日本の猫の推計飼育頭数は、2017年に犬の飼育頭数を超え、現在は約9,644頭と推計されています。[注1]
マンションなど共同住宅の需要が高まっていることからも、マンションで猫を飼う人が増えているのではないでしょうか。猫との暮らしにあこがれる方も多いかと思いますが、マンションで猫を飼うときは注意も必要です。
こちらの記事では、マンションで猫を飼うときのポイントと注意点、飼いやすい種類について説明し、より快適に猫と暮らせるリフォーム施工事例を紹介します。
[注1]ペットフード協会:令和2年全国犬猫飼育実態調査主要指標サマリー
マンションで猫を飼うのはあり?
猫と気ままに過ごす暮らしに憧れて、これから猫を飼い始めようかと検討している方も多いのではないでしょうか?
そもそもマンションで猫を飼うことはできるのか、猫をマンションで飼っても問題ないのかを解説します。
ペット可の物件なら問題なく飼える
マンションで猫を飼うことについては、「ペット可」の物件であれば何の問題もありません。
近年のペットブームにあわせて、賃貸であっても「ペット可」の物件の数は増えています。とはいえ、全体で見ればペット不可の物件に比べてまだまだ数が少ないため、エリア相場よりも家賃が高くなる傾向にあると覚えておきましょう。
ペット不可のマンションで猫を飼うことはできる?
「ペット不可の物件だけど、こっそり飼えばバレないのでは……」と考える方もいるかもしれませんが、物音や近隣の方からの目撃情報によってバレるケースが多いと言われています。
管理会社に猫を飼っていることがバレると別の方に猫を引き取ってもらうか、ペット可の物件に引っ越すしかなくなるため、猫を飼いたいのであればはじめからしっかりペット可の物件を探して住むようにしましょう。
猫はマンションで飼うのに向いているペット
他のペットと比べて、猫は比較的マンションで飼うのに向いているペットです。理由としては、以下が挙げられます。
- 鳴き声が少ない
- 物音を立てない
- 散歩が不要
- 体が小さい
猫は犬と比べて、大きな声で鳴くことは少ないペットです。発情期や仲間を呼ぶために鳴くことはありますが、来客時やチャイムの音に反応して鳴く習性はありません。
体が柔軟な動物なので歩いたり走ったりするときに物音を立てづらく、犬のように定期的な散歩も必要ないことも、マンションの一室で飼うには適していると言えます。
また猫は平面の移動よりも、上下の移動を得意とする動物なので、マンションの広さでも十分に飼えます。運動不足を解消するために、キャットタワーやキャットウォークなどを設置し、遊び場所を作ってあげると喜ぶでしょう。
猫をマンションで飼う前に確認すべきこと
マンションで猫を飼い始める前に、次のことを確認しておくと安心です。
- マンションの防音性は問題ないか
- 猫を飼うのに十分な広さか
- 近隣に動物病院があるか
マンションの防音性は問題ないか
基本的には鳴き声が少ない動物ですが、子猫のときやお腹をすかせているときは頻繁に鳴くこともあります。また、高いところが好きな猫は、キャットタワーや棚の上などから床に飛び降りて移動することもしばしば。
そうした鳴き声や物音が隣の部屋にも聞こえてしまうと、いくらペット可の物件であってもクレームに繋がりかねません。
入居時に防音性を確認しておき、必要であれば防音マットを敷くなどの対策をとりましょう。
猫を飼うのに十分な広さか
猫を飼うということは、トイレやエサの置き場、おもちゃなど様々な用具が必要になります。
自分一人で暮らすには十分な広さであったとしても、これらの猫のための用具を置くスペースを確保できるか、そのうえで猫と自分が快適に暮らすことができるかを事前にシミュレーションしておくのがおすすめです。
キッチンに猫が自由に出入りできる間取りだと誤飲・誤食といったリスクもあるため、ワンルームは避けた方が無難です。もしどうしてもワンルームが良い場合は、間仕切りを活用するなど猫に危険が及ばないように工夫をしましょう。
近隣に動物病院があるか
立地の面では、何かあったときに駆け込むことができる動物病院があるかを事前に確認しておくことをおすすめします。
何駅も電車に乗らないと動物病院がない…なんてことになると、夜中に急に猫の体調が悪くなったときに大変な思いをすることになります。入居を決める前に、近隣の動物病院の場所を調べておくようにしましょう。
猫をマンションで飼うときの3つの注意点
マンションで飼うのに向いている猫ですが、気を付けなければいけない点もあります。- ベランダからの落下や脱走防止の対策をしておく
- 留守番中も冷暖房が必要
- 壁や家具で爪とぎをしてしまうことがある
ベランダからの落下や脱走防止の対策をしておく
高層階で猫を飼うときに気を付けたいのが、ベランダからの落下事故です。
洗濯物を干すためにベランダの窓を開けっ放しにしていて、その隙に猫がベランダに出てしまう可能性は十分考えられます。2階程度の高さであれば猫が飛び降りたとしてもなんてことなかったとしても、5階以上など高層階の場合、ケガでは済まないかもしれません。
万が一に備えて、ベランダにネットを張っておく、そもそもベランダに出さないように脱走防止の柵を設置するなどの対策をとっておくようにしましょう。
留守番中も冷暖房が必要
猫を飼う場合は、飼い主が留守の間も、冷暖房が必要であることを忘れてはいけません。真夏の室内は30℃を超えることも珍しくなく、冷房をつけずに外出すると、猫が熱中症を起こす危険があります。
特に長毛種の場合は、ある程度の寒さには強いものの日本の暑さは苦手です。命の危険もあるため、夏の冷房は必須といってよいでしょう。
また、猫は寒がりなペットでもあります。猫の祖先は古代エジプトで暮らしていたため、もともと寒さに弱いです。
特に無毛種のスフィンクスや、ベンガルなど野生に近い種類、アメリカン・ショートヘアなど温暖な地域出身の猫は、寒さに弱いといわれています。
マンションで猫を飼うときは、冷暖房が必須になるため、電気代がかかることを理解しておきましょう。
壁や家具で爪とぎをしてしまうことがある
猫は伸びた爪のケアや、マーキングをするために、爪とぎをする動物です。爪とぎには、古くなった爪の上層部を剥がし、新しい爪に入れ替える役割があります。また、猫は肉球にある臭腺からにおいを発し、マーキングをする習性を持っています。爪とぎをしながらにおいのもとを分泌して、自分の場所をアピールしているのです。
特にマーキングのために爪とぎをする場合は、壁や家具など、飼い主にとって困る場所で爪とぎをしてしまうことがあります。
猫にとって、爪とぎは大切な行動であり、無理やりやめさせることはできませんが、壁や家具を爪とぎから守る対策をとることで予防ができます。
猫をマンションで飼う際にできるトラブル対策
マンションで猫を飼うときは、近隣トラブル防止や室内の損傷・汚れ予防のための対策が必要です。ここでは、猫をマンションで飼うときに、トラブルを防止するポイントについて解説します。
鳴き声防止のためにも去勢・避妊手術をする
発情期の猫の鳴き声を防止するには、去勢・避妊手術が一般的な対策方法です。猫は発情期に入ると、普段よりも大きな声で頻繁に鳴くようになります。メス猫の発情期は、春先がピークです。春だけでなく冬にも発情することがあり、昼夜問わず大きな声で鳴いてオス猫を呼びます。
オス猫の場合は、メスの鳴き声に誘発されて発情期を迎えます。オス猫の場合は発情だけでなく、テリトリーをアピールするために鳴くこともあり、この場合も去勢手術が有効です。
去勢・避妊手術は、鳴き声防止だけでなく、マーキング予防にも効果的と考えられています。繁殖の予定がないなら、生殖器の疾病予防のためにも、猫の去勢・避妊手術をするのが好ましいでしょう。
爪とぎ対策をする
マンション、特に賃貸物件では、爪とぎやマーキングが問題となります。物件の損傷や汚れが多いと退去時に修繕費用を求められる可能性も。猫の爪とぎを予防するには、主に次の方法があります。
- 爪切りをこまめにおこなう
- 爪とぎの種類や置く場所を工夫する
- 爪とぎされたくない家具にはカバーをつける
- ネイルキャップをつける
猫の爪とぎを予防するには、こまめに爪切りをしてあげましょう。
猫が自分で爪とぎをする機会を少なくすることが重要です。また、猫の爪にネイルキャップをつける方法もあります。ネイルキャップとは猫の爪につける柔らかい素材のカバーで、爪とぎによる壁や家具の損傷を物理的に防止します。
ネイルキャップは、猫の爪が伸びると自然にとれる仕組みです。カラーが豊富で、爪とぎ予防をしながらおしゃれアイテムとしても人気があります。
爪とぎの種類や置く場所を工夫することも、壁や家具で爪とぎをさせない方法の1つです。猫が爪とぎをしたい場所に置いたり、爪とぎしやすい素材のものに変えることで、壁や家具で爪とぎすることを防げるかもしれません。
どうしても壁や家具で爪とぎをしてしまう場合は、カバーをつけて傷を予防するのもよいでしょう。デザイン性は落ちますが、特に賃貸マンションなど、退去時の原状回復工事にかかる費用を考えると、必要な対策といえます。
快適に猫と暮らすためのマンションリフォーム
猫との暮らしを楽しむために、おすすめなマンションリフォームの施工事例を紹介します。
壁にキャットウォークを設置
猫は高いところが大好きな動物です。壁にキャットウォークを設置すれば、猫が歩いたりくつろいだりできます。段差をつけ、上り下りを楽しめるように工夫することで、猫が家の中でも飽きずに過ごせるでしょう。
キャットウォークもナチュラルテイストにすることで、インテリアと馴染み、部屋のデザインの一部になっていることがポイントです。
留守番のときも安心な仕切れる間取り
猫をお留守番させるときに心配なのが、留守中のいたずらです。
部屋に間仕切りを設置することで、猫が留守番をするときのいたずら防止に役立ちます。普段は開けておけば広々とした部屋で猫が運動でき、留守中は間仕切りを使用して、猫が入ってほしくない部屋への侵入を防げます。
マンションで飼うのにおすすめの猫の種類
猫の種類は、血統登録機関の非公認も含めると、約100種といわれています。マンションで飼う場合、活発でない大人しい性質の猫種がおすすめです。猫は顔の形で性質が異なるといわれており、なかでも「ラウンド」と呼ばれる顔の形が横長の猫種は、大人しい性格です。
一方、顔が逆三角形になるほど、野性味が強く活発になります。ここでは、マンションで飼うのにおすすめな猫の種類を紹介します。
スコティッシュ・フォールド
スコティッシュ・フォールドは、雑種以外で2番目に多く日本で飼われている種類です。
幅広の顔に垂れた耳が特徴的ですが、すべての猫が垂れ耳ではなく、立ち耳のスコティッシュ・フォールドもいます。性格は物静かで優しく、人によく慣れます。
マンションでも飼いやすく、見た目の愛嬌もあるため、人気の猫です。
ペルシャ
大人しい猫の代名詞ともいえるペルシャは、落ち着きがあり、鳴き声も小さいため、マンションで飼うのにおすすめの種類です。
ふわふわとした被毛と、丸い目、低い鼻が特徴です。
一方で、長毛種のため手入れが大変な猫でもあります。ケアを怠ると、せっかくの被毛が毛玉になってしまうので、こまめなブラッシングが必要です。
エキゾチック・ショートヘア
エキゾチック・ショートヘアは、見た目は短毛のペルシャに見えます。
丸い顔と、低い鼻がかわいらしく、被毛が短いことが特徴です。短毛のため、被毛のケアがペルシャほど必要ではなく、飼いやすいでしょう。
性格も穏やかで、のんびりとしているため、マンションで飼育するのに向いています。マイペースな性格は、シニア世代にもおすすめできます。メイン・クーン
大型の猫が好みなら、メイン・クーンがおすすめです。
メイン・クーンは猫の大型種の1つで、大きな子では体重が10kgを超えることもあります。長毛種で、尻尾が長いことが特徴です。
メイン・クーンは、「ジェントル・ジャイアント(優しい巨人)」と呼ばれるほど、おっとりとした性格をしています。
大型種らしい落ち着きと、人懐っこさが人気の猫です。のんびりとした性格なのでマンションでも飼いやすく、大型種が飼いたい人に向いています。猫を飼えるマンションを探すならHousii(ハウシー)
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