高ステータスな住まいとして憧れの的になることが多いタワーマンション。タワマンの購入を目標に仕事に励んでいる人は少なくないかもしれませんが、タワマンには魅力だけでなくデメリットも存在します。
今回は、タワマンの定義やメリット・デメリット、購入に失敗しないために押さえておきたいポイントについて紹介するほか、おおよその平均相場や購入時のポイントについても解説していきます。
タワマンの良いところだけではなく課題点もしっかりと理解し、後悔のない選択をしましょう。
一戸建ての購入を検討している方はこちらの記事もご覧ください。「一戸建ての相場はどれくらい?頭金や必要な諸費用まで徹底解説」
低層マンションのメリットや購入時の注意点をわかりやすく解説!
タワマンの定義とは
「タワーマンション」というと都心にある高級なマンション、高層マンションなど、さまざまなイメージがあるかもしれません。しかし、意外にも、実はタワマンについての明確な定義は存在していません。ここでは一般的なタワマンの概念についてご紹介していきます。
一般的には20階以上の建造物を指す
タワマンについての明確な定義はありませんが、建築基準法では高さ60m以上の建造物を「超高層建築物」と規定しています。そのため、この条件に当てはまるマンションをタワマンと呼ぶことが一般的です。
高さ60mは、階数にすると20階になるため、この数字を基準にタワマンかどうかを判断するといいでしょう。
以前はタワーマンションというと、高級で希少性の高い住宅として人々の憧れの的となっていました。しかし、1997年の建築基準法・都市計画法の改正によりタワマンは多く建設されるようになり、今ではさほど珍しい物件ではなくなってきています。
なお、超高層建築物には国土交通省の認定を受けることや、100m以上の場合は緊急時用のヘリポートの設置などが義務づけられています。
工法や消防法などの基準が厳しくなるため、タワマンは高層でありながら非常に安全性が高い点が特徴です。
「タワマン低層階」は2階?3階?
「タワマンの低層階」という言葉を聞いたことのある方もいるかもしれません。こちらも明確な定義はありませんが、目安としてその建物全体の30%未満の階のことを低層階と呼ぶことが多いです。
例えば、20階の建物であれば、1階〜6階程度の部分が低層階、30階の建物であれば1階〜9階程度の部分が低層階であるということになります。
タワマンの価格・家賃相場
ここからは、実際にタワマンに住むことを検討している方向けに、タワマンの価格や家賃相場についてご紹介していきます。
タワマンの購入価格はエリアやタイプによっても異なりますが、都心の場合はおよそ5,000万円〜2億円程度であるといわれています。家賃は1Rなど一番狭いランクでも10万円〜15万円、3LDK以上となると20万円〜50万円程度と幅が出てきます。特に東京の港区や中央区など、都心の人気エリアは高くなりやすい傾向にあります。
とはいえ、上記はあくまで目安となります。超高級マンションの場合は数百万円を超えることもあるので、タワマンといっても仕様や立地などによりその価格はさまざまです。
【階層別】タワマンの価格・家賃相場
続いて、価格と家賃相場を階層別にみていきましょう。あくまで目安となりますが、階層別のタワマンの価格と家賃相場は以下の通りです。
続いて、価格と家賃相場を階層別にみていきましょう。あくまで目安となりますが、階層別のタワマンの価格と家賃相場は以下の通りです。
階層※20〜29階建ての場合 | 価格相場(平均坪単価) | 家賃相場 |
最上階(20〜29階) | 399.6万円 | 30万円〜 |
中間階(10〜19階) | 370.4万円 | 20万円〜 |
低層階(9階以下) | 343.4万円 | 10万円〜 |
なお、マンションの最上階については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
【2022年】タワマンは今買いどきなの?
「2022年はタワマンの買いどきなのか」という問題について気になる方も多いでしょう。
結論からいうと、一定の条件を満たしている資産価値の高いタワマンは買い時です。2022年は世界的に金利上昇の流れが出ている中、日本は金融緩和政策などにより変動金利、固定金利ともに低金利の状態が続いています。そのため、タワマンのような高級マンションの購入に有利なタイミングだと言えるでしょう。
またテレワークの普及により自宅で過ごす人が増加したことで、住環境を整備したいと考える人が増えており、利便性の高い駅チカや都心の物件需要が高まりました。つまり設備やサービスが充実しており、アクセスや周辺環境が良好なタワマンは、これから需要が高まっていくことが想定されます。
対して、「駅から遠い」「周辺に教育機関やスーパーがない」「液状化のリスクがある」など、懸念点が残るタワマンの価値は低下する可能性があるため、注意が必要です。
ご自身の住居用として検討するときは気にする必要はありませんが、将来的に売却を予定している場合は、中古になっても資産価値が下がらないタワマンを買うことが大切です。
タワマンを購入して後悔した人の体験談
憧れのタワマンですが、実は購入後に後悔してしまったという人も多くいます。株式会社読売広告社の調査によれば、タワマンに住む女性のうち、タワマンに住み続けたいと思っている人はわずか1.8%しかいなかったという結果も出ています。せっかくタワマンを購入しても、購入を後悔したり住み替えを検討したりする人が非常に多いのです。なぜタワマンに住む人は後悔してしまうのでしょうか。
マンション購入は非常に大きな買い物です。その中でも特に価格の高いタワマンを購入するとなれば、デメリットもしっかり理解した上でで購入に踏み切りたいものです。
ここでは、よくある失敗談の一例について紹介します。
なお、タワマンでよくある後悔についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
【タワマン後悔の体験談】1.カーストがある
タワマンにつきものなのが、階層によるカーストです。カーストの有無は物件によって異なりますが、高層階に住む人が低層階に住む人に対して嫌がらせをすることもあるそうです。収入格差を痛感したりカースト制度のトラブルに巻き込まれたりしてしまい、タワマンの購入を後悔する人も少なくありません。
【タワマン後悔の体験談】2.生活をするうえで不便なことが多い
デメリットでも紹介しましたが、タワマンの生活には不便なことも多いです。● 宅配ボックスやゴミ捨てのために1階まで下りるのが面倒
● インターネットの電波が悪い
● エレベーターが渋滞しすぎる
● ベランダで洗濯物が干せない など
華やかなイメージやメリットばかりを見てタワマンを購入してしまうと、居住してから上記のようなデメリットに気がついてしまうことになります。「こんなはずでは…」と後悔することがないように、しっかりと購入前に生活動線をシミュレートすることが大切です。
タワマンに住んで後悔したことについては、こちらの記事でも解説しています。
タワーマンションに住みたくない人もいる!デメリットや後悔を解説
タワマンに住むメリット【住んだ人の声から】
タワマンに住むことは一種のステータスとして捉えられているため、「いつかタワマンに住んでみたい」と考える人も多いのではないでしょうか。しかし、タワマンの魅力は決してステータスの高さだけではありません。まずは、タワマンに住むメリットについて詳しく説明します。
眺望がいい
タワマンの魅力は、なんといっても高層階からの美しい眺望です。周囲に遮る建造物がないため、遠くの山や夜景をほしいままに望めます。とくにタワーマンションの多くは、眺望を最大限に楽しめるような間取りになっている点が特徴的です。空と一体になったかのような開放感のある窓が設置されており、昼は一面の青空を、夜は満天の星と夜景を楽しみながら生活できます。
美しい眺望を独り占めできるのは、一般的なマンションや戸建てでは得られない最大のメリットでしょう。
周辺環境がいい
周辺環境がいいのも、タワマンの大きな魅力です。マンションの敷地内にスーパーやコンビニ、保育園や図書館などの施設が設置されている物件も多く、駅直結型のタワマンも珍しくはありません。マンションの周辺だけですべての用事が済ませられるほど、周辺環境に恵まれている物件もあります。こういった周辺環境がいい物件は資産価値が高く、将来的に売却するときも高値がつきやすい傾向にあります。
耐震に強い
超高層建築物には厳しい建築基準が課されているため、タワマンは一般的なマンションよりも高い耐震性を持っています。ただし、建物が高いほど建物は揺れやすくなり、揺れが収まるまでの時間は長くなります。安全面の心配はいりませんが、地震の揺れに恐怖心を抱く人は高層階の購入は避けておいたほうがいいでしょう。
共用施設・サービスが充実している
共用設備やサービスが充実している点も、タワマンならではのメリットでしょう。たとえば、タワマンの共用施設やサービスとしては以下のような一例が挙げられます。
● コンシェルジュサービス
● 24時間ゴミ出し可能
● キッズルーム
● スタディルーム
● ジム
● 宿泊可能なゲストルム
● シアタールーム
● ラウンジ など
タワマンのこういった充実した設備やサービスは、まさに高級マンションならではのものです。ただ住むのではなく「プラスα」の付加価値が高い点が、タワマンの魅力です。
防犯・防災対策が充実している
タワマンの住人は、入り口やエレベーターなどで専用のキーを使用してマンション内に入ります。また防犯カメラ完備で警備員の常駐など、かなり厳重なセキュリティ対策がされているため、タワマンは防犯性が高く安心して暮らせる環境が整っているのです。さらに、超高層建築物は国土交通省の厳しい認定を受ける必要があるため、さまざまな災害対策が講じられています。備蓄倉庫や簡易トイレの完備といったように、万が一の場合に住人を守る体制も整っています。
高層階では虫の心配がない
高層階の部屋に住む場合は、虫が入りにくくなる点も大きなメリットでしょう。立地周辺環境によって異なりますが、ハエや蚊などの飛べる虫が飛んでくるのは地上10mほどだと言われています。基本的に3階以上であれば、基本的にハエや蚊などの虫を気にせず過ごせますが、ゴキブリは10階の部屋に出ることもあるため注意が必要です。
資産価値が高い
物件にもよりますが、タワマンは資産価値が高く、中古でも高値で売りやすい傾向にあるといわれています。その理由として、新築のタワマンが高値で販売されていることが挙げられます。「新築のタワマンは高いから」と中古タワマンの需要が上がることで、資産価値が高まっているのです。
周辺環境がいいタワマンや共用設備が充実しているタワマンは、比例して資産価値が高くなります。将来的に売却する予定や資産として活用する予定がある場合は、意識して資産価値が高い物件を選んでおくといいでしょう。
タワーマンションの最上階に住むメリットについては、こちらの記事もご覧ください。
タワーマンションの最上階にある物件|メリットとデメリットとは
タワマンに住むデメリット【住んだ人の声から】
メリットが豊富なタワマンですが、実はデメリットも豊富に存在しています。ここからは、タワマンのデメリットを見ていきましょう。エレベーターが混む
タワマンは多くの住人がエレベーターを使用するため、朝の通勤・通学ラッシュの時間帯に混みやすい傾向にあります。場合によっては遅刻してしまう恐れもあるため、早めに家を出るなど工夫が必要です。洗濯物が外に干せない
タワマンは建物の景観を保ったり安全対策したりするために、外に洗濯物を干すことについて禁止しているケースが多いです。物件によってはベランダがないこともあるため、不便に感じてしまうこともあるかもしれません。乾燥機付きの洗濯機や浴室乾燥機、コインランドリーを使用する必要があるので、洗濯にコストがかかる点がデメリットとしてあげられます。
土地によっては災害で被害を受けやすい
タワマンの建物自体は非常に地震に強いですが、そのほかの部分が災害の影響を受けやすくなってしまう可能性がある点に注意しましょう。とくにタワマンは埋立地に立てられることが多いため、液状化現象に巻き込まれてしまう可能性があります。また、周辺の上下水がストップしてしまい、生活に影響を与えてしまう事も考えられるでしょう。停電などで、エレベーターが止まってしまうリスクも考えられます。エレベーターには非常用電源が搭載されていますが、非常用電源には容量の上限があるため、長期間にわたる自宅での避難生活には対応できない可能性があります。
管理費が高い
タワマンはエレベーターや共用部分などの設備が充実しているため、管理費が高額になりやすい傾向にあります。管理やサービスが充実しているタワマンほど、管理費が上がってしまうことを理解しておきましょう。修繕積立金が足りないケースがある
多くのタワマンが抱えている問題が、修繕積立金の不足です。タワマンの修繕には多額の費用がかかりますが、こういった費用を含めて販売すると価格が上がりすぎてしまうため、あえて修繕積立金を安く設定して販売に出しているケースがあります。購入時は修繕積立金が安くても、将来的に不足金額を別請求される可能性があります。タワマンの購入時は、将来的な修繕計画までしっかりと確認しておきましょう。
携帯の電波が入りにくい
タワマンは、その高さゆえに携帯の電波が入りにくくなってしまうことがあります。電波を送る基地局の高さはおおよそ40m程度だといわれているので、14階以上の部屋には電波が届きにくくなります。大量の通信を行うテレワークやオンラインゲームをするときは、不便な思いをしてしまうかもしれません。
タワマンの部屋を購入するときのポイント
タワマンの購入時は、将来的に後悔することがないようにいくつかポイントを押さえておく必要があります。ここからはタワマンを購入するときのポイントを紹介します。共用施設・サービスを確認する
物件を選ぶときは、まずタワマンの共用施設やサービスを確認しましょう。コンシュルジュやキッズルーム、シアタールームなどの設備やサービスは本当に必要ですか?こういったサービスがあるタワマンは、たとえ利用しなくても高い管理費を支払う必要があります。タワマンを選ぶときは、無理のない支払いのためにも、過度な設備やサービスがある物件を避けておいたほうが安心です。
また、エレベーターの数も非常に重要なポイントです。基数が少ない場合は下に降りるまでに何分も待つことになるので、ストレスの原因となります。
実用性重視なら低層階がおすすめ
タワマンといえば高層階に憧れ人が多いですが、実用性を重視するなら低層階の物件がおすすめです。低層階であればエレベーターが混む時間でも階段で外に出やすいですし、バルコニーで洗濯物が干せるケースがあります。ハイスペックのマンションが割安で購入できるのも、低層階の魅力です。ただし、低層階ではタワマンの魅力である眺望や日当たりなどの恩恵は受けられません。また、タワマンのカーストトラブルに巻き込まれる恐れもあるため、こういったポイントを気にされる人は慎重に検討する必要があります。
タワーマンションに住んでみて分かることはほかにもあります。こちらの記事もご覧ください。
タワーマンションに住んでみて気づいたことを解説【タワマンに住みたい人必見】
タワマンのメリット・デメリットを理解して後悔のない選択を
今回は、タワマンのメリットやデメリットのほか、目安となる平均相場や購入時のポイントについて詳しく解説しました。タワマンだけにいえることではないですが、メリットだけではなくデメリットも存在する物件です。実際に購入してから後悔してしまう人も少なくないので、あらかじめデメリットも知ったうえで購入するかどうかの判断をしてください。
タワマンを購入するときは、場合によっては共用施設やサービスが少ない物件や低層階の物件のほうがいいケースもあります。ステータスや見栄ではなく、入居後の生活を基準に物件を選んでいきましょう。
また、中階層のマンションと比較して物件数の少ないタワマンの中から、自力で理想の物件を探すというのはなかなか骨が折れるもの。
そんなときは、Housii(ハウシー)で不動産会社に相談してみませんか。
Housiiなら不動産会社にチャットで相談できて、あなたの希望条件にピッタリの物件まで代わりにお探し。コンパクトマンションを含む自分じゃ探せない物件に出会えるかも。
自分で調べるよりも、プロの提案を待ってみませんか。匿名登録だから、不動産会社からの電話がくる心配もありません。
記事のおさらい