「解体業者ってなんだか怖い…」「何も知らずに依頼するとトラブルがおきそう」
建物の解体って荒々しくて、それを担う解体業者に怖い印象を持つ方もいらっしゃるかもしれません。実際、何もしらずに工事を依頼するとクレームや料金の過払い、違法工事への加担など、トラブルに巻き込まれてしまうことも少なくありません。
そこで本記事では、解体工事に不安を感じていらっしゃる方にむけて、よくある解体工事のトラブルや対策についてご紹介しています。
▽解体工事でよくある6つのトラブルと対応策
6つのトラブル | 対応策 |
---|---|
①近隣住人からのクレーム | 工事前の挨拶回り、養成の設置 |
②工事の遅滞や中止 | スケジュールの無理がない範囲で行う |
③見積もりと請求額が違う | 見積もりは解体費用の「総額」でとる、見積もりの内訳は細かく確認 |
④工事の仕上がりがずさん | 施工完了後の理想状態を契約書に記載しておく |
⑤工事の範囲にミスがある | 契約書に解体する対象を細かく記載しておく |
⑥許可を取得していない解体業者に依頼 | 見積もり依頼前に許可を確認 |
私の家の解体費用はいくら?
解体工事のトラブル①近隣住人からのクレーム
まずひとつめのトラブルとして「近隣住人からのクレーム」があげられます。
解体工事中は大きな振動や騒音が発生する他、粉塵やホコリも広範囲に広がるので、近隣住民の生活にとって大きな迷惑となります。
また、重機やトラックは何回も周辺を出入りしますので、道路が塞がれる・通行の邪魔になるなどを不快に感じることも多いです。
解体工事中は住民のストレスがたまりやすく、工期が長くなるほど「音がうるさい」「洗濯物が汚れる」「道が行き来しづらい」などクレームが発生しやすくなります。
対策①.工事前の挨拶回り
クレーム対策として、解体工事が始まる前は必ず解体業者と一緒に近隣住民に挨拶回りを行いましょう。工事が始まる前に近隣住人に挨拶をしましょう。
例えば「〇月〇日より〇日間ほど、解体工事をさせていただきます。お騒がせいたしますが何卒よろしくお願いいたします。」等、どのような工事をいつからいつまで行うのかを事前に伝えておきましょう。
対策②.養成の設置や水まきをしっかり行う
騒音や粉塵による近隣被害を少しでも緩和させるために、養成を解体業者にしっかり設置してもらいましょう。
養成とは解体作業現場で使用されるシートで、建物全体を養成シートで覆い、周辺トラブルやクレームを最低限におさえるために使われます。養成シートには別途費用がかかるため、見積書のなかに養成費用が含まれているのかしっかり確認しておきましょう。
また、粉塵が多いときは定期的に水を巻くなどの対処をすれば軽減できます。解体工事中の水まきをしっかりやってもらうように解体業者に念押しして伝えておきましょう。
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解体工事のトラブル②工事の遅滞や中止
解体工事中に強風や大雨が発生するなど天気が悪い場合、工事が中止となり工期の遅れが発生します。
また、解体業者の案件管理が甘く、受注が多すぎて人手が少なくなってしまうケースでも工期は遅れます。
工事が遅延してしまうと、解体後に新しく建物を建てたり、土地を売ったりする場合、その後のスケジュール全体の変更を余儀なくされてしまいます。
対策①.無理のない期日を設定する
解体業者と相談して、無理のない期日を設定しましょう。
一般的な30坪戸建ての場合、着工から施工完了までは約3日~10日、見積依頼から施工完了までは約2カ月~3カ月かかるのが一般的です。
梅雨や大雪などの季節は天候の悪化によって解体工事が遅延する可能性が高いため、比較的気候が穏やかな時期に着工するか、遅延の可能性を踏まえたスケジュールを設定するようにしましょう。解体業者に相談すれば、長年の経験から打倒なスケジュールを提案してくれるはずです。
対策②.動かせない期日があることを伝えておく
動かせない期日がある場合は、解体業者に必ず伝えておきましょう。
解体後に新築や土地の売却を控えている場合、いつまでに必ず施工完了したい旨を伝えておくことで、全体のスケジュールをずれこませずに済みます。
着工完了の予定日から遅くとも3カ月前には解体業者に相談しておくと、スケジュールを柔軟に調整してもらえる可能性が高くなります。
解体業者も複数の案件をかかえているため、優先して調整してもらうためには、早めの相談が肝心です。
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解体工事のトラブル③見積りと請求額に相違がある
見積り金額には何が含まれていて、追加料金は発生するのかが記載されていないと、解体後にもめる原因となります。
例えば足場や養生、重機やトラックの使用量等の細かな費用が見積書に含まれていないケースは珍しくありません。
また、建物にアスベストが使用されていた、支柱が土中に埋まっていた場合、取り除くために追加費用が発生します。このように追加で実施する作業が増えると金額に相違が生まれやすいです。
対策①.見積もりは解体費用の『総額』でとる
見積もりを出してもらうのであれば、諸経費込みでどれぐらいかかるのかを教えてもらいましょう。
諸経費に関しては、多少金額のズレはあるかもしれませんが「総額でいくらかかる」かわかっていればトラブルにもなりません。
対策②.見積もりの内訳は細かく確認する
▼解体費用の内訳
内訳 | 概要 | 相場 |
---|---|---|
本体工事費用 | 建物本体を解体する費用 | 建物大きさやエリアによる |
廃材処分費用 | 廃材を処分する費用 | 3,000~8,000円/㎡ |
重機使用費用 | 重機を使用する費用 | 3万円~5万円/台 |
仮設工事費用 | 工事現場を整備するための費用 | 800円~1,000円/㎡ |
整地費用 | 土地を整地する費用 | 300円~600円/㎡ |
諸経費 | 解体許可の手続きにかかる費用 | 本体工事費用の5%~10% |
見積もりの内訳は細かく確認しましょう。見積もり項目に「●●一式」と記載されている場合、内訳が明記されず金額がひとまとまりになっている可能性があります。
内訳が明記されていないと、後で追加費用が発生した場合に、どの項目の金額が増えたかがわかりづらくなります。
よって、必ず内訳について細かく確認し、質問した際は詳細を説明してくれる解体業者を選びましょう。
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解体工事のトラブル④工事の仕上がりがずさん
解体中はわからなくても、更地に大きな石がゴロゴロしていたり、ならされていないような仕上がりではガッカリです。
解体業者の教育が不十分だったり、現場監督に人望がなかったりすると、タバコの吸い殻やゴミを残していくなど、従業員の意識が低い作業員もでてきます。
対策.施工完了後の理想状態を契約書に記載しておく
土地がどのような状態になっていたら施工完了といえるのか、工事後に意図する状況を契約書に盛り込んでおきましょう。
例えば、「建物解体後、廃棄物やゴミがなく、土地の高低差がない状態」など記載してもらうようにしましょう。
解体工事のトラブル⑤工事の範囲にミスがある
母屋だけを解体するはずが、庭木や倉庫が取り壊されてしまった。といったトラブルも少なくはありません。
解体業者に細かな点まで伝わっていないと、認識の違いからトラブルが発生しやすくなります。
対策.契約書に解体する対象を細かく記載しておく
どこまでを解体するかすり合わせるために、事前に時間をかけて打ち合わせすることや、契約書に細かく記載しておくようにしましょう。
口頭だけでは、工事の担当者に伝わらないまま解体が終わってしまうこともあるからです。
伝達ミスを防いで、理想的な解体を終えるためには施主の希望する工事の範囲を明記書面に残してもらいましょう。
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解体工事のトラブル⑥許可を取得していない解体業者に依頼
解体工事を請け負う業者は「解体工事登録」または「建設業許可」が必要になります。
解体業者のなかには、登録せずに違法で施工を行っている業者も存在します。こうした悪質な業者と契約すると、法外な金額を請求されたり、違法な廃材処分に加担してしまったりとトラブルのもとになるので注意しましょう。
対策.見積もり依頼前に許可を確認
見積依頼をする前に「解体工事登録」または「建設業許可」を取得しているかを確認しましょう。
請負金額が税込み500万円未満の解体工事は「解体工事登録」を行っている解体業者しか実施できません。「解体工事登録」とは建設リサイクル法(建設工事にかかる資材の再資源化に関する法律)によって定められた登録制度です。
また、請負金額が税込み500万円以上の解体工事では「建設業許可」が必要です。一般的な30坪の木造住宅の解体工事費用の相場は約150万円なので、建設業許可を取得しているかを確認する必要はないかもしれませんが、解体業者の信頼性を確認する上で参考にできます。
なお、「解体工事業者登録」は、各都道府県の公式ホームページ(都道府県名 解体工事業者登録一覧)で確認できます。また、「建設業許可」は国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」から調べられます。
トラブルを防げば解体業者は怖くない!
解体業者とのトラブルは、業者の下調べ不足や希望を契約書に残していないことに要因があります。
トラブルやリスクを回避するために、事前に対策を把握しておけば解体業者は怖くないと感じるはずです。
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