住み替えで「家が売れる前に新居を契約するのは不安」とお悩みではありませんか?
そのリスクを軽減できるのが「買い替え特約」です。
「買い替え特約」を利用した場合、自宅が期間内に売れなければ、新居購入を違約金なしで解除できます。
「買い替え特約」には売却に専念できるメリットがある一方で、売主になかなか同意してもらえないというデメリットもあります。
この記事では、買い替え特約の仕組みや注意点、活用法を説明します。
「まずは不動産売却の基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
買い替え特約とは何ですか?
買い替え特約とは、買主が自宅を買い替える際に、先に新居を見つけてキープしておきたい場合に、売主と買主とで交わされることのある特約です。
買い替え特約を利用すれば、買主が新居の売買契約を結んだ後や新居の引渡しの後でも、旧居の不動産の売却が想定通りに進まなかった場合、違約金を発生させずに売買契約を解除することができます。
買い替え特約の主な目的は、新居の購入と旧居の売却が同時に行われるケースで、旧居の売却が遅延した場合でも違約金を発生させずに契約を解除できるようにすることです。
たとえば、新居を購入したものの、旧居の売却が期待通りに進まなかったために違約金を支払う事態になった場合でも、買い替え特約により違約金を免除することが可能です。
買い替え特約は契約書のどこに記載されますか?
買い替え特約は、不動産の売買契約書に特記事項として追加することで成立します。
これにより、契約者間の信頼関係を保ちながら、新居の購入と旧居の売却のスムーズな進行を図ることが可能となります。
この特約があることで、旧居の売却が遅れた場合でも、違約金を支払わずに契約解除が可能となります。
買い替え特約の期間は決まっていますか?
買い替え特約の期間については、特に法律で定められているものではなく、売主と買主の間で合意した範囲内で設定されます。
しかし、一般的には、新居の引き渡しから2~3ヶ月後までが多いとされています。
この期間内に旧居が売却できなかった場合、買い替え特約を発動して契約を解除することができます。
買い替え特約のメリット・デメリットは何ですか?
買い替え特約のメリットとデメリットにはどんなものがあるのでしょうか。紹介していきます。
メリット①:売却活動に時間をかけられる
買い替え特約の最大のメリットは、旧居の売却活動に十分な時間をかけることができる点です。
通常、新居の購入と旧居の売却は同時進行するため、両方に時間をかけることは難しいです。
しかし、買い替え特約があれば、新居の引き渡し後も旧居の売却活動に集中することができます。
メリット②:費用負担を抑えて売却活動が出来る
さらに、買い替え特約を結ぶことで、旧居の売却が遅れても違約金を発生させずに契約解除が可能となります。
これにより、売却活動における金銭的なリスクを大幅に減らすことができます。
特に、市況が不安定な時期や旧居の売却が難しい場合、この特約は非常に有効です。
デメリット:承諾してくれる売主は少ない
しかし、買い替え特約にはデメリットも存在します。
特に、売主が個人の場合、売却の成約が遅れるリスクを嫌い、買い替え特約の成立を拒否することがあります。
そのため、買い替え特約を結ぶ際は、売主との調整が必要です。
買い替え特約を承諾してもらいやすいのはどんなケースですか?
買い替え特約が成立しやすいケースは、売主が売却活動に苦戦しているケースです。
特に、市場の低迷期や物件の特性上、売却が難しい場合、売主は買い替え特約を受け入れる可能性が高まります。
これは、旧居の売却を確実に行いたい買主と、早期に物件を手放したい売主との間で利害が一致するためです。
買い替え特約に応じてもらえない場合はどうすればいいですか?
買い替え特約を結ぶことが難しい場合、別の方法として「売り先行」での住み替えを検討することがあります。
これは、旧居を先に売却し、その後新居を購入するという手順を取る方法です。
これにより、新居の購入費用を旧居の売却金でまかなうことができますし、旧居を売り進めてから新居探しを進めることができます。
ただし、一時的に賃貸住宅に移るなどの手間が発生するため、その点を考慮に入れた上で計画を立てることが重要です。




