施設に入った親の家は解体して大丈夫?解体せずに売る際の注意点も解説

施設に入った親の家は解体して大丈夫?解体せずに売る際の注意点も解説

施設に入った親の家を解体していいのだろうか。

自分の親が施設に入って実家が空き家になってしまった場合、家を解体すべきか悩むひとは少なくありません。

空き家の維持管理には手間や時間がかかりますが、解体には数百万の費用がかかります。

まだ、親が生きているのに解体するのは気持ち的な面でどうかなと感じる方も多いでしょう。

本記事では、施設に入った親の家を解体してよいのかを迷っている方に向けて、解体を決める前に知っておきたい注意点や解体以外の対処方法について解説しています。

なお、ご実家の解体費用がいくらか知りたい方は以下のフォームから解体費用をシミュレーションできますので、ぜひご活用ください。

私の家の解体費用はいくら?

▼家の解体費用についての基礎知識はこちら

不動産売却の5つのコツを解説!失敗しないために知っておくべき心得とは

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施設に入った親の家を解体する際の注意点

まずは、施設に入った親の家を解体する際の注意点をおさえておきましょう。

施設に入った親の家の解体をご検討中の方は、次のシミュレーションツールから解体費用を自分で見積っておきましょう。予算を把握しておくことで、解体工事の計画がたてやすくなります。

私の家の解体費用はいくら?

【注意点①】解体費用は100万円から300万円で一括払いが原則

解体費用は100万円から300万円と高額です。例えば、一般的な30坪の木造住宅の解体費用は90万円~150万円となります。

くわえて、解体費用は施工完了後の現金一括払いが一般的です。

このように大きな金額がショットで必要となるため、自己資金が不足している方は施工が難しい可能性がある点に注意してください。

なお、資金が不足している場合は、補助金や解体ローンなども利用できます。

昨今、空き家増加による地域の住環境の悪化が問題視されていることから、各自治体では解体費用の一部を補助金で補うための制度や、地域の金融機関と連携してローン制度を設けています。

補助金の支給額は30万円~50万円、ローンは年利2.5%~3.5%で返済期間は6カ月から1年以内となっています。

不動産売却の5つのコツを解説!失敗しないために知っておくべき心得とは

【注意点②】解体後の翌年から固定資産税が高くなる

解体後の翌年には固定資産税が高くなります。建物を解体すると、建物があることで適用されていた固定資産税の軽減税率(=住宅用地の特例)が対象外となるためです。

住宅用地の特例では、建物つき土地の敷地で200平方メートル以下の部分は1/6、200平方メートルを超える部分は1/3まで固定資産税率が軽減されています。

住宅用地の特例は毎年1月1日時点の土地の状態によって適用されるかが決まります。

よって、解体すると施工の翌年から適用対象外となり、固定資産税が3倍から6倍まで跳ね上がります。

解体後も継続して土地を所有しつづける場合は、解体したぶん上昇した固定資産税を支払い続けることになる点に注意してください。

【注意点③】解体後に新築できない土地の場合がある

「再建築不可」とされる土地の場合、解体後に新しい建物を建てるのが難しく、更地にすることで扱いづらい土地になってしまうケースがあります。

再建築不可とは新しく建物を建てることを禁止されている土地のことです。

都市計画区域と準都市計画区域内だけに存在し、建築基準法で定められた接道義務(幅4m以上の道路に2m以上接していないといけない)を果たしておらず、建物を建て替えることができない場合に該当します。

建築基準法が定められる昭和25年以前に建てられた家は、基準を満たしていないケースが多いため、解体する場合は不動産会社に相談する等して、事前に確認をとるようにしましょう。

施設に入った親の家は解体せず売却するのがよい?

  1. 解体すると税金や解体費用の支出が増えて大変。解体せずに手放す方法はないのかな?

解体には税金や施工費用など、金銭的な負担が大きくかかります。どうしても難しい場合は、解体せずに売りに出すというのもひとつです。

本章では、家を解体せずに売却したほうがよいか、考える際におさえておきたい注意点を解説します。

売却代金を親の施設費用にあてられる

解体せずに売却できれば、解体費用がかからない他、売却代金を親の施設費用にあてることができます。

介護施設の入居費用の平均相場は100万円、中央値は10万円といわれています。古家の売却代金の相場は、土地や建物にもよりますが数十万から数百万円程度です。

解体せずに売却することは、資金的に余裕がない方にとって、金銭面での負担を減らすことに役立ちます。

  1. 施設の入居にはお金がかかるから、売却して少しでも支払いにあてられたらありがたいよね

古い家だと売れない可能性も

ただし、どんな家でもすぐに売却できるとは限りません。

築年数が20年超の古い家の場合、建物の資産価値はほぼゼロに等しく、土地のみの価値だけで売りに出すケースも珍しくありません。

家が都心部に近く、学校や病院などが近い等、生活施設が充実している立地であれば、土地の価値のみで売れる可能性があります。

しかし、田舎に位置しているなど、生活するうえでの利便性が低い土地の場合は、買い手が見つかりにくく、売れるまで時間がかかるリスクも考慮しておきましょう。

土地売却にかかる期間は約3カ月といわれていますが、売れない土地の場合は1年から3年以上かかることも珍しくありません。

ご実家の土地が売れるまでどれくらいかかりそうか知りたい場合は、売りたい土地周辺の不動産会社に相談してみましょう。

不動産会社は土地売却のプロなので、ご実家の土地や建物の評価を客観的に把握し、売却のためのプランを一緒に考えてくれるはずです。

なかなか売れないなら更地渡しか買取での売却も検討

売れる自信がない土地の場合は、更地渡しか買取での売却も検討しましょう。

  1. 更地渡しとは、売買契約後の解体を約束したうえで土地を売りに出すことだよ!

一般的に、更地のほうが古い建物つきの土地よりも高く売れる傾向にあります。建物つきの土地は土地の用途が限定されてしまう他、更地にしたいなら買主が自己負担で購入しなければならないためです。

更地渡しで売りに出せば、売り主は売却代金を解体費用にあてることが可能です。

ただし、解体費用ぶんを上乗せした金額で売却できるわけではないので、解体費用が売却代金を上回った場合は、赤字になってしまう点に注意してください。

  1. それでもなかなか売れない場合は、買取での売却も検討しよう

買取とは、不動産会社に直接土地を売る売却方法です。市場で買い手を見つけるわけではないので、不動産会社が提示した売買金額に合意ができれば売却を完了させることができます。

買取の場合は、不動産会社に査定を依頼してから最短1週間で土地を売ることも可能です。ただし、売却代金は市場の約8割と安くなってしまうため、高く売りたい方にはあまりおススメできません。

土地活用を始めたいと思っても、どの方法が良いのかわからず悩んでしまう、ということもあるでしょう。この診断では3つの質問に答えるだけで、あなたの土地に合わせた活用方法をランキング形式で紹介します。

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施設に入った親の家の解体を検討するならヌリカエ

本記事では「施設に入った親の家を解体する上での注意点」や、「家を解体せずに売却する際の注意点」を解説しました。

実家が生まれ育った生家であるなら、費用面だけでなく、精神的にも、解体工事を決めるのに負担を感じるひとも多いでしょう。

解体したほうがよいか決める際は、解体工事の費用がいくらかかるのか、解体せずに売りに出す場合はいくらになるのか、解体業者や不動産会社に適切に相談して、状況を整理することが大切です。

なお、解体費用がいくらかかるか知りたい場合は、以下のシミュレーションツールから解体費用をできます。立地などの土地個別の条件を踏まえて概算できますので、お気軽にご活用ください。

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