将来的に売却や、賃貸として家賃収入を得ることを想定している場合には、資産価値を検討しながら物件を選ぶことも大切です。
そこでマンションを購入する際に、資産としての価値を念頭に置かれる方も少なくないでしょう。
本記事では、資産価値の下がりにくい新築マンションの特徴について、間取りや立地条件、居住環境に着目しながら解説します。
新築マンションの資産価値とは?購入前に知っておきたい基本情報
マンションの資産価値には、主に「売却価値」と「収益価値」の2つの基準があります。
売却価値とは、実際に売れる金額で、相場価格と言い換えられます。不動産流通機構の情報システム「レインズ(REINS)」を参考にすることが多く、似た条件の売買価格や立地・築年数などの要素を反映して決定されます。
一方、収益価値とは、その物件を貸し出した際に得られる家賃収入の額です。新築の分譲マンションの場合は、一般的な賃貸マンションと比べると、家賃を高めに設定できる点がメリットです。長く住む前提で設計されているため、構造や管理の質が良いためです。
またマンションの資産価値は多くの場合、以下の通り、築年数を経るごとに下落します。
出典:REINS TOPIC「築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2021年)」
上のグラフは、首都圏の中古マンションの平均価格の推移を築年数ごとに表したグラフです。
新築マンションを購入して住み始めると「中古マンション」となり、住み始めてから6〜10年で、価格は平均で15%程度減少します。
このグラフからは、特に築16年〜30年までの下落幅が大きくなっていることがわかります。
資産価値が落ちない新築マンションの3つの条件
築年数を経ると価値が下落するとはいえ、資産価値の下がりにくい新築マンションを購入するには、立地・ブランド・住環境の、3つのポイントを抑えることが重要です。
多くの人から住みたいと思われるマンションであれば、資産価値を保つことができます。以下、各項目について詳しく解説します。
立地が良い
立地条件が優れている新築マンションは、築年数を経ても大きく値崩れしません。10年後・20年後に住み替えを検討する際にも、納得のいく価格で売却できる可能性が高まります。立地条件を検討する際には、具体的に次の5つの点を確認しましょう。
- 人気のエリアに位置している
- 交通の利便性が高い
- 周辺環境が充実している
- 再開発が予定されている
- 災害のリスクが低い
人気のエリアに位置している
雑誌や不動産ポータルサイトなどで紹介される「住みたい街ランキング」「住みたい沿線ランキング」などの上位にある人気のエリアでは、新築マンションの資産価値が下がりにくくなります。地域に注目が集まり、人口増加も見込まれることから、マンションの需要や地価が上昇する可能性が高くなるためです。
交通の利便性が高い
複数の路線が乗り入れるターミナル駅から徒歩5分〜10分以内の立地のマンションや、駅直結型のマンションの場合、交通の利便性が高いため資産価値も高まります。
職場や学校、病院や商業施設へのアクセスが良好な物件は、ご自身が住む場合にも快適な暮らしとなり、需要も高いことから売却時にも高い査定価格がつきます。
反対に、駅から遠いマンションを選んでしまうと、資産価値は下がりやすくなるため注意しましょう。
周辺環境が充実している
生活に便利な施設や機関が近くにある物件は資産価値が高くなります。
ファミリー向けの新築マンションの場合、学校や病院などの施設が充実していることも重要です。
再開発が予定されている
新線・新駅の開通が計画されているエリアや、再開発が予定されているエリアも資産価値が下がりにくくなります。
再開発には大小さまざまな規模がありますが、規模が大きいほど人口増加が見込まれるため、資産価値も高まりやすくなります。
災害のリスクが低い
地震や台風、噴火や津波などの自然災害によってマンションの資産価値が大幅に下がることもあります。ご自身の居住中に被害に遭えば、生活の再建も容易ではないでしょう。
災害リスクを正確に予測することは不可能ですが、マンションの立地選びの際に参考となるのが「ハザードマップ」です。ハザードマップでは地震や洪水を想定した危険度が色分けによって示されています。
各自治体で閲覧できるため、購入を予定しているマンションがある場合は事前に危険性を確認すると良いでしょう。
ブランドマンション
マンションの資産価値には、施工するデベロッパーのブランド力も影響します。
特にブランドマンションはメンテナンスや管理体制の面でも手厚いサポートが期待できるため、住まいの信頼性を求める方から人気が集まっています。
なお、「メジャーセブン」とも呼ばれる代表的なマンションデベロッパーとそれぞれのブランド名は以下の通りです。新築マンションを選ぶ際には、下記の物件にも注目してみましょう。
デベロッパー名 | ブランド名 |
---|---|
住友不動産 | シティハウス、シティテラスなど |
大京 | ライオンズ |
東急不動産 | ブランズ |
東京建物 | ブリリア |
野村不動産 | プラウド、オハナ |
三井不動産レジデンシャル | パークホームズ、パークコートなど |
三菱地所レジデンス | ザ・パークハウス、ザ・パークハウスグランなど |
具体的なマンションのブランドについては下記の記事を参考にしてください。
人気・注目のマンションのブランドは?資産価値のあるマンション選びのコツ
居住性が良い
優れた居住性を備えたマンションは、築年数が経過していたとしても、資産価値が落ちにくいです。
一方、居住環境が平凡で差別化要素のないマンションは、年月とともに資産価値が落ち込んでしまう可能性があります。
ここでは以下の4つの観点から、具体的に居住性を確認することをおすすめします。
- 日当たり・眺望が良い
- 専有面積が広い
- 需要のある間取り
- 収納や空調設備が充実
それぞれ詳しく紹介します。
日当たり・眺望が良い
日当たりや風通し、部屋からの眺めなど、快適性に優れるマンションは、資産価値が落ちにくいとされます。
内装や設備、間取りは購入後のリフォームでも変更できますが、部屋の方角や眺望は後から改善することができないからです。
資産価値が高い順に日当たりの向きを並べると、南向き・東向き・西向き・北向きとなります。
一方、たとえ南向きであったとしても、目の前にビルやマンションが建っている場合には、日当たりや眺望が期待できません。周辺の建物の状況や建設予定の施設などについても考慮しましょう。
専有面積が広い
専有面積の広さも、マンションの資産価値を決める重要な要素です。専有面積とは、共用廊下やエレベーターを除く、部屋の所有者が自由に使える面積のことです。
専有面積が広くなると物件価格も上昇しますが、リフォームの自由度が高く陳腐化しにくいメリットがあります。ただし、専有面積の広さを優先して駅から遠く立地条件の悪い物件を選んでしまうと、資産価値が落ちやすくなります。
ポイントは、立地条件を優先しながら、専有面積の広い物件を探すことです。
需要のある間取り
資産価値の高い間取りは、その地域に住む世帯によって変化します。
一人暮らしの世帯が多ければ、ワンルームや1DK、1LDKの需要が高まり、子育て世帯が多ければ、3LDKや4LDKの間取りも需要が高まります。
それぞれの地域に合わせてニーズの高い間取りのマンションを選ぶと、資産価値が落ちにくくなります。新築マンションを選ぶ際には、その地域に単身者向け・ファミリー向けのどちらのマンションが多いのかも併せてチェックすると良いでしょう。
収納や空調設備が充実
収納スペースや空調設備など、住環境の設備が充実していることも確認のポイントです。
床暖房や食器洗い乾燥機、ウォークインクローゼットなどの専有部分はもちろん、郵便ポストやエレベーター、オートロック、ペット用の足洗い場など共用部分の設備も考慮すると、資産価値の下がりにくい物件を探すことができます。
ただし、収納スペースや設備の面については、リフォームで変更することのできる部分のため、資産価値を考える上では、優先順位を後にしても良いでしょう。
外部的な要因にも注目しておく
上述した通り、新築マンションの資産価値はエリアや住環境など、様々な要因によって上下します。しかし不動産全般において資産価値に注目する場合、これらの要因以外にも、経済や政策など、外部的な要因も踏まえておかなければなりません。
例えば、政策での不動産の価値が変動すると言われている例として「2022年問題」が挙げられます。「2022年問題」とは生産緑地が指定解除される2022年に、地価の下落が起こるのではないかと懸念されている問題のことです。
生産緑地が指定解除されることで、一気に宅地が増加し、不動産が供給過多になれば不動産価格の下落が予想されます。
このように、政策や市場の状況などによっても資産価値は変わってくるため、価格はもちろん、不動産業界における動向などにも注目しておく必要があります。
資産価値が下がりにくい新築マンションを選ぶために
資産価値が下がりにくい新築マンションを選ぶ際には、立地・ブランド・住環境の3つのポイントを確認することが重要です。
特に人気のエリアや、生活・交通の利便性が高いエリア、災害リスクの低いエリアなどを優先して選ぶことで、長期的に値下がりのしにくい物件を購入することができます。
なお、新築マンションだけでなく、中古マンションも視野に入れて物件選びをお考えの方は、会員制家探しサイトHousii(ハウシー)もご活用ください。
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