土地の図面は、どういったシチュエーションで必要で、どこから入手することができるのでしょうか。
そもそも土地の図面は、土地の特性を視覚的に理解するための重要な資料であり、土地取引や建築計画を進める上で、土地図面は不可欠な役割を果たします。
この記事では、土地図面の種類と必要になるタイミング、入手方法や見方など、基本的な情報から、実際に動く際の注意点まで実戦に使える情報をご紹介します。
土地の図面とは
土地の図面はグーグルマップなどの地図を含めると無限に存在しますが、主に不動産に絡む図面についてはこの5つの種類に分かれます。- 法14条地図
- 公図
- 地積測量図
- 現況測量図
- 確定測量図
それぞれどんな特徴がある図面なのか見てみましょう。
これらの図面は、土地を取り巻く様々な法的、実務的な側面を理解する上で基礎となるものであり、土地に関わるすべての人にとって重要な知識となりますので、早めに抑えておきましょう。
法14条地図
不動産登記法14条1項に基づき、法務局で保管している図面の事を言います。この地図は非常に精度が高く、平成15年から行われている測量を基に作られている図面です。
ただ全国全てがこの地図に該当しているかと言うとそうではなく、測量を行えない地域はこの図面がありません。
今現在では約6割に満たない数値ですから不動産の実際の取り引きに使えるかと言うと現状はまだ無理です。
本来は境界を明確にすべき為に作られていて、正確な地図を作成する事が目的ですから、測量には時間と労力を要します。
特に関西圏ではその測量が進まない(進ませてくれない事由がある)状況です。
今後この図面が100%の数値になる時には、法律の改正等があって、正式な公的図面として認知されるでしょう。
公図
これは法14条地図に該当しない箇所の図面を法務局で管轄しているものを言います。元々は明治時代に作られたもので、その境界や土地などは現在は大きく変わっている状況。
したがって法14条地図より精度が低いものとして参考程度に扱われています。
もちろん不動産取引には使えない地図なので、正確な地番の参照用として残っている存在です。
地積測量図
上記2つの図面が土地の状況まで記載していないのに対して、地積(土地の面積の事を言います)を正確に測っている書類で法務局で管理されている図面です。土地の登記が行われると同時に添付されており、その土地の概要も細かく載っています。しかし測量をされている箇所については明確ですが、測量をしていない箇所については不明確です。また古い測量の状況の図面も数多く残っており、その点の制度面で難があります。
ただ不動産を調査するケースにおいてはこれと公図、登記事項証明書などで調査を行う事ができるので、一般的に用いられるケースが多いようです。不動産の売買においてはこれ以上の精度(主に境界線の確認)を求められるため、これにさらに民間の測量業者が入った測量図が用いられます。
現況測量図
実際に現状を測った測量図の事で、主に境界がしっかりと明記されている場合に有効になる測量図です。これはしっかりと測量を行っているのでかなり精度が高い図面ですが、問題が1つあり、その点が解決されないと完全に有効になる図面とは言えません。
問題点とは境界がハッキリと定められていない土地の事で、主に古くからの所有者などや隣人の許可を得ない測量によって作られた図面はあまり意味を成さないものになります。
確定測量図
土地の境界に関しても当人と隣人との立ち合いの元、測量された図面の事で、これが一番精度が高く信頼性のある図面です。ただし法務局のような公的な機関で保管をされていない個人の所有物になります。無くした場合には再度測量を依頼する(隣人立会いの下)か以前に測量を依頼した業者が持っているかも知れないので確認してみましょう。
土地の分割や統合、新たな建築物の建設に伴う境界変更時に、正確な境界線を設定し、それを登記簿に反映させるために使用されます。
- 5種類図面がある
- 公的と私的な図がある
- 一番精度が高いものは「確定測量図」
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土地の図面は不動産取引時に必要
普段ネットで見る地図とは違い、公的な図面を見るのは極稀の機会です。不動産取引では土地の図面が必須で、それには有効な図面の種類が決まっています。その他でも図面が必要になるシーンがあるのでしょうか?土地取引で失敗しない為に確認しておきましょう。
不動産取引で必要なのは確定測量図
不動産取引は私的な取引で公的な所有権の申請などとは別の扱いを受けています。この為必要な図面は直近に測量を正しく行った図面です。したがって不動産取引では主に確定測量図が用いられます。理由として大きなものは隣人との関係性で、買う側はこれから隣人になる人と合意した図面があるのならそれが一番信頼性が高いだろうと言う配慮です。
不動産取引で地積測量図は使えない
公的な図面である地積測量図ですが、これは現状不動産取引には使えません。理由は隣人の許可を得ている図面では無い事と、未測量の部分があまりにも多い事からです。このあたりは民間の出来事は当事者同士の合意の元に行われるという原則を守ったもの。公的な図面としては有効な地積測量図ですが、不動産鑑定には使えてもそれ以上は無理な点は注意しましょう。つまり不動産取引の際には法務局に行って書面を取り寄せる必要が無い訳です。現況測量図は条件を満たせば使える
現況測量図の一見すると不動産取引に使えそうですが、これは隣人の立ち合いの元に行われた測量で作られた図面のみ有効です。あなたが勝手に許可を得ず行った測量の図面は不動産売買には使えません。また現況測量図を用いて不動産取引を行う場合には買い手の許可も必要になるので注意しましょう。不動産取引には優秀な不動産業者と連携する事が大事ですから、一括査定サイトを上手に利用して、不動産の相談をしてみると良いです。イエウールなら全国2,300以上の優良な不動産業者と連携しており、専門家の意見を不動産取引に活かせられます。
- 不動産取引時、基本は確定測量図を用いる
- 地積測量図は不動産取引には使えない
- 不動産取引は相談
土地の図面の入手方法
公図など法務局にある図面とお伝えしましたが、実際どのように取得することができるのでしょうか。特別な書類や申請などは必要なのでしょうか。実は、図面の入手の医師方は6種類ほどあります。1つ1つ詳しく見ていきましょう。
見ていきましょう。
データ化しているものはネットで取得できる
法務局の手続きも簡素化が進んでおり、登記などの重要な事項以外はネットで取得できるようになりつつあります。(今後もなっていくでしょう。)現在測量している箇所は順次データ化が進んでいますが、現状ネットで取得できるのはデータ化している図面だけです。一部のデータ化は進んでいないので法務局などでしか取得できない
一部の図面はデータ化が完了していないので、法務局を介す以外取得はできません。今後変わっていくとは思いますが、法務局や支局、出張所のみでしか取得ができないです。書類の手続きの簡素化が進んでいる中、処理しきれない古い地図がそれだけ多いという理由からでしょう。窓口へ行く場合
最寄りの登記所(法務局)へ行き、地図証明申請書を提出(一通450円の収入印紙を購入)し、窓口で受け取ります。初めて図面を取り寄せる場合には窓口の人に聞きながら、この方法で行うとその他の方法も簡単に出来るようになるのでおすすめです。(地番=住所とは限らないので登記所にあるブルーマップを参照すると簡単な為)ただし古い図面の場合は土地を管轄する登記所に行かないと発行できないケースがあります。郵送の場合
地図証明申請書を印刷し、必要事項を記入し、450円(一通の場合)の収入印紙を郵便局や法務局などで購入し用紙に張り付け、返信用の切手も含めて郵送します。取り寄せる図面が多い場合には返送用の切手を多めに同封しておきましょう。(余った切手は郵送で図面と同封して返してくれます。)インターネットで申請する場合
インターネットで申請し、窓口又は郵送で受け取れるサービスもあります。申請の際に登録し、発行手数料をネットバンキングかATMから納付すると受け取れます。手数料だけの納付(窓口430円、郵送450円)で受け取れるメリットがあります。参考:法務局
登記上提供サービスを利用する場合
証明なしの図面でいいのなら登記上提供サービスが簡単で良いです。正確な地番が解っているならそれを閲覧や印刷で情報を得る事ができます。参考:登記情報提供サービス
- 手続きは実は簡単
- 地番と住所は違うから注意
- 初めての方は窓口でした方が安心
土地の図面の見方
土地の図面の見方をしっかりと覚えて正確にその情報を把握しましょう。地積測量図の見方について
地積測量図には以下のような情報が記載されています。記載項目 | 解説 |
地番区域の名称 | その土地番区域のことで、古い名称が使われているケースもあります |
方位 | 方位方角が記号で記されており土地の方角が一目瞭然です |
縮尺 | 図面の縮尺度が記載されています(原則1/250) |
地番 | その土地の正式な地番が記されています(隣接地の地番を含む) |
地積と求積方法 | 土地の面積とそれを求めた方法について記されています |
距離 | 筆界点間の距離について記されています(正確な境界線ではない) |
境界標 | 石杭や金属標などの境界を示すものが記載されています |
測量の年月日 | 測量した日付が記載されています |
地積測量図は間口や奥行きなどを簡単に見る事ができ、土地の平面の図面として役立ちます。
参考:法務省
法14条に基づく地積図に変更される
国土調査が全て完了すると地積測量図は地積図に名前が変わり、14条地図として保管されるようになります。ただ現状全ての国土調査が終わるのがいつになるのか解りません。公図の見方
公図には図の下側に所在や地番、縮尺など解る範囲内で記載されており、土地の詳しい奥行などは解りません。ただ近隣の土地の状況がどのような区分けをされているのかがある程度解る図面です。縮尺に関しても公図の作った時期により異なります。- 土地の形を知る
- 地積図に統一される
- 区分けは公図で解る
土地の図面を入手するときの注意事項
土地の図面を入手する時には注意事項がありますので、それを整理しておきましょう。事前に、土地の住所と地番を調べておく
土地の図面を申請する時に書く地番は住所と同じではありません。この為ブルーマップなどを利用し、事前に土地の住所と地番を調べておく必要があります。このブルーマップWEBからでも閲覧できますが、初心者には登記所へ行き、そこに置いてあるブルーマップを調べて、解らない事は窓口の方に聞くと良いです。図面の精度に注意
図面の精度は公図より地積測量図の方が高いです。また公図の場合調べていない箇所は空欄になっている事が多く、より正確な情報を得る為には大きな弊害になります。より細かい土地の図面が欲しい場合には地積測量図を入手するようにしましょう。境界が解らない場合には測量を依頼し、しっかりと隣人も含めて土地の範囲を決めておくと良いです。登記情報提供サービスを利用する場合
登記情報サービスは手軽で良いですが、基本的には閲覧のみを目的としています。この為法的な効力等は一切なく、確認をするだけのものですのでそれを理解して利用するようにしましょう。不動産が土地のみなら、土地の図面のみの入手でよい
不動産が土地のみの場合には、土地の図面のみの入手で構いません。公図に関しても地積測量図に関しても法務局の事務的な手続きに用いられるだけです。不動産売買では隣人の許可と立ち合いを得て測量をし直す必要が出てくる場合もあります。建物がある場合、建物の証明書が必要になる
建物がある場合にその権利を主張するケースは建物の証明書も必要になります。これは登記事項証明書に記載されて、法務局で管理される書類です。土地と建物の売買が必要なケースは建物の証明書(登記事項証明書)も一緒に添付しないといけません。- 地番と住所を調べる
- 精度に注意
- 取引に合わせ書類を
準備が整ったら不動産業者に査定を依頼しよう
土地の売却をするケースはその土地の証明が必要になります。公的な書類で土地の名義を確認するには法務局で管理している図面を取り寄せて、現住所がどこであるのかを確かめておきましょう。土地や建物1つ1つに所有者が明記されている書類は売買後の名義変更の時に必要です。不動産売買のケースは個人的な契約になるので、隣人も含めて境界の確認されている書類を交わす事が求められます。土地の図面の申請の仕方を知っておき、自分で取り寄せる事ができるようになりたいです。図面の見方やサービスの詳細を知っておく事は損ではありません。それから不動産業者に頼み査定を依頼します。不動産業者に査定を依頼する時には正確な書面を持って、正確に土地の価値を測ってもらいましょう。
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