中古マンションの耐用年数を把握して賢い賃貸経営を目指す

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「耐用年数」というと、例えばテレビなら放送が画面に映らない・音声が出ないようになるまでの年数、スマートフォンなら充電してもすぐ切れてしまうようになる年数と言うようにとらえるかもしれません。それが「マンションの耐用年数」となると「住むに耐えられなくなるほど劣化する年数」となりますが、不動産業界ではそんな基準を使うことはありません。そんなマンションは誰も欲しがらないからです。
不動産で使われる「耐用年数」とはどういう基準で、どのように使われるのかを正しく知り、持っているマンションをより有効に活用するための知識を知りましょう。

先読み!この記事の結論
  • 不動産賃貸ビジネスでは、収入の確保と支出の管理が収益の分かれ目となる
  • 劣化にきちんと対応し、入居者のニーズに合わせたサービスとしての物件づくりが有効

マンション経営を考えたい方には、以下の記事がおすすめです。

建物の耐用年数とは

建物の耐用年数とは「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で定められた法定耐用年数のことです。マンションはほとんどが鉄骨鉄筋コンクリート造または鉄筋コンクリート造住宅で、47年と定められています。しかし、だからと言って「48年目には危険だから住んではならない」というような法令による制限ではありません。あくまで会計上の「減価償却」の目安です。

減価償却とは

減価償却とは、長期にわたって使用するものの費用を、使えるとされる期間ごとに一定の費用として計上する「会計上」の費用項目です。不動産投資でマンションを運用する場合、家賃収入はもちろん、経営に必要な費用を計上して収益を計算し所得税が決まります。
費用には管理費や固定資産税などがありますが、最も大きなものは「マンションの購入費用」です。ところがどれだけ家賃が高くても年に一度の確定申告に一度に計上してしまっては大きな損失となってしまいます。そもそも確定申告は、当該年度に費用として認められるものを計上し公正・公平に収益を申告するものですから、購入費用もそれに見合った適切な金額であるべきです。
そこで考えられたのが、マンションなど高額な原価を、使用する年数で分割し費用として計上する減価償却です。ビジネスで使う機械や権利などは法律によって有効期間が定められ、その年数で割った費用を毎年できるのです。その定められた期間が「法定耐用年数」なのです。

耐用年数の根拠

国土交通省がまとめた研究例では、一般的な鉄骨鉄筋コンクリート造建物の物理的寿命は117年とも150年とも言われています。しかし建物は鉄骨鉄筋コンクリートだけで作られているわけではありません。昭和40年に公表された「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」では、建物は防水・床・外装・窓・構造体という5つの要素から成り立っているとされ、全体を1億円の価値とした場合の各要素の価値が決められていました。
例えば防水要素は耐用年数が20年で、全体を1億円とすると135万円の価値があるとされ、1年あたり6.7万円の償却が適切であるとされています。これを5つの要素にごとに計算した1年あたりの償却額を合計すると134.8万円となり、1億円を134.8万円で割るとおよそ75年。鉄骨鉄筋コンクリート造建物の耐用年数は75年とされていたのです。その後鉄骨鉄筋コンクリート造建物の耐用年数は、昭和41年に65年、平成10年には50年(住居用は47年)とされました。
  • 会計上の耐用年数
  • 100年超える寿命
  • 5要素から計算

耐用年数に応じて、借り入れられるローンの金額や返済期間が異なってきます。
マンション経営をするにあたり、どのくらいのローンを借り入れてどのスパンで返済していくのかを知りたい方は、土地活用比較サイトで相談して収支プランを受け取ることがおすすめです。

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中古マンションの耐用年数はどのくらいか

中古マンションの場合の耐用年数を考えると「築年数」よりも今後どれくらい持つことが予想されるかが重要です。新築から手に入れているなら、計算して概算を知ることはできるかもしれませんが、すでに経てきた期間でどのくらい劣化しているかどうかを正しく知る必要があります。

鉄骨鉄筋コンクリート造建物の寿命とは

鉄骨鉄筋コンクリート造建物の物理的な寿命は優に100年を超えると言えますが、それが寿命を全うできない理由がいくつかあります。

耐震性から見た寿命

現在の建物の耐震基準は、1981年に施行されています。それ以前のマンションでは、コンクリートの性能や鉄筋の量、施工法が異なっているため現行基準のマンションに比べると耐震性能は残念ながら非常に低いと言わざるを得ません。そのため、まだ使える建物でも取り壊して新しくする場合があります。
新基準以前のマンションでも耐震改修工事を施せば良いのではないかと思うかもしれませんが、事態はそう簡単ではありません。倒壊を防ぐ意味では一定の効果はありますが、現行の耐震基準と比較すると材質や鉄骨の数など基本的な要素で大きな違いがあるため耐震効果は高くありません。また分譲マンションの場合美観の問題もあり徹底した耐震改修に踏み切れない場合もあるようです。

経年による物理的な寿命

なにもせずに寿命が自然に伸びることはありません。新耐震基準に適合していても、さまざまな要因から起きる劣化が起こりますし、それらは原則として早期発見早期対処、しかも適切な対処があって初めて防ぐことができるからです。同じ築年数・新耐震基準のマンションでも、手厚くメンテナンスを施しているものとそうでないものでは大きな差が生まれます。しかし一方で、年数を経るごとにメンテナンス費用が増えるのも事実です。一定期間過ぎれば、建て替えた場合と同じくらいかかってしまうことになるかもしれません。

経済的観点から見た寿命

いくら旧耐震基準とはいえ、物理的に100年以上住み続けることが可能な堅牢な構造を持つマンションも現実では取り壊されています。2016年には日本初の分譲マンションである渋谷の「宮益坂ビルディング」も65年で取り壊されました。
物理的な寿命の前に、社会情勢の変化によって経済活動上のさらなる価値を求めた結果取り壊されることもあります。再開発や区画整理などによるインフラ整備も同様にマンションの寿命を左右しているのです。

中古マンションの耐用年数

中古マンションの耐用年数も、構造や用途による法定耐用年数を基準に計算します。ポイントは築年数ではなく、「残存耐用年数」の償却率を使って計算することです。
法定耐用年数の一部が経過している場合は、まず経過した年数に0.8をかけ、その年数を法定耐用年数から差し引いた年数が耐用年数です。単純に経過した年数を差し引かないことに注意してください。
法定耐用年数を過ぎている場合は、法定耐用年数に0.2をかけた年数が耐用年数です。
  • 基準の違う寿命
  • 寿命を全うできない
  • 残存耐用年数が基準

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中古マンションの減価償却を算出する方法

中古マンション賃貸を経営すると、不動産所得が手に入り所得税がかかります。その際、計上する経費が多いほど所得額は減ることになり税金も少なくなるのですが、その中の減価償却費の計算が理解できない人が多いようです。

減価償却の公式

減価償却費は、建物のように経年劣化によって目減りする資産価値を経費として計上するものです。よくあるのが土地の価格を加えてしまうこと。土地は経年劣化しないため減価償却の対象になりませんから、マンション購入価額のうち建物分だけを取り出して計算します。
減価償却費は、建物の購入価額に償却率をかけて求めます。償却率は建物の耐用年数によって定められていますので、定額法の償却率を使います。鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションの場合、耐用年数は47年ですが、中古の場合すでに経年劣化が始まっているため、残りの耐用年数の計算から始めます。
築年数が法定耐用年数を超えていない場合は、築年数に0.8をかけたものを47年から引いた年数を、超えている場合は47年に0.2をかけた年数を使います。

実際の減価償却費計算

実際に公式を使って、減価償却費を計算してみましょう。築20年2ヶ月の中古マンションを賃貸に出している場合を想定します。鉄骨鉄筋コンクリート造で購入価額は土地1,600万円、建物400万円とし、6月1日から賃貸に出したとします。

耐用年数を求める

鉄骨鉄筋コンクリート造建物の耐用年数は、新築時点で47年です。耐用年数を求める式に当てはめると、1年未満(小数点以下)を切り捨てて30年となります。

建物価額を取り出し減価償却費を計算する

耐用年数がわかれば、国税庁ホームページにある減価償却資産の償却率表から、定額法の償却率が0.034だと言うことがわかります。一方建物価額は400万円ですから、償却率の0.034をかけて減価償却費は13.6万円になります。今後毎年13.6万円の減価償却費を計上することがわかりました。
今回に限り、もう1つの条件があります。それは賃貸に出している期間が対象期間のうち半分の6カ月しかないことです。13.6万円は1年間で焼却する金額ですから、今回償却できるのはその半分6.8万円となります。

建物価額はどこでわかるのか

マンション購入価額のうち建物分がいくらかを知る方法は、大きく分けて2つあります。1つは契約書の表示から。売主が不動産業者だった場合、購入価額のうち建物だけに消費税がかかります。もし契約書に消費税の表示があれば、消費税額から元の建物価額を割り出すことができます。
もう1つは毎年送られてくる固定資産税納税通知書・課税明細書に記載されている土地と建物の評価額の割合から求めます。この割合でマンション購入価額を按分することで建物価額がわかります。

設備の減価償却

厳密に言うとマンションの建物と内部の設備は耐用年数が異なるため、それぞれ法定耐用年数が定められています。新築の場合はこれらの内訳価格が契約書に記載されていますが、中古の場合は明確でないことがあります。そのため、中古マンションの減価償却では設備も含めた建物として耐用年数を計算するのが一般的です。

購入価額には消費税込みの仲介手数料や精算した税金も含む

購入価額には、仲介してくれた不動産業者への手数料や、譲渡日までの分として精算した固定資産税・都市計画税が含まれます。これらはマンションを購入するために必要な価値と認められており、減価償却することができるのです。
  • 減価償却は建物だけ
  • 耐用年数と償却率
  • 設備も建物と合算
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中古マンションをリノベーションをした場合の耐用年数は

長期にわたってマンションに住んでいると、壁の傷や表面の汚れの除去などをリフォームすることがあります。比較的簡単なリフォームなら修繕費として経費処理できるため、減価償却する必要がありません。しかし建物を再生し価値を高める「リノベーション」となると事情が変わります。

リノベーションで価値が上がるということ

確かにリフォームも劣化したマンションを元に戻すと言う意味では価値の低下を防ぐものです。しかしリノベーションは規模が大きいだけでなく、マンションに新たな付加価値をつけてくれるものです。
例えばバリアフリーにするため、玄関やトイレ・浴室の段差をなくすこと、廊下などに手すりをつけることは高齢者や足の不自由な人にとっては大変喜ばれる設備です。そのため多少高額の家賃がかかるとしても特にその設備があるマンションを選ぶという人もいるはずです。
ただ「住む」だけでなく、普通の住居で暮らすことが難しい人が生活しやすいという「新たな価値」を付加することで物件の価値、不動産経営でいう「利回り」を上げ、収益を増やすことができます。
賃貸物件の評価額は、実質利回りで判定されますから間違いなく価値は上がっています。劣化を元に戻すのではなく、物件そのものの価値を上げるのがリノベーションなのです。
すでに全国にリノベーション例はたくさんあります。イエウールWebサイトには、初めて中古マンションを売却する人のために充実した「質問コーナー」を設けています。リノベーションも含め、物件の価値の上げ方や経営での失敗談などに目を通してみましょう。

リノベーションの全てが減価償却できるわけではない

しかし、リフォームとリノベーションは明確に規定されておらず、減価償却が適用されるかどうかは呼び名とは別に規定されています。リノベーションとは言っても全てが減価償却できるとは限らないのです。

修繕費となるリノベーション例

工事費用が20万円未満のものまたは、20万円を超えていても3年以内に定期的に行なっているもの、災害で被害を受けた箇所の修復のために行われてものや、原状回復のために行われたものは修繕費になります。主に費用が比較的定額で、定期的な修繕に近く、原状回復という性質を持っているものが該当します。

減価償却の対象となるリノベーション例

工事費用が20万円を超え同様の工事を過去3年間行なっていないもの、元の状態より価値を高めているもの、改装や増築・設備の追加、災害に備えて設備を強化・追加した場合などは、資本的支出、つまり減価償却の対象となります。費用が高額で設備や増築・強化など元の物件に新たな「価値」を付加しているものが対象になっているのがわかります。
  • 価値の追加がカギ
  • 原状回復は修繕費
  • 名称では決まらない
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中古マンションの耐用年数を把握し良いタイミングで売却

不動産賃貸ビジネスでは、収入の確保はもちろん、支出の管理が収益の分かれ目です。家賃、すなわち価値の見返りを上げるには、劣化にきちんと対応することはもちろん、入居者のニーズに合わせたサービスとしての物件づくりが有効です。
その中で、十分なキャッシュフローを確保するには、リノベーションにかかる費用が減価償却できるのかどうかは非常に重要なポイントです。

5-中古マンションの売却を考えているなら最大6社と比較できるイエウール

またビジネスだからこそ、収益を支えるマンションの価値と耐用年数をしっかり把握し、適切な時期を見計らって売却、次の物件に切り替えることも大切です。タイミングよく中古マンションを売却するには、できるだけ早く多くの情報を集め、物件が現実にどの程度の査定になるかを知る必要があります。
イエウールWebサイトなら、中古マンションについての簡単な情報を入力すれば、全国の優良不動産業者のうち最大6社へ同時に見積もり依頼ができます。ポイントは「1社だけではない」ということ。それだけ公平・公正な、客観的な価値が想定しやすいからです。
中古マンションの売却を検討するなら、イエウールでまず物件の評価額を複数社に査定依頼しましょう。それから先も売却先の検討や売却額の交渉などまだまだたくさんやるべきことがあります。まずは素早く行動を起こすことが大切です。

初心者でもわかる!
記事のおさらい

中古マンションの耐用年数はどのくらい?
構造や防水設備・外装・窓・床の5つの要素から決まるといわれています。詳しくはこちらで耐用年数の仕組みを解説しています。

減価償却はどうやって求めればいい?
建物の価格を基準に計算できます。詳しい計算方法はこちらの章をご確認ください。

リノベーションした場合の耐用年数は?
リノベーションをしたからと言って、必ず減価償却の対象になるとは限りません。こちらの段落では、減価償却の対象となる場合の例を紹介しているので、参考にしてみてください。