不動産で起業・独立した場合の成功率とは?

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不動産業の起業の成功率はどのくらい?

不動産業を経験した方の中には、自分も独立・起業したいと考える方も少なくないでしょう。他方で、起業したとして成功率はどのくらいあるのか気になる方は多いのではないでしょうか。

不動産業は都心や中心部だけでなく地方や郊外でも需要のある事業のため全国どこでも開業が可能であると考えられます。そのように考えると、不動産業を起業した場合の成功率は比較的高いのではないかと考えられるかもしれません。しかし、実際の不動産開業の成功率はそれほど高くありません。

それは、不動産業は物件を扱う地域によって需要や売上に大きく差が出るため、成功率が変わってしまうという事に由来しています。また、需要や売上の大きな地域は同業他社も必然的に多くなることから、競争が激しくなり、実績のある大手や既存企業に競争で勝つのが難しくなるという点も挙げられます。

このように、不動産業の開業は需要の高い地域で開業しても、低い地域で開業してもそれなりに課題があることになり、起業の成功率はそれほど高くないという結論になります。

しかし、成功率が高い地域というのも確実に存在はします。不動産業で起業しようとした場合にはその地域の物件の状況や競合他社の状況をよく考慮した上で成功率が高いと考えられる場所を選んで開業することが成功率を高めることが重要となります。

 

不動産業の起業が難しい理由

不動産業の起業の成功率がそれほど高くないということを解説してきましたが、では何故不動産業の起業は難しいのでしょうか。ここではその理由について解説します。

 

集客面での難しさ

不動産事業で独立を考える方というのは、多くの方が現在不動産会社で働いており、優秀な成績を残しているような非常に活躍されている方でしょう。そのため、営業力には自信があることから、独立しても十分やっていると考えている方は多いでしょう。

しかし、実際に開業してみると分ることですが、不動産会社にくるお客様は特定の営業マンがいるから来店した訳ではなく、会社の信用力や実績があるから来店したというケースがほとんどです。

そのため独立してすぐは、実績や信頼がないため集客が非常に難しく、集客が難航してしまい売上が立たないために事業を軌道に乗せることができないといった方が非常に多く見られます。

 

広告宣伝費などの負担が重い

不動産業は成約しない限り売上が立ちません。そのためには、潜在顧客に自社の存在について知ってもらう必要があります。こうした潜在顧客に自社を知ってもらうためには広告宣伝を行なうしか方法がありませんが、現在ではWEB広告やチラシ配布など様々な広告の手段があります。また、その他にも顧客が多くアクセスすることになるであろうSUUMO、ホームズ、アットホームなどのポータルサイトへの掲載も必要になります。こうしたポータルサイトへの掲載は掲載料が発生します。

特に開業初は認知度がゼロのため積極的に広告を打っていく必要がありますが、こうした広告費宣伝は継続的に行なう必要があることから月々の固定費となって経営を圧迫してしまうケースは少なくありません。

 

売上を安定させるのが難しい

不動産業は顧客を獲得し、成約に結びついて始めて売上が発生する成果報酬型のビジネスです。しかし、開業当初は集客が難しいこともあって中々成約までたどり着かず、売上が安定しないといった事態に陥りかねません。特に売買仲介の場合は、1件あたりの単価は大きいものの、単価が高い分信頼が強く求められるため売上につなげるのが難しく、売上0といった月が発生することも十分考えられます。

そこで、不動産管理のような毎月必ず発生する収入を確保しておき、売上が月ごとに大きく変動することを防ぎ、経営の不安定さを避けるといった工夫も必要になります。

 

資金不足に陥りやすい

前述の通り広告宣伝費が月々の固定費として重くのしかかる他、集客が難しいこともあって、不動産業は資金不足に陥りやすい業種といわれています。開業時に十分な運転資金を確保しておかないと、広告宣伝費以外にも人件費や事務所賃料などが必要になるためこうした費用を賄うことができず、早期に廃業となってしまうケースも少なくありません。

 

不動産業を成功させるためのポイント

不動産業の開業が難しいという理由について解説してきましたが、では不動産業を成功させるためにはどのような点に注意するべきでしょうか。そこで不動産業を成功させるためのポイントについて解説していきます。

 

業務効率化と改善を行なう

個人事業主として開業する場合や法人として開業する場合も、開業してしばらくは自分一人で事業を行なおうと考えている人は多いのではないでしょうか。その場合、営業だけでなく、経理業務や総務的な業務まで全て自分一人でこなさなければいけないことは十分認識しておく必要があります。そのため、一人で事業を行なう場合にはいくつもの業務を同時並行して行なう事になります。こうした業務の負担は中々無視できるものではありません。そこで、自分ひとりで開業する場合には、業務効率化のできるシステムを導入するなどして、業務効率化や業務改善を図りましょう。契約書の作成や物件の情報入力、経理処理など定型業務にかかる時間を短縮し、少しでも業務負担を軽くしましょう。

業務効率化によりできた時間は営業や集客の方法を検討する時間に充て、少しでも売上につながるように行動しましょう。

 

集客導線を確保

見込み客を継続的に集める仕組みを構築しておかなければ、一時的に売上が立つことはあっても、継続的な売上は見込めません。WEB集客・SNS・地域イベント・紹介・リスティング広告など、複数の集客導線を作っておくことが、集客につながる可能性を高める事ができるでしょう。

特に最近では、InstagramやYouTubeを活用した集客が成果を出している事業者も多く、こうした広告の方法で差別化を図るのも重要です。

ホームページを作成する場合には検索上位表示されるよう、SEO対策を講じることも重要です。

このように複数のチャンネルからの集客導線を確保しておくことが売上の安定につなげるために重要です。

 

スモールスタートで始める

最初から事務所に高額なテナントを借りて内装にこだわってみたり、従業員を複数雇用したり、広告に多額の費用をかけるというやり方は、すぐに資金繰りが上手くいかなくなるリスクがあるためおすすめできません。

最初は事務所も自宅の一部を利用して事務所兼自宅にするなど必要最小限の初期費用で開始するように、スモールスタートで始めることが重要となります。なぜなら、開業当初は集客が難しいため、売上を立てるのに苦労するため、とにかく生き残ることを目標にすべきだからです。

事務所をキレイにしたり、従業員を雇ったりするのは事業が軌道に乗り売上が安定してからにする方が無難でしょう。

 

しっかりとした事業計画・資金計画を立てる

不動産業は初期費用が高額になりがちで資金繰りに困った事態に陥りやすいため、失敗しないようにするためにはしっかりとした事業計画や資金計画を立てることが重要です。特に資金計画は売上が安定するまでに相当期間かかる可能性を考慮して、売上がなくても運転資金や広告費、当面の生活費などを確保できるように計画を立てておくことが重要です。

 

成功している不動産起業家に共通するポイント

では、成功している不動産起業家には共通するポイントはあるのでしょうか。ここでは成功している不動産起業家に共通するポイントについて解説します。

独自の集客導線を持っている

前述したとおり不動産業で成功するためには複数の集客導線を持っていることが重要となります。そして成功している人に共通するのは独自の集客導線を持っていることが挙げられます。例えば地元企業との提携や不動産業に関連する士業(税理士や司法書士)からの紹介、SNSやYouTube経由での問い合わせなどが挙げられます。特に昨今ではSNSを利用した集客導線が重要性を増しています。InstagramやYouTube、Tick Tockなどを活用した集客で成果を出している人も少なくありません。このように独自の集客導線を確保することで他社と差別化を図り成功を収めているのです。

 

営業力より「信用力」重視

不動産取引はお客様にとっては非常に高額な取引となります。そのためお客様の心理としては営業力が高い、トークスキルが高いといった営業マンから買うよりも信頼できる営業マンから買いたいと考えます。トークスキル等の営業力も信用されるために重要な要素となるのは事実ですが、誠実かつ丁寧に接客を行いスピード感もあるなどお客様から信頼される信用力を重視することで成約率を高め、結果的に事業を成功に導いているのです。

 

初期から地域密着に特化している

開業当初や開業してから経営が軌道に乗ってからもそうですが、基本的には大手の競合他社と比較された場合、実績や信用の面で大手に勝つというのは簡単なことではありません。そこで、大手と競争できる力を身に着けるために地域密着型の営業を展開することが考えられます。

地域密着型の営業を展開することで大手にはできない柔軟で親身なサービスを展開することで大手と差別化することができるというのは大きな強みとなります。また地域密着型とすることで広告宣伝を行う範囲をある程度絞ることができるため広告費等を最小限に抑えることができるという点も強みとなります。

 

失敗する人のパターン

では、不動産業を開業しても失敗してしまう人にはどのようなパターンがあるでしょうか。ここでは失敗する人のパターンについて解説します。

 

「なんとなく」で始めてしまう

意外と多いのですが、不動産業経験者で知人が経営者になって上手くいっているから自分も始めれば上手くいくだろうという、明確な根拠がなく事業を始めてしまうと、最初の集客ができず失敗してしまう可能性は非常に高まります。

不動産業は、専門知識や法規制、市場知識の理解など押さえるべき点を押さえた上で、どのように集客をするかといった戦略を練ったうえで事業に向かう必要があります。なんとなくで始めたというだけでは、高確率で失敗に終わってしまうということは十分に留意しておきましょう。

 

集客ができず売上ゼロ

開業前に集客の導線が確保できていないケースや見込み客の想定が甘い場合には集客ができずに売上セロが続いてしまい、事業の継続ができなくなってしまったというケースは少なくありません。

新規開業の場合、知名度が無く、信用や実績も無いため顧客となってくれる人を見つける、つまり集客をするというのは簡単なことではありません。繰り返しになりますが、競合他社や大手との競争に勝って集客するためには独自の顧客導線を確保し、地域密着型の営業を展開するなど、大手や競合他社との差別化が重要となります。

集客のためにSNSなどを活用し、積極的に情報を発信していくというのも一つの営業戦略といえるでしょう。

 

初期投資が重く、資金繰りに詰まる

不動産業は初期投資が相応にかかるビジネスである一方で開業当初は集客や売り上げが不安定になりがちなビジネスです。そうした中で、立派なオフィスを構え、多くの従業員を雇い、WEB広告から紙媒体まで大量の広告を出すといった理想のスタートを目指して過剰に初期投資してしまうと、売上が出る前に資金の方がもたなくなってしまいます。

まずはスモールスタートし、集客や売り上げが安定してから手を広げていくのが理想といえるでしょう。

 

まとめ

不動産業は営業力があることが大きな強みとなるため、優秀な営業マンの方は独立を考えがちです。しかし、新規開業して上手くいく確率は決して高くないことは知っておかなければなりません。本記事を参考に失敗するパターンと上手くいくパターンを押さえておき、企業を成功に導きましょう。