最近は「タワマン」の愛称で知られる高層タワーマンションが人気ですが、それと対をなす低層マンションにも注目が集まっています。
ただ、圧倒的な存在感を誇るタワーマンションに比べると、メディアなどでもなかなか話題に上らないので、一体どんなメリットがあるのか知らない方も多いようです。
本記事では低層マンションのメリットや物件を選ぶときの注意点についてわかりやすく解説します。低層マンション購入の際にお役立てください。
また、マンションの設備について知りたいという方はこちらの記事もご覧ください。
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低層マンションのメリット
低層マンションは高層マンションと比べると地味なイメージがありますが、低層マンションにも以下5つのメリットがあります。
- ゆとりのある住環境を確保できる
- 階段の上り下りやエレベーター待ちのストレスが少ない
- 災害に強い
- コミュニティを築きやすい
- 資産価値が落ちにくい
ゆとりのある住環境を確保できる
低層マンションの多くは第一種または第二種低層住居専用地域に建てられるためゆとりのある住環境を確保できます。第一種または第二種低層住居専用地域とは、土地の用途の混在を防ぐことを目的に都市計画で定められた用途地域の一種です。良好な住環境を維持するために「建物の高さは10mまたは12mまで」「敷地境界から建物の外壁までの距離を1mまたは1.5m離す」など厳しい条件が設けられています。
特に第一種低層住居専用地域の場合、建築できる建物は住宅や共同住宅、寄宿舎、下宿、各種教育施設（大学や専門学校等を除く）、老人ホームなどに限られており、店舗や事務所等の建築は認められていません。
第二種低層住居専用地域に関しては、150㎡までの店舗を建築することが可能ですが、コンビニなどの日用品販売店やカフェ、理髪店など、業種に制限があります。
以上のような厳しい制限が課せられている第一種または第二種低層住居専用地域に建てられる低層マンションは日当たりも良く、閑静でゆとりのある住環境を確保できます。
階段の上り下りやエレベーター待ちのストレスが少ない
総戸数の少ない低層マンションは高層マンションに比べてエレベーターの利用率が低いため、エレベーター待ちのストレスが軽減されます。高層マンションの場合、上階の住民はエレベーターを利用しますが総戸数が多い分、出勤時や帰宅時は混雑しやすく長時間待たされるケースも少なくありません。
低層マンションは2～3階までなら階段の上り下りもさほど苦労せずに済むので、楽に外出や帰宅できます。
災害に強い
低層マンションは壁で建物を支える「壁式構造」が主流となっており、柱と梁だけで支えるラーメン構造よりも耐震性が高い傾向にあります。もともと階層が少ないので、最上階に住んでいても揺れを感じにくく、被害を抑えやすいことがメリットです。また、ライフラインが遮断されるような大規模災害が発生した場合、高層マンションではエレベーターが利用不可となるため、屋外へ避難するには何段もの階段を降りてこなければなりません。
しかし、低階層マンションなら階段からすぐに避難できるうえ、ライフラインが回復するまでの部屋への出入りも比較的楽に行うことができます。
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コミュニティを築きやすい
総戸数の少ない低層マンションは顔を合わせる人が限られている分、お互いの記憶に残りやすくすぐに顔見知りになります。部屋のバラつきも少なく、似たような属性の人が集まりやすいこともあり、同じマンションの住人同士で良好なコミュニティを築いていくことができます。
また、管理組合の理事会や総会での話し合いも少人数の方が意見がまとまりやすいため、マンションの維持や管理業務に関する意見集約もスムーズになります。
資産価値が落ちにくい
第一種または第二種低層住居専用地域に低層マンションを建てるには、ある程度ゆとりのある土地を確保する必要があります。そのため、低層マンション自体の供給率は高層マンションより少ないものの、その分希少価値がアップするため資産価値が落ちにくいです。また、高層マンションを建てられる土地は制限が少ない反面、短期間で周辺環境が激変するリスクもはらんでいます。
たとえば、眺望や景観が売りだったはずなのに数年経ったら周辺により高いオフィスビルやマンションが建ってしまいメリットがなくなってしまったというケースもゼロではありません。
その点、低層マンションが建つ第一種または第二種低層住居専用地域は建物の高さや隣地との距離、建物の用途などに一定の制限がありますので周辺環境が劇的に変化する心配はほぼありません。
さらに良好な住環境を維持できる低層マンションは時代を問わず一定の需要を見込めるため将来売却を検討する際、より好条件で物件を売りに出せるようになります。
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低層マンションのデメリット
低層マンションは高層マンションにはないメリットがありますが、デメリットももちろんあります。低層マンションのデメリットは以下のとおりです。
- エレベーターなしの物件もある
- リフォーム時の自由度が低い
- 眺望のよさは期待できない
エレベーターなしの物件もある
3階建て以下の低層マンションはエレベーターがついていないケースが多く、住民は階段を利用して上り下りしなければならないことがデメリットでしょう。2階までならさほど苦になりませんが、3階になると通勤や通学で毎日階段を利用したり、重い荷物を持って階段を上ったりすることに不便を感じるかもしれません。
若いうちは平気でも年齢を重ねて足腰が弱くなった場合は、たとえ2階でも階段の上り下りを苦痛に感じる可能性があります。将来的に物件の売却を検討している場合は別ですが、終の棲家にする予定があるのなら、多少価格は高くなってもエレベーター付きの物件を選んだ方がよいでしょう。
リフォーム時の自由度が低い
壁で建物を支える低層マンションは撤去できない壁が多い分、リフォームやリノベーションに制限がかかってしまうことがデメリットです。ライフスタイルに合わせて間取りを変えたいと思っても、思い通りにいかない可能性が高いので、物件を選ぶときは将来の家族構成やライフスタイルの変化も十分考慮する必要があります。
眺望のよさは期待できない
第一種または第二種低層住居専用地域に建てられた低層マンションは、高さの制限が10mまたは12mなので最上階の部屋でも眺望は戸建て並みですので、眺望のよさは期待できません。隣地との距離にはゆとりがあるので、窓を開けたらすぐ目の前が隣宅の壁ということはありませんが、見晴らしのよさは期待できません。
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低層マンションと高層マンションの違い
低層マンションと高層マンションは主に以下7点で違いがあります。- 戸数の違い
- 立地条件の違い
- 災害に対する強さの違い
- 共用施設の充実度合いの違い
- 管理費・修繕積立金など費用面の違い
- コミュニティの築きやすさの違い
戸数の違い
低層マンションと高層マンションの違いの一つに、戸数の違いがあります。低層マンションはマンション自体の総戸数が少なくなるので、住民同士でコミュニティが生まれる可能性が高く、ご近所付き合いを大切にしたい方に向いています。
一方で、高層マンションは総戸数が多く、他人に干渉されたくない方におすすめ。セキュリティが整っているマンションも多く、防犯面で安心できるメリットもあります。
立地条件の違い
高層マンションは駅に近い場所や商業施設が周辺にある場所に建築される傾向が高いため、マンションの周辺で生活を完結できます。一方、低層マンションは広い土地に建築される傾向があるので、公共交通機関へのアクセスに不便を感じることもあるかもしれません。つまり、低層マンションと高層マンションではマンションの周辺で生活を完結できるかが違ってきます。
ただし、都心部の低層マンションにおいては利便性も悪くはないので不便を感じることは少ないでしょう。
災害に対する強さの違い
高層マンションでは柱と梁で建物を支える「ラーメン構造」が主流です。柱と梁以外の部分は省いたり、厚みを抑えたりできるので、間取り変更の自由度が高いところが利点ですが、横から加わる力に弱いため、耐震性はさほど高くありません。
高層階ほど大きな揺れを感じやすく、震度3以下の地震でも物が倒れたり、落ちたりする可能性があります。
一方、低層マンションは前述したとおり「壁式構造」が主流とされています。そのため、高層マンションと比べると地震災害には強い構造です。ただし、低層マンションでも旧耐震基準物件の場合は地震の揺れを強く感じることもあります。
そのため、低層マンションの購入を検討する際は新耐震基準を満たしている物件を選ぶようにしましょう。
共用施設の充実度合いの違い
高層マンションの魅力の一つが、充実した共用施設です。エントランスルームのほか、スポーツジム、スカイラウンジ、ゲストルームなどの施設が備わっている場合もあります。
低層マンションにも共有施設がある場合もありますが、総戸数がさほど多くないため、高層マンションと比べると施設数自体が少ない場合が多いです。
管理費・修繕積立金など費用面の違い
管理費や修繕積立金などは低層マンションの方が安く、高層マンションやタワーマンションになると通常よりも高くなる傾向にあります。
高層マンションの共用施設にかかる管理費は施設のグレードも高く、眺望ラウンジやバーなどもついていることもあるため、管理費が高い傾向にあります。
コミュニティの築きやすさの違い
総戸数の多い高層マンションは住民の数が多い分、一人一人との関係性はかえって希薄になりがちです。通路やエレベーターで顔を合わせたら挨拶くらいは交わすものの、どこの誰かわからないなんてケースも少なくありません。一方、総戸数の少ない低層マンションは顔を合わせる機会が高層マンションと比べると多くなるためすぐに顔見知りになります。つまり、住民同士の良好な関係の築きやすさが違ってきます。
マンション購入を検討している方はこちらの記事もご覧ください。
【中古マンション購入の流れ】必要書類や注意点をわかりやすく解説
マンション購入にかかる諸費用と節約する方法を徹底解説！
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低層マンションに向いている人の特徴
低層マンション住まいに向いている人の特徴は以下のとおりです。
- 落ち着いた環境で生活したい人
- 災害に備えたい人
- 住民同士で交流を深めたい人
- マンションを資産として保有したい人
落ち着いた環境で生活したい人
低層マンションは隣近所との距離にもゆとりがあり、高い建物に視界や日当たりを遮られる心配もないので、静かな暮らしを送りたい方に適しています。低層マンションの建つ第一種または第二種低層住居専用地域は、住宅または一定の店舗しか建てられないため、年数が経過しても閑静で落ち着いた住環境を維持できるでしょう。
災害に備えたい人
ライフラインが断絶されるような大規模災害があった場合でも、低層階なら自力で出入りできるので、いざという災害時にしっかり備えたいという方におすすめです。壁で建物を支える壁式構造を採用した低層マンションは地震の揺れに強く、被害を小さく抑えることができます。
住民同士で交流を深めたい人
低層マンションは総戸数が少ないので、気の合う人でコミュニティを形成することができるため住民同士で交流を深めたいという人に向いています。
住民同士で仲良くなれば、プライベートで交流を深めたり何かあった時に助け合ったりして、日々の暮らしをより充実にさせられるでしょう。
マンションを資産として保有したい人
低層マンションは周辺環境が変化しにくく、かつ高層マンションより希少な存在なので年数が経っても一定の需要を見込めます。そのため、マンションを資産として保有したいという人は低層マンションに向いているでしょう。
また、適切に管理されていれば、築年数が古くなっても買い手がつきやすいため将来物件の売却を検討している方にもおすすめです。
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低層マンションの探し方
低層マンションの探し方としては以下2つの方法があります。
- 不動産会社から希望の物件を提案してもらう
- 不動産物件情報サイトを利用して自分で探す
また、低層マンションを探すときは不動産会社を吟味して選ぶことが大切です。しかし、不動産会社といってもその得意分野は不動産会社によって異なるため慎重に選ぶようにしましょう。
不動産物件情報サイトを利用して自分で探す
不動産物件情報サイトはさまざまな条件で物件を検索できるため、マンション探しの際は活用してみてください。不動産物件情報サイトでマンションを探すポイントは「こまめにサイトをチェックする」です。
不動産物件情報サイトは定期的に物件情報が更新されます。とくに中古マンションは新築マンションよりも売買件数が多く、急に売買募集が掲載されるケースもあるのでこまめに確認するようにしましょう。
現在、希望するエリアが決まっており中古マンションの購入を検討している方はHousii（ハウシー）を是非利用してみてください。
不動産会社から希望の物件を提案してもらう
近年、不動産物件情報サイトに会員登録すると不動産会社から個別に希望とする物件を紹介してくれるサービスが出てきています。
株式会社Speeeが運営するHousii（ハウシー）では、店舗に訪問する必要がなくオンラインで複数の不動産会社と同時並行でやり取りをすることができ、条件や希望に合った物件を提案してくれます。複数の不動産会社とやり取りをすることができるので、比較検討しながら不動産会社を選ぶことができます。
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おすすめの低層マンションシリーズ
続いて、おすすめの低層マンションシリーズを3つご紹介します。
- パークコート・パークハウス
- グランドヒルズ
- プラウド
それぞれの特徴や魅力について見ていきましょう。
パークコート・パークハウス
パークコート・パークハウスシリーズは、歴史ある落ち着いた住宅街を中心に展開するマンションブランド。当初は首都圏を中心として展開されていましたが、現在は全国に広がっています。
駅からの利便性が良い立地のマンションが多く、高級分譲マンションとして資産価値が高い点も魅力。上質な暮らしを安心して楽しみたい方にぴったりの本格邸宅として人気を集めています。
グランドヒルズ
グランドヒルズは、住友不動産のマンションブランドの中でも最高峰といわれるほどのブランドです。
都内でも白金台や西麻布、三軒茶屋など希少性の高い立地をメインに展開されており、ハイグレードな街並みに負けないデザイン性の高さも魅力です。また、細やかなコンシェルジュサービスもその希少性を高めています。
グランドヒルズは非常に人気が高く、数あるマンションの中でも特に競争率が高いです。
プラウド
プラウドは、野村不動産が手がけるマンションシリーズです。低層マンションだけでなく、タワーマンションや都市型戸建など、豊富なラインナップが展開されています。
プラウドでは用地取得から販売や管理までを一貫体制にしているため、安心して住むことが可能。重厚感のある美しいデザイン性も魅力で、他のブランド同様に人気の高い物件です。
低層マンションを購入した人の声
低層マンションの購入を検討する際は不動産会社からの情報だけでなく実際に購入した経験がある人の口コミや体験談なども参考にすることをおすすめします。
この章では低層マンションを購入した人の口コミを2つ紹介します。低層マンションを購入した人の口コミは以下のとおりです。
低層マンションは、グッドだと思います。
大規模修繕もしやすいし、
住民が少なければ建て替えも可能かもしれません。
上下左右に家があれば、とっても暖かいと思います。
引用元：ヤフー知恵袋
低層マンションですね。
先日の東北の地震でマンション15Fに住んでる友人のエレベーターが止まって悲惨なことになってました。
引用元：ヤフー知恵袋
低層マンションの購入を検討する条件としては上記の口コミから、災害時への対応や費用面で購入を決めたという人もいます。これから低層マンションの購入を検討している人は口コミや体験談なども参考にしてみてください。
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低層マンションを選ぶ際の注意点
低層マンションは高層マンションに比べて多くのメリットがある反面、いくつか注意しなければならないポイントもあります。低層マンションを選ぶ際の注意点は以下のとおりです。
- 生活面で不便を強いられる場合がある
- 供給数が少ない
メリットにばかり目を向けて、デメリットを知らないまま契約すると、住み始めてから後悔する可能性が高くなりますので注意しましょう。
生活面で不便を強いられる場合がある
低層マンションが建てられる第一種では、高さが10mまたは12mの住宅しか建てられないためコンビニやスーパーなどで買い物をしたり、飲食店で外食をしたりするときはわざわざエリア外まで出掛けていかなければなりません。第二種低層住居専用地域の場合は150㎡までの店舗なら建築可能ですが、許可されるのは2階建て以下の日用品販売店舗や喫茶店、理髪店、建具屋等のサービス業用店舗のみに限られています。
飲食店やカラオケ、パチンコ店などの遊戯施設、映画館などの娯楽施設の建築は認められていませんので、日常生活を送るうえで利便性が悪いと感じる可能性があります。
生活利便性を重視するのなら、第一種または第二種低層住居専用地域以外のエリアに建てられた低層マンションを選ぶという方法もありますが、その場合は「閑静でゆとりある住環境」というメリットは失われてしまうおそれがあるので注意しましょう。
供給数が少ない
低層マンションを建築する際は広い土地が必要になるため、通常のマンションと比べると物件数が少ないです。希望とするエリアや間取りを重要視している方にとっては理想とする物件が見つからない可能性があります。そのため、[/underline]希望とする低層マンションを見つけた際は早い段階で不動産会社に問い合わせてみましょう[/underline]。
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低層マンションの快適な生活を手に入れよう
低層マンションは高層マンションと比べて閑静で落ち着いた住環境を確保できる、災害に強い、住民同士でコミュニティを築きやすいなど多くのメリットがあります。落ち着いた環境で暮らしたい方や災害への強さを重視する方は、低層マンションが自身や家族のニーズを満たせるでしょう。特に第一種・第二種低層住居専用地域は建築できる建物に制限がある分、良好な住環境を維持できるので売却時も高いニーズを見込めます。
もちろん、高層マンションにも眺望の良さなどのメリットがあるため、物件探しをする際は数多くの選択肢から自分にピッタリの物件を探しましょう。
しかし、その一方で実はインターネットだけで物件情報を網羅することはできません。というのも、suumoやhomesなどの不動産ポータルサイトはあくまでも不動産会社にとっての広告媒体なので、すべての物件を掲載しているわけではないのです。
では、なぜインターネットに出ない物件があるかと言うと売主側に、
- 「売却活動をしていることを周囲に知られたくない」
- 「まだ引っ越し先が決まっていないからたくさん内覧に来られると困る」
などの事情でインターネットに出ていない物件があるのです。そこで、未公開の物件に出会うには、ポータルサイトではなく不動産会社から直接物件提案をもらう必要があります。
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マンション売却について知識を深めたい方はこちらの記事もご覧ください。
マンションの築年数からみる売却・購入時に注意するべきポイント