40代未経験からでも不動産業の開業は可能?
40代で不動産業未経験の方の中には、今から開業するのは遅いのではと考える方や、未経験だから無理だと諦めてしまっている方も多いのではないでしょうか。しかし、40代で未経験からでも不動産業の開業は十分可能です。実際にそういった背景を持っている方で成功している方もいます。そこで、ここでは40代未経験からでも不動産業の開業は可能かについて解説します。
年齢・業界未経験の壁はある?
未経験である事は一定のハードルとなることは事実です。例えば、不動産業の開業には宅建士の資格が必要になりますが、まずはその取得から始める必要があります。宅建士の資格取得には300時間~400時間程度の勉強時間が必要とされており、社会人が働きながらこうした勉強時間を確保するのは中々難しいといえるでしょう。
また、不動産業界が未経験だと業界特有の慣習が分からないといったケースや、営業経験が浅い場合には、営業ノウハウを得るまで苦労するといった壁も考えられます。
このように年齢による壁はそこまで大きくないものの、未経験であるということは相応の壁があるというのは事実といえるでしょう。
未経験の40代でも不動産業の開業は可能
前述の通り、40代未経験からでも不動産業の開業は可能です。むしろ20代や30代よりも社会経験を積んでいるためビジネスマナーや人脈などが備わっており、顧客から信頼されやすい点を考えると、成功確率が若い方よりも上がるという事も考えられます。
確かに未経験である事は一定のハードルになりますが、40代には、若い世代にはない強みがあるのも事実です。例えば、40代の方は20代や30代の方と比較して、人生経験があるため、お客様に安心感を与えることができます。不動産という大きな買い物をするお客様にとって営業マンが安心感を与えることができるというのは非常に大きな強みとなります。
また、40代というのは住宅を購入する層(30~50代)と年齢が近いため、感覚等が合いやすく打ち解けやすいという強みもあります。さらに過去の仕事で培った人脈や営業スキルを活かして営業に当たることができるため、若い営業マンと比較してスキルが高いという点も強みとして挙げられるでしょう。
40代未経験で不動産開業を行なうメリット・デメリット
40代・未経験が不動産開業を行なうメリットやデメリットにはどのような点があるでしょうか。それぞれの点について解説します。
メリット
未経験でかつ40代で開業するということから不安に思われる方も多いでしょうが、メリットは決して少なくありません。メリットを把握しておくことで成功率を上げることができるため、自身のメリットはしっかりと認識しておくようにしましょう。
提案力や営業力を活用して成約に結びつけることができる
40代で不動産業未経験であっても、例えば通信関係や保険、自動車といった事業の営業経験がある場合には、こうした営業経験を通じて培った提案力や接客力、営業力が身についています。このようなスキルは不動産業においても当然生きるスキルのため、これらを活用して成約に結びつけていくことが期待できます。こうした点は40代で社会人経験を積んでいることの大きなメリットといえるでしょう。
また不動産業には直接売主や貸主となる業態から仲介まで様々な業態があります。直接の売買や賃貸は物件が必要になるため在庫リスクを抱える可能性がありますが、仲介であれば在庫リスクを抱えることがありません。こうした点は不動産業の大きなメリットといえるでしょう。
デメリット
他方でメリットばかりではありません。デメリットも当然あるため事前にしっかりと理解しておきましょう。
まずは開業前に資金調達や資金繰りは入念な計画を練る必要がある点には注意しましょう。特に運転資金は余裕を持っておかないと、開業当初は集客が難しいため、中々利益が出ないためすぐに事業の継続が難しくなってしまうといった事態に陥りかねません。
二点目は、最初は新規顧客の獲得が難しいという点です。開業してすぐは実績や信頼がないために新規顧客の獲得には難航するケースが少なくありません。特に不動産業は高額な商品を取扱うため、信頼や実績を重視するお客様は多いため新規開業の場合には新規顧客の獲得が難しいという点はデメリットとして挙げられるでしょう。
三点目は開業当初は売り上げが安定しずらく経営の見通しを立てるのが難しいという点がデメリットとして挙げられます。
そして最後に新規開業者はどうしても実績がないため大手や中堅の競合他社に競争力の点で劣ってしまうという点もデメリットとして挙げられるでしょう。
開業に必要なものリスト
では、開業には何が必要なのでしょうか。ここでは開業に必要なもののリストを解説します。
宅建士資格
不動産業を行なうためには宅建士の資格を取得する必要があります。前述の通り宅建士の資格取得のためには300時間~400時間ほどの勉強時間が必要とされています。宅建士資格取得は独立開業のための大きな第一歩となるため、しっかりと対策を立て確実に合格しましょう。
開業資金
開業資金は一般的に400万程度は準備しておいた方がよいとされています。開業資金の内訳としては、事務所初期費用、営業保証金、業界団体への加入費用・年会費、宅建業免許の申請手数料、その他諸経費、営業維持費といった費用が必要となります。
法人化と個人事業主どちら?
結論からいうと未経験の場合には個人事業主として始めて、売上が安定してきた時点で法人化するのがおすすめです。
法人化は社会的な信用を得やすいなど様々なメリットがありますが、決算公告義務がある点や法人設立自体に費用がかかることを考えると初期費用に余裕がある場合であれば法人化を検討するのも良いでしょうが、初期費用に余裕がなく、すぐに事業が開始したいというようなケースでは個人事業主から始めるのがおすすめといえるでしょう。
不動産業で開業までのステップ
では、実際に開業するまでをステップ毎に見ていきましょう。
①事務所の場所を決める
まずは事務所の場所をどこにするかを決める必要があります。お客様を呼び込んで営業活動を行なう訳ですから立地や間取りは非常に重要な要素となります。
自宅の一部を事務所として利用するというのも1つの選択肢です。自宅を事務所にすれば新たな敷金や賃料、光熱費などが発生しないことがメリットとして挙げられますが、事務所として認められるための条件をクリアしにくくなるリスクがあるというデメリットもあるため注意しましょう。
②法人設立・個人事業主の届出
会社として事業を行なう場合には法人設立を行なう必要があります。法人設立の場合には定款を作成し、定款の認証を受けた後に出資金を支払い、登記することで設立が完了します。これに対して個人事業主の場合には税務署へ開業届を出すだけで足ります。
③宅地建物取引士を設置する
事務所ごとに一定数以上の専任の宅地建物取引士の設置が法律によって義務づけられています。具体的には、従業員数5人に1人は専任の宅地建物取引士である必要があります。そのため自分で宅建士の資格を取得するか資格を持っている人を雇うかのどちらかを選択する必要があります。
④宅建業の免許の申請・交付
宅地建物取引士の資格とは別に、宅建業の営業を行なうためには宅地建物取引業免許を取得する必要があります。
宅地建物取引業免許には、都道府県知事の免許と国土交通大臣の免許の2種類があります。1つの都道府県内で不動産業を営むのであれば、都道府県知事免許に、2つ以上の都道府県で不動産業を営むのであれば、国土交通大臣免許となります。
⑤供託金の供託
免許の交付を受けたら次は供託金の供託です。供託金には供託所に供託する営業保証金と保証協会へ供託する弁済業務保証金の2種類があります。営業保証金は本店一カ所につき1000万円の供託が必要になるなど非常に高額な供託金が必要となるため、多くの方は弁済業務保証金を選択します。この場合には弁済業務保証金だけでなく保証協会への入会金なども別途必要になるため、押さえておきましょう。
また、協会には全国宅地建物取引業協会連合会と全日本不動産協会があります。どちらの協会に加入するか、どこで営業するかによって入会金などの必要な費用が異なるため、事前に協会のHPなどを確認しておくようにしましょう。
不動産業の3つの業務形態
不動産業と一口に言っても様々な業務形態があります。そこで、ここでは不動産業の業務形態について解説します。
未経験におすすめの業務形態
未経験におすすめの業務形態は、「不動産管理」や「仲介」になります。その理由は、売買の場合には成約後に売上となるため、一回の収入は大きくなりますが売上として入ってくるまでに時間がかかるため、資金繰りが難しくなりがちだからです。
仲介のうち賃貸の仲介は契約までのスパンが短く、回転率が高いことや、初期資金が少なくても始めやすい点から未経験でもおすすめの業務形態と言えるでしょう。
業務形態①賃貸
賃貸は不動産業の中でもメジャーな形態で利用した事がある方が最も多い事業形態ではないでしょうか。賃貸借契約を締結させるために賃貸物件の内覧やお客様の希望するお部屋の条件などの相談を行ない、条件に合致した部屋を紹介します。
賃貸の特徴としては、成約金額が小さいため、必然的に売り上げも小さくなってしまう点がデメリットとして挙げられますが、毎月安定した売り上げが見込める業態でもあるので、経営を安定させるという点では魅力のある業務形態と言えるでしょう。
業務形態②売買
これに対して売買は、文字通りお客様との間で土地や建物の売買契約を締結する業態です。売買は賃貸に比較して売上金額が大きくなるため、開業当初に売買を成立させることができれば売上に大きく貢献することができます。
その他の売買の特徴としては、非常に高額な取引となるため成約までに手間や時間がかかることが多いことが挙げられます。
業務形態③管理
管理業務は文字通り既存物件の管理を行なう業務です。管理のメリットは長期的な売上につながるという点が挙げられます。20年や30年といった長期間管理を行なうことになるケースも少なくなく、長期的な売上の見通しが立つため開業当初は管理をメインの売上に据える会社も少なくありません。管理をメインに据えることで不動産のオーナーとの人脈もできるため、管理業務以外の話につながる可能性もあり、様々なメリットがあります。
まとめ
40代の未経験からでも不動産の開業は十分可能です。40代というこれまでの社会経験で培ってきた提案力や社会人としてのマナー、営業力をフル活用することで20代や30代の不動産経験者にない強みを活かすことができ、こうした能力は不動産事業においても大きく役立てることができます。まずは宅建士の資格取得が壁となりますが、社会人をしながら勉強しても十分合格を狙うことのできる資格です。
宅建士の資格を取得した後も資金調達や資金計画などやるべきことはたくさんありますが、不動産業を開業することができれば、高収入を狙うことも十分可能です。本記事を参考に40代、未経験であっても不動産業の開業に活かせるスキルが自分にあるか確認した上で開業を成功させましょう。



