マンション経営でよくある失敗8選を紹介!失敗しない物件の選び方も解説します。

マンション経営でよくある失敗8選を紹介!失敗しない物件の選び方も解説します。

マンション経営というと一棟よりも区分でマンション経営をするのが一般的です。区分マンション経営は一棟よりも気軽に始めることができ、魅力的ではありますが、失敗するリスクも考えなければいけません。

本記事ではマンション経営でよくある失敗例を紹介します。失敗例を知り、事前に対策することでマンション経営を成功させることができるでしょう。失敗しない物件の選び方についても紹介しているため、物件選びに迷っている人は参考にしてください。

\建築費は?初期費用は?/

大手10社の収益プランを比較する
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土地の有無
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都道府県
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もくじ

マンション経営を考ている方には、以下の記事がおすすめです。

【初心者必見】マンション経営の基礎知識!メリットやリスクを解説

マンション経営の失敗例8つ


この記事を見ている方のなかには、「マンション経営=失敗する可能性が高い」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。実際、マンション経営で失敗してしまう人は一定数います。

しかし、マンション経営に失敗した事例を見てみると「対処可能な失敗理由」が浮かび上がってきます。それらをあらかじめ理解しておけば、失敗を防ぐ手立てとすることができるでしょう。

失敗例①:家賃収入ゼロが続きローンが返済できなくなった

Aさんは中古区分マンションを購入するも、入居者がなかなか見つからず家賃収入ゼロが続いた。結果、ローンが返済できなくなってまった。

区分マンション経営の場合、1棟アパート経営と比べて空室リスクが高く、入居者がいなければ家賃収入がゼロになります。

家賃収入がゼロでもローンの返済と管理会社への管理費、税金が発生するため空室のリスクを考慮してマンション経営を始める必要があります。

失敗例②:節税目的でマンション経営を始めるも税金が増えた

Bさんは節税目的で中古区分マンションを購入。初年度は50万ほど節税になったが翌年からは税金が増えてしまった。

マンション経営における不動産所得金額にマイナスが発生した場合は、給与所得金額と損益通算が可能になります。(給与所得から赤字分の不動産所得を合算した額が総課税所得)1年目は物件購入時にかかる諸経費などが多いことから不動産所得はマイナスになり、総課税所得が減り所得税や住民税が減ります。

しかし、2年目以降になると、物件購入時の諸経費を計上することができません。また、区分マンションは耐用年数が長いこともあり1回に計上できる減価償却費が少なく、帳簿上赤字になりにくいです。

不動産所得が黒字の場合、給与所得と合算し総課税所得を計算します。そうなると、2年目からは節税どころか所得税、住民税共に増えてしまいます。赤字にならなければ、税金は節税どころか増えるため、安易に節税目的でマンション経営を始めると失敗してしまいます。

失敗例③:マンションの売却価格が思ったよりも低かった

Cさんは新築区分マンションを6000万円で購入。マンション経営に失敗しても、売れば元を取れると思っていたが、売却時の査定価格は4000万ほど。ローンも1000万円近く残っていたため、手取りは思っていたより少なかった。

マンションの価格は、マンションの所在している地域だけでなく、築年数によっても大きく変化します。築年数によってマンションの価格がどのように推移するのか把握しておきましょう。

築年数別のマンション価格

出典:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年) レインズ

失敗例④:不十分な理解でサブリース契約をして失敗

空室でも一定の家賃額が30年間保証されるとのことでサブリース契約をしたDさん。しかし実際には2年ごとに契約内容の見直しがされ、契約して2年目には家賃の値下げと共に保証されていた金額が激減し、ローンが返済できなくなり破産。

マンションの空室に関係なく、一定金額の家賃収入を保証してくれるサブリースですが、空室期間が続くと家賃の値下げは避けられません。家賃が下がると保証金額も下がります。

「〇〇年間の長期一括借り上げ」と掲げているサブリース会社は多いですが、実際は数年ごとに保証賃料の見直しがされます。空室が目立ち始めると、契約内容が見直され家賃の値下げは避けられません

失敗例⑤:管理会社が原因で次の入居者が見つからない

退去後、なかなか次の入居者が見つからずに困っていたEさん。管理会社に問い合わせをしたところ先方のミスで募集すらかけられていなかった。

退去後、なかなか次の入居者が見つからない場合は管理会社が入居者募集の業務を怠っている場合があります。

また、管理会社によっては客付けの得意、不得意に差があります。管理会社を選ぶ際は安易に決めるのではなくネットでの評判や口コミを参考にし、客付きに強い仲介会社を選ぶようにしましょう。

失敗例⑥:入居者の家賃滞納で収入が激減

知人に区分マンションを貸しているFさん。入居者である知人の収入が激減したのを労り1か月だけ家賃の滞納を許すも、翌月、翌々月と家賃が支払われることはなかった。

Gさんの家賃収入は激減し、さらには滞納の件で入居者とトラブルになってしまった。

入居者とオーナーとの間でよくあるトラブルの例が家賃滞納です。家賃保証会社を付けている場合は保証会社が入居者の代わりに家賃を支払ってくれますが、区分マンションを知人や身内に貸す場合はわざわざ保証会社をつけていないことがほとんどです。

個人間での貸し借りは家賃滞納などのトラブルに巻き込まれることが多いです。知人や身内に貸す場合でも管理会社や保証会社を付けることをおすすめします。

失敗例⑦:想定外の出費増で負担増

Gさんが中古区分マンションを購入してすぐ「老朽化を見据えて修繕積立金の増額」が決定し、毎月1万5000円の積立金を支払うことになった。まだ入居者も決まっておらず、ローンの返済もあるうえ余計な出費が増えてしまった。

区分マンションは一つのマンション内に多くの所有者が存在するため、一棟マンション経営と違い「修繕費」「清掃費」などマンションの共用部分に関する意思決定は管理組合の決議により行われます。

自分ひとりで意思決定できる範囲が少なく、修繕費の積み立て金など想定外の出費が発生することがあります。

失敗例⑧:新築区分マンションを購入するも利回りが低すぎた

Hさんは新築区分マンションを購入。新築なので人気があり空室は避けることができた。しかし、利回りが低く、家賃収入からローン返済や管理費などを除くと、手元に残るお金が思ったより少なかった。

新築区分マンションは人気があり空室リスクは低いですが、割高な物件が多く利回りが悪い傾向にあります。一般的に利回りが5%以上あると有益物件だと言われています。


マンション経営を始める可能性が出てきたら、複数の企業にプランを提案してもらうのがおすすめです。
なぜなら、マンション経営は建築費の見積もりや賃料設定など経営プランによって収益が1,000万円以上変わることもあるからです。

建築費がいくらなら収益性の高いアパート経営ができるのか、利回りはどのくらいが適切なのか、気になるところを建築会社に相談してみましょう。

日本最大級の土地活用プラン比較サイトイエウール土地活用なら土地所在地を入力するだけで複数の大手ハウスメーカーのマンション経営プランを一括請求することができます。

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活用事例:「Clair 荒町」 活気あふれる地域をリードする5階建の店舗併用賃貸マンション

エリア宮城県
土地面積(㎡)835.95
延べ床面積(㎡)1387.72
工法プレハブ工法 重量鉄骨ラーメン構造
ゆったりとした1LDKを中心に、女性視点の設備や内装を採用。働く女性入居者をメインターゲットに、暮らしやすさを考えた賃貸マンション。もしもの時にも役立つよう充電設備や水、ヘルメット等を備蓄した防災庫も設置しています。(パナソニック ホームズ株式会社の土地活用事例)

失敗しないマンション経営の物件選び

マンション経営で失敗しないためには、さまざまなリスクを考慮しなければなりません。その中でも最大のリスクである、空室リスクを最小限にするために、空室になりにくい物件を選ぶ必要があります。

本章では空室になりにくい物件、つまり失敗しないマンション経営の物件選びについて紹介します。

東京圏を選ぼう

失敗しない物件選びにおいて最も重要であると言っても過言ではない条件は、東京圏の物件を選ぶことです。

その理由は以下の4つがあります。

  • 人口減少の影響が最も少ないため
  • 地方の都市圏では安心できないため
  • 家賃の下落率が低いため
  • 需要は減るどころか増えているため

それぞれ解説します。

人口減少の影響が最も少ない

一つ目の理由として、今後人口が減っていく見込みである日本の中で、東京都が最もその影響を受けにくい点が挙げられます。

人口が減っていくことにより、空室が増えたり家賃を下げざるを得なかったりする物件が増え、この傾向は10年、20年と時が過ぎるとより強くなるでしょう。

しかし東京23区内では、40歳以下の若い人が賃貸マンションの入居者として占める割合が多いです。そのため、東京23区、そして東京圏の都市部に関しては人口減少の影響を受けにくく、高い需要が担保されるのです。

地方の都市圏では安心できない

東京圏でのマンション経営が良い理由の一つに、地方の都市圏では安心できないことがあります。具体的にいうと、地方の都市圏は人口減少の影響を著しく受けるためです。

一般的に、一つの国で人口減少が起きた場合、人々は生活の利便性があり雇用機会の集中している都市部へあつまる傾向にあります。この理屈でいうと、日本の場合は東京都に人口が集中するため、東京圏でマンション経営を行なうことがベストです。

国の長期予想でも、日本全体の人口が減少していく中で、東京圏への人口集中が発生すると予想されています。

家賃の下落率が低い

東京圏の物件を選ぶことが重要である三つ目の理由は、家賃の下落率が低いことです。

東京圏では、入居者が入居するかしないかを判断する時の一番大きな要因が「立地」になります。そのため多少築年数が経っていたとしても、物件の立地が良いまま変わらないのであれば家賃は下落しづらいです。

この点で、地方都市の場合は入居者自体が東京圏に比べて少なく、それに対して新しい物件の供給の数が多いため選り好みされるので、立地が悪かったり築年数が経っていたりすると家賃を下げなくては空室が埋まらないのです。

需要は減るどころか増えている

人口が減少してく中で、東京圏の賃貸マンションの需要は減るどころか増えていく見込みがあります。

東京圏は日本経済の中心であり、賃貸マンションの入居者はこうした企業に勤める若手であることが多いため、潜在的入居者がそれだけ多いことになります。

また、外国人のよる需要の増加も原因の一端です。20代~40代の学生・労働者が東京都内の在住外国人の多くを占めています。東京が外国人にとって働きやすく、住みやすいという点が大きいでしょう。

新築や築浅中古の物件を選ぼう

東京圏のマンションを選ぶべき理由を説明しましたが、その中でも新築や築浅中古の物件を選ぶことをおすすめします。

物件を選ぶ際、築古の中古物件のほうが高い利回りを得らえるという考えになるかもしれませんが、これは大きな落とし穴です。老後の資金対策としてマンション経営を行なう場合、築古の中古物件では最初の数年は良くても、10年後、20年後となった時に目論見通りの収入を得られている可能性は低いでしょう。

ローンの返済期間やその後の老後期間を考慮した場合、できれば新築か、築後数年程度の築浅の中古物件を選ぶことが賢明です。

設備の差が大きい

新築や築浅の中古物件と、築古の中古物件の設備を比べると大きな差があります。マンションの設備は10数年経てば顕著に進化・高級化するため、築古の中古物件は比較的劣って見えてしまいます。

あまりにも設備面で差がある場合、いくら東京圏のマンションの入居率が立地で決まると言えど、一概にそうとも言えなくなります。設備面で劣るためその分家賃を下げなければならなくなる、といった可能性も大いにあります。

特に、時間が経つにつれ設備面での差は大きくなり、築古の中古物件は高レベルの設備を持つ新築・築浅の中古物件に対して厳しい競争を強いられます。

セキュリティのレベルが高い

設備面に関連して、セキュリティや将来の拡張性に関しても新築・築浅の中古物件は築古の中古物件と比べて圧倒的にレベルが高いです。

新しい物件の場合は将来の通信技術の発展などに備えて、少しの投資でそれに対応できるように初めから設計されているなどしますが、築何十年も経っているような物件の場合はそういった配慮はないでしょう。

また、オートロック機能や宅配ボックス、防犯カメラやモニター付きインターフォンなど、セキュリティ面で雲泥の差があります。

ワンルームタイプにしよう

マンションの間取りは単身向けのワンルームタイプと、家族向けのファミリータイプの二つに大きく分けられます。区分マンション経営をする場合、ワンルームタイプを購入することをおすすめします。

ワンルームタイプマンションにするべき理由としては、以下が挙げられます。

  • 効率の良い投資ができるため
  • 東京圏では単身世帯が多いため

それぞれ解説します。

効率の良い投資ができる

ファミリータイプはワンルームタイプと比べて面積が広いため家賃も高く設定できますが、効率の良さであればワンルームタイプのほうが優れています。

また、入居者が退去した場合、改装費は物件の広さに比例するため、ファミリータイプのほうが高くなる傾向にありますし、同じ面積で家族が1世帯と単身が2世帯なら、単身が2世帯のほうがリスクは分散されます

加えて、物件の価格自体も立地などの条件が同じならワンルームタイプのほうが安く済むため、複数物件の購入も検討することができます。

東京圏では単身世帯が多い

東京圏では近年、晩婚化・離婚率の上昇・単身高齢者の増加などの理由によって単身世帯の割合が全世帯の中でも増えています

また、東京都の調査によると2035年に都内の世帯の過半数が単身世帯になるとされています。ワンルームタイプのマンションは単身世帯に適した物件であり、将来的なニーズにあった物件なのです。

設備・デザインは個性的すぎないものにしよう

老後の資金対策が目的でマンション経営をする場合、物件の設備・デザインは個性的すぎないものを選ぶようにしましょう。

個性的な設備・デザインの物件は競合との差別化が図れて、一時的には入居率を上げる可能性があります。しかし、マンション経営は長期にわたって収益をあげるものです。現在流行している設備・デザインが数年後・数十年後にも流行っている保証はありません

時代にそぐわなくなったデザインや設備はリフォームで変えることになります。その場合余計に費用が発生してしまい、設備は豪華であるほど機器の修繕に大きな費用がかかってしまいます。

マンション経営で失敗しないための対策6つ

第一章ではマンション経営で起こりうる失敗例を8つご紹介しました。

失敗例が多く、不安に思った方もいるのではないでしょうか。しかし、失敗例を踏まえて対策方法を知っておくことで安定的なマンション経営が十分可能です。

対策①:賃貸需要がある立地の物件を選ぶ

空室リスクを避けるのであれば、多少高額であれ、賃貸需要が見込める立地の建物を選ぶ必要があります。

例えば、田舎のマンションは安いですが、空室リスクはさけられません。

多少価格が高くても都心部や駅地下、周辺に大型スーパーや大学など賃貸需要が見込める物件がねらい目です。

対策②:税金に関する理解を深める

マンション経営での節税効果は小さいです。年収が2000万円の人でも月々に換算すると約5,400円の節税にしかなりません。

理由としては、マンションは耐用年数が長く、1度に計上できる減価償却費が少ないため帳簿上赤字を出しにくくなるためです。

また、会社員がマンション経営において節税効果を発揮するのは不動産所得が赤字になった場合に限ります。帳簿上で黒字を出してしまうと給与所得と不動産所得を通算した総課税所得から所得税と住民税が計算されてしまうため、節税どころか税金が増えてしまいます。

対策③:新築マンションの購入は十分に検討する

新築というだけで人気があり、最初の数年間は空室リスクは低いといえます。

しかし、新築マンションは割高な物件が多く、家賃はもちろんのこと物件価格下落のスピードが早いです。新築区分マンションの場合、築10年で20%程度の家賃下落を経験します。そのため、物件価格が大きく下落します。

将来的、マンション経営が思うようにいかず、マンションの売却を考えるのであれば利益どころかローン返済分を補える価格で売却できるかどうかも危ういです。

対策④:サブリース契約のリスクを理解したうえで契約する

サブリースとは、一見オーナーに寄り添った家賃保証契約にも感じますが、内容を十分に理解しないまま契約をすると後悔することになります。

また、悪質なサブリース契約を提供している業者も中にはいるので契約内容を十分理解したうえで信頼できる業者と契約する必要があります。

対策⑤:客付けに強い管理会社の選択

退去後なかなか次の入居者が見つからない場合、管理会社側に問題があることもあります。

管理会社は主に「入居者管理業務」「建物管理業務」この2つの業務をおこないますが、管理会社によって管理業務は得意とするけれど客付け業務には欠けるといった得意、不得意が生じます。

管理会社を選ぶ際はネットの評価や口コミを参考に客付けに強い管理会社を意識して選ぶといいでしょう。

対策⑥:想定外の出費に備えた積み立て

マンション経営に限らず、不動産投資には想定外の出費というリスクが付いて回ります。そうした事態に対応できるように日頃から収益の一部を積み立てしておくといいでしょう。

また、区分マンションをローンで購入する際、貯金を切り崩してまで自己資金を用意すると、急な出費に対応できなくなるので余裕のある範囲で自己資金を準備するようにしましょう。

マンション経営が失敗する要因

マンション経営が失敗する要因として、以下の4つのことが考えられます。

空室リスクが高い

区分マンションは一棟経営と違い、空室リスクが高いです。入居者のニーズにあった間取り且つ、駅近などの立地条件の良い区分マンションでなければ安定した入居者の確保は難しいです。

入居者がいない場合は家賃収入ゼロとなってしまいます。家賃収入はゼロでも、当然ながらローンの返済や月々の経費を支払わなければならないため、その分は自己資金からの捻出が必要になります。

空室がなかなか埋まらず、マンション経営で失敗するケースは非常に多く、空室リスクは区分マンションにおける最大のリスクといえるでしょう。

運用計画の甘さ

空室リスクを避けるために駅近など賃貸需要が高い物件を選ぶことは重要ですが、そういった物件はどうしても高額になってしまいます。

高額な物件は、月々のローン返済額はもちろん、固定資産税も高くなりやすいです。よって、いくら満室の状態が続いていても収益は決して高くありません。初期費用の回収を急ぎ、月々の収益を上げようと家賃の値上げを行えば空室が目立ってしまいます。かといって家賃を値下げするとさらに収益が減ってしまいます。

区分マンション経営の場合、短期的に儲けるのではなく長期的に見ていくことが大事になります。空室リスクなどを考慮せず、表面利回りだけを当てにした不十分な運用計画はマンション経営において失敗の要因となることが多いです。

税金に関する知識が薄い

区分マンション経営は節税効果が薄いです。赤字の場合、給与所得がある場合は損益通算し総課税所得を減らすことで所得税と住民税の節税効果が見込めます。

しかし、区分マンションは一棟経営と比べて、その年に計上できる経費が少なく帳簿上赤字を出しにくいため節税効果は思っているよりも小さい事がほとんどです。さらに区分マンションを所有することになると固定資産税がかかります。

通常、マンションの固定資産税は、階数に関係なく専用部分の面積が同じであれば税金の額は変わりませんが、平成29年度(2017年度)の税制改正により、タワーマンションにおける高層階の固定資産税額が引き上げられました。

区分マンションを所有するにあたり、支払わなければならない税金がたくさんあります。税金は支出の一つであり、税金に関する知識が薄いと区分マンション経営の収支計画が崩れ、思うような運営はできないでしょう。

管理に関する権限が限定される

区分マンション経営の場合、自分がマンション全体のオーナーになるわけではないので物件の管理に関する権限が限定されます。

例えば、外壁の塗装が剝がれていても外壁の修繕をすぐに行うことはできません。修繕を行うかどうかは他の部屋のオーナーと相談する必要があります。外壁だけでなく、エントランスや廊下、エレベーターなどマンションの共用部の修繕を行う際は原則他のオーナーと相談が必要になります。

修繕費などは他のオーナーと負担することになり、個人の負担額は大きいものではありません。ですが、修繕等が遅れることにより、もしくは他のオーナーの意見によっては修繕が行われないことにより内見に来た入居希望者から設備不備を理由に入居を断られてしまう可能性があります。

共有部の修繕を怠れば空室リスクも上がります。区分マンション経営の場合、こうした管理に関する権限が限定されることにより失敗につながるケースもあります。

マンション経営で失敗を回避する出口戦略


マンション経営においては途中の家賃収入ももちろん大切ですが、「出口戦略」をしっかり練っておけば最初から最後まで失敗するリスクをできるだけ抑えることができます。

ここでは、マンション経営における出口戦略についてお伝えしたいと思います。

出口戦略とは

マンション経営という投資方法においては「出口戦略」が重要です。

どんな投資においても、金融商品を購入して売却して収支をプラスにする(利益を出す)ことが重要ですが、不動産投資においてはそれまで家賃収入で黒字だったのに、最後の売却で失敗して全体収支がマイナスになってしまう――というおそれがあり、それだと出口戦略は完全に失敗と言えます。

基本的には物件選びの段階から出口戦略を練っておくことが大切です。

マンション経営で出口戦略を考えるべき理由

マンション経営で出口戦略を考えるべき理由の一つとして、商品としての価格の高さがあります。

マンションには築年数の問題があるため一般的には購入時より売却時の価格が低くなりますが、その下げ幅が大きいため、出口戦略を見誤るとそれまで得た家賃収入がすべてパーとなる可能性もあります。

また、マンション経営はほかの投資と異なり現物を所有するため、「減価償却」という考え方にも注目する必要があります。減価償却は、マンションの帳簿価格を年数の経過に応じた経年劣化分を費用として計上するという考え方ですが、毎年の確定申告で経費として計上できる一方、売却時には経費にできる額が小さくなり多額の税金を納めなければならなくなります。

マンション経営においては、こうした税金に関する知識もつけたうえで出口戦略を練るべきです。

出口戦略を意識した購入物件選び

出口戦略を練るべきタイミングは、購入物件の選定時です

売却時に想定通りの価格でマンションを売るには、対象の物件に十分な価値があるかどうかの判断が重要となります。また、買い手はあなたと同じく投資家である可能性が高いので、「投資家目線で魅力的な物件と感じるかどうか」が大切です。

具体的には、立地や空室率、利回りが重要なポイントとなります。あなたが購入するときと売却するときの主な違いは、社会的背景と築年数です。「○年後に売却すると築年数が●年」といった計算や社会的背景もふまえて、購買需要がある不動産であるかを判断するとよいでしょう。

マンション売却のタイミング

マンション経営において出口戦略の重要なポイントとなるのが。不動産売却のタイミングです。

マンション売却のタイミングはいつがよい?

マンション売却においては高く売ることも大切ですが、「いつ売るか」も大切です。

基本的にはマンションの築年数の関係から、「今」売るのが一番高く売却できるのですが、それをもって「適切な出口戦略」とは言えないでしょう。

そこで、マンション売却のタイミングとしてご提案したいのが、投資収益(つまり家賃収入による毎月の収入)がプラスになっているときに売るという考え方です。

投資収益がプラスのときに売却する


不動産売却は、ほとんどの場合において購入時の価格より低くなるので、その値下がり幅と毎月の家賃収入を差し引いて、トータルで収支がプラスになれば投資成功です。

つまり損益分岐点を境に、マンション売却のタイミングを検討します。

所有物件が今売れたらいくらになるのか、現在の相場と比較してタイミングを見極めましょう。売却タイミングは以下の式から導きます。


  • 購入価格 ― 現在相場 + これまでの家賃収入 = 現在の収支

収支がプラスになれば、出口戦略(=マンション投資・マンション経営)は成功と言えるでしょう。

出口戦略はマンション経営を成功させる要とも言える存在ですが、失敗しないポイントは所有物件をできるだけ高く売ることです。

マンション経営とアパート経営の違い

区分マンション経営は、失敗例にもあるように空室のリスク利回りの低さから失敗する可能性が高いといえます。

区分マンション経営を検討中であれば、一棟アパート経営を視野に入れて見てください。近年、都心部のマンションは価格が高騰していて、一棟アパートを新築、購入する費用に大きな差はありません。一棟アパート経営であれば、戸数も多く空室のリスクを回避しやすいです。戸数の多さから、区分マンションと比べると利回りが良く、毎月の手元に残るお金(キャッシュフロー)も多くなります。

また、区分マンションに比べて一棟アパートのほうが節税効果が期待できます。区分マンションの場合、1年あたりの減価償却費が小さく、経費として計上できる額が少ないです。一方、一棟アパートの場合は木造建築を主流とし、物件の耐年数が短く、1年で計上できる減価償却費が大きいため所得税や住民税の節税効果が期待できます。

管理面でも、区分マンション経営だと共有部に対して口出しできる権利はありません。ですが、一棟アパート経営になると建物全体を管理する必要があるため、必要であれば共有部や外壁などの修繕が可能です。

以上のことから、区分マンション経営と一棟アパート経営を比べると、一棟アパート経営のほうが失敗する可能性は低くくなります。もちろん、区分マンション経営を始めるメリットはありますが失敗のリスクを考えると一棟アパート経営も視野に入れてみてもいいのではないでしょうか。

初心者でもわかる!
記事のおさらい
マンション経営はどうして失敗する?
空室が増えて家賃収入が入らなくなり、失敗してしまうケースが多いです。 詳しくはマンション経営の失敗例8つをご覧ください。
マンション経営の失敗対策はどうすればいい?
出口戦略を練っておくことが大切です。マンション経営で失敗を回避する出口戦略では、マンション経営で失敗してもよいように、あらかじめ意識しておくべき対策法を紹介しています。
マンション経営したら、収益いくら?