が載る(ブラックリストに載る)ことは避けられない

それぞれ詳しく解説します。

デメリット①|金融機関や連帯保証人の同意が必要

最大のデメリットとして、任意売却の手続きを進めるためには、金融機関の許可に加えて、連帯保証人や共有名義人の同意が必要となることが挙げられます。

金融機関もしくは連帯保証人・共有名義人のいずれかが反対する場合、任意売却を進めることはできません。

住宅ローンの返済が困難となってから任意売却について相談すると、同意を得るための時間を要し、競売までの期限に間に合わなくなる可能性があります。

そのため連帯保証人・共有名義人が複数存在する場合は、事前に十分に話し合っておくことが重要です。

任意売却できないケースとは?競売・自己破産を防ぐ方法と売れない場合の対処法も解説

デメリット②|任意売却できる期間には制限がある

任意売却を行えるのは、ローン返済の滞納後から競売開札日の前日までとなっており、限られた期間内で売買契約を結ぶ必要があります。

任意売却が可能な期間としては、約6ヶ月〜12ヶ月が目安です。

その期間を過ぎても買い手が見つからなかった場合には、競売にかけられ、強制的に売却されることとなります。

ローンの支払いが困難となったタイミングで早めに金融機関・不動産会社に相談し、任意売却の準備を進めておくことが大切です

デメリット③|信用情報に事故情報が載る(ブラックリストに載る)ことは避けられない

任意売却を進める前提は、住宅ローンの返済の滞納です。

たとえば、離婚のために住宅ローンの残債がある家を任意売却したい場合などで、住宅ローンの返済が滞っているわけではないわけではない場合でも、任意売却を進めるためには、意図的に返済を滞納する必要があります。

その場合、ローン返済を滞納した後には、信用情報に事故情報が記録されるため、いわゆるブラックリストに掲載されてしまうことになる点がデメリットです。

信用情報に傷がついた場合、一定期間クレジットカードの作成やローンの新規申し込みができなくなる点にも注意しましょう。

競売のメリット

メリット①|今の家に住み続けることができる

競売の1つ目のメリットは、強制退去の日までは今の家に住み続けることができることです。

物件の引き渡しには、競売の申し立てから1年ほど余裕があります。

そのため、今すぐ引っ越し先や引っ越し費用を用意することが難しい人にとってはメリットとなるでしょう。

ただし、任意売却を行った場合でもリースバックによって今の家に住み続けることができる場合もあるため、慎重に判断するのがよいでしょう。

メリット②|手間がかからない

競売の場合、家の売却は裁判所が強制的に行うため手間や労力は発生しません

ただし、強制退去の日には家を明け渡す必要があることに注意しておきましょう。

債務者が競売を行うデメリット

競売の主なデメリット・リスクは4つあります。

  • 売却価格が安い
  • 物件情報が公開される
  • 強制的に立ち退きを迫られる
  • ローンが返済できず自己破産する可能性が高い

それぞれ詳しく解説します。

デメリット①|売却価格が安い

競売では、通常の売却価格の6割~7割程度の価格で売却されます。

つまり、市場相場を大きく下回る金額で強制的に売却されてしまうことになります。

デメリット②|物件情報が公開される

裁判所により競売物件として情報公開されるほか、家や近隣に調査員や関係者が訪問するため、周囲の住民に経済事情が伝わりやすくなってしまう点に注意が必要です。

デメリット③|強制的に立ち退きを迫られる

任意売却と異なり、競売にかけられた場合は落札から半年以内に家を出ないといけません

期限が来ると強制的に立ち退きを迫られるという点には注意が必要です。

デメリット④|ローンが返済できず自己破産する可能性が高い

競売で家を手放した場合には、売却価格が安くなります。

また、売却で得た資金はすべてローンの返済に充てなければいけません。

競売は任意売却よりも安い価格で家を手放すことになるため、ローンを完済できず、最終的に自己破産をせざるを得なくなる可能性が高まります。

任意売却がおすすめな方

任意売却は競売よりも売却価格が高いため、一般におすすめできますが、特に次のような方には任意売却がおすすめです。

自己破産したくない方

競売は売却価格が安いため、多くの場合は自己破産に至ります。

自己破産をすると、次のようなデメリットがあります。

  • 手元にある財産を家以外にもほとんど処分して債権者への返済にあてる必要がある
  • 新たなクレジットカードやローンを申請しても審査に通らなくなくなる
  • 公的な職業の場合は職を失うこともある
  • 自身の住宅ローン残債の返済義務は消失するが、連帯保証人が代わりに返済する義務が生じる

自己破産はより多くのものを失うことになるため、できるだけ自己破産は回避するのが望ましいでしょう。

心理的負担を軽減したい方

競売が進んでいくと、督促状が届いたり、催告書が届いたり、強制的に立ち退きを迫られたり、と心理的負担の大きい出来事が多いです。

任意売却には手間も時間もかかりますが、任意売却をすすめることで、長期的には心理的負担を軽減することができます。

任意売却の注意点

任意売却の手続きを行う際の注意点として、以下の3つを把握しておきましょう。

  • ローン返済の条件変更を相談する
  • 出来るだけ早めに任意売却を始める
  • 任意売却を専門とする不動産会社に依頼する

それぞれの内容を解説します。

ローン返済の条件変更を相談する

住宅ローンの返済が困難となった際には、まず金融機関に連絡し、返済方法の変更(リスケジュール)ができないかを相談しましょう。

リスケジュールにより返済猶予を受けたり、返済期間を延長したりして、毎月の返済負担を抑えることが可能です。

返済負担が少なくなれば滞納を回避できる場合、任意売却よりも有効な手段となるため、一度問い合わせてみると良いでしょう

任意売却の相談先についてはこちらの記事をご覧ください。

任意売却と競売の違い|メリット・デメリットと注意点を解説

出来るだけ早めに任意売却を始める

先述のように、任意売却の申請には期限があります

できれば督促状が届いたらすぐ、少なくともローンを滞納してから1年以内には任意売却の手続きを始めましょう。

任意売却を専門とする不動産会社に依頼する

任意売却の相談先として、一般的な不動産会社ではなく、任意売却を強みとする不動産会社に相談することが大切です。

任意売却を専門とする不動産会社では、金融機関との交渉ノウハウを持ち合わせていたり、任意売却後の債務整理を手がける弁護士・司法書士と提携していたりするため、任意売却をスムーズに進めることが可能です。

信頼できる不動産会社選びのポイントとして、任意売却の実績件数が100件以上ある会社や、電話・メールでの相談にも丁寧に対応してくれる会社を選択すると良いでしょう。

任意売却の相談先はどこ?不動産会社・弁護士・銀行に相談する各メリットと注意点

 競売と任意売却の違いを知ろう

任意売却と競売の違いは次のようにまとめられます。

任意売却と競売の違い|メリット・デメリットと注意点を解説

任意売却と競売では、売却価格や残債の返済方法、引越し費用の支払いなどに大きな差があります。

任意売却では市場価格の8割〜9割程度、競売では6割〜7割程度の売却価格となる傾向にあるため、残債の金額にも差が生まれ、生活再建のハードルも異なります。

競売か任意売却かを判断する際には、十分に違いを理解した上で判断しましょう。

基本的に競売よりも任意売却の方が経済的な影響が少なく、自己破産のリスクを回避できるため、まずは銀行や不動産会社に任意売却について相談してみると良いでしょう。

なお、お持ちの家がオーバーローンの状態なのか、アンダーローンの状態なのかを調べる際には、不動産の一括査定サイト「イエウール」が役立ちます。イエウールでは、全国2,300社の中から最大6社を選び、一括で不動産会社に家の査定依頼をすることが可能です。登録は不要なため、まずはお気軽に無料診断をご利用ください。

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