土間のある家とは靴を脱がずに土足で歩くために作られたスペースです。床を張らないため、昔は三和土(たたき)が使われています。現在ではコンクリートやモルタル、タイルなどで仕上げるのが一般的です。
土間と居室の間には高さがあり、古民家では広い土間を設けることで台所や作業場所として利用されています。
本記事では、近年見直されている土間の魅力と活用方法などを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
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土間のある家の魅力
土間というと、古民家などのイメージが強いかもしれませんが、さまざまな使い方ができるその魅力から、最近では新築でも土間を取り入れた物件が増えています。
昔は三和土が主流だった土間も、現在ではコンクリートやタイルなど素材を選べることから、お洒落で機能性の高い空間として活用できるのです。
土間とは
土間とは、家に入った際にそのまま土足で歩けるスペースのことで、玄関近くに設置されていることが多いです。
部屋の空間の一部として使用することもできますが、床が貼られていないので、中庭として使用したり、作業道具の手入れの場として使用したりとさまざまな使い方が可能です。
もともとは日本の古民家によく見られる形で、昔は客間や商売の場などにも使用されていました。
今ではコンクリートやタイルなどデザインできる
土間といっても最近のものはデザイン性が高いものも多く、中にはコンクリートやタイルなどでできたタイプのものもあります。コンクリートやモルタルなら土足で使用しても汚れが簡単に水洗いできるので、さまざまな使い方ができるメリットがあります。
また、屋根や柱がある内と外の中間のような空間なら、デザイン性の高さだけでなく使い勝手が良い点も魅力的です。
土間のある家の活用方法
土間を活用する際は土足で使える点や内と外の中間である点などメリットを最大限活用することがポイントです。土間のある家の活用方法は以下のとおりです。- 収納場所としての空間
- 広く使える趣味の空間
- 家庭菜園を楽しむ庭の空間
- コミュニケーションの空間
- 多目的に使える空間
収納場所としての空間
家に土間を設けることでケースで買った飲料水や缶詰などの食料品、トイレットペーパーなどの日用品をそのまま置いておくストックスペースとして活用できます。
また、土足で使えることから室内に持ち運ぶには少し汚れが気になるダンボール入り商品の保管場所としてもよいでしょう。
家の中でも比較的涼しい土間は野菜の保存にも適した場所です。土間を収納に活用することで、室内を広々と快適に使えるでしょう。
広く使える趣味の空間
バイクや自転車の手入れやDYIなど、室内では汚れが気になり屋外では天候が気がかりな趣味も半屋外の土間では快適に作業できます。
また、野球やゴルフ、キャンプなど外で楽しむスポーツやレジャー用品は土間にそのまま収納しておくと、すぐに持ち運びができ快適です。犬を飼っているなら散歩の後、土間で体や足を綺麗しておくと、室内にスムーズに入ることができます。
家庭菜園を楽しむ庭の空間
庭で家庭菜園をしているなら、取れた野菜の泥を落とすなどキッチンに持っていく前の下処理スペースとしても活用できます。
また、ベランダ菜園のようにプランターや鉢を使って花やハーブ、葉物野菜を育てるのにも適しています。半屋外なため雨にぬれずに作業できる、料理などで必要になったらすぐに収穫できるところも魅力的です。
コミュニケーションの空間
土間に椅子とテーブルを設置すれば、友人や近所の方とのコミュニケーションスペースとしても活用できます。靴を脱がずにすぐ溶け込めるスペースは、カフェのように居心地よく寛ぐことができるでしょう。また、第二のリビングとして家族で利用することもできます。
多目的に使える空間
使い方を限定せず、フリースペースとして活用できるところも土間の魅力です。洗濯物を干すために使うことや友人とお茶を楽しむために活用するなど、その時々で違った使い方を楽しむことができます。
土間のある家のメリット
これから土間のある家を作る場合は事前に土間のメリットを知っておくとスムーズに土間の採用を決めることができます。土間のある家のメリットは以下のとおりです。- 屋内と屋外の良いところを活かせる
- パブリックやプライベートどちらにも使える
- 自由に使えるスペースが手に入る
- 夏は暑さを和らげる空間として活用
屋内と屋外の良いところを活かせる
天候に左右されずゆったりと作業に集中できる屋内と汚れを気にせず自由に活動ができる屋外、両者の長所を併せ持ったスペースが土間です。土足で利用でき、居室より低い位置にあるため、土埃が出る作業や天候に左右される作業でも心地よく使うことができるでしょう。パブリックやプライベートどちらにも使える
家の中でも外でもない曖昧さも土間の魅力です。この特徴を活かして、土間はパブリック、プライベートどちらにも利用しやすい空間です。例えば、友人や来客をもてなすために、わざわざ応接間を設けたり、居間を片づけたりしなくとも土間があれば心地よい交流の場が生まれるでしょう。自由に使えるスペースが手に入る
土間は屋内や屋外どちらの要素もあるため居室や庭以上に自由な使い方が可能です。例えば、土足で使えるメリットを活かして、子どもの遊び場としても活用できます。また、来客の目に入る場所という特性を活かし、お気に入りのアートや花などを飾って自分だけのお店のように仕立てるのも面白いでしょう。想像力を刺激する、フレキシブルな空間として活用できます。
夏は暑さを和らげる空間として活用できる
土間は地面に近く、コンクリートやタイルなどを打ちっぱなしにすることから夏場は室内よりも涼しく感じられます。土間に椅子を並べて玄関に蚊帳を取り付ければ、初夏なら吹き抜ける風だけでも涼しくすごすことができるでしょう。エコを意識した生活の実現や夏場の電気代節約も魅力のひとつです。土間のある家のデメリット
半屋外の特徴を活かして空間を自由に使える土間ですが、湿度や冬の寒さなど気になる点も存在します。土間の持つデメリットは以下のとおりです。- 湿気がこもりやすい
- 冬場は寒い
- 汚れが目立つ
- 居室との行き来が面倒になる
- バリアフリー化しにくい
湿気がこもりやすい
土間のある家は屋内の温かい空気と屋外の冷たい空気が交差するスペースのため、湿気がこもりやすいです。特に冬場は土間の外壁に面した部分や屋内と土間を区切る段差部分に結露や凍結が発生しやすいです。対策方法としては、壁材に吸湿性の高い珪藻土などを利用する、断熱材を使うなどの方法があります。他にも収納スペースとして利用しているなら、定期的に荷物をずらして湿気がこもらないようにするのも対策のひとつです。
冬場は寒い
土間は地面から近いため、冬場は寒くなりがちです。そのため、土間を作業スペースとして利用したい、室内の中央に作りたいなど計画がある場合は冬の寒さ対策を意識して設計しましょう。断熱材を利用するほか、薪ストーブや石油ストーブを活用する方法もあります。汚れが目立つ
自転車の収納や家庭菜園など泥や埃を気にせず使える半面、手入れをしないと汚れが目立ってしまいます。軽い汚れなら箒で掃く、固く絞った布で拭くなどの手入れで問題ありません。しかし、最初から汚れやすい作業に使う前提であれば設計の際、水道設備や排水溝も合わせて作っておくと掃除が楽に行えます。また、手入れをしやすいタイル素材を利用するのも対策のひとつです。
居室との行き来が面倒になる
土間のある家を作る際、リビングやキッチンなど居室にまたがってしまうと、部屋の行き来の度に靴を履き替えなくてはいけません。そのため、設計場所によっては土間を使うことに煩わしさを感じてしまう恐れがあります。対策方法として、すでに土間を作っているのであれば脱ぎ履きしやすいサンダルや靴などを使うとよいでしょう。また、まだ土間を作っていない場合は設計場所を玄関にすることで生活導線を遮らずに済みます。
どうしても室内を横断する形で土間を作りたい場合は、長く使うことを考慮した上で専門家の意見も仰ぐとよいでしょう。
バリアフリー化しにくい
土間と居室の間の段差が大きいと子どもが使いづらいだけでなく、将来的にはバリアフリー化しにくいというデメリットがあります。そのため、バリアフリー化を考えているのであれば、段差をつけすぎない低めの設計にしておくとよいでしょう。他の対策方法としては、広い土間ならスロープや手すりを取り付ける方法があります。しかし、狭い土間の場合は埋め立てて段差をなくすといった工事が必要になります。
土間のある家を作る際のポイント
土間は自由に利用できる点が魅力ではありますが、ある程度利用目的を絞って設計しないと、使い勝手の悪さにつながりかねません。土間のある家を作る際のポイントは以下のとおりです。- 利用プランを立てる
- 土間の広さや形を決める
- ドアはつけるか検討する
- その他の設備を検討する
利用プランを立てる
初めに土間を作る目的を明確にすることが大切です。土間収納として利用したいのか、それとも交流の場として活用するか、利用目的により必要となる設備は大きく異なります。どのように土間を使うのか、さらに収納や趣味のスペースとして利用するなら、どの程度のもの(量や大きさなど)を仕舞うのかも明確にしておくとよいでしょう。土間の広さや形を決める
ある程度利用プランが固まったら、目的に合った広さを選びましょう。土間は広く設計しすぎると居室を圧迫し、狭すぎると使い勝手が悪くなってしまいます。利用目的にあった適切な広さを選ぶことが使いやすい玄関土間を作るポイントです。また正方形か長方形か、形によっても印象や使い勝手が異なります。広さだけでなく土間の形状も考慮して設計しましょう。
ドアはつけるか検討する
土間から居室に向かうまでの間にドアをつけるか、つけないかも検討しましょう。ドアをつけないと広々と空間が利用できる半面、生活空間が外部から見えやすくなってしまいます。ドアをつけるとプライバシーに配慮できる半面、玄関土間に圧迫感が生まれるでしょう。これらを考慮してドアをつけずにロールカーテンで空間を仕切る、ドアをつける場合は引き戸にする方法もあわせて検討しましょう。
その他の設備を検討する
設計の大枠が決まったら、あると便利な設備を検討し土間の利便性を高めましょう。下記に一例を列挙します。- 照明
- コンセント
- 可動式の棚
- シューズボックス
- 換気口
- 水道
- 排水溝
土間は日が差さないと薄暗いため、照明を設置しておくと便利でしょう。また、趣味のスペースとして利用するなら、コンセントをつけておくと家電も利用できます。
収納が目的なら、可動式の棚を設置しておくとモノに応じて使い方を変えられます。換気口を用意しておけば湿気対策にもなります。
アウトドア用品の収納や家庭菜園での利用など汚れが予想される場合は、水道設備や排水溝をつけておくとよいでしょう。
土間のある家の活用方法を理解して魅力のある家を作ろう
土間の半屋外、土足で使えるという特徴を活かせば、プライベートからパブリックまで様々な方法で活用できます。しかし湿気が溜まりやすい、床に汚れが付きやすいなどデメリットも存在します。これらを回避するためにも、設計の際は利用方法をある程度明確にし必要となる設備や適切な床材を利用することがポイントです。便利な土間収納からガーデニングスペースまで素敵な活用方法を見つけて土間のある家の生活を楽しみましょう。
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