土地活用としてのコンビニ経営とは?コンビニ業界の現状についても解説します

土地活用としてのコンビニ経営とは?コンビニ業界の現状についても解説します

土地活用にはさまざまな方法がありますが、その中でもコンビニ経営は手軽に始めやすい土地活用方法です。土地をコンビニ業者に貸して賃料収入を得ることで収入源を確保することができ、リスクを負わずに収益源を確保することができます。

ただ、田舎や人通りの少ない土地だと、コンビニを建てても収益が上がらない以上、コンビニ業者側もわざわざ土地を借りて始めようとは思いません。

本記事では、コンビニ業界の現状はどうなのか、コンビニ経営とはそもそも一体どのような経営かを中心に、コンビニ土地活用について解説していきます。

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その他、土地活用方法について詳しくは以下の記事もご覧ください。

【王道から面白いものまで】土地活用のアイデアを紹介!活用方法を選ぶ時の注意点も解説

コンビニ業界の現状

ますは、「コンビニ業界の現状ってどうなの?」「コンビニって需要あるの?」といった疑問から解消していきたいと思います。

本章ではコンビニ市場の動向、コンビニ業界の売上ランキング、コンビニの需要について解説しています。

コンビニ市場の動向

コンビニ経営の市場規模

参考:コンビニエンスストア統計データ|一般社団法人 日本フランチャイズチェーン協会

一般社団法人・日本フランチャイズチェーン協会が発表している全国のコンビニ売上高推移をみると2019年までは毎年増加していましたが、2020年に少し低下し、その後2021年で再度増加に転じています。

これは、コロナウイルスの影響で外出する人が減ったことによる影響が要因です。実際、客単価を見てみると2019年以降増加し続けており、単純に利用者数が減ったことが売上高減少に寄与していると言えます。

なお、近年コンビニは、提供する商品やサービスが多角化し様々なニーズに応えらえるよう進化してきています。郵便や公共料金の支払いなどにも対応しており、利用者にとっては生活の一部となっている地域もあることから、需要はある程度根強いといえます。


日本フランチャイズチェーン協会による、2020年~2023年の毎年4月度の店舗売上高・店舗数について紹介します。

2020年

出典:日本フランチャイズチェーン協会 過去のコンビニエンスストア統計調査

2021年

出典:日本フランチャイズチェーン協会 過去のコンビニエンスストア統計調査

2022年

出典:日本フランチャイズチェーン協会 過去のコンビニエンスストア統計調査

2023年

出典:日本フランチャイズチェーン協会 過去のコンビニエンスストア統計調査

コンビニ業界売上ランニング

土地活用としてコンビニ経営を考えたとき、どのコンビニに任せようかといったところで迷うかと思います。そこで、コンビニ業界の売り上げのランキングを紹介するため参考にしてください。

「業界動向リサーチ」によると、2021年~2022年のコンビニ業界の売上ランキングのTOP5は以下のようになります。※()内は売上高。単位は億。

  • ①セブン&アイ・HD(60,632)
  • ②ローソン(6,983)
  • ③ファミリーマート(4,514)
  • ④ミニストップ(1,836)
  • ⑤JR東日本クロスステーション(1,356)

ランキングと売上高を見てわかるように、セブン&アイ・HDが2位に大差で1位となっています

これには、2021年の5月にセブンイレブン展開のセブン&アイ・HDが米国の大手コンビニを買収したことが大きく影響しています。全売上高のうち、海外売上高の比率が59%を占めていることからも分かるでしょう。

出典:業界動向サーチ コンビニ業界 売上高ランキング

コンビニの需要は高まっている

コンビニ業界の売上高が2021年以降増加傾向にあることから分かるように、コンビニの需要は高まっています

例えば、コンビニにある生活雑貨や肌着などの生活用品は、外出先での急を要する需要を想定した商品が中心でした。しかし、新型コロナで外出自粛が広がった影響で、人が集まる商業施設などへ買い物へ行く機会が減り、なるべく自宅の近くで揃えられるものは揃えたいというニーズが高まりました。

そういった経緯があり、普段は買わないようなものでもコンビニで購入する人が増えました。その流れに乗り、衣料品に力を入れているコンビニもあるようです。

コンビニはただ買い物をするための場所ではない

コンビニ各社は地域の防犯や安全対策の一環として、セーフティステーション(SS)活動へ参加しており、安全・安心なまちづくりや青少年の健全化を促す存在となっています。

また、住民票や証明文書の交付といった行政サービスなどもコンビニで受けることができます。今後もコンビニが地域社会にとって重要な役割を担っていくのは間違いないでしょう。

そもそもコンビニ経営とは?

コンビニ経営とは、コンビニチェーンを展開する大手業者に土地や建物を貸し出して、コンビニエンスストアの店舗を出店する土地活用方法です。

ローソンやファミリーマート、セブンイレブンなどの大手チェーン企業と契約を結んで、企業側に土地を貸し出し、コンビニ店舗を出店してもらう形になります。この契約の際に取り決めた賃料が収入源になります。

賃貸経営にはしづらいけれど、コンビニを建てると需要が見込めそうな土地を持っている場合に検討することが多く、低リスクで始めやすい土地活用方法です。本章ではコンビニ経営について、二つの経営方式とその違いや、コンビニ経営でかかる費用・得られる収入について解説しています。

経営方式①リースバック方式

リースバック方式とは、土地の所有者がコンビニを建築し、そのコンビニと土地を会社が借り上げる方式のことを指します。

これはコンビニ会社側が建築費に費用をかける必要がない分、コンビニ会社から受け取れる賃料が高く、事業用定期借地方式と比較して約10%ほど多くの賃料を受け取ることができます。また、この方式でコンビニ経営をした場合、コンビニ物件の所有者は土地所有者側になります。なお、コンビニを建築する際、コンビニ会社より建設協力金を借り入れて建築することが可能です。

また、リースバック方式は相続税の節税効果が見込みやすい経営方式です。リースバック方式で経営する場合、建物は土地所有者の資産になるため、土地の相続税の評価額を計算する際に建物も込みで算出されます。この際、建物を賃貸していると、その賃貸用の建物が建っている土地は貸家建付地となるため相続税評価額が下がり、更地で土地を相続する場合に比べて20%ほど節税することができます。そのため、相続税対策としても効果的なのがこのリースバック方式の特徴です。

建設協力金
  • 借主が土地所有者に渡す預託金のことを指します。この場合、貸主は預託金を活用してコンビニを建築し、月々の賃料収入から差し引かれる形で建設協力金を返済していきます。

経営方式②事業用定期借地方式

事業用定期借地権とは、コンビニチェーンと借地契約を結び10年以上の長期にわたって土地のみを貸すという経営方式です。

土地のみを貸し出すことになるため、初期費用をほとんどかけず手軽に始められる点がメリットとして挙げられます。また、契約が終了した段階で土地を返してもらえるため、「いずれ土地を使いたけれど今は使う予定がない」という方におすすめです。

ただ、相続税の節税に関してはリースバック方式ほど効果は見込めません。定期借地権契約の残りの期間に応じて相続税評価額が軽減されます。

リースバック方式と事業用定期借地方式の違い

ここでは、リースバック方式と事業用定期借地方式の違いを紹介します。それぞれの経営方式について、以下のように表でまとめてみました。

リースバック方式事業用定期借地方式
土地コンビニ業者へ借地コンビニ業者へ借地
契約期間10年~30年10年~30年
契約終了後コンビニ業者が建物を解体し土地を返還コンビニ業者が土地と建物を返還
賃料高い低い
節税効果高い低い

コンビニ経営におけるリースバック方式と事業用定期借地権の大きな違いは、初期費用と賃料、節税効果です。

リースバック方式は、土地所有者が建物を建築する必要がある以上、初期費用が数千万円ほどかかりますが、事業用定期借地方式に比べて賃料と相続税の節税効果が高いといった特徴があります。

土地活用のコンビニ経営にかかる初期費用

前述した通りリースバック方式は事業用定期借地方式に比べて初期費用がかかりますが、アパート経営などの賃貸経営と比較すると少なく済みます。

コンビニ経営の初期費用としては、主に土地の整地費・建築費・建物の内装工事費の3つがかかります。それぞれ誰が費用を負担するかについては以下の通りです。

費用リースバック方式事業用定期借地方式
土地の整地費土地所有者土地所有者
建築費土地所有者コンビニ業者
内装費土地所有者コンビニ業者

土地の整地費

土地の整地にかかる費用の相場は、坪単価で約1.5万円~2万円となっています。

コンビニの建物を建設するためには60坪ほどの土地が必要となり、その場合にかかる費用は90万円~120万円となります。

建築費

コンビニの建設にかかる費用は、坪単価で約25万円~40万円が相場となっています。

整地費用と同じく60坪の場合、かかる費用は1,500万円~2,400万円となります。

内装費

コンビニの内装工事かかる費用の相場は、坪単価で約10万円~20万円となっています。

同じように60坪の場合を計算すると、費用は600万円~1,200万円となります。

土地活用のコンビニ経営で得られる収入

土地活用としてコンビニ経営をする場合の収入源は、大手コンビニチェーン会社からの賃料になります。契約内容にもよりますが、月々定めた一定の賃料額が収入源となるため、安定した収入に期待ができます。

なお、設定する賃料、契約時に交わした金額が基本になるため、コンビニの収益の増減によって収入が変化するということはありません。コンビニが大繁盛しても、全然売上が上がっていなくても、設定された賃料が収入源になります。

ただし、契約内容や条文によっては、「コンビニの収益が落ちたときには賃料を引き下げる」という内容が入っていることもあるので、注意しておきましょう。

コンビニ経営の収入目安

コンビニ経営による収入目安は、一般的な事業用定期借地権の賃料相場と同様に考えると良いでしょう。事業用定期借地権の賃料相場は、その土地価格の約4~5%、相続税評価額の約5~6%ほどが相場になります。

土地価格は、年に1回発表される公示価格のおおよそ1.1倍を参考にすると良いでしょう。例えば、公示価格が7万円の土地80坪でコンビニ経営をする場合、1坪3.3㎡とすると、年間の地代の相場は以下のようになります。

7万円/㎡ × 3.3 × 80坪 × 1.1 × 5% = 101万6,400円

これを1か月単位にすると、おおよそ月額の賃料目安は8万5,000円ほどになります。

なお、これはあくまでも賃料目安なので、実際の立地や土地の形状、広さといった土地の特徴や、コンビニ会社との契約内容によっては前後することもあります。

長く安定した収入が得られる

コンビニ用の土地活用として土地を貸す場合、契約期間は10年から30年と比較的長いです。契約期間は賃貸料として毎月利益を得られるため、長期間にわたって安定した収入が得られます。

フランチャイズでコンビニを経営する場合でも、軌道に乗りさえするなら安定して収入を得られます。コンビニは生活をする上で必須ではありませんが、便利な施設です。そのため、安定した需要を見込める立地なら、フランチャイズ経営でも長期間利益を得やすいでしょう。


土地活用を検討している場合は、イエウール土地活用の利用がおすすめです。コンビニ経営以外にも、アパート経営やマンション経営、駐車場経営をした場合の収益イメージや費用、プランを取り寄せることができ、カンタンにまとめて土地活用プランを比較することができます。

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土地活用を始めたいと思っても、どの方法が良いのかわからず悩んでしまう、ということもあるでしょう。この診断では3つの質問に答えるだけで、あなたの土地に合わせた活用方法をランキング形式で紹介します。

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コンビニ経営のデメリット

アパート建築で相続税はどのくらい節税可能か

コンビニで土地活用をすることには、メリットだけではなくデメリットもあります。


  • 本社の業績に左右される
  • 節税対策をあまり期待できない
  • 限られた条件の土地でしかできない

デメリットも正しく把握して、土地活用の方法としてコンビニ経営やコンビニ業者への土地の貸し出しが合っているかを判断しましょう

本社の業績に左右される

フランチャイズ経営では本社のネームバリューを利用できますが、本社の業績次第でフランチャイズ店舗の印象や業績も左右されることはデメリットです。たとえば本社が不祥事を起こして社会的に悪印象を持たれてしまうと、フランチャイズ店舗のイメージも悪くなります。

イメージの低下が客離れにつながり、収益が低下してしまう可能性も0ではありません。また、土地だけを業者に貸し出す場合でも、業績の悪化によって契約途中で撤退されることもあります。

本社の業績がよい場合は問題ありませんが、業績が悪化すると、その分土地の所有者にも悪影響が出やすいことは理解しておきましょう。

節税対策をあまり期待できない

コンビニなどの商業型施設では、高い節税効果を期待できない点はデメリットです。アパートやマンションなどの賃貸経営の場合は、貸家建付地という評価を受けて固定資産税・相続税の節税効果を受けることができますが、コンビニにはこういった節税効果はありません。

あくまで土地活用で利益を出したい人に向いている方法であり、節税対策のための土地活用としてはコンビニ経営は適さないことは覚えておきましょう。

限られた条件の土地でしかできない

コンビニ経営は、人通りの多い土地や車通りの多い土地など、ある程度限られた条件の土地でしか始めづらいというデメリットがあります。

そもそも需要のない土地なら事業者側も相談に乗ってくれないこともあるため、まず「自分の土地にコンビニを建てたらお客様が来てくれそうか」を考えてみるようにしましょう。


所有する土地でどのような土地活用種別が良いのか迷ったときは複数の土地活用プランを一括請求・比較できるサービスを使うことをお勧めします。イエウール土地活用なら、複数のプランを比較して収益性の高い土地活用方法を見つけることができます。

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コンビニ経営に向いている立地

コンビニ

コンビニ経営は、コンビニ業者と提携して始めることになります。そのため、コンビニ業者側が「この土地なら儲かりそう」と思うような土地でないと、そもそも提携ができずコンビニ経営を始められません。

ここでは、土地活用をするうえでコンビニ経営に向いている立地条件を紹介します。

コンビニを建築できる用途地域

まずは、自分の土地でコンビニ建築が可能かどうかを確認しましょう。コンビニが建築できるかどうかを確認するためには、その土地の用途地域を確認します。

用途地域には様々な種類がありますが、コンビニが建てられない地域および建築に制限のある地域は以下の2つです。

  • 第一種低層住居専用地域:建築不可
  • 第二種低層住居専用地域:150㎡までなら建築可能

ただ、地域によっては設置できるよう別途基準を設定している地域があると同時に、コンビニ建築に正当な理由がある場合は建築審査会の同意があれば建築することが可能な場合もあります。

また、近年第一種低層住居専用地域でもコンビニを建築できるように変更する動きもあるため、近い将来コンビニ建築が可能になる可能性もあります。

自分の土地がどの用途地域なのかを知りたい方は、「○○市 用途地域」等と検索したり、近くの市役所・役場で確認するようにしましょう。

ロードサイド・車通りの多い土地

国道などの幹線道路沿い(ロードサイド)は、コンビニ経営に適しています。ドライバーの多くは、手軽に買い物ができるコンビニで用を済ませたいというニーズが強く、道路沿いにあって簡単に駐車できるコンビニへの需要が強いです。

このような利用者層を取り込むには、ある程度の駐車スペースを確保できる土地が必要となります。普通車だけでなく、大型車の駐車スペースも確保しておくと利用してもらいやすくなるでしょう。そのためには、おおよそ200坪~300坪の土地の広さがあると安心です。

駅前や繁華街、観光地付近にある土地

駅前や繁華街、観光地付近に土地を持っている場合は、コンビニ経営に適しています。人通りが多いという理由だけでも十分に好条件な立地ですが、それだけでなく、通勤・通学・観光などで利用が見込める点からも、かなり条件の良い立地だと言えるでしょう。

なお、こういった土地でコンビニ経営を始める場合でも、所有しているビルの1階でコンビニ経営を始めるといったケースでない限り、コンビニ用地としては最低でも100坪以上の広さが望ましいです。これは、なるべく多くの人に利用してもらいやすくするためです。

住宅街にあり、生活便利施設が少ない土地

住宅街や団地の近くにある土地で、周りにライバルとなるスーパーやコンビニがない立地だとねらい目です。

近隣住民からの定期的な利用が見込める可能性が高いため、コンビニ業者側も収益安定性の観点から好条件の立地だと考えるでしょう。なお、このような地域では、地域に密着した形でコンビニ経営を行っていくことがかぎになります。

まとめ

コンビニの土地活用は、少ない自己資金で経営を始められることが大きな魅力です。経営方式によってかかる初期費用は違いますが、事業用定期借地方式で土地を貸すだけの場合は、ほとんど初期費用はかかりません。

また、立地次第では少ない資金で、高い収益性を確保できることもあります。立地や自己資金によって適する方法は異なるため、自分の状況に合ったやり方で、コンビニの土地活用を行いましょう。

他にも土地活用方法を知りたい方は以下の記事をご覧ください。

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