50代になって、このまま賃貸や持ち家に住み続けるか、それともマンションを購入するかと悩む方は多いものです。住宅ローンを組んでしまうと今後の生活が苦しくなるのではと、なかなかマンション購入に踏み切れない方もいるかもしれません。
50代でマンションを購入するときには将来設計を重視することが大切です。ここでは、50代を過ぎてからマンションを選ぶときに知っておきたいポイントをご紹介いたします。
50代になってからのマンション購入は可能?
マンションは30~40代くらいまでに購入しておくべきという考え方ももちろんあります。しかし、50代からマンションを購入し、住宅ローンを組んで支払いをしていく方も意外と多いものです。不動産統計によると、50代になって初めてマンションを購入した人の割合は、マンション購入者の約9%にも及びます。
50代になると先々の生活の予測が見えやすくなるので、マンションの購入にあたって資金計画を立てやすくなります。50代の方は収入も上がっており、かなりの金額のローンを組むことも可能です。
ただし、退職後のことを考えれば、無理のない資金計画を立てておくことは重要です。マンションという大きな買い物をした結果老後の生活が破綻するといったことにならないよう、慎重に計画を立てていきましょう。
50代でマンション購入する際の住宅ローンの組み方
50代までに貯金をし、一括でマンションを購入するという方もいるものです。その一方で、住宅ローンを利用することももちろん可能です。50代からの住宅ローンは借入期間が短くなりますが、かといって審査に通りにくいということもありません。
まずは50代で住宅ローンを組むときのポイントをみていきましょう。
50代であれば住宅ローンは問題なく組める
定年退職を迎えてから住宅ローンを組むのは難しいといわれています。定年後には年金でやりくりをするのが一般的なので、収入が低いと判断され住宅ローン審査に通らないことがあるのです。しかし、まだまだ現役で働いている50代であれば住宅ローン審査にそれほど大きな問題は生じません。
ローンの返済期間を長期間にするのはリスクが高い
住宅ローンの返済期間は最長で35年はと定められています。たとえば住宅金融支援機構のフラット35では、50代の方は35年のローンを組むことはできず、それよりも短い期間が推奨されます。サラリーマンが定年後、80歳目前までローンを返し続けるという計画をするのはかり危険といえるでしょう。もちろん個人事業主であればある程度長く働いていけますが、今後のことを考えればあまり長期的なローンを組むのはおすすめできません。
多くの場合、20年前後のローンであれば問題なく審査に通る可能性が高いでしょう。50代からマンションを買うのなら、短期間のローンで購入できる物件を選ぶことが重要です。
リバースモーゲージ型ローンを使う場合にはリスクを知っておく
近年では、50代向けの「リ・バース50」や60歳以上の方向けの「リ・バース60」といった住宅ローンも用意されています。これらのローンは毎月の支払いが利息分だけで、ローンの元金は亡くなったあとに住宅を売却して返済するという仕組みになっています。住宅を子どもに残す必要がないのであれば、リバースモーゲージ型ローンを利用するのもよいでしょう。
ただし、リバースモーゲージ型ローンはローンの元本が減らないため、長く生活するほど支払額は増えていくということになります。状況によってはかなりの損となってしまうケースもあるので慎重に検討しましょう。
住宅ローンを組むときには健康状態も重要
住宅ローン審査には団体信用生命保険というものがあり、収入面だけでなく健康状態もチェックされます。一般的な銀行の住宅ローンの場合、団体信用生命保険への加入が必須となり、持病がある場合には審査に通らないこともあるので注意が必要です。フラット35でローンを組むのであれば団体信用生命保険への加入は任意とされるため、ローンに通りやすくなります。
また、保険の引受範囲が拡張されているワイド団信であれば、一般の団体信用生命保険よりも加入しやすくなります。
いくつかのローン審査を試すのも有効な方法
50代になってから頭金ゼロでローンを組むケースもあるものです。とはいえ、頭金なしの場合にはローンに通らない可能性もあるので気をつけましょう。フルローンを組むときにはいくつかの審査を試すのがおすすめです。預金高に応じて住宅ローン金利が優遇されるような銀行や、審査が比較的ゆるいといわれるネット銀行を選ぶなどの工夫してみましょう。
他にも、詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
マンション購入はいくら税金がかかるの?種類や税制優遇制度など税金対策も解説!
50代でマンション購入する際の物件選びのポイント
50代でマンションを買うのなら、老後のことまでを考えて最適な物件を選びましょう。まだまだ気力や体力のある50代のうちにマンションを決めておけば、あとあとの生活が快適になります。物件を選ぶときには、利便性や安全性にこだわるのがおすすめです。50代からのマンション選びで注意すべきポイントや物件選びのコツをご説明いたします。
家族の人数に合わせて間取りを選ぶ
50代になると子どもの進学や就職といった事情により、これからマンションに住む家族の人数や今後の見通しがわかりやすくなります。広々としたマンションがほしいと考える方もいるものですが、普段使わない部屋に数百万円という投資をするのは少しもったいないものです。また、部屋数が多いと掃除や管理がしにくく、持て余してしまう可能性もあります。
たとえば夫婦2人で住むのであれば、2LDKなどの適度なサイズのマンションがおすすめです。
利便性にこだわってマンションを選ぶ
50代になってからマンションを選ぶなら、駅からの近さや利便性を重視したほうがよいでしょう。また、ショッピングセンターや病院が近隣にある物件を選ぶのもおすすめです。郊外に駐車場つきのマンションを購入するという選択肢ももちろんあります。しかし、今後車の運転が難しくなったときのことまで考えれば、やはり利便性は重視したいものです。
マンション住まいを機に、車のない生活へと切り替えていけば、事故のリスクがなくなり安心して生活できます。車に乗らなければ駐車場代やガソリン代、車検や保険費がまるまる浮くので、経済的なゆとりも生まれます。
使いやすい住宅かどうかをチェックする
マンションを選ぶときには、室内の過ごしやすさにとことんこだわりましょう。まだまだ働き盛りという方も多いものですが、退職後には自宅で過ごす時間が長くなります。一日のうちの長い時間を過ごす場所が不便であっては、毎日を気持ちよく過ごすことができません。
たとえば室内全体の日当たりが良く風が通りやすい住宅であれば快適に過ごせます。また、寝室からトイレまでの距離や洗濯物を干すスペースと洗濯機の距離が近いなど、生活動線や家事動線が整っていることも重要なポイントです。
バリアフリーマンションを購入すれば安心
50代以降の住宅は、できればバリアフリー構造やフラットな設計になっているものを選びましょう。たとえば玄関に大きな段差がなく、トイレやお風呂に手すりがついている住宅であれば化的に使えます。バリアフリー設備がない場合には、あとからバリアフリー工事やリノベーションができるかを確認しておきましょう。
専有部分だけでなく共有部分の使い勝手も重要です。車椅子であっても問題なく使えるエレベーターや広い廊下が完備されていれば安心です。
子どもの住宅の近くに住むという選択肢もある
50代以降に子どもと同居する方もいるものですが、近年では同居ではなく近居を選ぶ方が増加しています。徒歩圏内の物件を選ぶほか、同じマンションの別の部屋を借りるなど、近居のパターンはさまざまです。近居であれば子どもの子育てをサポートすることもできますし、逆に困ったときには子どもに助けを求めることも可能となります。ときどき顔を合わせるくらいの良い距離感であれば、お互いにストレスもかかりません。
ただし、子どもに無許可で近隣に引っ越した結果、トラブルに発展してしまうケースもあるものです。近居を希望するときには子どもと話し合い、納得した上でマンションを選びましょう。
他にも、詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
防音性の高いマンションの見分け方や防音対策を解説!快適な暮らしを手に入れよう!
50代でマンション購入する際のリスクと対策
マンション購入は大きな買い物となるため、リスクについて正しく把握しておくことが肝心です。ローンを払いきれなかったために老後破産に至ることのないよう、資金計画を立てておきましょう。ここからは、マンション購入にあたってのシニア層ならではのリスクや、その対策法についてご説明いたします。
金銭的な失敗を防ぐために入念な資金計画を立てる
マンションを購入するときには、現在の貯金額や今後の支出など、さまざまなポイントを細かく計算しておきましょう。持ち家がある場合にはいくらくらいで売却できるのか、見積りを試すなどの方法で把握しておきたいものです。また、50代以降に必要となる大きな出費についても把握しておきましょう。
たとえば子どもや孫への援助や、子どもの結婚式の援助にまとまった費用を用意したい方もいると思います。また、退職を機に旅行をしたり大きな買い物をしたりするケースもあることでしょう。
さらに、将来に備えてまとまった医療費を用意しておくことも重要なポイントです。
マンションを購入するときには、こういった出費について十分に考えた上で、余裕のある資金計画を立てましょう。あらかじめ収支を細かく計算しておけば、安心して住宅ローンを返済していけます。
退職金をあてにしないほうがうまくいく
50代からのマンション購入で退職金をあてにするケースは少なくありません。しかし、退職金をローンにつぎ込んでしまうと資金に余裕がなくなってしまいます。将来のことを考えると、できれば退職金はとっておいたほうがよいでしょう。住宅ローンを組むのであれば退職金を考慮に入れず、現在の収入と自己資金をベースに借入額を決めましょう。こうすることで金銭的な余裕が生まれますし、急な出費にも備えられます。
持ち家がある場合には売り先行での買い替えがおすすめ
一戸建てからマンションに転居する場合には、持ち家を売ってからマンションを買う売り先行と、先にマンションを買ってから持ち家を売る買い先行という2つの選択肢が考えられます。住宅の買い替えのリスクを下げたいのなら、売り先行で計画を進めていくとよいでしょう。
先に持ち家を手放すことで、手元に残る費用を把握しやすくなります。持ち家を売却した資金をベースにしてマンションの価格を決定すれば、無理のない資金計画を立てられるのです。
買い先行で費用が足りなくなったときには、急いで持ち家を売却しなければならなくなります。こうなってしまうと、理想的な価格で持ち家が売れず損をする可能性もあります。
あとあと損するのを防ぐためにも、じっくりと時間をかけて売却活動を進めていきたいものです。
物件の管理費についても把握しておく
購入したマンションの管理費が思いのほか高く、生活が立ちゆかなくなってしまうケースもあります。都心のタワーマンションでは、管理費が毎月5万円を超えるケースもあるものです。
管理費は所有している間は毎月かかるため、金銭的な負担はどんどん膨れ上がってしまいます。場合によっては、管理費の滞納が原因で退去に追い込まれる可能性もあるので気をつけましょう。
こういったリスクを防ぐためには、あらかじめ管理費や諸費の額を把握しておくことが大切です。
他にも、詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
マンション購入でかかる維持費の内訳や抑えるポイントを解説
50代からのマンション選びはリスクを踏まえて冷静に計画を立てましょう
50代になってからのマンション選びには、30代や40代の方がマンションを選ぶときとは違ったコツがあります。特に、今後の生活や収入面を踏まえた上で最適な価格帯のマンションを選ぶことは重要なポイントです。また、住宅購入のためには登記費用や司法書士費用、また手付金などの購入にかかる諸費用が別途現金でかかってくるほか、住宅ローン控除などの専門的な知識をベースに資金計画を立てないと損をする可能性があります。
そのため、住宅ローンを組む際は住宅購入のプロに相談しながら資金計画を立てることが必要不可欠です。住宅ローン控除やすまい給付金など、知らなきゃ損をする控除制度についての情報収集としても使えるでしょう。
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