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快適な住環境を維持するために、マンションでは数年〜十数年ごとに大規模な修繕が行われます。外壁の修繕や防水設備の補修、共用部分など、修繕すべき箇所は多数あることから、修繕が完了するまでにある程度時間やお金がかかることになります。
マンションの大規模修繕においては、具体的にどのような修繕が行われるのでしょうか。今回はマンションの大規模修繕の中身や修繕時期、実際にかかる修繕費の値段などを詳しく解説していきます。
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マンションの大規模修繕はいつかは行わなければならないもの
どんなに丈夫な構造のマンションであっても、時間が経てば外的な影響を受けてさまざまな箇所が老朽化していきます。構造上の不具合が発生して大きな事故に発展することがないように、適切な時期が来たらどのマンションでも大規模修繕が行われるのです。
通常マンションの大規模修繕に関しては、マンションごとに修繕の時期や周期、修繕にかかる費用などが事前に取り決められてます。
今回は、マンションの大規模修繕に関する気になるポイントについて整理しました。ここからそれぞれのポイントについて確認していきましょう。
マンションの大規模修繕のポイント
修繕に関して気になる点を全てあげると、人により着眼点が異なることから注目ポイントが分散してしまうため情報を整理することが必要です。
マンションの大規模修繕を行う際に注目すべきポイントはおおよそどのマンションでも共通しており、マンションの規模や築年数が同じであれば修繕内容もそれほど大差がないでしょう。
ここからは、マンションの大規模修繕に於いて代表的なポイントを、全部で6つ紹介します。
主体となるのはマンションの住民
マンションの管理の主体は不動産会社や管理会社ではなく、あくまでマンションの住民であり、これは国土交通省の定めにも規定されています。またマンションの住民は団体を結成し、意思を統一して効率的な管理体制を整えることが求められています。
マンションの大規模修繕をする際は不動産会社が主体となるのではなく、日々マンションを利用する住民の意思を最大限尊重した配慮が必要になるのです。
住民側としても、できる限り住民の要望をまとめて不動産会社に提示して、マンション住民側の意思を統一することにより住民の意思を実現しやすくなるでしょう。

修繕の周期もおおよそ決まっている
マンションを大規模修繕する際の周期はおおよそ決まっており、一般的には12年周期で大規模な修繕が行われています。
国土交通省が策定しているマンション管理に関する「長期修繕計画策定ガイドライン」でも、外装や屋上防水などを行う大規模修繕工事の周期が12年程度と規定されており、多くのマンションもこのガイドラインを参考にして修繕の時期を決定しています。
ただし、ガイドラインではあくまで「12年程度」と規定されており、必ず12年に一度大規模修繕を行う必要があるわけではありません。マンションの規模にもよりますが、実際は13年から16年周期で大規模修繕工事が行われていることが多いようです。

費用は修繕積立金から支払われる
マンションの大規模修繕工事を行う際は、一定の修繕費が発生します。この費用は管理会社が肩代わりするわけではなく、マンションの住民より毎月集められている修繕積立金の中から支払われています。
大規模修繕工事を行う場合はそれなりに費用が発生することから、毎月住民が積立を行い支払いに備える必要があるのです。
建物の建設当初の水準まで戻す
マンションの大規模修繕工事を行う際は、建物の建設当初の水準まで戻すことが大切なポイントになります。
そもそも「修繕」とは、建物が劣化し何らかの不具合が発生した場合、劣化した設備や部材などに対して修理や取り替え処置を行って、性能や機能を支障なく利用できる状態にまで回復させることを指します。
したがってマンションの大規模修繕工事は、その場限りの応急処置を行うのではなく、建設当初の新築に近いレベルにまで戻す作業が必要になります。
住民はマンションに住んだまま行う
マンションの大規模な修繕工事を行うのであれば、一時的にマンションを離れる必要があるのではないかと思う方もいるでしょう。しかし実際には住民が部屋に住みながら行うことができます。
したがって工事期間中に入ると、住民は工事以前よりも生活スタイルが制限される場面が出てきます。修繕工事の内容によってはベランダに出られないことや、洗濯物をベランダに出せないケースもあるでしょう。
工事がスムーズに行われるためには、マンションの住民は大規模修繕工事を行う工務店などの指示に従うことが求められます。工事の際は通常よりも行動を制限される場合があるので注意しましょう。
工事期間は長い
マンションの修繕期間は最低でも約2ヶ月継続します。12年に一度の大規模修繕であり、想像以上に多くの箇所を修繕する工事になることから、工事期間は長くかかる傾向があります。
マンションの修繕期間はマンションの大きさや戸数にも影響を受けます。総戸数100戸以上の大型マンションの場合は、修繕工事の期間が2年以上に及ぶこともあるのです。
マンションの住民は、一度大規模修繕が始まったら、しばらくの期間は工事が継続することを覚悟する必要があるでしょう。
マンションの大規模修繕の目的
マンションに居住していれば、このような大規模修繕を必ず経験することになります。マンションの大規模修繕の最大の目的は、既存している箇所を修繕して、できる限りマンションの老朽化を食い止めることにあります。
しかしそれだけでなく、他にもマンションの大規模修繕を行う目的があるのです。ここでは、マンションの大規模修繕を行う目的を2つ紹介します。
快適な居住環境を確保するため
マンションを修繕する目的は、ただ老朽化した箇所を補修するだけでなく、マンションの住民たちの快適な居住環境を確保する点にあります。
時代の変化とともに、私たちを取り巻く環境は変化しています。オール家電の導入やAIシステムの導入など、急速な時代の流れに対応することによって時代にあった住環境を保つことが可能になるのです。
資産価値を維持するため
マンションの大規模修繕を行う目的として、マンションの資産価値を維持する点があげられます。
マンションの外観や外壁、エレベーターなどが古びていると、明確な価値の減少となります。さまざまな箇所が毀損したままであれば、マンションを売却をする際に購入時の価格より大幅に安い価格になる可能性も否定できません。
マンションの大規模修繕を行うことによって、劣化したマンションの機能と美観を初期の状態に戻し、できる限り資産価値を維持することができるのです。
マンションの大規模修繕の内容
約12年おきに行われるマンションの大規模修繕ですが、具体的にどのような箇所を主に修繕することになるのでしょうか。
もちろん老朽化や損傷している箇所はマンションごとに異なります。しかし多くのマンションでは、マンションの共有部分の損傷に対して大規模な修繕工事が行われます。
ここからは、マンションの大規模修繕の具体的な内容について解説します。
ひび割れや防水機能
マンションの共有部分である、外壁や天井、床などのひび割れをチェックして補修工事を行います。コンクリートの剥離やタイルのひび割れなどがあればその箇所をマーキングし、全て確認したのちに補修工事に着手します。
また部屋に水などが入らないように防水機能を保つ必要があります。屋根やベランダ、バルコニーなどの防水機能の状態を確認し、必要な箇所には防水工事を行います。
外壁の塗装塗り替え工事
マンションの外壁の塗装塗り替え工事も、代表的なマンションの大規模修繕の一つです。外壁の塗装塗り替え工事を行う際は、一度古い塗料を剥がして新しい塗料を塗装する場合や、古い塗装の上から新しい塗料を塗装する場合など、外壁の状態に合わせて適切な工程で塗り替え工事を実施します。
外壁の塗装塗り替え工事は、ただマンションの美観を保つ効果があるだけでなく、コンクリートを塗装によって保護して、外部環境からの損傷を軽減させる効果も期待できます。
給排水管の工事
マンションの大規模修繕の際は、長年利用した排水管や給水管の工事も行います。その時の状況を念入りに確認し、今後漏水や詰まりを防ぐために工事を行います。
老朽化が進んでいればパイプ管ごと交換するケースもあり、その際は時間も費用も通常よりも多く発生することになることを心得ておく必要があるでしょう。バリアフリーへの対応は修繕にならない場合もある
車椅子での出入りができるスロープづくりやさまざまな箇所へ手摺りの配置など、マンションのバリアフリー化は世の中に必要とされる流れになっています。
これらのバリアフリー対応施設の設置は現在の性能や機能を向上させる工事にあたることから、「修繕」ではなく「改修・改良」と考えられます。場合によってはマンションの大規模修繕には該当しないことがあるため、マンションごとに確認が必要です。
マンションの大規模修繕の相場
マンションには、数戸しか入っていない小規模なものから、何百戸数もあるマンモス型のマンションまでさまざまな規模のものがあります。
マンションの大きさに応じて大規模修繕にかかる費用は変わってきますが、一定の相場はあることから、今後の大規模修繕に備えて頭に入れておくことをおすすめします。
ここでは、マンションの大規模修繕の相場について紹介します。

多くは1,000万円以上
一般的なマンションの大規模修繕の相場は、全体の8割のマンションは1,000万円を超えています。マンションの規模によっては3000万円以上かかっている例もあり、大規模修繕に関してはかなり高額な費用が発生すると言えるでしょう。
ちなみに国土交通省の調査によれば、マンションの大規模修繕にかかる費用の1戸あたりの費用の負担分は、75〜100万円がもっとも割合として多いことがわかっています。
【参照 https://www.mlit.go.jp/common/001234290.pdf】
修繕回数と金額は比例
大規模修繕の特徴として、修繕する箇所や修繕にかかる費用は、修繕回数を重ねるごとに増える傾向があります。マンションの大規模修繕は十数年に1度行われるため、回数を重ねるごとに老朽化が進み、修繕箇所が多くなっていくことがその理由です。
同様に、大規模修繕の積立金の額も年数に応じて高くなっていくことが予想されます。
まずは建物の状態を調べてもらおう
マンションの大規模修繕を行う場合、外壁塗装を始め、床防水や屋根防水、仮設工事や外壁タイル整備など、さまざまな修繕工事が発生します。
しかし実際の修繕内容はマンションによって異なります。修繕にかかる工事費用もそれぞれであることから、まずはマンションの状態を調べてもらい、自分たちが住んでいるマンションの状態を正確に把握することが大切です。
ここでは、マンションの状態を調べてもらう際のコツやポイントについて解説します。
さまざまな視点で見てもらうこと
マンションの大規模修繕を行うにあたり、複数の会社に依頼してさまざまな視点で調査してもらうことが大切です。
複数の会社にアプローチすることで、担当者との相性や会社ごとの仕事の進め方なども比較できるようになるでしょう。
それぞれの会社に調査してもらい、会社が提示した工事の内訳や具体的な工事内容、工事金額など見積もりの内容を比較検討して、もっとも信頼の置ける会社に工事を依頼すると良いでしょう。
一括査定サイトから会社に依頼する
複数の会社にアプローチする際は、一括査定サイトを活用することをおすすめします。ネット上には不動産関連の情報が豊富に掲載されている情報サイトが多数あります。一括査定サイトが搭載されている情報サイトもあることから、上手に活用することをおすすめします。
一括査定サイトを利用すれば、物件に関する情報を一度入力するだけで複数の不動産会社にアプローチすることが可能になります。自ら一件一件会社を探して問い合わせる必要がないことから、手間も時間も省け効率的に調査を進めることができるのです。
イエカレがおすすめ
現在数多くの一括査定サイトがネット上に存在していますが、利用するのであれば「イエカレ」をおすすめします。
イエカレは不動産に関する総合情報サイトであり、日本最大級の情報量を誇っている信頼できるサイトです。イエカレに搭載されている一括査定サイトを活用すれば、数十秒ほどで複数の不動産会社に同時に査定依頼することが可能となります。
大規模修繕で資産を守ろう
マンションに居住していると、数年〜十数年に1度、大規模修繕が行われます。大規模修繕にはお金も時間もかかることから、マンションの住民側も大規模修繕に関する知識を身につけてしっかりと対応することが求められます。
今回はマンションの大規模修繕に関する費用や時期、調査方法など、大切なポイントを列挙してお伝えしてきました。マンションの大規模修繕を行う際は、今回の記事を参考にして効率的に進めることが大切になるでしょう。