購入予定の中古マンションが、他の人に先に買われてしまった経験を持つ方は少なくありません。
中古不動産の契約は、申込順だけではなく売主の意向によっても左右されるため、わずかな差でライバルに負けてしまうこともあります。
本記事ではこのような購入競争が起こる背景と、買い逃さないための対処法、買付証明書の注意点を解説します。
また、下記の記事では中古マンションの買い方やコツについて解説しています。こちらもぜひご活用ください。
中古マンションの買い方にはコツがある!購入のコツを詳しく解説
中古マンションが先に買われてしまう理由
購入の申し込みに進んでいた中古マンションが、他の買主に買われてしまう背景には、次の4つの原因が考えられます。
- 競合する買主の存在
- 先着順ではなく、売主の意向により決定
- 不動産ポータルサイトへの掲載
- 値下げによって希望者が増加
各項目について詳しく解説します。
競合する買主の存在
国土交通省「令和2年度 住宅市場動向調査報告書」によれば、中古マンション取得世帯の購入理由は、「価格が適切だったから」が最も多く67.1%、次いで、「住宅の立地環境が良かったから」が54.8%となっています。
このように、適切な価格で立地の良い中古マンションは、他の人も購入を検討しています。そしてご自身がじっくり検討している間に、他者が早く決断をした場合、買い逃すことになってしまいます。
希望する中古マンションを確保できるのは、重要事項説明を受け、売買契約を締結し、手付金を支払った段階です。物件の「申し込み」の段階や、不動産業者・売主との交渉中であったとしても、確保したことにはならない点に注意しましょう。
先着順ではなく、売主の意向により決定
中古マンションでは、売主の意向によって買主が決まることも珍しくありません。
一番最初に申し込んだとしても、二番手以降のライバルの条件や売主の意向によっては、買い逃す可能性もあります。
例えば多くの申込者が集まった場合、売主の判断で「現金一括購入ができる」「値引き交渉がない」などの購入希望者を優先させることも多くあります。
不動産ポータルサイトへの掲載
国土交通省「令和2年度 住宅市場動向調査報告書」によれば、中古住宅取得世帯の、物件に関する情報収集の方法は次の通りです。
◇中古住宅取得世帯における物件に関する情報収集方法◇
不動産業者で情報収集 | インターネットで情報収集 | |
---|---|---|
中古マンション | 54.4% | 43.7% |
中古戸建住宅 | 38.5% | 44.3% |
いずれも4割以上の中古住宅取得者が、インターネットで物件を検索し、購入に至っています。
このように、不動産ポータルサイトに掲載されている物件は、競合相手が多くなります。インターネットで容易に調べられるため、ポータルサイトで良い物件を見つけた場合は、他者も注目していると考える必要があります。
なお、Housii(ハウシー)のような未公開物件を提案するサービスを利用すると、ポータルサイトに掲載されていないような、ライバルの少ない中古マンションを探すことができます。他の買主に先に買われてしまう事態を防ぐためにも、ぜひご利用ください。
値下げによって希望者が増加
中古マンションの価格は必ずしも一定ではなく、売主の判断で値下げされることも珍しくありません。
現金化を急ぐ売主の場合には、価格更新のタイミングで購入希望者が増えることも考えられます。
値下げによってポータルサイトでの注目が増え、売主に時間的余裕がなかったため、最も早く申し込んだ買主に契約が決まってしまったという事例もあります。
中古マンションが先に買われる事態を防ぐ方法
希望する中古マンションを買い逃さないためには以下の5つの対処法があります。
- 競合の買主より早く行動する
- 値引き交渉を控える
- 現金一括購入を検討する
- 複数の物件を検討しておく
- 買付証明書を提出する
それぞれの項目について、具体的に解説していくので、ライバルに先を越されないための対策にしてください。
競合の買主より早く行動する
まずはライバルの買主よりも先に行動しましょう。
先着順の新築マンションとは異なり、中古マンションでは売主の意向も濃く反映されるとはいえ、競合相手よりも早く申し込むことで有利になることは変わりません。
値引き交渉を控える
売主側はできるだけ高い価格でマンションを売却したいと考えています。
そのため、値引き交渉を行おうとすると、値引きなしで購入を希望するライバルよりも不利な立場に置かれてしまいます。
他者に先に買われてしまう事態を防ぐためには、値引き交渉なしで契約に進むことが望ましいでしょう。
中古マンションの値引き交渉についての理解を深めたい方はこちらの記事も参考にしてください。
中古マンションの値引き額の相場は?交渉タイミングや体験談も紹介!
現金一括購入を検討する
競合相手がいる場合、もし現金一括購入を提示できれば、非常に有利になります。
売主にとってはまとまった現金が得られるメリットがあり、住宅ローンでの購入を検討している申込者がローンの審査に落ちて契約が白紙になってしまうリスクを避けられるからです。
また値引き交渉に応じてもらえる場合もあるため、想定した金額よりも安く物件を購入できる可能性も高まります。
マンションの一括購入のメリット・デメリットについては、こちらの記事を参考にしてください。
マンションの一括購入はお得?メリット・デメリットとおすすめできる場合とは?
複数の物件を検討しておく
1つの物件だけではなく、複数の物件をリストアップして比較・検討しておくこともおすすめします。
1つの物件に絞り込んだ結果、先に買われてしまうと、また一からリサーチ、交渉などの時間が必要になります。
そのため、あらかじめ複数の選択肢を用意し、万が一先に買われた場合でもスムーズに動けるようにしておきましょう。
買付証明書を提出する
買付証明書とは、売主に対して購入の意思を示す書類のことです。
書面には、購入希望価格や契約予定日、買主の年収など、基本情報を記入します。不動産会社によって呼び方は異なりますが、購入申込書とも呼ばれ、申し込みの際に作成・提出することが一般的です。
法的な効力や、提出の義務はありませんが、不動産契約の流れの一環であるため、契約を有利に進めたい場合には早く提出することが大切です。
売主にとっても書面で購入の意思が伝えられれば前向きに検討しやすくなります。なお、買付証明書には購入希望金額を記入して値下げ交渉を行うことも可能です。
条件が折り合わず契約に至らなかった場合でも、後日に値下げの提案が届いた事例もあります。
買付証明書を提出する際の注意点
買付証明書については、注意点がいくつかあります。次の注意事項を踏まえて提出に進みましょう。
- 買付証明書に法的な効力はない
- 安易なキャンセルは損害賠償責任を負う可能性がある
- 買付証明書を強要する業者は要警戒
- 売主から提出される「売渡承諾書」もある
買付証明書に法的な効力はない
先述した通り、買付証明書には、法的な効力はありません。
書式に決まりはなく、不動産業者によって呼び方も異なります。そのため提出後、必ず契約しなければならないという拘束力はなく、キャンセルで違約金が発生することもありません。
一方、買付証明書で購入の意思を示した以上、キャンセルを前提にして進めることは控えましょう。書面を受け取った売主も真摯に対応してくれるため、誠実に進める事が大切です。
安易なキャンセルは損害賠償責任を負う可能性がある
買付証明書は法的な効力を持ちませんが、正当な理由なく契約を拒否した場合には、損害賠償責任が問われることもあります。
買付証明書を提出して契約準備に入った後は、売主・買主ともに相手が損失を被らないよう配慮する義務があります。
買付証明書を強要する業者は要警戒
不動産業者の中には、買主の意向を無視して、いち早く成約を結ばせるためにも、買付証明書の提出を強要する業者も存在します。
このようにコミュニケーションを取る中で違和感を抱いてしまう不動産業者とは、今後のやり取りは控えた方が良いです。
なお、買付証明書に関しては下記の記事にも詳しい解説があるので、併せてご参照ください。
不動産売買での買付証明書・買付申込書とは?提出したら契約になるのか
売主から提出される「売渡承諾書」もある
売渡承諾書とは、売主が購入希望者に対して、所有する不動産を売却する意思を示す書類です。
買主が買付証明書を提出するのと同様に法的拘束力はありません。そのため、売主が売買交渉の結果、条件が折り合わずに売却を取り下げたとしても、原則として損害賠償責任は発生しません。
一方、売渡承諾書は、購入希望者にとっては、住宅ローン審査の際に金融機関側の判断材料となる場合があり、売買交渉権の確認書ともなります。
売主は購入希望者に損害が発生しないよう配慮する義務が生じるため、買主にとっては安心の一助となります。そのため、売渡承諾書の存在も留意すると良いでしょう。
ポータルサイトにはない未公開物件をHousiiで探す
購入希望の中古マンションがある場合、買い逃しを防ぐためには、さまざまな対処法があります。
本記事でご紹介したとおり、できるだけ早めに行動し、買付証明書を提出したり、値引き交渉を控えたりすることなどが大切です。
なお、物件選びの際にはHousii(ハウシー)がおすすめです。未公開物件を含む、多くの物件から、あなたにぴったりの物件を選ぶことができます。
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